医療

【居宅介護支援】特定事業所加算の算定率は? 最上位の加算(I)は3.7% 厚労省最新統計

介護保険の給付費の動向を明らかにする厚生労働省の統計の最新版が今月9日に公表された。居宅介護支援のデータには、事業所の経営に大きな影響を与える「特定事業所加算」の算定状況も含まれている。

昨年10月審査分をみると、最上位の加算(I)の算定件数が全体に占める割合は3.7%。加算(II)は41.1%、加算(III)は15.3%となっている。新設された加算(A)は0.8%に留まっていた。

特定事業所加算の算定の有無は、居宅介護支援の黒字、赤字を分ける重要な要素の1つ。厚労省は今年度の介護報酬改定で、各区分の要件を従来より増やしつつ単位数の引き上げを行うとともに、小規模な事業所でも取得しやすい区分として加算(A)を新設した経緯がある。

 

介護処遇改善支援補助金のポイントのまとめ

1,1月あたりの介護報酬総単位数によって受給額が変動
 いよいよ2月より、介護処遇改善支援補助金がスタートする。介護職員を対象に賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を3%程度(平均で月額9,000円)引き上げるための措置となる。補助額は、1か月あたりの介護報酬総単位数(介護職処遇改善加算および介護職特定処遇改善加算の金額を含めた総額)にサービス別交付率を乗じる。補助額については、同一の設置者・事業者が運営する他の事業所・施設に賃金改善に充てることが出来るとして、法人一括での処理が可能となった。そのため、配分金額を決める際には、法人全体でやりくりができるようになります。
 但し、人員基準上、介護職員の配置が少ない、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具賃貸、居宅介護支援、介護予防支援については対象外であるため法人一括であっても、併設する居宅介護支援のケアマネージャーへの支給はできないことになる。

2,その他の職員への分配も可能
 介護職員特定処遇改善加算と同様に、その他の職員への処遇改善にもこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めている。その他の職員の範囲は各事業において判断するということになる。そのため、介護報酬の請求事務をうけもつ本部の事務職員も初級対象になる。この補助金の場合、その他の職員への分配について特定処遇のような分配ルールは設けられていない。事業所の裁量に任せる形となる。そのため、その他の職員に分配を行う場合には、介護職員の処遇改善を目的にした補助金であることを十分に踏まえた分配を行う必要があり、その他の職員に過度な分配を行った場合、指導対象になる可能性があることに注意すべき。

3,介護職1人9000円の支給は困難
 補助金は介護報酬総単位数にサービス別効率を乗じる計算方法であるため、一人当たりの9000円支給することは実際には困難。理由は処遇改善加算と同様に月々の稼働率に左右されるから。新型コロナウィルス感染者が出たことで、休業や利用控えがあった場合には大きな減額となる。また、分配する対象職員数でも、一人当たりの支給額はかなり変動することになる。一人当たり9000円の支給額が可能になるのは、毎月の稼働率が100%に近く、介護職員の人員基準通りで運営を行う場合で、その他の職員への分配を見送る場合ケースに限定される。

4,2月分から賃金改善が必要
 対象期間は、2022年2-9月の賃金引き上げ分となる。取得要件は2月の時点で処遇改善加算のⅠ~Ⅲのいずれかを取得している事業所である。2月段階でⅣ~Ⅴ算定している事業所は受給できない。かつ、2,3月から実際の賃上げを行っている事業所とされている。ここでいう2月分とは、2月に支給される給与、または、例えば2月末締で3月に支給される2月分の給与のどちらでもよい。
 さらに、介護職員処遇改善加算の支払いに合わせることも可能です。2月請求分の介護職員処遇改善加算は3月に国保連合会に請求され、4月25日に振り込まれる。そのため、2月の処遇改善手当を4月または5月の給与で支払う事業所も多い。この場合、補助金につても現行の処遇改善加算と同じ扱いとするため2月分の補助金を4月または5月に支給することも可能となる。ただし、処遇改善加算を年2回の賞与のみで支給する事業所の場合は、この支給サイクルは使えないものと思う。
 また、補助金の取得を行う介護サービス事業所者は、2月分から賃金改善を行った旨を2月末日または3月末日までに都道府県知事に報告する。この場合、メール等の提出も可能とした。

5,賃金改善の合計額の3分の2以上を月額支給に
 補助金は、賃上げ効果を効果的に資するよう、2月から9月分までの賃金改善の総合計額の3分の2以上はベースアップとして、基本給または決まって毎月支払われる手当の引き上げに充てることが要件となります。毎月支払われる手当とは、支給が不安定な、夜勤手当や残業手当、休日出勤手当などは不可となります。現実的には、処遇改善手当などの名目での支給が一般的となる。手当の場合、毎月支払われることが要件であるが、固定金額であることは求めていない。
 就業規則(賃金規程)の改定に一定の時間を要することを考慮して2,3月分は一時金での支給が可能とされている。この場合、一時金扱いであるため、3分の2以上をベースアップに充てる金額には含まれないので注意が必要となる。4月から9月までの月額支給分で8カ月の総支給額の3分の2以上を満たす必要がある。

6,3分の1未満の部分は補助金の調整可能部分
 3分の2以上をベースアップに充てることで、残りの3分の1は賞与などの一時金での支給が可能である。補助金全額を毎月のベースアップに充てることはお勧めしない。理由は補助金額が稼働率の影響をうけるからだ。毎月のベースアップ部分は、稼働率が下がったとしても減額することは難しく、結果的にお事業者の持ち出しとなる。この補助金では持ち出しでの自己負担は求めていない。何らかの理由で、稼働率が下がり補助金額が減額となった場合は、賞与で減額となった分を調整すべきだ。

7,4月15日までに計画書、1月末に実績報告を提出
 受給するには、4月15日までに処遇改善計画書を提出し、1月末に実績報告書を提出する。2月から4月までの3か月分はついては、6月から国保連から一括で振り込まれ、
11月から1か月分ずつ振り込まれる

8,10月からは加算に切り替わる
 この補助金は2月から9月までの8か月間だけの支給である。10月からは基本的な算定要件はそのままに、加算に切り替わることになった。9月までは補助金であるため、利用者負担はない。10月からは加算になるため利用者負担が発生する。また計算方法が異なり1月あたりの介護報酬総単位数(介護職員処遇改善加算及び特定処遇改善加算の金額を差し引いた金額)となる。補助金では介護処遇改善加算と特定処遇改善加算を含めた金額であり、加算では差し引いた金額となる。そのため加算率は補助金より引き上げられる。
 尚、24年3月までの処遇改善加算関連が3本存在することとなり、事務負担の増加が懸念されているが、今年の10月に一本化などで混乱させるより補助金の仕組みをそのまま継続させことは事務負担軽減になると判断されたようだ。しかし、来年からは24年度報酬改定の審議が行われる為、その段階で今後のあり方が検討されることになる。

生理休暇の申請があった際の対応

Q

女性職員から、生理で体調が優れず休みたいと、生理休暇の請求がありました。今回は休暇を認めましたが、当施設では事前にシフトで人員配置を決めているので、できる限り出勤してもらいたいと考えています。生理日でも出勤をさせたり、休みの日数に制限を設けたりすることはできますか?

A

女性職員から生理休暇の請求があった場合、施設は、請求された期間に就業させることはできません。また、生理休暇の取得日数も制限することはできないため、施設は、女性職員から請求のあった日数の休暇を認める必要があります。

詳細解説

1.生理休暇とは
女性職員が、生理日に下腹痛、腰痛、頭痛等で著しく体調を崩し、仕事をすることが困難な状態にある場合で、本人から休暇の請求があったときは、施設は請求した女性職員を働かせることはできません(労働基準法第68 条)。また、生理は期間や症状・体調不良の程度に個人差があり、基準を設けることができないことから、施設が就業規則などで休暇日数の制限を設けることもできません。
さらに、1 日単位での取得だけでなく、半日や時間単位での生理休暇の請求が女性職員からあった場合、施設はその休暇の請求に応じる必要があります。具体的には、「痛み止めを飲んで時間が経てば症状が落ち着くので午前だけ休みたい」、「急に生理が来て体調が悪くなってきたので早退したい」といった請求が考えられます。
なお、生理休暇の時間に対して給与を支払う義務はないため、有給とするか無給とするかを就業規則で定めておく必要があります。
2.生理休暇の申請があった場合の証明
生理休暇は、その性質上事前に申請することが難しいため、当日申請するケースが多くみられます。その際、女性職員に対し、「生理によって就業が著しく困難であったこと」の証明として医師の診断書などを提出させることはできず、証明を必要とする場合であっても、対象の女性職員の上司や同僚の証言程度の簡単な証明で足りるとされています。

 

近年、働き続ける女性が増えていますが、女性職員がいる事業所のうち、生理休暇の請求があった事業所の割合は3.3%、生理休暇を請求した女性職員の割合は0.9%です(厚生労働省「令和2 年度雇用均等基本調査」)。生理休暇を請求しづらいといった女性職員の声もありますが、体調不良であるにもかかわらず無理をすることで、業務の能率が低くなりミスが生じることも想定されます。生理休暇の法的な位置づけを確認し、適切な運用を考えることも、職員の能率低下やミス防止の対策として重要でしょう。

 

Q, 看護職員の強い要望もあり、看護部では時間単位有休を採用しようと事務長に相談したところ「半日単位があるから今は必要ない。管理も煩雑になるので」と拒否されました。そんなに管理が面倒なのでしょうか。

、時間単位年休は残日数、時間の管理が煩雑になりやすいのですが、部署ごとに現場で管理する方法を決めておくといいでしょう。総務担当の負担も軽減されます。全部署一括ではなく、看護部やリハ部門から試験的にどうする方法がいでしょう。

時間単位年休は平成22年4月1日から施行され、半日有休と時間単位有休を併用しているケースもありますが、時間単位有休を導入する際に、半日有休をなくすのが一般的です。

 時間単位有休は、労使協定を締結することで、一年間の有休休暇日数のうち繰り越しも含めて5日を限度に時間単位で付与することが出来るものです。ただ以下4項目について使用者と労働者が協定で合意しなければなりません。

 ①対象労働者の範囲 

 ②時間単位年休日数(5日以内)

 ③時間単位年休の1日の時間数

 ④1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数

また、有給休暇の事後振替を認めるかどうかについて、法律上特に定めはありません。認めることも、認めないことも医院で決めることができます。ただ、欠勤の理由が体調不良を交通事情というならまだしも、寝坊を理由に欠勤遅刻した職員が安易に申請することを避けるため、事後の振り替えを認めない病院もあります。

 また、時間単位年休は1時間単位で採用できますが、遅刻など安易な利用を極力避けるため、30分程度の遅刻には利用しずらい「2時間単位」で認めている病院も実際にあります。

Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

A、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

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ストレスに負けない三つの感覚

最近、仕事や生活の場面でストレスを

> 感じていることはありませんか?

> 

> 何となくストレスを感じながら、

> その原因が分からないという

> 方も多いかもしれません。

> 

> そこで今日は、自分のストレスの原因について

> 少し分析的に見てみませんか?

> 

> 気持ちがスッと晴れるきかっけを

> 掴めるかもしれないので、

> ぜひご一読ください。

> 

> 

> ■■□―――――――――――――――――――□■■

 

>     「ストレスに負けない三つの感覚」

> 

>     松崎一葉(筑波大学大学院医学系・教授)

> 

> □□■―――――――――――――――――――■□□

 

> 

> 同じような環境で、

> 同じような仕事内容で働いていても、

> 病気になる人とならない人がいます。

> 

> それはなぜでしょうか。

> 

> うつ病に限らず、すべての疾病は

> 環境要因と個体要因のバランスによります。

> 

> 例えばどんな屈強な男性でも、

> 何日も寝ないで重労働に従事すれば

> 体を壊してもおかしくはありません。

> 

> それが環境要因です。

> 

> 

> 一方で本人の資質に起因する病もあり、

> 特に精神的な病の場合、その人のストレスの

> 感じ方によるところも大きいでしょう。

> 

> その昔、医療社会学者の

> アーロン・アントノフスキーが

> ユダヤの強制収容所から生還した人たちの

> 健康調査を継続的に行ったところ、

> 一部の人たちはとても

> 長生きをしたことが分かりました。

>

> そしてその人たちは、共通して

> 次の3つの特性を持っていたと報告しています。

> 

> 1、有意味感

> ----------――

> つらいこと、面白みを感じられないことに対しても、

> 意味を見いだせる感覚。

> 明日ガス室に送られるかもしれない中でも、

> 自暴自棄にならずに、きょうの労働に精を出せること。

> 

> 我々のレベルに置き換えると、

> 望まない部署に配属されても、

> 「将来なんかの役に立つかもしれないし」と思って

> 前向きに取り組めることといえます。

 

> 2、全体把握感

> ----------――

> 先を見通す力、とも置き換えられるかもしれません。

> つらいことに直面すると、

> 人は一生それが続くように感じてしまいますが、

> 「ひとまず夜がくればこの過酷な労働も終わりだ」とか、

> 「いつかは戦争が終わって解放されることもあるだろう」

> と思えること。

> 

> 仕事に転じれば、例えば今週は忙しくて

> 土日出勤になったとします。

> 

>  

> 「なんて忙しいんだ」と思うのではなく、

> 「今週は休めなかったけど、

> 来週のこの辺は少し余裕ができるから、そこで休めるな」

> など、先を見て心の段取りが取れること。

> 

> それはそのまま仕事の段取りに通じます。

> 「来週のこの辺で忙しくなりそうなので、

> 他部署からヘルプをお願いできませんか?」

> と、パニックになる前に助けの要請を出せることで、

> 自分もチームも円滑に仕事が回せるのです。

 

> 3、経験的処理可能感

> ----------――

> つらい強制労働など、最初はこんなことは

> 絶対にできないと思っても、

> 「そういえばあの時もできないと思ったけど、

> 意外とできたよな。今回もできるんじゃないかな」

> と思えること。

> 

> 初めて手がける仕事でも、過去の経験から

> この程度まではできるはず、

> でもその先は未知のゾーンだと冷静に読める。

> 

> ただ、その未知のゾーンも、

> あの時の仕事の経験を応用すればできるかなとか、

> あの人に手伝ってもらえそうだなと把握できる感覚です。

> 

> また、大きくとらえれば、学生時代に努力して

> 練習したら大会で優勝できたじゃないかとか、

> 先生に無理だと言われたが、頑張って勉強したら

> 志望校に合格できたから今回もできるのではないか、

> と思えることも、経験的処理可能感といえるでしょう。

>

> これら3つの感覚はSOC(Sense of Coherence)と呼ばれ、

> 一般的にストレス対処能力を測る物差しとされていますが、

> 簡単にいってしまえば、

> 「きっとうまくいくに違いない」という

> 情緒的余裕と経験に基づく楽観性ではないかと思います。

> 

Q 当施設では、中途採用にも使用期間を設けています。過去の経験を見込んで採用した職員でも結果として適正に欠いていたという経験がある為ですが、能力に問題のある職員の本採用を拒否する際にどんな点に注意すべきでしょうか。

A 経験のある職員を中途採用したはいいが、予想外に能力が低くて困ったという話はよく聞きます。複数の施設を渡り歩く問題児でも転職したばかりのころはおとなしく、職場の水に慣れてきたところに少しづつ牙をむき出してくるようなケースもよくあります。

 中途採用に関しては、新卒学卒者に比べれば期待値が高いため、そのものの能力や勤務態度等の評価をめぐるトラブルは多いものです。したがって中途採用者であっても、使用期間を設けることは大切です。ただし、トラブル防止のためにも就業規則の規定に基づいて規定を設けること、本採用を拒否する場合があることなどを雇用契約締結の際にきちんと説明しておくべきでしょう。

 

使用期間満了での本採用拒否は解雇に相当する

 

試用期間途中の解雇については、採用後14日間を超えて就労した職員には解雇予告が必要です。この場合、少なくとも30日前に解雇を予告するか、即日解雇の場合には30日以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。

また、試用期間中はいつでも「解雇」が許されると思い込んでいる経営者の方もいらっしゃいます。これは誤りで、試用期間であろうと解雇については一般の職員と同様、入職後14日を超えれば予告手当が必要ですし、安易に解雇が認められないのは一般職員と同様です。ただ、本採用に拒否(事実上の解雇)事由が就業規則に明記されていて、採用時の「面接などでは予見できなかった事実」として該当すれば、それは認められるケースもあります。ここで大切な事は、「本採用拒否」の事由を就業規則に記載しておくことです。本採用拒否が認められる具体的な基準については、裁判例などから、「勤務態度不良」「勤務成績不良」「業務遂行能力の不足」「協調性にかける」「経歴詐称」などは具体的な理由として挙げられます。問題は、能力が不足しているということをどのように説明するかということです。

 

・「本採用拒否」に関する就業規則の記載例

一 遅刻、早退、欠勤が複数回あり、出勤状況が不良の場合

 二 上司の指示に従わない、同僚との協調性が乏しい、誠実に勤務する姿勢が乏しい等の勤務態度が不良の場合

三 必要な教育を施したものの法人が求める能力に足りず、改善の見込みが薄い場合

 四 経歴を偽り、その他不正な方法を用いて採用された場合

五 反社会的勢力若しくはそれに準ずる団体や個人と関係があることが判明した場合

六 督促しても必要書類を提出しない場合

 七 健康状態が思わしくなく、今後の業務に耐えられないと認められる場合

 八 法人の事業に職員として採用することがふさわしくないと認められる場合

 九 懲戒解雇などの解雇事由に該当する場合

 

問われるのは注意指導したプロセスと記録

 

  試用期間の解約権にもとづく解雇であっても、本採用拒否が有効と求められるための重要なポイントは、能力と適性が欠如している職員に対して「繰り返し注意・指導をしたけども改善の見込みがなかった」という事実とプロセスです。これは、通常の解雇の有効性が問われるプロセスと同様です。また、このような注意・指導を行ったという記録を残しておく必要もあります。

 

実務上は「退職勧奨」が一般的

 

本採用を拒否する場合、実務上は就業規則に基づいて退職勧奨をおこなうのが一般的です。試用期間中の評価をきちんと説明すれば、本人も「試用期間だからしかたない」と退職勧奨に応じるケースが多いように思います。そのためにも、就業規則には具体的な本採用基準を規定しておくことで、退職勧奨の説得材料にもなるわけです。

福祉施設等におけるパワハラ防止のための取組

2022 年4 月から、中小企業でも職場におけるパワーハラスメント(以下、パワハラ)の防止措置を講じることが義務化されます。ここでは、厚生労働省の調査結果※から、福祉施設等(以下、医療,福祉)におけるパワハラ防止のための取組への対応状況などをみていきます。

パワハラの発生状況

上記調査結果によると、過去3 年間にパワハラに関する相談実績や事案があったとする割合は、医療,福祉では6.4%でした。調査結果全体の9.5%に比べると、低くなっています。相談実績や事案があった企業における対応内容をまとめると、表1 のとおりです。

医療,福祉では、「被害者に対する配慮を行った」、「事実関係を確認した」が90%程度を占めました。全体と比較すると、再発防止に向けた措置を講じた割合が低いのは、気になるところです。

80%以上がパワハラ防止に取り組む

次にパワハラ防止に取り組んでいる割合をみると、医療,福祉は84.5%でした。調査結果全体では79.5%であり、全体よりも高い状況です。
パワハラ防止に取り組んでいる企業における具体的な取組内容をまとめると、表2 のとおりです。医療,福祉では「相談・苦情対応窓口を設置している」が最も高く、67.7%となりました。「就業規則・労働協約等の書面で内容及び、あってはならない旨の方針を明確化し、周知している」、「当事者等のプライバシー保護に必要な措置を講じ、周知している」も50%を超えました。

冒頭のとおり、4 月からは中小企業でもパワハラ防止措置を講じることが義務化されます。措置を講じていない施設等では、ここで紹介した取組内容などを参考に、対応を進める必要があります。

 

※厚生労働省「令和2 年度雇用均等基本調査」
2021 年7 月に発表された、常用労働者10 人以上の6,000 企業を対象にした2020 年10 月1 日時点の状況に関する調査結果です。有効回答
率は55.4%です。詳細は次のURL のページから確認いただけます。https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r02.html

 

 

 

医療機関等における1 人平均賃金の改定状況

新年度の賃金改定の参考資料として、2021 年11 月に発表された調査結果※などから、医療機関等の賃金改定に関するデータをみていきます。

1 人平均賃金引き上げ割合は増加

上記調査結果から、医療機関等(以下、医療,福祉)における1 人平均賃金の改定状況をまとめると、下表のとおりです。

医療,福祉では、2021 年の1 人平均賃金を引き上げた又は引き上げる(以下、引き上げ)割合が86.9%となりました。2020 年より3.2ポイントの増加です。回答企業全体よりも高い状況です。改定を実施しない割合は4.8%、未定は8.3%で、いずれも2020 年より減少しています。なお、引き下げた又は引き下げる(以下、引き下げ)割合はありませんでした。

改定額は2 年連続で減少

次に、前記および過去の調査結果から、医療,福祉の1 人平均賃金の改定額と改定率の推移をまとめると、下グラフのとおりです。

2021 年の改定額は2,855 円でした。2 年連続で減少し、3,000 円を下回りました。直近の10 年間では初めてです。改定率は1.5%で2020 年と同じですが、やはり直近の10 年では2012 年、2013 年とも並んで最も低い状況です。全体の改定額は4,694 円、改定率は1.6%で、それと比べても低くなりました。
2021 年の医療,福祉の賃金改定状況は、引き下げ割合がなく、引き上げ割合は前年より増加したものの、改定額は直近10 年では最も低くなりました。コロナ禍でも賃上げを行った医療機関等は増えたものの、その額については、前年以前の水準にすることが難しかったといえそうです。2022 年はどうなるでしょうか。

 

※厚生労働省「令和3 年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」
一定の産業に属する会社組織の民営企業を調査対象に、産業・企業規模別に抽出した3,597 社を調査客体として2021 年7 月~8 月に行われた調査です。ここで紹介したデータは、常用労働者100 人以上の企業(調査客体企業数は3,263 社、有効回答企業数は1,708 社)について集計したものです。数値は四捨五入の関係で100 にならない場合があります。詳細は次のURL のページから確認いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/21/index.html

 

36協定を締結・運用する上で確認すべき事項

年度末に向け「、時間外労働・休日労働に関する協定(」以下「、36協定」という)の締結にかかる準備を始める企業も多いかと思います。そこで今回は、36 協定に特別条項を設けているケースで、36 協定を遵守するための実務上の注意点をとり上げます。

1. 必要な手続き

 時間外労働が限度時間である1ヶ月45 時間を超えることが見込まれる等の理由から、特別条項を設ける場合、限度時間を超えて時間外労働をさせる際の手続きを定めて、36 協定に記載する必要があります。この手続きは、特別条項に該当する月ごとに行います。
 手続き方法は任意ですが、例えば「労使協議」とした場合、事前に従業員と会社で場を設け協議することが求められます。また「過半数代表者への申し入れ」であれば、会社が従業員の過半数代表者へ事前に書面等で申し入れます。

2. 特別条項の適用回数の管理

 特別条項を設ける場合であっても、上回ることができない労働時間数が設けられています。具体的には、①から④のすべてを満たす必要があります。
①時間外労働が年720 時間以内
②時間外労働と法定休日労働の合計が月100 時間未満
③時間外労働と法定休日労働の合計について、2 ヶ月平均、3 ヶ月平均、4 ヶ月平均、5 ヶ月平均、6 ヶ月平均がすべて1ヶ月当たり80 時間以内
④時間外労働が月45 時間(※)を超えることができるのは年6 ヶ月まで
※3 ヶ月を超える1 年単位の変形労働時間制の場合は月42 時間
 
 上記④については、1 年のうち、最大6 回しか適用できないため、6 ヶ月は時間外労働を月45時間以内の36 協定で定める時間に収めなければ、直ちに法違反となります。そのため、慢性的に時間外労働が月45 時間等を超える見込みの場合は、時間外労働の削減に向けた取組みが早急に求められます。

3. 複数月を平均した時間外労働時間数

 例えば特別条項を1ヶ月90 時間と締結しており、90 時間の範囲に収まっていたとしても、2. の③のとおり2 ~6 ヶ月平均で月80 時間以内という基準があります。たとえば当月に90 時間の時間外労働があった場合には、その翌月は70 時間以内に収めることが求められます。単月の管理のみではなく、複数月の時間数の管理も必要になります。
 また、この2 ~6 ヶ月の平均は、36 協定の期間にしばられることなく、前後の36 協定の期間をまたいだ期間も適用されます。例えば、36 協定を2022 年4 月1日から2023 年3 月31日までの1 年間で締結している場合、2 ヶ月平均は2022 年4 月と5 月のみならず、2022 年3 月と4 月でも確認します。

 

 やむを得ない理由から特別条項を締結していることもあると思いますが、そもそも特別条項を適用するような時間外労働自体を減らすことが必要です。特別条項を締結するときには適切な形で行い、管理する必要があります。

 

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