介護職場でのQ&A

Q ある介護職員のせいで退職者が続出

Q  ある介護職員のせいで退職者が続出

職員の定着率が悪いなと感じていた時、辞めていくある職員が「私、Aさんが怖くてやめるんです」と教えてくれました。どうやらA職員は、利用者にいじめや嫌がらせをしていたようなのです。A職員の行動は一般職員にも有名らしいのですが、管理者には一切のその情報があがってきませんでした。辞める職員の密告であることがA職員にわかれば、辞めて後もその職員になにをしてくるかわからないので、内緒にしてほしいと言ってきています。でもそのままにしていたら、退職者が続出だけでなく施設の信用にも関わります。どのように指導したらよいでしょうか。

A、  事実を確認したうえで、服務規律にそって指導や制裁を検討しましょう。
退職者が辞めるときの本音は「辞めるのだから自分はもう関係ない」とか「辞めるときには問題を起こしたくない」という心理状態が働きますので、黙って身を引く社員は多いものです。
なかには今回のように、残される社員のために、とか自分にしか言えないことだから、ということで教えてくれる社員もいますので、これは大変ありがたいものです。
まずは、問題社員の行動が、退職者の言ったとおりなのかを確認する必要があります。一人だけの意見の場合にはどれだけ信ぴょう性あるかは、わかりません。ほかの社員からも聞き取りを行ったり、いつも以上に注意深く観察しておく必要があります。
 確認したうえで、間違いなく問題を起こしている場合には、その社員を呼び出し、その程度によっては、指導しながら就業規則に定める制裁をあたえましょう。「制裁」という条文で、「利用者やその家族及び取引先などに不信招く応答など、対外的業務に誠実性を欠き、本法人の信用を傷つけた場合には罰則を与える」というような内容が定められていると思いますので、その条文を見せながら、具体的にどのような違反行為がおこなわれたのかを
説明し、指導していく必要があります。いきなりの解雇ではなく、指導や始末書から初めて段階的に指導していきます。そしてその指導内容は記録に残しておくようにします。
規律が守れない社員には、管理者は指導をあきらめてしまいがちです。しかし、あきらめてしまったら、利用者や従業員の安全はどのように守られるのでしょうか。
また、職場風土として「密告」ではなくて、よりよいサービスを提供するために何が必要かを、いつでもだれでも発言できる職場環境を整えることで、事業所全体を高めあっていく風土を形成していきましょう。

 

 

Q. 当直の仮眠時間を勝手にかえてしまう

Q)

 当直勤務の時、仲の良い同士の組み合わせになると、施設が決めた仮眠時間ではなく、二人で相談して仮眠時間を決めてしまう職員がいます。確かに業務に支障はありませんが
ルールを勝手に変える態度は問題だと思いますし、緊急時には問題が出る可能性もあります。どのように説明したらよいでしょうか?

A)

つじつまが合っていれば問題ない問題ないと思っている職員の意識に問題があるケースです。緊急時に問題が出ることがわからないのは、今まで緊急時の経験がないからでしょう。しかし、何かあってからでは遅いことを伝えなければなりません。また具体的に考えられる危険性をできる限り出し、文書にまとめて、その場合どのような対処するかを職員に考えさせることも必要でしょう。
 また、ルールを勝手に変えてしまうことは、宿直だけではなく施設全体の問題に発展していきます。「ルールを守ることが職員の義務である」ということを伝えていかなければなりません。宿直制度がある場合、就業規則で規定されているはずですので、まずがそれを確認してください。その中で「宿直者はその職務を果たし、非常時には臨機の措置を取らなければならない」という一文があれば、施設が決めた仮眠時間に仮眠をとることが職務であることを伝えましょう。またこのような定めがない場合には、就業規則を修正する必要があるでしょう。そして、このようにコミュニケーションをとりつつも改善が見られない場合には、
このような職員を同じ勤務の宿直にはしないようにしましょう。

Q,同僚が嫌いだからという理由で退職する職員への対応

Q,同僚が嫌いだからという理由で退職する職員への対応

入職して3か月もたたないうちに、「同僚の〇〇さんとは合わないので辞めます」といって退職した職員がいます。出会ってまだ日が浅いのに、職場の同僚たちほぼ全員に、聞くに堪えないような悪口を言って去っていきました。辞めることに関しては、むしろ早めに辞めてもらってよかったと思っているのですが、そういう退職の仕方は社会的にどうなのかと困惑しています。今後に向けて何かアドバイスはありますか?

 

A、一番の問題は、辞めた理由ではなく、個人的な感情を周りに漏らして辞めるという行動です。自分勝手な行動により相手を気づつけることを容認していると、次も同じような行動をとる職員がでてくる可能性もあります。退職前にその事実が分かったのであれば、退職者を呼び、「どのような事実があってそんなに嫌いになったのか」を聞き、そのうえで「理由はわかったけれど、それを周りの職員に言ってはいけません。管理者である私が何度でも聞くから」とその行動を戒め、誰にならはなしていいのか、という代替え案も示すといいと思います。
退職理由の聞き取りが重要な理由
退職者との面談は、辞めることを引き留めることが理由ではありません。このようなケースと同様な理由でいままでも退職者が出ていたかもしれないのです。つまり、〇〇さんが管理者の知らないところでいじめをしている、という可能性も否定できないということなのです。「辞めるときにトラブルを起こしたくない、黙っておこう」と考える方は多いはずです。だからこそ、あえて聞き取りの機会を作ることは重要なのです。
今回のケースで言えば、攻撃の的となった〇〇さんは相当心を痛めているはずです。〇〇さんは、もしかしたら他の職員も同様な目で私をみているかもしれない、と思い疑心暗鬼になる、連鎖的な退職になることは防がなければなりません。まずは○○さんには、この退職者の話は気にしないようにフォローをしておく必要があります。
 また、〇〇賛意がの職員には、今回のような社会人らしからぬ行為はしないこと、また人の話は鵜呑みにしないこと、こういった行動は職場の秩序を乱すことになると伝えてうえで、「仕事上訴えたいことや、やりにくい点がある場合には、こういう伝え方ではなく、早めに管理者に相談するように」といった指導をしていきましょう。管理者としてはこのような時をむしろチャンスととらえ、チームワークを強固にするようにフォローしていきましょう。

Q 始末書に「施設が指導してくれない」と書き、反省してくれない職員への対応

Q 始末書に「施設が指導してくれない」と書き、反省してくれない職員への対応
 仕事のミスが多くクレームが入った職員に対して「始末書」の提出を求めたところ、その内容が「施設の指導が出来ていない為自分もミスをした」とまったく反省していない様子の始末書を提出してくる職員がいます。反省の色が見えず、始末書の意味がなくなっているような気がします。どうように対応したらいいでしょうか?

 

A 始末書というのは、業務などに規律違反をしたり、過失をしたりした場合に、その行為を反省し、謝罪し、同じことを繰り返させないようにする書面です。就業規則の制裁規定にも始末書に提示を求めています。

今回は、ミスが多くクレームまで入ってしまったので、その行為を反省してくれることを期待して提出を指示したのでしょう。しかし、反省するどころか施設へ責任転嫁していることがわかります。この場合、施設側が「指導をしたでしょう」と言ったところで「言った、言わない」の押し問答にしかならないのであれば、具体的な行動を振り返らせます。そして、改善することを具体的に指示し、ほかにも案があるならば自分から案を出してもよいように、ある程度「自由度」をいれると本人も書きやすくなります。
戒めるべきことは、「利用者さんのことを考えていなかったこと」ですから、話の途中で「自分はできていると思っても、利用者さんや他の職員はできているとは思っていない」ということを伝えるのです。そのうえで、「始末書」という書面ではなく、「改善提案書」と名称を変えるのもいいかもしれません。始末書というとどうしてもネガティブなイメージが強いからです。しかしここでも大切なのは、自分の行動を戒めて将来につなげることです。ですから書くハードルを下げ「改善提案書」に改めるというわけです。そしてこのフォーマットのなかに書くべき項目を入れ込んで記入してもらいます。ポイントは
① どんな状況でクレームが発生したのか
② それはどんな原因があったのか
③ そうすればそれを改善できるのか具体的な例をあげる
④ いつから実施するのか

人は埋め込み式の方が、書きやすくペンが進みます。まずは「自分の行動をふりかえり、反省してもらう」ことから始め、具体的な改善行動案を書いてもらいます。それでもできない場合には、「自分で書いたことなのになぜ実行がでいないのか」と面談で深堀していきます。
この書面を提出させるというのは、成長の過程もわかりますし、指導をしている実績もわかりますのでぜひともお勧めします。

Q 行動に余裕がなく、日常会話や安全なケアに支障がある職員への対応

Q まじめなで一生懸命な職員なのですが、利用者への対応、職員同士でも、人と目が合わせられず、日常の会話でも動揺したようになってしまい、必要な受け答えができません。ケアの上でも、自分がしていることで手いっぱいで、利用者が不快や苦痛を訴えても、まるで目に入りません。長い目で見守ろうと1年待ちましたが、改善が見られません。また、彼女にできる仕事に限定して配置する余裕は、当施設にはありません。これは解雇の理由になるのでしょうか?

A そもそも解雇というのは、事業主から一方的に契約を解除する、ということですから解雇された職員にしてみれば、生活保障がなくなってしまう、という緊急事態に落ちってしまうわけです。また、いかなる理由があるにせよ、解雇は他にも影響が出やすいものだという認識が必要です。まず、今いる職員も「わたしもいつか解雇されるかもしれない」という後ろ向きな発想から、活気ある職場がつくれなかったり、採用活でも悪いうわさが流れて職員が確保できなくなったり、またそのほかにも地域での風評被害など、マイナスの影響が懸念されます。
解雇をめぐる2つの重要な争点
 解雇をめぐる判例はたくさんありますが、次の2点は重要な争点になります。①就業規則の解雇規定が具体的に記載されているかどうか(限定列挙)②採算指導していたにも関わらず改まらなかったかどうか。もちろん他にも争点はたくさんありますが、指導もしていないのにいきなり解雇は処分が重過ぎる、ということであれば金銭で解決する可能性もあります。
次に管理者のとるべき具体的な行動についてです。
まずは、当該職員に続ける意思の確認が必要です。例えば「今後も介護職員としてやっていく気があるか」を確認する必要があります。管理者だけがやる気になっても本人がやる気がなければ始まりません。やる気がなければ、この質問に「実は、向いていないと思っていて、辞めようかと悩んでいたところです」というような回答が返ってくることもあるでしょう。そこで、やる気はあるが、やり方がわからず困っているといのであれば、それは管理者が一緒に改善していく問題です。そんな時には、例えば「あなたが本気で改善していく意思があるのならば、こちらも一緒に今まで以上に本気で教えていきます。それで1か月、まずは目標に向かってできるようにしていきましょう。これは最後のチャンスです。それで、もし成果が出なければ、あなた自身で自分をよく見つめなおした方がいいと思います。あなたと利用者さんの幸せのために、あなたが安全にケアができるように本気の指導をしていきますからね。すべてはあなたの頑張り次第です。
次に管理者は、徹底して目標管理を行い、「何ができるようなって」「何が出来ていないのか」
など記録を残しておくことです。また毎日間違いを繰り返す場合には「改善案」を文書で出させましょう。すべて記録で残すことは、のちのリスク回避にも必要となります。
ここで大切なのは、「再三にわたる指導」があっての改善が見られないという記録です。ここでいう「再三」とは、内容にもよりますが1回から2回程度ではなく、5回から10回程度は必要と考えておいた方がいいでしょう。

Q 自分は遅刻し、パート職員にタイムカードを押させている職員への対応

Q 自分は遅刻し、パート職員にタイムカードを押させている職員への対応
毎朝遅刻してくるベテラン職員が、自分より立場の弱いパート職員に毎朝タイムカードを押させていることが発覚しました。以後改めるよう指導しましたが、勤務に臨む態度や職場の人間関係といったことのほかに、法的な問題がありはしないか、気になりました。このケースで、どんな問題が起きる可能性があるでしょうか。

A  服務規律違反であることを指導し、証拠書類を残しておく必要があります。
この場合、考えられる問題としては、管理者の労働時間の把握不足による問題です。遅刻をしたら、その分賃金を控除するのが原則ですが、タイムカード上は遅刻をしていない場合、あとあとこの問題職員が「賃金不払いではないか」と訴えを行う可能性もないとはいえません。なので、明らかに打刻の不正をしたのならば、口頭指導だけではなく、
本人に遅刻したことを申請させる必要があります。つまりタイムカード上も遅刻したという記録を残す必要があります。
職員には守らなければならないルールとして、打刻の仕方を指導するのはもちろん、守らなかった時の処罰も指導し、それが適切に運用できるように、管理者は勤務開始時刻に朝礼や申し送りを行い、不正ができないような仕組みづくりを行いましょう。

Q 個人的な理由で定時後も居残って働く職員への対応

Q 個人的な理由で定時後も居残って働く職員への対応

個人的な自己研鑽のため、という理由で、提示後も数時間残っている職員がいます。自己研鑽のためとはいえ、実際には利用者のケアにも入っており、仕事をしているのと変わりわないように思います。本人からは「仕事をしているわけでないので報酬はいらない」と言っていますが、この場合には払わなくていいのでしょうか?

A、 使用者が指揮命令をしていないのであれば、残業代を支払う義務はありません。ただし使用者が残業を明確に命令していなくても、残業代を支払う義務が生じるケースもあるので注意が必要です。これには、言葉や書面で明確に指示をしていなくても、実質的に指示があったと推定される場合があります。例えば、定時後に数時間残っている理由が、他の利用者をケアする職員が不足していた、あるいはいなかったなどの事情があった場合、使用者が残業指示をしていなくても黙示的な指示があったとみなされ残業代を支払う必要があります。
対策としては、残業する場合には、上司の許可を受け、かつその内容に関し職員から報告をうけるなど、職員が勝手に残業をすることのないよう制度として定着させることをお勧めいたします。

 

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