コラム

医師の勤務実態調査 厚労省 

厚生労働省は14万人の医師を対象に勤務状況の実態を調査する。9月第1週の1週間について毎日、勤務時間を記入してもらう。勤務医は長時間労働が常態化しており、実態を把握することで労働時間の短縮に向けた検討に生かす。

医師の働き方改革で厚労省は、2024年度から勤務医の残業時間の上限を原則年960時間とする。地域医療に欠かせない一部の病院や研修医などでは例外として1860時間まで許容する。労働時間を短縮する計画や健康を確保するための措置などを病院に義務づけ、進捗を確認する仕組みも設ける方針だ。

今回の調査結果をもとに有識者検討会で議論し、制度の詳細を詰める。医療法の改正を念頭に、2020年の通常国会で法案提出をめざす。

調査票は病院や診療所など計約1万9千施設に配布する。医師の勤務実態や業務分担の状況のほか、施設ごとに仕事と育児の両立支援策や保育所の有無などを調べる。

勤務医は長時間労働が常態化している。大学病院の9割近くで残業時間が年1860時間超に達する勤務医がいるとみられる。過労死や医療ミスにつながる恐れがあり対策が急務となっている。

2019年8月17日日経新聞

医療事業所様向け情報(労務)8月号④

同一労働同一賃金への対応でいま行うべきこと

働き方改革の本命である同一労働同一賃金は、大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月に改正法が施行されます。実際にこの対応に着手すると、最終的には人事制度の見直しまで必要となることもあり、早めに取り掛かることが重要です。そこで今回は同一労働同一賃金の基礎知識と、当面求められる実務対応についてとり上げます。

1.同一労働同一賃金とは何か

同一労働同一賃金について、一般的には「正社員と同じ仕事をしている非正規社員に同じ額の賃金を支給しなければならない」と考えられていますが、この理解は正確ではありません。パートタイム・有期雇用労働法では、この「同じ仕事」であるかどうかを判断する要素として、以下の3つが挙げられています。

①職務の内容(担当する業務の内容と業務に伴う責任の程度)
②職務の内容・配置の変更の範囲(職種転換・転勤の有無および範囲)
③その他の事情(定年後の雇⽤であること、労働組合等との交渉の状況など)

正社員と非正規社員の仕事を比較して、①と②がまったく同じ場合には「均等待遇」として、非正規社員であることを理由とした差別的取扱いが禁止されます。しかし、現実的には、非正規社員は正社員と比べ、担当する仕事の内容が定型的である、責任の程度が低いといった状況も多く存在し、①と②がまったく同じというケースはさほど多くないと思われます。
その際に求められるのが「均衡待遇」です。①または②が異なる場合の非正規社員の待遇は、①と②の違いに加えて③を考慮して、正社員との間に不合理な待遇差のない、バランスが取れた待遇であることが求められます。
つまり、①または②が異なるという理由で、非正規社員の待遇を不合理に低く抑えることは認められません。

2.当面求められる対応

実務上、当面求められる対応は、各雇用区分における待遇の差異をまとめることです。具体的には、正社員、パートタイマー、契約社員、嘱託社員など自社の雇用区分を横軸に、基本給、諸手当、賞与、退職金、福利厚生、安全衛生などの待遇を縦軸にした労働条件比較表を作成し、その差異を把握します。そして、雇用区分によって待遇に差異のある項目は、その差異が不合理ではないと説明できるか検証します。その差異が不合理であると考えられる場合には、次のステップとして、その待遇の見直しを検討することになります。

昨年6月に同一労働同一賃金に関する初めての最高裁判決が言い渡され、その後も様々な裁判が継続しています。そうした判例により、諸手当や福利厚生については概ね求められる対応法がわかりつつありますが、基本給、賞与、退職金、扶養手当など、最も重要な論点については未だ不明確な状態にあります。それらも今後、裁判を通じて対応すべき水準が明らかになっていくと予想されます。まずは労働条件比較表の作成を通じ、自社の課題抽出を優先して行っておきましょう。

(来月に続く)

保育事業所様向け情報(労務)8月号④

同一労働同一賃金への対応でいま行うべきこと

働き方改革の本命である同一労働同一賃金は、大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月に改正法が施行されます。実際にこの対応に着手すると、最終的には人事制度の見直しまで必要となることもあり、早めに取り掛かることが重要です。そこで今回は同一労働同一賃金の基礎知識と、当面求められる実務対応についてとり上げます。

1.同一労働同一賃金とは何か

同一労働同一賃金について、一般的には「正社員と同じ仕事をしている非正規社員に同じ額の賃金を支給しなければならない」と考えられていますが、この理解は正確ではありません。パートタイム・有期雇用労働法では、この「同じ仕事」であるかどうかを判断する要素として、以下の3つが挙げられています。

①職務の内容(担当する業務の内容と業務に伴う責任の程度)
②職務の内容・配置の変更の範囲(職種転換・転勤の有無および範囲)
③その他の事情(定年後の雇⽤であること、労働組合等との交渉の状況など)

正社員と非正規社員の仕事を比較して、①と②がまったく同じ場合には「均等待遇」として、非正規社員であることを理由とした差別的取扱いが禁止されます。しかし、現実的には、非正規社員は正社員と比べ、担当する仕事の内容が定型的である、責任の程度が低いといった状況も多く存在し、①と②がまったく同じというケースはさほど多くないと思われます。
その際に求められるのが「均衡待遇」です。①または②が異なる場合の非正規社員の待遇は、①と②の違いに加えて③を考慮して、正社員との間に不合理な待遇差のない、バランスが取れた待遇であることが求められます。
つまり、①または②が異なるという理由で、非正規社員の待遇を不合理に低く抑えることは認められません。

2.当面求められる対応

実務上、当面求められる対応は、各雇用区分における待遇の差異をまとめることです。具体的には、正社員、パートタイマー、契約社員、嘱託社員など自社の雇用区分を横軸に、基本給、諸手当、賞与、退職金、福利厚生、安全衛生などの待遇を縦軸にした労働条件比較表を作成し、その差異を把握します。そして、雇用区分によって待遇に差異のある項目は、その差異が不合理ではないと説明できるか検証します。その差異が不合理であると考えられる場合には、次のステップとして、その待遇の見直しを検討することになります。

昨年6月に同一労働同一賃金に関する初めての最高裁判決が言い渡され、その後も様々な裁判が継続しています。そうした判例により、諸手当や福利厚生については概ね求められる対応法がわかりつつありますが、基本給、賞与、退職金、扶養手当など、最も重要な論点については未だ不明確な状態にあります。それらも今後、裁判を通じて対応すべき水準が明らかになっていくと予想されます。まずは労働条件比較表の作成を通じ、自社の課題抽出を優先して行っておきましょう。

(来月に続く)

介護事業所様向け情報(労務)8月号④

同一労働同一賃金への対応でいま行うべきこと

働き方改革の本命である同一労働同一賃金は、大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月に改正法が施行されます。実際にこの対応に着手すると、最終的には人事制度の見直しまで必要となることもあり、早めに取り掛かることが重要です。そこで今回は同一労働同一賃金の基礎知識と、当面求められる実務対応についてとり上げます。

1.同一労働同一賃金とは何か

同一労働同一賃金について、一般的には「正社員と同じ仕事をしている非正規社員に同じ額の賃金を支給しなければならない」と考えられていますが、この理解は正確ではありません。パートタイム・有期雇用労働法では、この「同じ仕事」であるかどうかを判断する要素として、以下の3つが挙げられています。

①職務の内容(担当する業務の内容と業務に伴う責任の程度)
②職務の内容・配置の変更の範囲(職種転換・転勤の有無および範囲)
③その他の事情(定年後の雇⽤であること、労働組合等との交渉の状況など)

正社員と非正規社員の仕事を比較して、①と②がまったく同じ場合には「均等待遇」として、非正規社員であることを理由とした差別的取扱いが禁止されます。しかし、現実的には、非正規社員は正社員と比べ、担当する仕事の内容が定型的である、責任の程度が低いといった状況も多く存在し、①と②がまったく同じというケースはさほど多くないと思われます。
その際に求められるのが「均衡待遇」です。①または②が異なる場合の非正規社員の待遇は、①と②の違いに加えて③を考慮して、正社員との間に不合理な待遇差のない、バランスが取れた待遇であることが求められます。
つまり、①または②が異なるという理由で、非正規社員の待遇を不合理に低く抑えることは認められません。

2.当面求められる対応

実務上、当面求められる対応は、各雇用区分における待遇の差異をまとめることです。具体的には、正社員、パートタイマー、契約社員、嘱託社員など自社の雇用区分を横軸に、基本給、諸手当、賞与、退職金、福利厚生、安全衛生などの待遇を縦軸にした労働条件比較表を作成し、その差異を把握します。そして、雇用区分によって待遇に差異のある項目は、その差異が不合理ではないと説明できるか検証します。その差異が不合理であると考えられる場合には、次のステップとして、その待遇の見直しを検討することになります。

昨年6月に同一労働同一賃金に関する初めての最高裁判決が言い渡され、その後も様々な裁判が継続しています。そうした判例により、諸手当や福利厚生については概ね求められる対応法がわかりつつありますが、基本給、賞与、退職金、扶養手当など、最も重要な論点については未だ不明確な状態にあります。それらも今後、裁判を通じて対応すべき水準が明らかになっていくと予想されます。まずは労働条件比較表の作成を通じ、自社の課題抽出を優先して行っておきましょう。

(来月に続く)

医療事業所様向け情報(労務)8月号③

パートタイマーの所定労働時間を見直した際の随時改定の取扱い

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:先月より1日の所定労働時間を6時間から7時間に延ばしたパートタイマーがいます。これにより給与の総支給額が増え、所定労働時間を変更した月から3ヶ月間の給与から判断すると、現在の標準報酬月額との差が2等級以上になりそうです。

社労士 :なるほど。社会保険の随時改定(月額変更)に該当するかということを、気にされ ているのですね。

総務部長:はい。給与は基本給と通勤手当で構成されており、基本給は時給、通勤手当は実際の出勤日数に応じて支給しています。今回、1日の所定労働時間は見直したものの、基本給・通勤手当ともに単価の変更はしていません。随時改定は、固定的賃金の変動があったときに該当すると認識しているのですが、このパートタイマーを対象にしなくてよいか、判断に迷いました。

社労士 :随時改定の要件の1つに「昇給または降給等により固定的賃金に変動があった」というものがあります。ここでの固定的賃金の変動とは、支給額や支給率が決まっているものをいい、日本年金機構は次のようなものが考えられるとしています。

①昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
②給与体系の変更(⽇給から⽉給への変更等)
③⽇給や時間給の基礎単価(⽇当、単価)の変更
④請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
⑤住宅⼿当、役付⼿当等の固定的な⼿当の追加、⽀給額の変更

総務部長:今回のパートタイマーはいずれにも該当しないように感じます。

社労士 :確かにそう感じられるかもしれませんが、日本年金機構は「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」を出しており、「時給単価の変動はないが、契約時間が変わった場合、固定的賃金の変動に該当するため、随時改定の対象となる」としています。

総務部長:ということは、今回のパートタイマーも随時改定の対象となるということですね。

社労士 :はい。随時改定となるかはすべての要件から判断することになりますが、少なくとも随時改定の対象になるかを確認すべきパートタイマーになります。

総務部長:承知しました。確認するようにします。ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 随時改定における固定的賃金の変動とは、昇給や降給のほか、給与体系の変更なども含まれる。
2. 所定労働時間の変更も随時改定における固定的賃金の変動に含まれる。
3. 日本年金機構から定時決定と随時改定に関する事例集が出されており、実務の参考にするとよい。

(次号に続く)

保育事業所様向け情報(労務)8月号③

パートタイマーの所定労働時間を見直した際の随時改定の取扱い

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:先月より1日の所定労働時間を6時間から7時間に延ばしたパートタイマーがいます。これにより給与の総支給額が増え、所定労働時間を変更した月から3ヶ月間の給与から判断すると、現在の標準報酬月額との差が2等級以上になりそうです。

社労士 :なるほど。社会保険の随時改定(月額変更)に該当するかということを、気にされ ているのですね。

総務部長:はい。給与は基本給と通勤手当で構成されており、基本給は時給、通勤手当は実際の出勤日数に応じて支給しています。今回、1日の所定労働時間は見直したものの、基本給・通勤手当ともに単価の変更はしていません。随時改定は、固定的賃金の変動があったときに該当すると認識しているのですが、このパートタイマーを対象にしなくてよいか、判断に迷いました。

社労士 :随時改定の要件の1つに「昇給または降給等により固定的賃金に変動があった」というものがあります。ここでの固定的賃金の変動とは、支給額や支給率が決まっているものをいい、日本年金機構は次のようなものが考えられるとしています。

①昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
②給与体系の変更(⽇給から⽉給への変更等)
③⽇給や時間給の基礎単価(⽇当、単価)の変更
④請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
⑤住宅⼿当、役付⼿当等の固定的な⼿当の追加、⽀給額の変更

総務部長:今回のパートタイマーはいずれにも該当しないように感じます。

社労士 :確かにそう感じられるかもしれませんが、日本年金機構は「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」を出しており、「時給単価の変動はないが、契約時間が変わった場合、固定的賃金の変動に該当するため、随時改定の対象となる」としています。

総務部長:ということは、今回のパートタイマーも随時改定の対象となるということですね。

社労士 :はい。随時改定となるかはすべての要件から判断することになりますが、少なくとも随時改定の対象になるかを確認すべきパートタイマーになります。

総務部長:承知しました。確認するようにします。ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 随時改定における固定的賃金の変動とは、昇給や降給のほか、給与体系の変更なども含まれる。
2. 所定労働時間の変更も随時改定における固定的賃金の変動に含まれる。
3. 日本年金機構から定時決定と随時改定に関する事例集が出されており、実務の参考にするとよい。

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(労務)8月号③

パートタイマーの所定労働時間を見直した際の随時改定の取扱い

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:先月より1日の所定労働時間を6時間から7時間に延ばしたパートタイマーがいます。これにより給与の総支給額が増え、所定労働時間を変更した月から3ヶ月間の給与から判断すると、現在の標準報酬月額との差が2等級以上になりそうです。

社労士 :なるほど。社会保険の随時改定(月額変更)に該当するかということを、気にされ ているのですね。

総務部長:はい。給与は基本給と通勤手当で構成されており、基本給は時給、通勤手当は実際の出勤日数に応じて支給しています。今回、1日の所定労働時間は見直したものの、基本給・通勤手当ともに単価の変更はしていません。随時改定は、固定的賃金の変動があったときに該当すると認識しているのですが、このパートタイマーを対象にしなくてよいか、判断に迷いました。

社労士 :随時改定の要件の1つに「昇給または降給等により固定的賃金に変動があった」というものがあります。ここでの固定的賃金の変動とは、支給額や支給率が決まっているものをいい、日本年金機構は次のようなものが考えられるとしています。

①昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
②給与体系の変更(⽇給から⽉給への変更等)
③⽇給や時間給の基礎単価(⽇当、単価)の変更
④請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
⑤住宅⼿当、役付⼿当等の固定的な⼿当の追加、⽀給額の変更

総務部長:今回のパートタイマーはいずれにも該当しないように感じます。

社労士 :確かにそう感じられるかもしれませんが、日本年金機構は「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」を出しており、「時給単価の変動はないが、契約時間が変わった場合、固定的賃金の変動に該当するため、随時改定の対象となる」としています。

総務部長:ということは、今回のパートタイマーも随時改定の対象となるということですね。

社労士 :はい。随時改定となるかはすべての要件から判断することになりますが、少なくとも随時改定の対象になるかを確認すべきパートタイマーになります。

総務部長:承知しました。確認するようにします。ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 随時改定における固定的賃金の変動とは、昇給や降給のほか、給与体系の変更なども含まれる。
2. 所定労働時間の変更も随時改定における固定的賃金の変動に含まれる。
3. 日本年金機構から定時決定と随時改定に関する事例集が出されており、実務の参考にするとよい。

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(労務)8月号②

押さえておきたいマタハラの基礎知識

マタニティハラスメント(以下、「マタハラ」という)に関連するような労働トラブルを目にする機会が出てきています。そこで今回は、改めてマタハラとは何か、マタハラに該当しない業務上の必要性に基づく言動とはどのようなものかを確認し、効果的な防止対策を行いましょう。

1.マタハラとは

マタハラとは、職場において行われる上司・同僚からの妊娠・出産、育休等の利用に関する言動により、妊娠・出産した女性労働者や育休などを申出・取得した男女労働者等の就業環境が害されることを言います。このマタハラには「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」の2種類があります。

①制度等の利⽤への嫌がらせ型

育休などの制度の利⽤を阻害したり、利⽤したことにより嫌がらせなどをするものをいう。
[典型的な例]
上司・同僚が「⾃分だけ短時間勤務をしているなんて周りを考えていない。迷惑だ。」と繰り返し発言し、就業する上で看過できない程度の⽀障が⽣じている。

②状態への嫌がらせ型

妊娠などをしたことにより、嫌がらせなどをするものをいう。
[典型的な例]
上司に妊娠を報告したところ、「他の人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた。

2.マタハラに該当しない業務上の
必要性に基づく言動とは

1.でマタハラについてとり上げましたが、業務分担や安全配慮の観点から客観的に見て、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、マタハラには該当しないとされています。このように業務上の必要性の判断については、状況に応じて慎重に判断し、対応することが求められます。例えば、妊娠中に医師から休業指示が出た場合など、従業員の体調を考慮してすぐに対応しなければならない休業についてまで、「業務が回らないから」といった理由で休業をさせない場合はマタハラに該当します。しかし、ある程度調整が可能な休業等(例えば、定期的な妊婦健診の日時)について、その時期をずらすことが可能なのか従業員の意向を確認する行為は、マタハラには該当しないとされています。

なお、従業員の意を汲まない一方的な通告はマタハラとなる可能性があるため、注意が必要です。

日ごろの労務管理を行う管理職にとっては、部下から妊娠や出産、育児に関する相談があったときに、マタハラを意識するあまりに、どのように対応したらよいのか困るケースも出てくるでしょう。そのため、管理職を対象に具体例を交えながら社内研修を実施するなどして、マタハラとなるような言動を防ぎ、適切な配慮がされるようにしていきたいものです。

(次号に続く)

保育事業所様向け情報(労務)8月号②

押さえておきたいマタハラの基礎知識

マタニティハラスメント(以下、「マタハラ」という)に関連するような労働トラブルを目にする機会が出てきています。そこで今回は、改めてマタハラとは何か、マタハラに該当しない業務上の必要性に基づく言動とはどのようなものかを確認し、効果的な防止対策を行いましょう。

1.マタハラとは

マタハラとは、職場において行われる上司・同僚からの妊娠・出産、育休等の利用に関する言動により、妊娠・出産した女性労働者や育休などを申出・取得した男女労働者等の就業環境が害されることを言います。このマタハラには「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」の2種類があります。

①制度等の利⽤への嫌がらせ型

育休などの制度の利⽤を阻害したり、利⽤したことにより嫌がらせなどをするものをいう。
[典型的な例]
上司・同僚が「⾃分だけ短時間勤務をしているなんて周りを考えていない。迷惑だ。」と繰り返し発言し、就業する上で看過できない程度の⽀障が⽣じている。

②状態への嫌がらせ型

妊娠などをしたことにより、嫌がらせなどをするものをいう。
[典型的な例]
上司に妊娠を報告したところ、「他の人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた。

2.マタハラに該当しない業務上の
必要性に基づく言動とは

1.でマタハラについてとり上げましたが、業務分担や安全配慮の観点から客観的に見て、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、マタハラには該当しないとされています。このように業務上の必要性の判断については、状況に応じて慎重に判断し、対応することが求められます。例えば、妊娠中に医師から休業指示が出た場合など、従業員の体調を考慮してすぐに対応しなければならない休業についてまで、「業務が回らないから」といった理由で休業をさせない場合はマタハラに該当します。しかし、ある程度調整が可能な休業等(例えば、定期的な妊婦健診の日時)について、その時期をずらすことが可能なのか従業員の意向を確認する行為は、マタハラには該当しないとされています。

なお、従業員の意を汲まない一方的な通告はマタハラとなる可能性があるため、注意が必要です。

日ごろの労務管理を行う管理職にとっては、部下から妊娠や出産、育児に関する相談があったときに、マタハラを意識するあまりに、どのように対応したらよいのか困るケースも出てくるでしょう。そのため、管理職を対象に具体例を交えながら社内研修を実施するなどして、マタハラとなるような言動を防ぎ、適切な配慮がされるようにしていきたいものです。

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(労務)8月号②

押さえておきたいマタハラの基礎知識

マタニティハラスメント(以下、「マタハラ」という)に関連するような労働トラブルを目にする機会が出てきています。そこで今回は、改めてマタハラとは何か、マタハラに該当しない業務上の必要性に基づく言動とはどのようなものかを確認し、効果的な防止対策を行いましょう。

1.マタハラとは

マタハラとは、職場において行われる上司・同僚からの妊娠・出産、育休等の利用に関する言動により、妊娠・出産した女性労働者や育休などを申出・取得した男女労働者等の就業環境が害されることを言います。このマタハラには「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」の2種類があります。

①制度等の利⽤への嫌がらせ型

育休などの制度の利⽤を阻害したり、利⽤したことにより嫌がらせなどをするものをいう。
[典型的な例]
上司・同僚が「⾃分だけ短時間勤務をしているなんて周りを考えていない。迷惑だ。」と繰り返し発言し、就業する上で看過できない程度の⽀障が⽣じている。

②状態への嫌がらせ型

妊娠などをしたことにより、嫌がらせなどをするものをいう。
[典型的な例]
上司に妊娠を報告したところ、「他の人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた。

2.マタハラに該当しない業務上の
必要性に基づく言動とは

1.でマタハラについてとり上げましたが、業務分担や安全配慮の観点から客観的に見て、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、マタハラには該当しないとされています。このように業務上の必要性の判断については、状況に応じて慎重に判断し、対応することが求められます。例えば、妊娠中に医師から休業指示が出た場合など、従業員の体調を考慮してすぐに対応しなければならない休業についてまで、「業務が回らないから」といった理由で休業をさせない場合はマタハラに該当します。しかし、ある程度調整が可能な休業等(例えば、定期的な妊婦健診の日時)について、その時期をずらすことが可能なのか従業員の意向を確認する行為は、マタハラには該当しないとされています。

なお、従業員の意を汲まない一方的な通告はマタハラとなる可能性があるため、注意が必要です。

日ごろの労務管理を行う管理職にとっては、部下から妊娠や出産、育児に関する相談があったときに、マタハラを意識するあまりに、どのように対応したらよいのか困るケースも出てくるでしょう。そのため、管理職を対象に具体例を交えながら社内研修を実施するなどして、マタハラとなるような言動を防ぎ、適切な配慮がされるようにしていきたいものです。

(次号に続く)

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