介護

処遇改善の”第3の加算”、障害福祉分野にも 国の検討チームが報告書 職員の賃上げへ10月から

政府は介護報酬の臨時改定を行う今年10月に、併せて障害福祉サービスの報酬改定も実施する。どちらも趣旨は同じ。補助金により2月から初めた職員の月額3%ほどの賃上げを恒久化していくため、新たな加算を導入するものだ。

厚生労働省は9日、これまで議論を重ねてきた障害福祉サービスの「報酬改定検討チーム」の報告書を公表。10月から適用する「報酬算定構造」も示し、これらの中に「福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算」の新設を明記した。既存の処遇改善加算、特定処遇改善加算と並び立つ形で、賃上げを目的とする"第3の加算"が障害福祉分野にも生まれることになる。

今後、厚労省はパブリックコメントの手続きを進めていく。これを経て、障害福祉サービス報酬のメニューなどを規定する告示を改正する考えだ。適用は10月1日から。

今回の報告書には、新たな"ベースアップ加算"の算定要件や加算率が明示された。算定要件は現行の補助金や介護保険の仕組みを踏襲した内容。既存の処遇改善加算を取得していることに加え、加算額の3分の2以上を基本給、または毎月決まって支払う手当の引き上げに充てることなどが求められる。

サービスごとの加算率は表の通り。新たな"ベースアップ加算"の単位数は、これを事業所のひと月の報酬に乗じて算出する。

新たな"ベースアップ加算"を取得するためには、既存の処遇改善加算のように計画書や実績報告書などの提出が必要。厚労省は8月から申請の受け付けを初めるとアナウンスしている。(介護ニュースJOINT)

進まぬBCP策定 目途が立たない介護事業所はおよそ4分の1 厚労省の最新調査

およそ2年後の2024年度から全ての介護サービス事業所に策定が義務付けられるBCP(業務継続計画)について、未だ「策定の目途は立っていない」と答えたところが全体の2割強にのぼっていることが、国の最新の調査結果で明らかになった。「策定の見込みがない事業所は調査時点でおよそ4分の1ある状況」とまとめられている。

「進め方や検討すべきことが分からない」「職員が不足している」「時間がない」。

未策定の事業所に理由を聞くと、こうした声がとりわけ多くあがったという。このままでは取り残されるところが出る可能性もあるため、現場を適切に後押ししていくことの必要性が指摘されている。

全サービスへのBCP策定の義務化が決まったのは2021年度の介護報酬改定。現在は2024年度に向けた3年間の準備期間のさなかにある。

この調査は、現場の取り組みの進捗などを詳しく把握するためのもの。厚生労働省から委託を受けた民間のシンクタンクが、昨年の10月から12月にかけて実施した。特養や老健、訪問介護、通所介護、居宅介護支援、グループホーム、小規模多機能などが対象で、全国の1811事業所から有効な回答を得ている。

感染症と自然災害、それぞれのBCP策定の進捗は表の通りだ。「今年3月までに策定予定」とした事業所は、両方とも全体の約半数だった。「2024年3月までに策定予定」の割合や無回答も踏まえ、「見込みがない事業所はおよそ4分の1」と総括されている。

調査結果ではこのほか、規模の小さい法人ほど目途が立っていない割合が高くなる傾向が出ていた。また、今のところBCP策定が十分に進んでいない事業所であっても、例えば物資の備蓄や連絡先の整備など、必要な取り組みを既に行っているケースが珍しくないことも分かった。

調査結果のレポートにはこうした実態を踏まえ、「各種研修を通じて広く周知するなど、BCP策定に向けて動き出すよう促すことが必要」「小規模法人にはより丁寧な情報発信の方法を検討するなどの工夫が必要」といった分析が記された。併せて、次のような提言もなされている。

「最初から完璧なBCPを策定することは難しい。まずは既存のひな形を埋めるところから始め、自治体、事業者団体、職能団体らが提供する研修、新たに発出された手引き、事業所での研修・訓練などを通じて得た気づきを踏まえ、策定したBCPのブラッシュアップを図ることで、それぞれの事業所に合ったBCPに近づけていくことが、本来のあり方であることを伝えることも重要

☞BCP研修

BCP(業務継続計画)作成研修(通所介護・訪問介護・居宅介護) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

収入が減少したときに利用できる支援策

コロナ禍は3 年目に突入です。今もなお、過去に例を見ない難しい局面が続いています。福祉施設に限定した支援も数々行われていますが、幅広い業種を対象とした支援策の中にも、福祉施設が利用できる施策があります。

陽性者発生時や臨時休業にも制度利用を

 感染防止対策強化や陽性者発生時の緊急対応など、福祉施設はサービス提供維持のため、コスト面だけでなく精神面でも、長きにわたって大きな負担を強いられています。
 特にこの冬は、オミクロン株の急拡大により、介護従事者が陽性者や濃厚接触者となるケースが多発しました。人員が確保できず、サービス停止や代替サービスへの切り替え、時間短縮を余儀なくされる例が数多く発生しています。このような臨時休業には雇用調整助成金、休業支援金(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金)などの制度が利用できる他、代替サービスを行った場合に算定できる介護報酬の特例も設けられました。また、感染した従業員には、健康保険による傷病手当金や労災保険が適用できる場合があります。

深刻な売上減には、事業復活支援金も

 更なる感染予防対策や施設内療養体制の確保などのニーズに対し、追加的支援策が講じられてはいるものの、新たなコスト負担や提供サービスの限定など、経営への影響は甚大です。また感染拡大時には、通所サービスやショートステイを中心に利用控えの傾向も見られます。
 これらにより売上が大きく減少したときには、「事業復活支援金」を利用できる場合があります。事業復活支援金は、コロナの影響を受けた中小法人や個人事業者等の支援策で、福祉施設等も対象です。昨年11 月から今年3 月のいずれかの月の売上高が、直近3 年間のいずれかの同月と比べて3 割以上減少していた場合に受給できます。注目点は次の2 点です。
●この場合の売上高の計算には、事業再構築補助金、雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症に伴う特例)など、新型コロナウイルス感染症の影響に関連する給付金等は含まれません。受給されている場合は、これらを差し引いた額でご確認ください。
●比較できるのは、昨年同月の売上だけではありません。2 年前もしくは3 年前の同月の売上との比較で3 割以上の減少が見られる場合も対象です。「昨年や一昨年との比較だと当てはまらないけれど、3 年前との比較なら受給できた」というケースも見受けられます。こちらもぜひ一度、ご確認ください。
申請の締切は5 月31 日。お急ぎください。
事業復活支援金  https://jigyou-fukkatsu.go.jp/index.html

 

4 月から年金手帳は廃止され基礎年金番号通知書の発行へ

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

総務部長
4 月になり、高卒者2 名、大卒者1 名が入社しました。その初々しさが職場によい影響を与えているようです。
社労士                                                                                                                     早く職場に慣れて活躍する従業員になって欲しいですね。
総務部長                                                                                                                                                          ところで彼らの社会保険の手続きをしたのですが、高卒者の2 名について、昨年まで会社に送られてきていた年金手帳が送られてきていません。発送が遅れているのでしょうか。
社労士                                                                                                                     実は今年(2022 年)4 月から年金手帳に代わり「基礎年金番号通知書」(以下、「通知書」という)が発行されるようになりました。そして、会社に届いていた年金手帳は通知書として加入者の自宅に送付されるようになっています。
総務部長                                                                                                                                            なるほど、従業員の自宅に通知書が届いているのですね。
社労士                                                                                                                     はい。年金手帳には加入する年金の記録を記載する欄がありましたが、通知書は氏名や生年月日、基礎年金番号が書いてある書面になります。
総務部長                                                                                                                                           ところで、大卒者には年金手帳の提出を求めていました。手続きではマイナンバーを利用しているので提出が不要ではないかと感じているのですが、いかがでしょうか。
社労士                                                                                                                       マイナンバーが導入され、基礎年金番号との紐づけも進みました。会社が社会保険の手続きをする際、個人番号(以下、「マイナンバー」という)を記載すれば基礎年金番号の記載は不要なので、マイナンバーの提出ができない人のみ年金手帳や通知書を提出することとしてもよいかもしれません。
総務部長                                                                                                                                            承知しました。提出してもらった年金手帳を返却する手間もあったため、次に入社する従業員からはマイナンバーカード等を提示してもらうことで、省略することにしたいと思います。
社労士                                                                                                                                              そうですね。ちなみに、基礎年金番号は手続きが終わった後に送付される「健康保険・厚生年金保険 被保険者標準報酬月額決定通知書」にも記載されるため、従業員が年金手帳等を提出しなくても把握できます。
総務部長                                                                                                                                            そうでしたか。一度、確認してみます。ありがとうございました。

 

ONE POINT
① 2022 年4 月より年金手帳が廃止となり、その代わりに基礎年金番号通知書が発行されている。
② 基礎年金番号通知書は初めて公的年金制度(20 歳になったときに国民年金に加入する場合も含む)に加入したときに、加入者の自宅に届く。

 

2022 年度の雇用保険料率の決定と年度更新

雇用保険料率は財政状況に応じて毎年度、見直しが行われていますが、2022 年度の雇用保険料率についても3月末に決定しました。2022 年度は例年と異なり、年度の途中で雇用保険料率が変更となります。

1.2022 年度の雇用保険料率

 雇用保険の財政は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、急激に悪化しました。一方で、コロナ禍で雇用保険料率が引き上げられることに対する労使の負担感も踏まえ、2022年度については段階的に引き上げられることになりました。
 具体的には下表のとおり上期(2022 年4 月1日から9 月30 日まで)と下期(2022 年10 月1日から2023 年3 月31日まで)に分けて変更されます。上期の雇用保険料率は、2021 年度と比較し、会社負担が0.5/1,000 引き上げられるのみとなります。そのため、給与から控除する従業員負担の雇用保険料率を変更する必要はありません。 

 

2. 注意が必要な年度更新

 2021 年度の確定保険料と2022 年度の概算保険料を申告・納付する2022 年度の年度更新では、2022 年度の概算保険料(雇用保険分)について、上期の概算保険料額と、下期の概算保険料額を賃金集計表で計算し、その合計額を2022 年度の概算保険料として納付することになっています。
 例年であれば、前年度の賃金額の合計を集計することで、確定保険料と概算保険料を算出できますが、2022 年度の年度更新は複雑になります。年度更新申告書に同封される厚生労働省のパンフレットを確認して、集計に誤りのないよう注意して進めましょう。

 

これまで雇用保険の財政が安定していたことから、雇用保険料率は低く抑えられていました。上期からの急激な引き上げは見送られたものの、下期の引き上げは従業員の生活に影響が出てくることもあるでしょう。従業員に早めに周知するといった対応も検討したいものです。

 

 

【稲盛和夫が語った“成功と失敗の法則”】人生とは心の反映である

 

     「人生とは心の反映である」

 

 

  稲盛和夫(元京セラ名誉会長/日本航空名誉会長)  

輝くような大成功を収め、

「あんなに幸せな人はいない」と人々の羨望を集めていた人が、

いつのまにか没落を遂げていく――

 

 

近年、そのようなことに

接することが数多くあります。

 

 

私は、そのたびに心を痛めると同時に、

 

 

「なぜ、いったん成功を手にしながら、

 それが持続しないのか」

 

 

ということを考えることがよくあります。

 

 

人は往々にして、たくさんの人々の支援を得て

成功を収めたにもかかわらず、

その原因を自分に能力があるからだと考え、

次第にその成果もすべて独り占めしたいと思うようになります。

 

 

このように、自分でも気づかないうちに、

少しずつ傲慢になっていくことで、

次第に周囲の協力が得られなくなります。

 

 

また、人は成功を収めても満足することなく、

 

 

「もっと有名になりたい」

「もっとお金持ちになりたい」と、

 

 

欲望を際限なくふくらませてしまいがちです。

 

 

そのようにして、生きていく上で最も大切な

「足るを知る」ということや謙虚さを忘れてしまうことから、

その成功が長続きしないのです。

 

 

私は、この宇宙には、すべての生きとし生けるものを、

善き方向に活かそうとする「宇宙の意志」が流れていると考えています。

 

 

その善き方向に心を向けて、ただひたむきに努力を重ねていけば、

必ず素晴らしい未来へと導かれていくようになっていると思うのです。

 

 

一方、足ることを忘れ、謙虚さを失い、

ただ「自分だけよければいい」というような利己的な思いを抱き、

自分勝手に行動するなら、宇宙の意志に逆行し、

一度成功したとしても、それが長続きしないのです。

 

 

そうであるなら、私たちは心の中に頭をもたげる

利己的な思いをできる限り抑えるように努め、

他に善かれと願う「利他」の思いが少しでも多く湧き出るように

していかなければなりません。

 

 

例えば、他人の幸せを妬ましく思う心を抑え、

一緒に喜んであげる、

 

 

また他人の悲しみを自分のことのように嘆き、

励ましてあげる、

 

 

さらには他人への怒りを抑え、

優しい思いやりの心で接する、というように、

「心を整える」ことに努めるのです。

 

 

ジェームズ・アレンは、その著書の中で、

「心を整える」ということを、次のように表現しています。

 

 

「人間の心は庭のようなものです。

 それは知的に耕されることもあれば、

 野放しにされることもありますが、

 そこからは、どちらの場合にも必ず何かが生えてきます。

 

 もしあなたが自分の庭に、美しい草花の種を蒔かなかったなら、

 そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち、

 雑草のみが生い茂ることになります。

 

 すぐれた園芸家は、庭を耕し、雑草を取り除き、

 美しい草花の種を蒔き、それを育みつづけます」

 

 

 「私たちも、もしすばらしい人生を生きたいのなら、

 自分の心の庭を掘り起こし、そこから不純な誤った思いを一掃し、

 そのあとに清らかな正しい思いを植えつけ、

 それを育みつづけなくてはなりません」

 

 

素晴らしい人生を送りたいと思うなら、

あたかも庭を耕すように、心の中にもたげる、

「悪しき思い」という雑草を取り除き、

「善き思い」という種を蒔き、

それを大切に育み続けることが大切だと、

アレンは述べています。

 

 

「知的に耕す」とは、理性をもって自分自身に、

「そうあれ」と繰り返し言い聞かせることです。

 

 

このようにして心を整えていくことで、

ともすれば私たちの心の中にもたげる、

欲にまみれた心、憎しみにまみれた心、怒りに満ちた心を取り除き、

慈悲の心、愛の心といった美しい「花」を咲かせることができるのです。

 

 

この「心を整える」ということは、

一見仕事や人生とは関係がないことであるかのように思いがちです。

 

 

決して、そうではありません。

 

 

仕事の成果も、人生の業績もすべて、

その人の心のまま現れてくるものです。

 

 

ならば、素晴らしい人生を送るための生き方も、

立派な業績をあげるための方法も、決して複雑なわけではありません。

 

 

成功を収めても、謙虚さを忘れず、足ることを知り、

すべてのことに感謝し続けること、

 

 

一方、不運に出遭っても、それを素直に受け入れ、

前向きな生き方を続けること、

 

 

そのようにして素晴らしい人格を身につけるよう、

常に心を整え、心を高める努力を倦まず弛まず

重ねていきさえすればいいのです。

 

 

私は、そのような一人ひとりの不断の努力こそが、

よい社会を実現する、唯一の方法であることを信じています。

(月刊 致知2014年特集記事より)

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしましたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れようとしません。注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われてしまうようでは、上司としては、注意すること自体出来なくなってしまいます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

 

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、裁判例によると、「合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えた、いわゆるパワーハラスメント」(名古屋高裁H191031)「人格、存在自体を否定するもの」(東京地裁H191015)といった要素が挙げられています。

また厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(H24130日)は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

 また、ご質問のように、パワハラのとらえ方としてよくあるものが「相手がパワハラと感じたらパワハラ行為になる」などと、あたかも相手の感じ方でパワハラ行為か否かが決まってしまうといったような誤った認識があります。このような認識が原因で、必要に応じて部下を強く指導・教育する必要があっても、それを躊躇してしまうようなこともあるのではないかと思います。重要なことは、「相手がその行為をどう感じたかではなく」、その行為自体に「社会通念上、許容される範囲を超える」ところがあったか否か、ということになります。

 

さて、御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 また、最近はスマホなどを使用し、指導教育の内容を「無断録音」されているようなケースも多いのではないかと思います。この場合、当然ながら「言った、言わない」という話にはならないわけで録音された発言が、それに該当するか否かが判断されるわけです。このことを踏まえると、いつも録音されているという認識をもつことで、自身の言動の抑止力にもなり、冷静な態度で指導教育が行われるのではないでしょうか。

社会保険労務士顧問業務 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

介護施設の感染対策、厚労省が実地研修の募集を開始 通知で参加呼びかけ

介護現場を非常に厳しい状況に追い込んだ新型コロナウイルスの感染対策について、厚生労働省は専門家による実地研修の受講を希望する施設を募集している。

「今後の流行にも備え、適切な対策を学ぶ機会として活用して頂きたい」

厚労省はそう呼びかけている。募集期間は今月27日までとした。介護保険最新情報のVol.1071で広く周知している。

この実地研修は、施設の職員が標準的な感染予防策や発生時の備えなどを十分に身に付けられるよう、国の事業として専門家を派遣して行われるもの。それぞれの施設の状況に応じた個別的な指導・助言を受けられる点が特徴だ。

実地研修は最大4時間。具体的な内容は、

◯ 施設の感染対策の現状に関する助言

◯ 個人防護具の着脱方法

◯ 感染の疑いが生じた際のゾーニングを含めた対応方法

◯ 施設側のニーズに応じた内容

などで構成される。

費用負担はなし。ただ、実地研修で使用する個人防護具は施設側で用意する必要がある。実施期間は今年6月から12月の間。事業者は希望日を第1から第5まで伝えることができる。申し込みを行う場合、施設の管理者、または感染対策の教育担当者が、厚労省の研修プログラムを事前に受けていることが要件となる。(介護ニュースJOINTより)

4 月以降の雇用調整助成金の 特例措置と申請内容の確認強化

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、雇用調整助成金に特例措置が設けられ、特例措置の延長がこれまで繰り返し行われてきました。今回、この特例措置が2022 年6 月まで延長されました。また、4 月以降の休業について申請内容をより適正に確認する取組みが始まりました。

1. 延長された助成内容

特例措置として設けられている内容のうち、6 月30 日までの助成率と1人1日あたりの上限額は下表のとおりです(2022 年3 月までの水準から変更なし)。 

  

制度の見直し等の都度、支給申請様式が変更されています。そのため、申請の際には、厚生労働省のホームページから最新の様式をダウンロードして利用しましょう。

2. 強化される申請内容の確認

4 月以降の休業にかかる申請から、申請内容の確認が強化されることになっており、以下の3点を中心に実施されます。
①業況特例における業況の確認の実施
毎回(判定基礎期間(1ヶ月単位)ごと)、業況の確認が行われ、要件を満たしていれば業況特例を、満たしていなければ原則的な措置(地域特例に該当するときは地域特例)が適用されます。
②最新の賃金総額からの平均賃金額の算出
初回に算定した平均賃金額を継続して活用していましたが、これを見直し、原則として労働保険の令和3年度の確定保険料の算定に用いる賃金総額により平均賃金額が算出されます。
また、企業規模の変更を希望する場合、常時雇用する労働者の数、資本の額等により確認が行われます。
③休業対象労働者と休業手当の支払い確認
判定基礎期間の初日において雇用保険の適用が1 年未満の事業主等は、休業対象労働者の氏名、年齢および住所が確認できる書類の写しおよび休業手当を含む給与の支払いが確認できる書類等の提出が求められます。

 

 不正受給への対応が厳格化され、厚生労働省は、不正受給を行った事業所名等の積極的な公表、予告なしの現地調査のほか、捜査機関との連携強化を行うとしています。また、不正受給は、刑法第246 条の詐欺罪等に問われる可能性があります。助成金を活用するときは今後も適正な申請を行いましょう。

 

 

2023 年4 月より中小企業でも 月60 時間超の割増賃金率 50%以上に

すでに大企業では、1ヶ月60 時間を超える法定時間外労働に対する割増賃金率が50%以上とされていますが、いよいよ2023 年4 月1日より中小企業にもその適用が拡大されます。そこで、以下では割増賃金率の全体像と、今後トラブルの増加が懸念される未払い賃金の時効について確認しましょう。

1. 割増賃金率の確認

 割増賃金率は下表の3 種類に分けることができます。

  

 現在、1ヶ月60 時間を超えた法定時間外労働の割増賃金率(50%以上)は大企業のみの適用となっていますが、2023 年4 月1日より中小企業にも適用が拡大され、全ての企業が対象となります。この50%以上の割増が必要となる時間は、①の法定時間外労働のみであり、②の法定休日労働をした時間数は含みません。
 一方で、①の法定時間外労働が深夜に及んだときは、③の深夜労働に対する割増賃金の支払いも必要となります。したがって、割増賃金率は①の1ヶ月60時間超と③の深夜労働を合わせた75%以上で計算して支払うことになります。

2. 未払い賃金の時効

 2020 年4 月1 日の改正民法および改正労働基準法の施行により、賃金請求権の消滅時効は2 年から5 年になりました。ただし、企業への影響を考慮し、当分の間、3 年とする経過措置が設けられています。
 この時効(3 年)は2020 年4 月1 日以降に支払日のある給与から適用されます。例えば、2020 年4月25日が給与の支払日の場合には、その3 年後である2023 年4 月24 日で消滅時効が完成します。2022 年4 月1 日より改正民法の施行から3 年目に入ることで、2022 年4月以降に未払いの賃金等がある場合、これまで最大2 年間の請求となっていたものが、最大3年分を遡って請求される事案の増加が予想されます。
 特に時間外労働に対する未払いについては、今後、1. の割増賃金率の引き上げと相まって労働者の関心が高まることから、さらに適正な労働時間管理が求められるようになるでしょう。

 

時間外労働が多い中小企業の会社にとって、割増賃金率の引き上げは、人件費の大幅な増加につながります。いまのうちから、時間外労働の削減に向けた取組みを進めましょう。そして、未払い賃金が発生しないように、改めて正しい給与計算を行うと共に、問題となりやすい管理監督者の範囲や固定残業制度の運用などについても確認をしておきましょう。

 

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