コラム

社会保険の新規加入で1人最大50万円が支給される助成金

社会保険の特定適用事業所では、月額賃金が8.8万円以上となると、社会保険に加入することになる「106万円の壁」(※)があります。この年収の壁対策の一つとして、2023年10月以降に新たに社会保険に加入したパートタイマー等に対し、1人あたり最大50万円が支給される助成金が新設されました。

手当等支給メニュー

 今回、キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」が新設されました。その中の「手当等支給メニュー」は、会社がパートタイマー等を社会保険に加入させる際に、社会保険料の負担を軽減するための手当を支給することにより、パートタイマー等の収入を増加させたときに、助成金が支給されるものです。取組み内容は下表のとおり3段階(3年間)に分かれており、半年ごとに支給申請をします。

労働時間延長メニュー

 拡充された「労働時間延長メニュー」は、所定労働時間の延長と賃金を増額させ、社会保険を適用させたときに助成金が支給されるものです。週の所定労働時間を4時間以上延長するときは、時間給の引上げ等による賃金の増額が不要であるため、手当等支給メニューと比較すると会社の負担は相対的に小さくなります。

 

 

併用メニュー

 各々のメニューによる助成金を受けるほか、1年目は手当等支給メニューを実施し、2年目に労働時間延長メニューを実施する併用メニューを活用することも可能です。いずれのメニューの利用を予定しているかは、事前に提出する「キャリアアップ計画書」に記載することになります。

 

 

2024年4月から変わる就業場所・業務の変更の範囲の明示ルール

労働契約の締結の際や有期労働契約の更新のタイミングごとに、すべての労働者に対し労働条件を明示する必要があります。明示事項である「就業場所」と「業務の内容」は、現在は雇入れ直後のものを明示すれば足りるとされていますが、2024年4月1日以降は、これらに加えて「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が必要です。

記載方法

 今回追加となる「就業場所・業務の変更の範囲」とは、雇入れ後の見込みも含め、その労働契約の期間中における就業場所や従事する業務の範囲のことを指します。そのため、将来の可能性も含めたうえで、その範囲を明示することになりますが、就業場所・業務がどの程度限定されるかによって、記載方法が変わります。記載例は以下のとおりです。

① 就業場所・業務に限定がない場合
• 就業場所 
  (雇入れ直後)〇〇営業所
  (変更の範囲)会社の定める営業所
• 従事すべき業務
  (雇入れ直後)〇〇に関する業務
  (変更の範囲)会社の定める業務
② 就業場所・業務の一部に限定がある場合
• 就業場所
  (雇入れ直後)〇〇営業所
  (変更の範囲)◇◇県内の営業所
• 従事すべき業務
  (雇入れ直後)〇〇企画業務
  (変更の範囲)本社における〇〇、または△△の企画業務
③ 就業場所や業務の変更が想定されない場合
• 就業場所
  (雇入れ直後)〇〇営業所
  (変更の範囲)〇〇営業所
• 従事すべき業務
  (雇入れ直後)〇〇企画業務
  (変更の範囲)〇〇企画業務

 いわゆる総合職については通常、①の「就業場所・業務に限定がない場合」に該当するかと思いますが、「会社の定める営業所」および「会社の定める業務」と記載するほか、変更の範囲を一覧表として添付することも考えられます。
 後になってトラブルとならないように、できる限り就業場所・業務の変更の範囲を明らかにし、会社と従業員とで共通認識を持つことが求められます。

適用のタイミング

 今回の改正は、2024年4月1日以降に締結される労働契約から適用されます。そのため、2024年4月1日以降に入社する従業員について、2024年3月31日以前に労働条件を明示する場合には改正前のルールが適用され、新たなルールでの明示は不要です。なお、従業員の理解を深めるために、2024 年3月31日以前から新たなルールで明示することは望ましい取組みとされています。
 早めにどのように記載する必要があるのかを確認し、労働条件通知書のひな形を直しておきましょう。

「モノ」より「経験」にお金をかける  ~経験を買うとかけがえのない人とのつながりが生まれる~

最近、ここ10年ぐらいは、生活費以外のほとんどのお金は「経験」に使ったといっていいかもしれません。もちろんお金をかけなくてもできる経験はありますが、お金を掛けなければできない経験もたくさんあります。旅行をしたり、おいしいものを食べたり、音楽を聴いたり、一流の仕事人の話をきいたり、本を読んだり、映画をみたり・・・。

経験は、それ自体が夢中になる「遊び」であるとともに。「成長」のチャンスでもあります。

人やモノや社会を理解したり、自分で稼いだり、人のために何かできたり、幸せを感じたり、

・・・より豊かな人生を送るベースになっているような気がいたします。

 高価なバッグや服を買っても、その価値は下がる一方です。貯金を数百万しても、無職になると、数年でなくなる金額です。

 しかし経験を買うと、失敗を含めてその価値はどんどん生きてきます。経験から得たことは自分自身を作る一部にもなります。様々な経験をすることで、行きたい方向も明確になります。いまでも、人生を豊かにするために「経験」に、出し惜しみをしません。

お金をある程度自由に使えるようになったことの喜びは、好奇心を満たしてくれる「経験」にお金を使える事のような気がします。

 

 また、経験することで得られる大きな価値があります。それは人とのつながりが生まれることです。家族や友人とのかけがえのない経験は、思い出として、繰り返し語ることが出来ます。新しい経験をすることで、新しい出会いがあったり、同じ経験をした人と意気投合したり、そこから人生の師を得られたりするかもしれません。経験を買うことで、人とのつながりや愛情が積み重なり、人間関係を広げ、世界を広げることが出来るのです。

 幸福度がいちばん上がるお金の使い方は、「モノ」より「経験」を買うことでだと私は確信しています。

福祉・医療人材の人間力向上研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

Q 時間外の計算は1分単位なのか、15分や30分単位でもいいのか

A 1分単位が原則です。ただし、端数を切り上げる場合には15分単位、30分単位でも構いません。

 

切り上げにしないと給料未払いに給与計算上、よくある質問ですが、基本は1分単位です。例えば、17時までの就業時間で1742分まで働いた場合、12分カットして30分の残業代を支払った場合、12分の就業に関する支払いは未払いになってしまいます。

 

休養計算上は楽だということで15分単位の取り入れている事業所はよくあります。もし15分単位とするなら切り上げでなければいけません。つまり17時までの就業時間で1742分まで働いた場合には45分間の残業代を支払うことになります。管理の手間と数分プラスになる賃金のどちらをとるかの判断になります。

 

例外として、1か月の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計に1時間未満の端数がある場合には30分未満の端数の切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるといった端数処理は認められます。つまり月のトータル残業時間が3時間20分であった場合には3時間として、3時間40分であった場合を4時間とすることは可能です。

未払い残業は行政指導の対象に残業代を未払いのまま労基署の監査が行われると「是正勧告書」「指導票」により行政指導が行われます。例えば3か月分の未払い残業の「遡及支払い」を命じられた場合、未払いとなっている時間数及び給料の額を3か月間さかのぼって計算し、当該スタッフへの不足額を支払うなど、まずは行政書道に従い原則対応することになります。

 

適切な時間管理とは厚労省から平成13年に出された「労働時間の適正な把握のため講ずべき措置」では以下のように定められています。

 

  • 労働日ごとに、何時から仕事を開始して、何時まで仕事をしたか、確認し記録すること。
  • 使用者が自ら確認し記録するか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を、適性に申告するように十分に説明すること。必要に応じて実態調査をすること。
  • 労働時間の記録に関する書類は3年間保存すること。

 

労働時間の上限を設定して、上限を超える時間を切り捨てたり、そもそも労働時間の記録がないため「時間外労働がない」としたりしている場合には法律違反になります。

社会保険労務士顧問業務 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

報酬基準 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

固定残業代として定額を支給する際には慎重に固定残業代を設定すると仮に残業代が発生しない月があっても残業代を支払わなければなりません。しかも実際に行われた残業が想定された10時間を超えると、別途残業代の支払い義務が発生します。そのため実態を確認した上で「何時間分を固定で支払うか」を決めなければなりません。固定残業手当を適切に運用するためには次の三つが要件とされています。

  • 基本給と割り増し賃金部分が明確に区分されていること
  • 割増賃金部分には何時間分の残業が含まれているかが明確であること
  • 上記②を超過した場合には、別途割増残業が支給されること

 

この方法は、残業が大体同じ時間発生している場合には適している方法ですが、月によって残業時間が大きく変動したり、人によってばらばらであったりする場合には、かえって管理が煩雑になる場合があります。導入によりメリットとデメリットをよく検討して慎重に判断する必要があります。

県「地域限定保育士」導入へ検討 保育士不足への解消に向け(群馬県)

保育士不足の解消に向けて県は、試験に合格後の3年間は受験した都道府県で働く、「地域限定保育士」の制度の導入に向けた検討に入ることを明らかにしました。

これは29日の群馬県議会で、県生活こども部の上原美奈子部長が明らかにしました。
「地域限定保育士」は国が保育士不足を解消するため、8年前、大阪府、神奈川県、沖縄県などを「国家戦略特区」と認めて試験や採用が始まりました。
全国一斉の保育士試験とは別に独自の試験を行い、合格後の3年間は受験した府や県で働き、4年目以降は全国で働くことができる制度で、県によりますと、国は来年度以降の全国展開に向けて議論を重ねているということです。
この制度の導入について議員から考えを問われたのに対して、上原部長は「国での議論や先行導入している自治体の保育人材の確保の状況や効果、そして、保育への影響を踏まえて、研究を行っていきたい」と述べ導入に向けた検討に入ることを明らかにしました。
県によりますと県内で不足している保育士は、ことし4月の時点で397人で、去年より60人、おととしより96人多くなっていて、対策が急務となっています。(NHKより)

保育業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

【介護報酬改定】ケアマネのテレワーク、ルール明確化へ 厚労省

厚生労働省は来年度の介護報酬改定に向けて、施設・事業所の職員のテレワークを人員配置基準などにどう位置付けるかを検討していく。

利用者のケアなどが重要な職務となる介護職員、看護職員ら以外の職種がメイン。11月30日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、ルールを明確化したうえで柔軟な働き方も可能とする意向を示した


業務負担の軽減や働く環境の改善、生産性の向上などにつなげる狙いがある。関係者は会合後、ケアマネジャーも検討の対象に含まれると明言。「サービスの質や利用者の安全などに問題が生じない場面、業務内容を精査していく」と話した。


厚労省は審議会で、各サービスの人員配置基準を上回って配置されている職員について、全ての職種でテレワークが差し支えないことを明確化すると説明。個人情報の適切な管理などを前提にするとした。


人員配置基準を上回っていない職員については、テレワークでも差し支えないケースを具体的に明らかにすることを提案。利用者の処遇に支障が生じないことなどを前提として、職種や業務ごとに取り扱いを明示する構えをみせた。


厚労省は既に、施設・事業所の管理者のテレワークをどう考えるかを今年9月に公表している。今回は管理者以外の職員の取り扱いを、次期改定の前までに通知などで示す方針だ。(介護ニュースより)

護業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

【障害福祉報酬改定】処遇改善3加算、介護分野を踏襲して一本化 要件に一定のベースアップ

厚生労働省は29日、来年度の障害福祉サービス報酬改定に向けた協議を重ねている有識者会議で、職員の処遇改善に関する加算を取り上げた。

既存の3加算(*)の一本化を提案。介護分野を踏襲して具体的なルールを作る方針を示し、大筋で了承を得た。

* 処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算を指す。

既存の3加算の介護分野に倣った一本化は既定路線。施設・事業所の事務負担の軽減、算定率の向上などにつなげる狙いがある。今後は要件の詳細、単位数などが焦点となる。


厚労省は11月6日の介護分野の審議会で、3加算の一本化の概要を提示。例えば、

◯ 一定割合のベースアップを要件として求めていく


◯ 施設・事業所内の加算額の配分は、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員へ重点的に配分することとするが、事業所内での柔軟な配分を認める」に統一する


◯ 現行の加算を取得している事業所がスムーズに移行できるよう、一定の経過措置(新旧加算を選択できる期間)を設ける

などの考えを示した。


29日の有識者会議では、障害福祉分野でもこうした一本化を行うと説明。今後、介護分野に合わせる形で細部の検討を進めていくとした。(介護ニュースより)

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処遇改善加算の一本化、新加算の名称は「介護職員等処遇改善加算」 評価は4段階 厚労省案

厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、介護職員らの処遇改善を目的とする既存の3加算(*)を一本化する。一本化後の新たな加算の名称は、「介護職員等処遇改善加算」とする考えだ。

30日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で説明する。介護職員の資質向上、キャリアパスの構築、職場環境の改善、介護現場の生産性向上などの取り組みに応じ、4段階の区分を設ける案も示す。加算額を各職種で柔軟に配分することを認めていく。


処遇改善を目的とする3加算の一本化は、介護施設・事業所の事務負担の軽減、算定率の向上などにつなげることが狙い。厚労省は現場の混乱を避けるため、一定の経過措置も設けつつ来年度から実施する考えだ。(介護ニュースより)

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BCP未策定の報酬減算、障害福祉の施設・事業所にも導入 介護分野を踏襲 来年度改定

厚生労働省は29日、来年度の障害福祉サービス報酬改定に向けた協議を重ねている有識者会議で、全サービスに策定を求めているBCP(業務継続計画)を取り上げた

感染症と自然災害、いずれかのBCPを策定していない施設・事業所の基本報酬を減算することを提案。大筋で了承を得た。既に介護分野で同じ減算を導入する意向を固めており、障害福祉分野でもそれを踏襲する方向だ。


感染症や自然災害を想定したBCPの策定は、2021年度の報酬改定で全サービスに義務付けられたもの。今は3年間の経過措置期間。義務化は来年度から完全適用される。


厚労省は今月27日の介護分野の審議会で、BCPを策定していない介護施設・事業所の基本報酬を減算する案を提示。2026年度末までの一定の経過措置を設けたり、訪問系サービスなどを対象から外したりすることを前提に、来年度の報酬改定で導入する考えを示した


今回の有識者会議では、介護分野と障害福祉分野の対応を揃えると説明。「障害福祉サービスでも介護と同様に、感染症と自然災害のいずれかのBCPが未策定の場合、基本報酬を減算する」とした。(介護ニュースより)

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『大幅な引上げとなる地域別最低賃金と月給者の確認』

1.最低賃金制度

 最低賃金制度とは、法律に基づき国が賃金の最低限度額を定め、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとするものです。最低限度額であるため、最低賃金額を下回る給与と気づかずに支払っていたときはもちろん、仮に医院と職員で最低賃金を下回る賃金額での支払いに合意したとしても無効となり、最低賃金額と同額の賃金を支払うことになります。

2.最低賃金から除外される賃金

 月給制で支給している給与においては、毎月支払われる給与が最低賃金を確認するときの対象となります。その際、次の給与については除外して確認する必要があります。
  ・結婚祝い金など、臨時に支払われるもの
  ・賞与など、1 ヶ月を超える期間ごとに支払われるもの
  ・残業代など、所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われるもの
  ・休日出勤手当など、所定労働日以外の日の労働に対して支払われるもの
  ・深夜割増手当など、深夜の労働に対して支払われるもの(割増分のみ)
 その他、毎月支払われる給与であっても、精皆勤手当、通勤手当および家族手当も除外して計算することになっています。

3.月給者の最低賃金の確認方法

 月給者の給与が最低賃金額以上の金額で支払われているかの確認は、[月給÷1ヶ月の平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額) ]で行います。1ヶ月の平均所定労働時間は、[1年間の所定労働時間÷12ヶ月]で計算することになっており、例えば、1日8時間、年間の所定労働日数240日の場合、1ヶ月の平均所定労働時間は、[8時間×240日÷12ヶ月=160時間]となります。質問のケースに当てはめると、[(18万円-2万円(皆勤手当および通勤手当))÷160時間=1,000円]となり、これと最低賃金を比較します。
 月給者の給与は時給額に換算して比較する必要があるため、確認がもれやすく注意が必要です。大幅な引上げとなったこの機会に、最低賃金を下回っていないかを確認しておきましょう。

 

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