コラム

(厚労省)新たな処遇改善加算の疑問に答えるQ&A

厚生労働省は先週下旬、

“新たな処遇改善加算の疑問に答えるQ&A

 を公表しました。

 

取り急ぎ、共有させて頂きます。

下記、PDFをご参照ください。

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極端に協調性を欠く従業員へ懲戒などの対処は可能でしょうか?

Q, 職場の社員全員が行う片付けなどにも参加しない、交代勤務でしばしば遅刻し、相手に迷惑をかける、直前に勤務の交代を依頼するなど、協調性を欠く職員Aについて、ほかの職員から「Aとは一緒に働くことは出来ない」との相談が多く寄せられ、中にはAが原因で退職する職員も出始めている。このような場合に懲戒あるいは解雇することはできますか?また、職場で仲が悪い職員BCがいて、一日中話をしないために職場環境が悪くなっている、このような場合、BCを懲戒処分にすることはできますか?

A, 職場には多数の職員が就労しているわけですから、一人が勝手な行動をしていたのでは職場は成り立ちません。すなわち、職場秩序は多数の職員を擁する法人の存立、維持のために必要不可欠なものです。

さて、職員が職場で他の職員との協調性を欠く場合において、法人がとりうる措置としては、まず、懲戒処分が考えられます。裁判例においても、本人の執務態度、上司、同僚に関する無礼並びに協調性の欠如について、職場の規律を乱し、円滑な職務遂行を阻害しているということが懲戒事由解雇にあたると認めているものがあります(大阪地裁平成4年3・31)

ここでポイントになるのは、本人の協調性の欠如によりいかに企業秩序が阻害されているかです。仮に本人に協調性の欠如は認められるものの、企業秩序への影響が軽微な場合には懲戒処分を行うことは難しくなると思われます。その点、医療・福祉の現場をチームワークが業務遂行の上でとても重要な要素となりますので、協調性の欠如が懲戒処分の対象になることは十分に考えられます。

 次には懲戒解雇という措置も考えられます。裁判例には、就業規則に記載された解雇事由

「執務能力が著しく不良」(単なる勤務成績不良ではない)とは職場に適用する能力に欠ける場合に包含するもの解し、社会生活をして人間として常識に欠ける部分が多く、協調性に乏しく、職場に適用する能力に著しく欠いており、かつ将来の将来の改善に見込がないことから解雇を有効と認めたものがあります(東京高裁S421・24)。

 ご質問の前段ですが、退職者がでるほど職場環境が悪化し、職場秩序が相当に乱れていると思われますので、早急に関係者から事実確認(まずは被害を受けている同僚から)をし、職員において、設問のような言動が実際にあったならば、相当な事情が認められない限り厳重注意、懲戒処分、場合によっては解雇を検討すべきと考えます。また、これまで注意指導歴などから、本人の改善が認められない限り、もはや懲戒の問題ではなく、解雇措置も検討すべきと思います。また設問後段においてもBとCが一日中口を利かないことに対して、周りの職員も気遣い、あるいは不快に感じ、職場環境全体が悪化している考えられ、早急に手だてを講じるべきです。その際に、なぜBCの中が悪いのか、その原因を探る必要があります。率直に上司がそれぞれから事実確認をすべきです。そしてその原因から事態を収拾する方法を模索すべきと思います。たとえそれが個人的なことであっても職場にそのような関係を持ち込むことは、職場環境を乱し職場に支障のある行為であるということは重大のことです。それゆえ法人は、そのような職員に対し、してはいけない事項であることを諭し、両者に気づかせるべきです。

そのような注意指導をしたうえで、なお改善しないということであれば、就業規則に従い懲戒などを検討すべきでしょう。又場合によっては、両名を同じ職場ではなく、別の職場に配置することも検討すべきでしょう。

Q、何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている

A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

  • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

  • 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
  • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

非認知能力や愛着障害…心身の発達支援セミナー

合同出版は2024年3月27日~30日、「子どものこころやからだの発達を支援する 連続セミナー2024春」を開催する。視聴チケットは3,000円(税込)、教材付きチケットは7,700~8,900円(税込)、書籍付きチケットは4,600円(税込)から。見逃し配信あり。

「子どものこころやからだの発達を支援する 連続セミナー2024春」は3月27日から30日、午後7時から9時に開催される。最前線で活躍する登壇者が、特別支援教育や療育、保育の現場ですぐに役立つ知識や支援のポイントについて講演するという。

 3月27日は、「10分からできる!スキマ時間を使って学校で非認知能力を高めるワーク」をテーマに、非認知能力についてや、教育現場で必要な理由、高める支援法を講演する。登壇者は、教材の考案者で臨床心理士の中島美鈴氏と、ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーとして教育現場で活躍する高口恵美氏。チケットは、視聴チケットのほか教材チケットや関連書籍付きチケットなどから選択して購入できる。アーカイブ配信あり。

 3月28日は、教室・児発・放デイで取り組める「話しことば・発音の支援」をテーマに、「絵をみてまねっこ!いっしょにできたねおしゃべりカード」の使い方、ことばの教室、児発・放デイで取り組めることばの支援を紹介。言語聴覚士や子供に関わる支援者と「コミュニケーション支援」のこれからについて考えたいとしている。登壇者は、言語聴覚士・ことばの相談室ことり主宰 寺田奈々氏と、言語聴覚士・子どもの発達支援を考えるSTの会代表 中川信子氏。チケットは、視聴チケットのほか教材チケットや関連書籍付きチケットなどから選択して購入できる。アーカイブ配信あり。

3月29日は、「愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもへアセスメントを活用した具体的な支援法」をテーマに、愛着障害について、米澤式/愛着障害アセスメントツールの使い方、アセスメントで見分ける愛着障害と発達障害、愛着障害のある子供の個別支援の勧めについて講演する。登壇者は、和歌山大学教育学部教授・臨床発達心理士スーパーバイザー 米澤好史氏。チケットは、視聴チケットのほか書籍付きチケットなどから選択して購入できる。アーカイブ配信なしで、リアル配信のみ。

 3月30日は、「境界知能の子どもはなぜ教育からも福祉からも見落とされてしまうの?」をテーマに、境界知能について、境界知能の子供に必要な支援、精神医学の知的障害診断との関連、発達障害との併存について講演する。登壇者は、小児科医・青山学院大学教授 古荘純一氏。アーカイブ配信あり。

 2,000円割引となるお得な4回コース視聴チケットは1万円(税込)。各参加費は、Webサイトにて確認できる。申込みは、Webサイトより行う。

◆子どものこころやからだの発達を支援する 連続セミナー2024春
開催期間:2024年3月27日(水)~30日(土)19:00~21:00
形式:オンライン
申込締切:
・視聴チケット 開催日当日18:00
・教材付き、書籍付きチケットなど 2024年3月17日(日)23:55
・4回コース視聴チケット2024年3月27日(水)18:00
参加費:Webサイトにて確認できる
申込方法:Webサイトにて申し込む

「医師の働き方改革」今後注目される「オンコール」の取り扱い

このテーマは「医師の働き方改革」自体がテーマではありません。古典的なテーマである「残業代」と「オンコール」について,最近の裁判例を含めて分析してみたいと思います。というのも,医師の働き方改革により,勤務医やスタッフの勤務時間(残業代)に対する意識が強くなるということが予想されるためです。 

(1)「医師のオンコール待機(宅直当番)は労働時間とはならない」とした奈良地裁平成27226日判決(奈良病院事件)

裁判所は「宅直当番を担当している医師は,産婦人科医師らの申合せにしたがって,宿日直担当医師その他本件病院の職員から連絡があった場合には直ちにその指揮監督下に入ることができるように努めていたと認められるものの,それを超えて,宅直当番の全時間について本件病院の指揮監督下にあったとまでは認められない」と認定しています。つまり,奈良病院事件は,病院固有の事情が色濃く反映されている裁判例ということができます。したがって,奈良病院事件の判決があるからといって「オンコール待機には残業代が発生しない」と結論づけることは危険ということになります。

(2)オンコール待機について労働時間と判断した最近の判例

そして最近,このオンコール待機について真正面から残業代が発生すると判断した裁判例が出現しました。横浜地裁令和3218日判決です。この判決は訪問看護に従事する看護師のオンコール待機について判断したものですが,オンコール待機を「労働時間」を判断しています。

具体的には「呼出しの電話に対し,直ちに相当の対応をすることを義務づけられていた」として,労働時間性を認定し,合計で1000万円を超える残業代を認めています。奈良病院事件に比べ,結論に至る論理自体はすっきりしたものですが,「パンドラの箱が開いてしまった」という感じは否めません。使用者側は「管理監督者に当たるので残業代は発生しない」「管理者手当が残業代に当たる」との主張をしていましたが,すべて裁判所に否定されています。その上,この判決では「付加金」の支払いも命じられています。付加金とは残業代を支払わない使用者(会社等)に対するペナルティーのようなものです。本件では800万円弱の付加金の支払いを命じています。使用者側は合計で2000万円近い金額を支払うことになってしまったのです。病院にとっても,この事件は決して他人事では済まされないものになるでしょう。医師の勤務時間に対する意識の高まりから,医師のオンコール待機に関する残業代請求が行われる可能性は否定できません。医師の場合,残業代算定の基礎となる給与自体が高額ですから,本件に比べさらに高額な支払いが命じられるリスクがあります。複数の勤務医から同時に請求された場合は,さらにインパクトのあるものになるでしょう。

(3)医師の働き方改革が進んでいる以上,医師のオンコール待機と残業代という論点は,今後避けて通れない問題になると思います。オンコール待機について残業代の請求が行われるというリスクも十分考慮した上で,人事制度を構築していく必要があるでしょう。(参考:杜若法律事務所判例情報)

【介護報酬改定】居宅介護支援の特定事業所加算、新要件の解釈は? 厚労省が通知案 研修範囲など解説

新年度の居宅介護支援の介護報酬改定では、事業所の経営に大きな影響を与える「特定事業所加算」の算定要件が変更される。ケアマネジャーが介護保険制度の枠を超えた支援について学ぶ機会を確保することが、新たに求められるようになる。

この算定要件の見直しは、特定事業所加算の全ての区分に適用されるもの。厚生労働省は新たに公表した解釈通知の案で、その具体的な内容や考え方などを解説した。


新たな算定要件は以下の通り。

特定事業所加算|全区分の要件(8)


《現行》地域包括支援センターが実施する事例検討会などに参加していること。


《改定後》家族の介護を日常的に行っている児童や障害者、生活困窮者、難病患者など、高齢者以外の対象者への支援に関する事例検討会・研修などに参加していること

厚労省は解釈通知の案で、新たな算定要件の趣旨を「多様化、複雑化する課題に対応するため」と改めて説明。「家族の介護を日常的に行っている児童とは、いわゆるヤングケアラーのことを指す」と明記した。


あわせて、算定要件の対象となり得る事例検討会・研修の範囲について、「上記に例示するもののほか、仕事と介護の両立支援制度や生活保護制度なども考えられる」と解説。「利用者のケアマネジメントを行ううえで必要な知識・技術を修得するためのものであれば差し支えない」との認識を示した。(介護ニュースより)

BCP未策定の介護報酬減算 厚労省「集中的な指導の徹底を」 来月から適用へ自治体に要請

厚生労働省は来月から、感染症や災害の発生を想定した業務継続計画(BCP)を策定していない介護事業所・施設を対象に、基本報酬の減算を新たに導入する。

これを念頭に、全国の自治体の担当者らに「運営指導などで集中的な指導の徹底を」と要請した。介護保険の重点施策などを説明する会議(*)で広く呼びかけた

 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議。今年度は資料の公表、説明動画の公開で代替。資料は今月8日公表。

BCP未策定の減算は、全ての介護事業所・施設に義務付けられる感染症と災害のBCPの策定を怠っていると適用される。

ただ、一定の経過措置も設けられる。訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援は来年度に限り適用されない。その他のサービスも、「感染症の予防とまん延防止の指針」と「非常災害に関する具体的計画」を策定していれば、来年度に限り適用されない。


厚労省は今回の会議で、「BCPに実効性を持たせるためには、危機発生時も迅速に行動できるよう関係者へ周知し、平時から研修や訓練(シミュレーション)を行い、最新の知見を踏まえて定期的に見直すことが重要」と説明。自治体の担当者らに、「一連の取り組み状況の確認・指導をお願いしたい」と要請した。(介護ニュースより)

介護事業者の経営情報の報告、新年度冬頃からスタート 厚労省 義務化へ新システム整備

原則すべての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度が新年度から始まる。


とはいえまだ焦る必要はなく、じっくりと準備を進めればいい。現場が実際に対応を求められるのは、新年度の秋以降となることが明らかになった。

厚生労働省は新たに公表した自治体向けの説明資料の中で、制度の運用開始に向けたスケジュールを提示。「初年度に限り、経営情報の報告期限を2024年度末までとする」と改めて明記した。2025年度以降は、毎会計年度終了後3ヵ月以内に報告する決まりとした。


報告手段については、新たなシステムの整備を進めていると説明。損益計算書を出力したcsvファイルをアップロードする形、Webの専用フォームに入力する形などを準備しているとした。


そのうえで、「システムの試行は今年秋頃、開始は今年冬頃を見込んでいる。実際の稼働時期は別途お示しする」とアナウンスした。

経営情報の報告の義務化は、事業所・施設の実態をより詳しく把握できるようにすることが目的。例えば3年に1度の介護報酬改定や介護職員の更なる処遇改善など、今後の重点施策の精度向上につなげていく狙いがある。


《参考記事》全ての介護事業者に財務状況の報告・公表を義務付け 厚労省がルール公表


対象はすべての介護事業者だが、過去1年の介護報酬が100万円以下の小規模な事業者などは除外される。厚労省は報告の内容について、

(1)事業所・施設の名称、所在地、その他の基本情報


(2)事業所・施設の収益、費用の内容


(3)事業所・施設の職員の職種別人員数、その他の人員に関する事項


(4)その他必要な事項

などと説明している。職種別の給与は任意項目とした。


厚労省はこのほか、介護サービス情報公表制度を通じた財務諸表などの公表も来年度から事業者に求めていく方針だ。(介護ニュースより)

【介護報酬改定】厚労省、告示や解釈通知などの案を公表 各種加算の様式も

厚生労働省は8日、来年度の介護報酬改定の内容を明らかにする告示、解釈通知、留意事項通知などの案を公式サイトに掲載した

近く正式に通知する。その後、改定の細部をより詳しく解説するQ&Aなども出す。


厚労省は今回、全国の自治体の担当者らを対象とする政策説明会(全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議)の資料として、通知案を提示した。各種加算の様式なども併せて公表している。

公式サイトでは「今後、修正がなされる可能性がある」とアナウンスした。自治体や介護現場の関係者らは、現時点版の参考資料として活用することができそうだ。

支援付き住宅、10万戸目標 高齢者、円滑入居へ新制度

 


 政府は8日、高齢者や障害者ら要配慮者が賃貸住宅へ円滑に入居できる環境整備を進めるための関連法改正案を閣議決定した。支援団体が見守りなど入居中のサポートをする賃貸住宅を自治体が認定する制度を新設。要配慮者と大家の双方が安心して貸し借りできるようにする。10年間で10万戸の認定を目標とする。

 孤独死や家賃滞納への懸念から要配慮者への貸し出しを敬遠する大家は多い。

 改正案では、支援団体による訪問や、人感センサーで安否確認するサービスを備えた賃貸住宅を「居住安定援助賃貸住宅」と規定。物件の構造や支援策をまとめた計画を大家と支援団体が作成し、自治体が認定する。

 入居中に生活や心身の状況が不安定になった場合は、支援団体を通じて介護や就労支援などの福祉サービスにつなげる。

 センサーなど安否確認に必要な設備を取り付けるための改修工事費の一部を国が補助する。

 家賃面では、要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国が認定する。親族だけではなく、支援団体を緊急連絡先としても契約できることなどが認定条件。

202438 0911分 (共同通信)

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