保育職場でのQ&A

Q 経歴を詐称していた保育士の対応

前園長の離職に伴い、急遽、中途採用した園長が、特段問題なく勤務していたのですが、最近になって、前職における業務内容や保育士としての経験年数に関して、履歴書や職務経歴書が虚偽であることがわかりました。当園では、園長の働きぶりには一定の評価はしているものの、もはや信頼関係を継続していくことができないと考えています。どのように対処すべきでしょうか。

 

A、このような経歴を詐称していた延長や保育士の対応を検討するにあたり以下の点に留意する必要があります。

 

  • 重要な経歴な経歴の詐称であることの確認

当該事実に関して、詐称されたことにより評価を誤らなければ、そのものを採用することがなかったといえるかどうかが必要になります。重要な経歴とは、最終学歴や職歴をいいますが、当該詐称の内容や、当該詐称者の地位、業務内容などに応じて、個別具体的に判断されるものと考えます。

 

  • 経歴詐称を理由とする懲戒処分の検討

重大な経歴の詐称を理由として懲戒処分を行うことが相当であると認められる場合には、当該詐称行為の程度に応じ就業規則に記載のある処分を選択することになります。

実務上は、就業規則において、「重要な経歴を偽り、そのほか不正な方法を用いて採用されたとき」を懲戒事由とし、懲戒解雇に処する旨を定めている例が多くあります。

Q 以前、働いていた施設・園のやり方に固執する職員への対応

Q 以前、働いていた施設・園のやり方に固執する職員への対応

最近、転職してきたベテラン職員が、以前いた施設のやり方やルールを持ち込んで困っています。利用者から苦情があればまだ注意もしやすいのですが、特にそのようなこともないので注意しにくい状況です。このままだと職場が混乱してしまいます。

A,この職員はすでに勤務先の施設と雇用契約を締結しており、施設の指揮命令に従い働く義務を負います。したがって上司の行う命令に従わない、上司に反抗的な態度をとるなど、実務に具体的な支障が出てくると、企業秩序も保てない状況になります。昔から「郷にいれば郷に従え」といったもので、使用者の施設が、以前いた施設のやりかたやルールに拘束される必要はまったくありません。
無論、転職してきたこの職員の能力や経験を買って採用されたのでしょうから、たとえそれが以前の施設のルールであったとしても頭ごなしにダメとは考えずに、良い部分があればそれを取り入れていく柔軟な対応も必要です。
 この場合に、管理者に対する反抗には2種類あり、どちらなのかを見極めることが管理者の重要なしごととなります。①単なる意見の食い違いあついはコミュニケーション不足からくるもの②管理者に対する個人的な人間性にたいするものからくるもの、このどちらかを見極め、それに適切に対処することが出来れば、むしろこのような方でも、重要な戦力として活用できる可能性もあるのではないでしょうか。

Q メールやネットの掲示板で嫌がらせ・陰口に対する対応

Q, 昨今、メールやSNSで嫌がらせやいじめなど問題が激化するまで露見しなかったり
職場で顔を合わせているときと、メールでのやり取りでは態度のギャップが大きかったりして、傷が深くなる傾向があります。また、ネットの掲示板では、明らかに職員とわかる人が施設や上司の批判をしていることがあり困惑します。目の前で発言されれば対処の仕方がありますが、このように見えにくい、捉えにくい職員のネガティブ言動には、どのようにアプローチしていけばよいのでしょう。

 

A,あきらかに職員とわかる内容の書き込みもあるとのことですが、例えば施設の機密事項などを書き込んでいる場合には、呼び出して指導をおこないましょう。これは施設の信用問題になるので、きちんと教え込まなければなりません。
それと同時に、職員が入職する際に、「機密事項の保持に関する誓約書」を受領しているのかを確認してください。受領している場合にはこの内容に基づき説明と指導を行ってください。受領していない場合には、今からでも遅くはないので、受領するようにしてください。
そして、就業規則の服務規律では、「業務上知り得た秘密を在職中のみならず、退職後も外部に漏らさないことという条文があり、さらに解雇条文では「業務上知り得て内容を漏らしたり、信用、名誉を損なったときは解雇する」と記載があると思います。そして、具体的にどのようなことをすると機密漏えいに該当するのかを指導する必要もあると思います。職員の頭の中には「こんなことくらい」とか「表現の自由だ」と考える人もいるでしょう。時間をかけながら決してあきらめずに根気よく指導の姿勢をみせることも大切です。
またいじめや嫌がらせの場合には、まずはターゲットになっているひとを落ち着かせてください。まずは「気にしないように」と声をかけ、気持ちを和らげてあげましょう。
 しかし、ここで注しなければならないのは、いじめの対象になっている人だけを擁護してはいけないということです。この場合、いじめる人、いじめられる人双方に非がある場合もよくあります。誹謗中傷されるような職員にも少なからず非がありますから
、かかわっている職員全員から話を聞き、そのうえで、なぜこのような事態になったのかを、
管理者が自分の目と耳で確認する必要があります。職員は自分の良い情報しか主張してこないので、全ての情報から判断していくことは大切です。

保育園で英語教室を担当している外国人講師が、保育園に無断で、授業の様子が映っている写真を自分のブログに掲載していました。この写真には園児たちの写真が写っていたため削除を求めましたが、再発防止に向けてどのように取り組むべきでしょうか?

Q 保育園で英語教室を担当している外国人講師が、保育園に無断で、授業の様子が映っている写真を自分のブログに掲載していました。この写真には園児たちの写真が写っていたため削除を求めましたが、再発防止に向けてどのように取り組むべきでしょうか?

 

A、このような事例の多くでは、保育士自身は、プライバシーに関する理解不足から、自らの行為で園児のプライバシーを侵害してしまったことに気づいていません。このため保育園としては、なによりもまず、保育園に勤務する職員にプライバシーについての正しい理解をしてもらうよう努めるべきです。例えば下記の対応などです。


・プライバシーに関する研修を実施する
・プライバシー配慮に関するマニュアルの作成
・人事考課の自己チェックシートにプライバシー保護項目を追加


各職員への教育を行ったうえで、それに違反した職員への処分についても就業規則
そのほかの社内規定に従って、適切な処分を行うべきです。
また、退職者に対しても、例えば、退職時に、退職者に園児のプライバシーに関するすべての記録を返却あるいは破棄させる、などの処置も重要です。
  本例のような外国人講師などの場合には、業務委託契約記載の個人情報移管する規定を一般的に使用されているひな形よりも丁寧に記載したり、契約書とは別に、プライバシー保護に関する誓約書を作成させることをお勧めします。

 

Q メンタルヘルス不調の保育士への対応

Q メンタルヘルス不調の保育士への対応

保育士の一人について、最近、欠勤や業務上のミスが目立つようになり、他の保育士に、仕事の家庭の両立に悩みを抱えているという相談をしているそうです。当該保育士は、勤務中子供たちに対しても暴言をはくなど、悪影響を及ぼしていると考えられます。このような保育士に対して、どのような対応をとるべきでしょうか?

A 保育士がうつ病に罹患したりメンタル不全に陥った場合、注意力の低下や怒りっぽくなったりすることで、園長や職員間に影響を及ぼすことがあります。また子供たちの発達に悪い影響を及ぼす可能性も否定できません。
1、 メンタルヘルス不調の可能性のある保育士の状態の正確な把握
そのためには、医師による診断結果の提出を求めるほか同僚の保育士から事情を聴いたり、まずは当該保育士の状態を適切に把握することです。もっとも本人がそのことを自覚していない場合、医師への受診を拒むこともあります。この場合には就業規則にそって受診義務があることを明らかにしましょう。その場合、円滑に行うためには就業規則で以下のように定め根拠を明らかにしておくことです。
「園が業務上必要と判断した場合には、職員に対して、指定する医師による健康診断を命じることができる」
2、 適切な就業上の措置の実施
健康状況を確認したうえで、職場環境の見直しが必要な場合には、勤務による負荷を軽減するため、就業時間の短縮、勤務内容の変更や必要に応じて一定期間勤務させない措置として、休業制度を利用することも考えられます。

 

Q当園の保育士の一人が、ブログ上で、当園の体制に対する不満を書きたてたり、園長を名指して批判したりしています。

Q 当園の保育士の一人が、ブログ上で、当園の体制に対する不満を書きたてたり、園長を名指して批判したりしています。これらの記載を読んだ保護者からは苦情や不安の声が寄せられています。当園としてどのような対応をとるべきでしょうか。

 

A 保育園では秩序を乱す行為が行われないよう就業規則などで遵守事項の服務規定を定めることが出来ます。これに違反したものは適正な手続きを踏んだうえで懲戒処分を行うことが出来ます。今回のような事例では、この書き込みが就業時間中に行われたものであるか否かに着目したうえ、場合によっては懲戒処分を行うことも可能になります。その場合には、まず就業規則の服務規定に「従業員はインターネットの掲示板やブログへの書き込みを行う場合、会社や従業員の名誉信用をき傷つけるような行為はしてはならない」などの規定を入れる必要があります。日ごろから職員には、このことを周知しておく必要があります。また就業時間中の書き込みであった場合には、職務専念義務違反を理由に保育士に対して、指導書を交付して、改善を求めるほか、懲戒処分を行うことが出来ます。

 

Q 職員の福利厚生を充実させ、能力の高い保育士を確保するために、借り上げ社宅制度を導入したいと考えています。導入方法を教えてください。

Q 職員の福利厚生を充実させ、能力の高い保育士を確保するために、借り上げ社宅制度を導入したいと考えています。導入方法を教えてください。

 

A  保育士の待遇改善の一つとして、住宅支援制度が広く導入されています。住宅支援の方法は大きく分けて二つあります。保育園が契約している賃貸物件に居住し、家賃の一部を自己負担として、毎月の級から天引きされる方法(借り上げ住宅制度)と、毎月の給与に手当として支給される方法(住宅手当支給制度)があります。一般には住宅借り上げ制度の方が保育士の自己負担が定額になるので、手厚い制度となります。以下、借り上げ住宅制度を導入するのは次の二点を検討する必要があります。
(1) 各自治体の住宅支援制度の調査
人材確保のため、自治体では借り上げ社宅制度を導入している保育事業者に対して補助金が支給されています。この事業を活用できれば、例えば、横浜市では対象経費の4分の3が東京中央区では8分の7の補助金が支給されます。ただし、社宅を利用する保育士の実務経験が5年以下であることや社会保険被保険者であることなど自治体によって補助要件が定められています。
(2) 社宅使用契約書、社宅管理規定
 借り上げ住宅制度を導入するには、少なくとも、社宅管理規定と社宅使用契約書を作成する必要があります。住宅管理規定は、保育事業者が保育士に社宅を利用させる場合のルールを定める規定です。社宅使用契約書は、保育事業者が保育士に社宅を使用させるにあたり、保育事業者と保育士との間で締結する契約書となります。

 

 

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