人事評価を確実に運用させる4つの対策

人事評価は「構築3割、運用7割」と言われます。どんなに立派な評価制度を作成してもそれを運用することが出来なかった「絵にかいた餅」です。そして、人事評価制度を職場に定着させるために最も重要な「肝」は「運用」であることをこの言葉は示しています。

当社では、人事評価作成支援したほとんどのお客様に、構築後の運用までを含めて「伴走」をさせて頂きながら、職場にしっかりと定着するまで支援をさせて頂いております。

下記に評価制度の運用面で、お客様からよく頂く御質問を4つご紹介いたします。

1,評価は5段階評価か、3段階評価か

上司が部下を評価するときの評価段階としては、多くの職場で5段階評価を使用しているものと思います。

例えば

「5点:大変良い、4点:良い、3点:普通、2点:すこし問題がある、1:かなり問題」

概ね、このような意味合いで5段階評価をされている職場が多いのではないでしょうか。

5段階の場合の問題として多いのが、「厳しい評価者は2点が多く、甘い評価者は4点が多い」という傾向があったり、また自己評価も5段階場合は、「自己評価と上司評価の差が顕著になる」といった問題がよく指摘されます。

それでは3段階として場合はどうでしょうか。

例えば、「5点:良い、3点:普通、1点:課題が多い」といった場合に、シンプルでつけやすいものの、結果、3点の普通が多くなり、差がつかないのではないかという心配されるかもしれません。ただ、全ての項目を点数化し、それを合計点にすることで個人差は確実についてくるものです。

このように評価段階の数は「評価のしやすさ」という観点で、評価実務上とても重要な問題となります。それぞれのメリットとデメリットを検討しながらそれぞれの職場にあった方法を決めていく必要があります。

2,評価項目は「評価しやすく」

① 評価項目は具体的な行動表現にする

「心構え」や「意欲」ではなく、具体的な「表情」「態度」「所作」「言葉」「行動」等の行動表現にしてください。

ex.「問題の解決に努めている」これは「意欲」であって、「行動」ではありません。

つまり、「~できる」「~に心掛ける」「~に努める」という表現は避け、「~を(実践)している」という行動表現で書き出してください。心構えや意欲ではなく、具体的行動もしくは成果で書き出すことが重要です。また、できるだけポジティブな表現にすることも大切です。

② 評価項目数は20個以内、評価シートは1枚が理想

評価の際の実務工数を考えれば、評価項目の数は、評価内容にもよりますが、20項目以下に抑えたいものです。「出来るようになってもらいたいこと」、「大切にしてもらいたいこと」などを考え始めると、どうしても項目が多くなってしまうことがあります。ただ、評価自体に不慣れな職員が多い場合であったり、評価にかける時間を十分に配慮しなければならない職場等の場合には、評価項目に優先順位をつけることで、項目数を極力絞ることはとても重要です。また評価シートも全ての評価項目を1枚(A4またはA3)で納めるようにすると「見やすく」また「わかりやすく」なります。

3,目標設定はしっかり話し合って決める

期首に行う目標設定は、とても重要です。よく評価結果に対し「信頼感がない」等と

批判されることがあります。その原因は、評価者の質(甘い・辛い等)や評価項目の不適格性(現場に即した項目になっていない等)などと言われることが多いのですが、実は目標設定の決め方に問題がある場合が多いのです。

期首に、本人の自己申告に基づく目標を上司として、しっかり吟味し、結果につながるような目標を策定すること。そして期首面談では、この目標を上司と部下の共通目標として、実現に向けてしっかり「握る(約束する)」ことが、極めて重要なプロセスとなるのです。

4,人事評価面談は3カ月に1回を目指す

人事評価に伴う上司と部下の個人面談頻度が年に1回~2回といった職場が多いものと思います。ただ、出来れば1年に4回(3カ月に1回)は個人面談を行うことをお勧めしています。

4回のうち2回は評価結果のフィードバック面談であり、残り2回は期中の面談で目標に向けた進捗状況確認を目的にした面談です。もちろん1対1となれば、それ以外の相談事もたくさん出てくるものと思います。出来るだけ、計画的に面談(コミュニケーション)の時間を作る努力をお願いしたいと思います。

面談頻度によるメリットとデメリット

いかがでしょうか。評価制度運用面で、必ずと言っていいほどご相談をうけるのが上記4つのポイントになります。

もちろん、それ以外にも評価者からの相談事項などが多数あります。これらの課題は、実際に運用してみて初めて気づくものですが、それらを真摯にひとつひとつ解決していくことが制度の定着に向けた最も重要な施策となります。

5,当社が提案する評価制度運用のためのコンサルティング

① 評価者研修

<評価の最大の狙いは育成であることを理解する>

【ワーク】組織・部下から期待されているものを考える
  • 人事評価制度とは~組織目標達成のツール
  • 評価者の役割~人材育成
  • 人事評価制度を活用する~PDCAで育成する
  • 評価者に求められるもの
【ワーク】人事評価をするにあたって不安に思っていることを洗い出す

<公平に能力を評価するうえで注意すべき点をおさえる>

  • 評価の手順 【参考】事実の収集方法~行動記録をとる
  • 評価の精度を高める~評価者が陥りがちなケースと防止策

<評価面談で使える具体的な手法を学び、実践する>

【ワーク】ケースを想定して、役割を分担し、面接のロールプレイング

② 被評価者研修

評価を受ける職員全員を対象に、評価制度の「目的や意味」をしっかり伝え評価自体を「自分ごと」として前向きに捉えて頂くための研修。

<評価の目的と意義を理解する>

  • 人事評価に関するイメージは・・・
  • 何のために人事評価に取組むのか
  • 人事評価とは
  • 何が評価されて、何が評価されないのか

③ 評価者ミーティング

評価者が複数いる場合の評価者間の「目線合わせ」を目的にしたミーティング

具体的な評価事例をケーススタディーとして取り上げ評価者の「目線」を合わせる(どのような事実があれば高評価にして、どのような事実があれば低評価にする等を共有化する)ことにより評価者毎のバラツキを減らしていく。特に評価者が3人以上いる場合にお勧めしております。

④ 評価制度メンテナンス ミーティング

評価項目は実際職場で使ってみて初めて気づく不具合点や修正点等があるものです。

そのような職場の意見を反映させ、評価項目を加筆・修正することで、より使いやすい評価項目にしていくことが必要です。

それを定期的(1年に1回程度)に行っていくのが「評価制度メンテナンスミーティング」となります。

目的:評価項目の加筆修正
  • 評価項目の修正
  • 配点基準の修正 等

⑤ 評価決定ミーティングの実施

評価結果は出たものの、評価者による「甘い、辛い」のバラツキ、高評価や低評価への偏重、現場での実際の評価と遊離していないか・・・等を 必要があれば是正し、最終評価結果に繋げるミーティングを行います。

目的:評価結果の確認と妥当性検証および評価結果を反映した昇給額、賞与額確定

以上、お客様のご要望に応じてコンサルティング内容を検討してご提供いたします。
尚、コンサルティング費用についてはお客様から具体的なご要望をお聞きした上で、お見積りを提示させて頂きます。

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