医療

医療事業所様向け情報(労務)1月号①

就業規則を変更した際の届出に係る適切な手続き

改正育児・介護休業法が2022 年4 月より施行されることに伴い、今後、就業規則(育児・介護休業規程)を見直し、労働基準監督署へ届け出ることになるでしょう。そこで今回は、就業規則を変更した際の手続きに関するよくある質問をとり上げます。

1. 就業規則を変更した際の意見聴取

 従業員数10 名以上の事業所で、就業規則を変更した際には、パートタイマー等の非正規従業員を含む全従業員の過半数の代表者(以下、「過半数代表者」という)の意見を聴き、所轄の労働基準監督署へ届出を行う必要があります。
 過半数代表者には、あくまでも意見を聴くことが求められており、届出する就業規則の内容に同意をとる必要まではありません。書面(意見書)に「異議なし」や「〇〇の変更について改善を望みます」というように意見を書くことを求め、就業規則に添付して届け出ます。
 また、意見書に改正内容等について異議がある意見が書いてあったとしても届出においては問題なく、就業規則の変更の手続きにおいて、意見を聴くというプロセスが法令で定められています。
 なお、賃金を引き下げるといった従業員にとって不利益な労働条件の取扱いに変更する際は、従業員と会社の個別の合意等の適切な手続きが必要であり、その実務については社会保険労務士等の専門家にご相談いただくとよいでしょう。

2. パートタイム就業規則の意見聴取

 正社員とパートタイマーの就業規則を別に作成しており、パートタイム就業規則を変更し届出を行う際には、正社員の就業規則と同様に、過半数代表者の意見を聴くことになっています。過半数代表者はパートタイマーである必要はなく、また、パートタイマーの中から過半数代表者を選ぶ必要もありません。ただし、パートタイマーの過半数代表者の意見を聴くことが望ましいとされています。

3. 過半数代表者の選出

 過半数代表者は、以下のいずれにも該当する必要があります。
① 労働基準法第41 条第2 号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと
② 就業規則の変更の際に、会社から意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施する投票、挙手等の方法によって選出された者であること
 過半数代表者を選ぶ際の母数となる従業員数には、管理監督者やパートタイマー等の非正規従業員も含まれます。正社員の過半数ではないことに留意しましょう。

 

管理監督者が過半数代表者になっているなど、代表者の選出が適切に行われていないケースもあるようです。過半数代表者の選出が適正に行われておらず、変更した就業規則が無効であるといったトラブルにつながることも考えられます。適正な選出方法により過半数代表者を選出しましょう。

 

処遇改善支援補助金 発表

 

 来年2月から予定している介護職の賃上げ政策の

 中身が、少しずつ明らかになってきました。

 皆様既にご存知かもしれませんが、下記情報にて

 共有させて頂きます。

 処遇改善支援補助金

Q最近、医療従事者もワークライフバランスを重視する人が増えてきたように感じます。休日数が多い病院、有給休暇が取りやすい病院は求人効果も高いと聞きます。当院でも年間休日数増やすことを検討中ですが、他の病院ではどのような対応をとっているのでしょうか?

A 年間の総労働時間を維持しつつ、日勤の所定労働時間を延長して休日数を増やすやり方が一般的。但し、「休日を増やす」こととのどちらに職員ニーズがあるのか、十分に検討した上で変更していく必要があります。

 

看護職の確保と人材定着のために、年間休日数を増やしている医療機関は最近増えているように思います。ある病院では、日勤の所定労働時間を7時間30分から7時間45分に延長して、年間の総労働時間を維持しつつ、休日数を五日間増やして年間最大124日に変更しました。この病院は、平均年齢37歳の看護師の6割が育児世代ですが「給与を上げるより休日を増やす方が育児世代の看護師ニーズに適する」と考えたからです。

 また別の病院では、病院全体で、所定労働時間を7時間から7時間15分に延長し、年間休日を4週6休から4週8休に変更して9日間、年間112日に拡充することで、サービス残業も大幅に削減することが出来たといいます。

 たしかに、年間休日数100日の病院と120日の病院では求人効果に差があるかもしれません。しかし例えばこんなケースもあります。日勤の所定労働時間7時間、4週6休年間休日100日の介護型療養病院において、休日増を検討した際、看護職は否定的な意見が多かったと言います。なぜなら、看護職の多くは、日勤7時間(17時終業)の勤務時間の短さや17時に帰れることに惹かれて中途入職した職員が多かったからです。

 やみくもに休日を増やせばいいというものではなく、休日増なのか勤務時間短縮なのか、年齢層や家族の事情などによってもニーズが違うことを考慮したうえで、十分に検討する必要があると思います。

プラスの言葉だけで表現する

■プラスの言葉だけで表現する

「幸せか、不幸かは自分で決められる」


デイケアに行っている80代の母が、こんなことを言っていました。


「老人たちの話題は、ここが痛い、どこどこの具合が悪いって、

 病気の話ばかり。こっちまで気が滅入ってくるわ。

 でも、ひとりだけ、いつもおもしろいことを言うご婦人がいるの。

 この前、だれかが『膝が痛い』って言ったら、

 『あら、それは、まだ生きているってことね。

 お互い、生きててよかったね』だって。

 みんな、大笑いよ」


なるほど、そんな愉快な言い方があるんだと感心したのでした。

一見、マイナスの事象のなかにも、かならずプラスのことが隠れています。

マイナスとプラスは裏表で、どちらを見ようとするかで、

その意味は、まったく変わってくるのです。


たとえば、仕事が忙しかったとき、

「働きすぎて、今日もぐったり」というのと、

「今日は仕事がはかどってよかった」と言うのでは、

どちらが元気になれるでしょう?


職場に厳しい先輩がいるとき、

「あの人がいると、職場の空気がピリピリして緊張する」と言うのと、

「あの人がいるから、空気が引き締まる」と言うのでは、

どちらが、いい気分で過ごせるでしょう?

現実が変わらないなら、プラスの言葉を使うことで、

その現実に対する”意味づけ”を変えるのです。

すると、ものごとは、いい方向に進んでいくもの。

愚痴や不満ばかり言っていても、嫌な気持ちになって、

さらによくない方向に進んでいきます。

幸せか、不幸せかは、自分で決めることです。


あなたが毎日の生活をご機嫌なものにしたいと思うなら、

プラスの言葉だけを使うようにこころがけてください。

言葉を変えれば、人生は変わりますから。


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『上機嫌で生きる なぜかうまくいく人の幸せになるクセ』
有川真由美・著

Q 当法人では残業は、所属長による許可制としていますが、課長や主任により対応がまちまちでルールが形骸化しています。運用面でどのように改善していけば良いでしょうか。

A 労働時間管理は「時間外労働の管理」といっても過言ではありません。各部署の所属長が残業の必要性を判断し、適切時間を指示するなど、管理職の役割は重要です。職員、個々に勤務時間内に仕事を終える意識をいかにもたせるかが重要です。

一方、始業時刻=出勤時刻、終業時刻=退勤時刻 という認識で時間管理を行っている事業もいまだ多くあります。このような事業所には、労働時間の定義についてまずは指導教育する必要があります。つまり始業終業時刻と出退勤時刻は違うという認識をまずは持っていただくことです。労働時間に関する意味を理解することで、その時間管理意識を持って業務を遂行していくことは、今後、さらに重要なポイントになります。そのためには、まず指導いただきたいのは、時間外労働の「許可制」です。当然ながら業務は所定時間内に行うのが前提ですが、事情により残業になりそうな場合には、その理由と終業時刻を明記し、許可制とする必要があります。それにより、所定外労働割増をつける時間が明確になりますし、何より大切なことは各職員の時間管理意識を高めることができます。ただし、残業の許可制を規定に定めていても、許可を受けない残業のすべてが無効になるかというとかならずしもそうではありません。通常の業務をこなすうえで,所定時間内終わらないような業務量を要求したならば、残業時間に対して、黙示の承認があったということになり、残業時間に該当するという判断になりますので、適宜の指導が必要になります。

 

ただ、残業を所属長の許可制にしていても、申請された残業内容をよく理解せずに全部承認していたり、逆に、明らかに残業が必要な業務量にも関わらず許可をしなかったりと、所属長により対処の仕方はまちまちになりがちです。本当に必要な残業かどうか、どの程度の時間が必要かなどを判断して、適切な許可を与える必要があります。

 

残業許可制運用のポイント

  • 残業の理由を明確にさせる

 「何のために残業をするのか」「なぜ、その業務が残ってしまったのか」を確認します。例えば、許可申請の残業理由に「介護記録作成の為」とだけ記入させるのではなく、「なぜ

介護記録作成業務が残ってしまったのか」を記入させます。そうすることで、原因を本人と上司が確認しあうことで改善に繋げることができます。残業理由が本人の能力の問題であれば、個別指導や業務の標準化を進める必要があります。

  • 残業内容の緊急性・必要性を判断する

その業務が「要当日処理」か「翌日処理で可」なのかをメリハリをつけて確認します。

またその業務は、「あなたがやらなければならない業務」なのか「次の交代勤務者で対応できる業務」なのかを確認します。

  • 業務の上限時間(目安)を指示する

「その業務は30分で終えて」と目標時間を指示します。業務内容応じて適切な時間を指示することは必要です。但し、このことは「30分以上の残業は認めない」と上限設定をすることではありません。上限を超えて残業していても、事実上、黙認している状況であれば

それは「黙示の承認」に該当します。

 ・職員の健康状態にも配慮する

休憩はきちんととれたか、体調にお問題はないか、などを確認します。こうしたことは、日頃の部下とのコミュニケーションで行っておきたいところです。

医療事業所様向け情報(経営)12月号③

医療機関でみられる人事労務Q&A
『副業を希望する職員への対応』

Q

副業を希望している職員がいます。副業を認めることで、長時間労働となり疲労で業務に支障が出る可能性もあるため、できれば副業を禁止したいと考えています。副業を禁止することはできますか?

A

職員が労働時間以外の時間をどのように過ごすかは、基本的には職員の自由とされているため、一律に副業を禁止することは難しいでしょう。ただし、明らかに疲労が蓄積すると考えられる長時間にわたる副業のように、職員の心身の健康の確保が難しく、本業の業務に支障をきたす可能性が高いと想定される場合などは、副業の禁止や制限をすることができます。

詳細解説

1.副業の基本ルール

 厚生労働省は、平成30 年1 月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表しました。ガイドラインの中では、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的に労働者の自由である」という裁判例を取り上げ、職員の希望に応じて、原則として、副業を禁止したり、制限を設けたりできないことを示しています。
 その一方で、職員が働く大前提として、医院は、職員が健康で安全に働けるように配慮する義務があります。また、職員には、医院で働く上で、業務上の秘密を守る義務や、医院と競合する業務を行わない義務、誠実に勤務する義務を負っています。そのため、以下の場合は、例外的に副業について禁止したり、制限を設けたりすることが認められています。
 ・ 労務提供上の支障がある場合
 ・ 業務上の秘密が漏洩する場合
 ・ 競業により医院の利益が害される場合
 ・ 医院の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

2.副業を許可する場合の注意点

 副業を認める場合は許可制とし、あらかじめ副業の許可基準について就業規則などで定めることが重要です。例えば、職員の心身の健康に悪影響があると医院が判断した場合は、副業を許可しないといったルールを作ることが考えられます。
 副業をする場合は、職員から副業の事業内容や従事する業務、労働時間などを医院へ届出してもらいます。許可後も、月1 回程度、実働時間の報告をしてもらうことで、長時間労働になっていないかを確認しましょう。また、副業の許可基準に反する副業をした場合は、副業を禁止または制限することの検討も求められます。
 副業は多様な働き方への期待から普及が促進されており、医院は、職員の副業を希望する理由も確認した上で、許可の判断をしたいものです。今後、副業希望者が出てくることを想定し、医院の就業規則を確認しておくとよいでしょう。

 

【真相深層】介護現場はDXの実験場

対話ロボで健康管理/送迎にMaaS 日本モデルを磨く好機

 

日本経済新聞 朝刊 総合1(2ページ)2021/12/9 

 

 高齢者介護の現場がデジタルトランスフォーメーション(DX)の大がかりな実験場になろうとしている。人工知能(AI)の活用やロボットによる健康チェックなどデジタル導入の試みは様々。サービスの質向上や人手不足解消につながる独自の介護DXモデルを編み出すことで、国内はもちろん高齢化が進む近隣諸国へのビジネス展開の道も開かれるだろう。

 

情報通信研究機構のロボットMICSUSとの対話デモの様子(同機構提供)

 

 川崎市でSOMPOホールディングス(HD)傘下のSOMPOケア(東京・品川)が運営する介護付き老人ホーム「そんぽの家 はるひ野」。ホーム長の古沢隆さんの仕事は毎朝約100人の入居者のデータをチェックすることで始まる。

 

 パソコンの画面には入居者1人ずつの「体調管理アラート」が表示される。「不眠傾向:過去1カ月から直近2日で43%減少」「食事量減少:直近2日で92%減少」――といったデータが見られる。ベッドのセンサーが集めた就寝状態のデータや介護スタッフがスマートフォンで入力した記録がもとになっている。

 

体調をデータ化

 

 施設側は入居者側へのヒアリングをもとに介護サービスを提供しているが、その後に介護計画が実態に合わなくなることがある。システムにはそうした問題点を教えてくれる機能もある。「データに基づいてケアプランの改善や介護度の見直しを提案できるようになった。スタッフの気苦労など負担感も減った」(古沢さん)という。 

 

 SOMPOHDは都内に持つ研究施設「Future Care Lab in Japan」でにおいセンサーで失禁を検知するシステムなどを試験中。順次現場に取り入れデータ駆動型の介護サービスを強化する。

 

 11月中旬、情報通信研究機構(NICT)がKDDIなどと開発した柴犬の姿をした対話型ロボット「MICSUS」を使った実証実験が首都圏の高齢者施設で始まった。高齢者との会話は例えばこんなふうに進む。

 

 ロボットが「のどや口が乾いたりすることがありますか?」と質問すると、高齢者が「ありますよ。そういう時よくほうじ茶を飲んでいます」と答える。ロボットは「お役に立ちそうな情報を探してみますね」と発話して、ウェブ上の情報を検索して「ほうじ茶は90度ほどの熱湯を使うと独特の香りが強くなりますよ」などと教える。高齢者は「お湯は熱くない方がよいってことかな」と答え、会話が続いていく。

 

 MICSUSは高齢者の表情から感情を推定したり、うなずきなどのジェスチャーも認識して相手の意思を判断する。AI用コンピューターにつながり、40億件以上のウェブページから話題を見つけてくる。

 

 ケアマネジャーが在宅の高齢者に定期的に会って健康状態や生活習慣をチェックする介護モニタリングを置き換えようというのがロボット導入の直接の目的だ。「ロボットによってモニタリングの頻度を増やせばコミュニケーション不足による認知機能の悪化も抑制できる」(NICT)

 

10分で計画修正

 

 11月15日、群馬県高崎市で高齢者向けに送迎サービスを提供する福祉・介護型の次世代移動サービス「MaaS(マース)」の実証実験が始まった。介護施設運営のエムダブルエス日高(高崎市)が日立製作所などと協力。デイサービスの送迎車両を活用し、高齢者が予約して出かけられるようにする。

 

 運行計画を迅速に作るため「組み合わせ最適化」とよばれる数理問題をコンピューターで解く手法を日立が開発した。急に変更が生じたりしても10分程度で計画を作り直せるのが特徴だ。

 

 労働集約型産業である介護事業でデジタル化の意義は大きい。介護業界が人材を確保するにはDXを通じた省力化や待遇改善が避けて通れない。

 

 介護分野は、介護記録の音声入力や、脳とコンピューターを結んでのリハビリテーションなど、デジタル応用のすそ野が広い。日本は様々な実証試験ができる場であり、得たノウハウで介護ビジネスを国内だけでなく近隣諸国への輸出産業として育てられるだろう。(出典 日本経済新聞)

 

医療事業所様向け情報(経営)12月号②

医療機関における年末賞与の支給状況

コロナ禍で2 回目の年末賞与の支給時期を迎えます。ここでは賞与支給の参考資料として、厚生労働省の調査結果※から病院と一般診療所における、直近5 年間(2016~2020 年)の年末賞与支
給労働者1 人平均支給額(以下、1 人平均支給額)などを、事業所規模別にご紹介します。

病院は減少に転じる

上記調査結果から、病院と一般診療所の別に1 人平均支給額などの推移をまとめると、下表のとおりです。

病院の2020 年の結果をみると、5~29 人はデータがありませんでした。30~99 人は1 人平均支給額が3 年ぶりに減少しました。30 万円台は維持していますが、2018 年・2019 年より5 万円程度の下げ幅となりました。きまって支給する給与に対する支給割合は3 年連続で1 ヶ月を超え、支給労働者数割合と支給事業所数割合は100%が続いています。

一般診療所は5~29 人で増加

次に一般診療所の2020 年の1 人平均支給額をみると、5~29 人は2019 年から増加に転じました。30~99 人は3 年ぶりに20 万円を下回り、2016 年以降では最も低い金額となりました。きまって支給する給与に対する支給割合は、5~29 人が0.95 ヶ月と3 年ぶりに1 ヶ月を割り込みました。30~99 人は0.82 ヶ月で、直近5 年間では2017 年と並んで最も低くなっています。
2021 年の年末賞与はどのような結果となるでしょうか。
※厚生労働省「毎月勤労統計調査」
日本標準産業分類に基づく16 大産業に属する事業所で常用労働者を雇用するもののうち、常時5 人以上を雇用する事業所を対象にした調査です。きまって支給する給与に対する支給割合とは、賞与を支給した事業所ごとに算出した「きまって支給する給与」に対する「賞与」の割合
(支給月数)の1 事業所当たりの平均です。支給労働者数割合は、常用労働者総数に対する賞与を支給した事業所の全常用労働者数(当該事業所で賞与の支給を受けていない労働者も含む)の割合です。支給事業所数割合とは、事業所総数に対する賞与を支給した事業所数の割合です。
詳細は次のURL のページから確認いただけます。https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450071&tstat=000001011791&cycle=7&tclass1=000001015912&tclass2val=0

 

医療事業者様向け情報(経営)12月号①

ウィズコロナ時代の思い切った事業戦略に

コロナ禍の中小企業支援の目玉政策「事業再構築補助金」。ウィズコロナ時代に対応するための思い切った事業再構築を支援する制度です。医療業界でも、数々の事業者がこの補助金の力を借りて、事業再構築に挑戦しています。

新事業だけでなく、業態転換や再編にも

 この補助金の魅力は、大型予算と支給額の大きさ(最大1 億円)。医療法人は、社会医療法人が行う収益事業が対象となります。
 公募は全5 回。すでに3 回が終了し、残り2回です。実際にどのような事業計画が審査を通過したのか、採択結果をみてみましょう。

医科の採択事例

最先端の医療・設備を導入して新展開
 ・癌治療科を増科し保険適用の癌最先端治療を導入
 ・ 予防から治療・リハビリまで、一貫医療のためのリハビリセンターと検査室の設置
 ・ 地域の医療ニーズに応じるCT 画像診断等の展開
提供方法の転換による新展開
 ・ 専門家チームを結成して脳梗塞患者ケア
 ・ 専門家によるオンライン健康教育サービス
 ・ 感染予防と健康を目的とした点滴療法部門の設立
 ・ 専門医監修チームによる産前産後ケアサービス
 ・ 糖尿病専門家によるオンライン・出張料理教室
新分野・新事業への挑戦
 ・ 介護・がん緩和ケア付きシェアハウスの設立
 ・ コロナ禍でも面会できる終末期入居型看護施設
 ・ 終末期に家族と過ごせる個別型緩和付帯住宅
 ・ 形成外科や産婦人科を基盤とした介護脱毛事業
 ・ 小児科経験を生かした障害児通所支援事業
 ・ 自然の中での宿泊人間ドック
 ・ 医師監修による非接触型エステティックサロン

歯科の採択事例

 ・歯科医師によるパーソナルトレーニングジム事業
 ・ いびき軽減予防治療やホウレイ線治療への展開
 ・ 医・食・住を網羅した根本療法型サービス
 ・ LINE を使ったコミュニケーション重視の歯科診療
 ・ 人を主軸に、動物(犬・猫)の口腔ケアへの参入
 ・ 歯科医療と美容を融合させたエステサービス
 ・ AI を利用したデジタルマウスピース矯正の導入
 ・ 超高齢社会に対応したリモート歯科診療サービス
この他、接骨院や歯科技工所などの採択事例も数多く出ています。

 応募には事業計画が求められ、最初はこれに抵抗を覚える方も多いようです。しかし、中小企業庁には「やってみてよかった」との声が応募者から多数寄せられているそう。計画を言葉に表すことで着目点を絞り込める、認定支援機関等との連帯感が強化できるなど、応募に挑戦すること自体もメリット大です。
 詳細は以下のサイトをご確認ください。

参考:事業再構築補助金 https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

 

Q,当法人では新卒採用・中途採用ともの計画的に行っていますが、せっかく採用しても  なかなか定着せず、早いと3か月未満で退職する人もいます。何とか定着をしていただくように取り組みを行っていますが、採用面接ではどのような点に気をつけたら良いでしょうか。

A 「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。

どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。

それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。

 現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。

 

一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。

下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。

 

  • 具体的な内容を質問する

 漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。

 ・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか

  具体的に言ってください」

 ・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」

  • 人間関係についてどう考えているか確認する。

 人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。

 ・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」

 ・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」

  • 求職者からの質問を引き出す

 面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。

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