コラム

【クリニック関係者必見】人が集まる求人票とは?

<人材募集に課題がある>と感じている
クリニックの割合とは?

シャープファイナンスで実施した、医科・歯科クリニックへのアンケートでは、約37%のクリニックで、【人材募集】に課題があると回答を頂いています。
アンケート実施期間:2022/10/01~2023/09/30 回答総数:1,612

また、生産活動の中心にいる、15歳以上、65歳未満の人口である生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークに減少が続いており、将来的にも減少していくことが予想されています。

そのため現況においては、人材の安定確保は非常に困難な事であると、きちんと認識した上で事業を運営していく必要があります。人材の確保が困難である以上、クリニックに限らず、ライバルである他のクリニックよりも魅力的な条件や職場環境をアピールすることが必須となっています。

<ポイント1>理想の人材像をイメージしよう

スキルやビジョン、働き方など現在の職場環境を踏まえて、これから募集を行うにあたり人材に何を求めるのか、理想の人材像を具体的にイメージしてみましょう。また頭の中でイメージ化するだけでなく、実際に文字に書き起こしてみることも重要。理想を言語化していくことが大事といえるでしょう。

理想の形を定めてから採用をスタートすることで、人材を選ぶ場面において、許容範囲としてどの条件なら譲れるか/譲れないかという判断軸が明確になっていくことでしょう。

<ポイント2>クリニックHPをアップデート!

求職者にとって、事業者のホームページは命ともいえる大事なもの。
特に最低限押さえておきたい内容を見てみましょう。

理念、目指す姿とは?
求職者は、「これから自分が働く組織が、どのような場所を目指して運営しているのかを知った上で応募したい」と思っています。応募するか/しないかの判断をする大事な検討材料になるでしょう。

院長のプロフィールは必須!
今後上司になる院長がどのような人物なのか、求職者は気になるところ。
そこで院長先生の写真付きでHPにプロフィールを掲載しましょう。それに合わせて、仕事に係わる経歴だけでなく、趣味、家族構成など、プライベートに関する情報を掲載することがベスト。より親近感を感じてもらうことができます。

院内風景は裏側の写真も載せよう
受付や診察室の写真を掲載しているホームページはよく見かけますが、いまだに従業員通用口、休憩室の写真を掲載しているクリニックは少ないものです。
特に女性が多い職場のクリニックである場合、表に見える部分だけでなく、裏側も見せることが、裏表のない組織であるという印象を与えて好印象に映るでしょう。

InstagramなどのSNSを運用されていて、日常を紹介されているようなクリニックであれば、アカウントのIDなども掲載しておくと有効でしょう。

<ポイント3>ライバルを知る

都心部のクリニックと地方のクリニックで求人条件がちがうのは当然です。

相場を知るためにも近隣のクリニックでどのような条件で求人が出ているのかまずは見てみましょう。その時には、給与面の条件だけでなく、通勤のしやすさ、周辺環境など、できるだけ多角的に比較することが大事。

例えば、自院が駅から少し距離がある場合、全く同じ採用条件であれば、電車で通勤する求職者は通勤がしやすい駅前の立地を選択するかもしれません。しかし従業員用の駐車場があればどうか、自転車通勤ができるような環境があればどうか、など人によっては時にその条件が強みになることもあります。
自院の強みと共に考えてみましょう。

<ポイント4> 事実をありのままに。互いにミスマッチを防ごう

せっかく採用ができたとしても、求人票と現実のギャップがあるとすぐに辞めてしまいます。より良い採用条件をアピールしようと思って、(嘘とまでは言えないですが)実際より少しオーバーなことを記載することもあるでしょう。

しかし、それで採用が出来たとしても、結果的にすぐに辞められてしまうと、長期的に働いてもらうべく教育についてくれた既存スタッフのモチベーションも気になるところ…..。

定量的で数値化できる事は事実をありのままで記載しましょう。定性的で数値化できない事は80%くらいの表現でたとえると、ギャップが生まれにくくなるでしょう。とはいえ、条件として少しでも有利なものがあればすべて書くスタンスで臨むことをおススメします!

<ポイント5>自院の組織は健全か? 求人票作成で振り返ってみよう

クリニックという少数精鋭の組織のなかでは、上司である院長の考え方が職場の雰囲気に直結するもの。規模が大きい一般企業であれば、異動や配置換えを願い出ることで働く環境を変えられますが、小さな組織であるクリニックの中ではそうはいきません。

働く環境を変えたければ「退職」を決断するしかないのです。そのため、安心して長く働きたいと思える雰囲気作りや、スキルアップに繋がる経験、給与面での満足感など、日々多方面への配慮が必要となります。

求人票の作成をすることで、そもそも普段から従業員満足度を意識した言動や仕組み作りができているかどうか、自院の組織やスタッフが働く環境について今一度振り返るきっかけにも繋がるはずです。

人材不足の中での採用。意識すべきこと

大前提として人口は減少していて、働き手となる世代人口も明らかに減少しています。今後もますます減少していく事を今一度認識しておく必要があります。

そういった環境を理解することが出来れば、人を集める為には今何をすべきか、自ずと見えてくるでしょう。人が集まる求人票を目指すことは、患者さまが集まるクリニックを目指すことと同じです。

人が集まる求人票を目指して、できることから始めてみましょう。(参考:Medical LIVESコラム )

クリニック・医療業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

「発表会の出し物の完成度をあげないと・・・準備の時間が欲しかった」こども園への脅迫事件・保育士の被告が裁判で明かした発表会への不安と焦り

こども園に「爆弾をしかけた」と書いた脅迫文を置いて園の業務を妨害したとされる保育士の女の初公判が25日、地裁岩国支部であり、女は起訴内容を認めました。「発表会の出し物の完成度をあげるため、準備の時間が欲しかった」と犯行動機を明かしました。

威力業務妨害の罪に問われているのは、市職員の保育士の女です。

起訴状などによりますと、女は去年11月10日朝、勤務していたこども園の正門に「爆弾を仕掛けたナリ」などと書いた紙を置き、園を休園させて業務を妨害したとされます。

地裁岩国支部で開かれた初公判で、女は起訴内容を認めました。

検察側は冒頭陳述で「発表会の予行練習で披露する出し物の完成度を上げないといけないという焦りや不安を感じ、予行練習を先延ばしにして準備をしたいと思うようになっていた」と犯行に至るいきさつを明らかにしました。しかし予行練習が延期にならなかったため、3日後にもう一度「今度は本当に仕掛けた」などと書いた脅迫文を園内に置いたということです。

女は「仕事を持ち帰り、土日や睡眠時間を削って発表会の準備をしていたが、期待されるレベルに完成度を上げられるか不安がぬぐえなかった」と話しました。

検察側は懲役1年を求刑して審理を終えました。(TBSニュースより)

 

【介護報酬改定】BCP未策定の事業所に減算 最大3%  経過措置1年 具体策決まる

厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、感染症や自然災害を想定した業務継続計画(BCP)を策定していない介護施設・事業所に対する基本報酬の減算を導入する。

22日、社会保障審議会に具体策を諮問。「了承する」との答申を受け、これを正式に決定した。今年度内に告示する。


感染症と自然災害、どちらか一方のBCPを策定していない場合に減算を適用する。対象は福祉用具販売、居宅療養管理指導を除く全サービス。ただ、その減算幅と経過措置はサービスによって異なる。


減算幅は以下の通り。施設系、居住系サービスが相対的に高く設定された。

2024年度介護報酬改定|業務継続計画未実施減算《新設》


施設系・居住系サービス=所定単位数の3%


その他のサービス=所定単位数の1%


=要件=


下記の基準に適合していない場合。


◯ 感染症の発生を想定したBCP、自然災害の発生を想定したBCPを策定すること


◯ 策定したBCPに従って必要な措置を講じること

経過措置は来年度末(2025年3月31日)までの1年間。この期間中に限り、感染症の予防・まん延防止の指針の整備、自然災害に関する具体的計画の策定を行っていれば、減算は適用されない。これを行っていなくても、訪問系サービス、福祉用具貸与、 居宅介護支援は減算が適用されない(介護ニュースより)

BCP(業務継続計画)作成研修(通所介護・訪問介護・居宅介護) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

介護業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

【介護報酬改定】新・処遇改善加算、最大で約25%上乗せ 6月から拡充 加算率公表

来年度の介護報酬改定をめぐり、厚生労働省は新たな基本報酬や加算の単位数、算定要件など全容を決めた

22日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)に提案し、大筋で了承を得た。今年度内に告示する。


既存の3加算(*)を一本化して新設する「介護職員等処遇改善加算」について、サービスごとの加算率を明らかにした。最大の課題の人手不足が緩和へ向かうよう、介護報酬のプラス改定の財源を使って現行より高く設定した。施行は6月1日。

* 既存の3加算=処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算を指す。

新たな加算率は以下の通り。働いている介護職員の人数などに基づいて設定されたもので、訪問系サービスが最も高くなっている。最大で24.5%。

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訪問介護の基本報酬の引き下げに驚きの声 審議会で「極めて遺憾」「理解に苦しむ」

厚生労働省は22日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)を開き、各サービスの新たな基本報酬を明らかにした

審議会はこれを了承したが、複数の委員が訪問介護の基本報酬を引き下げることに異論を唱えた。

《関連記事》【介護報酬改定】厚労省、訪問介護の基本報酬を引き下げ 新たな単位数を発表

「驚くばかりだ。訪問介護は人材不足が最も深刻で、事業者の倒産や休廃業なども増えている。サービスが十分に使えないという悲鳴も聞こえてくる」


認知症の人と家族の会の鎌田松代代表理事は、こう懸念を表明。日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長は、「これから在宅介護を充実させていく必要があり、その中で訪問介護は非常に重要なサービスのはず。極めて遺憾」と不満を隠さなかった。

◆「処遇改善加算の拡充とセットで評価を」


厚労省は訪問介護の基本報酬を引き下げた理由について、「様々な要素を考慮してメリハリをきかせた」と説明。特に2点を明示的にあげた。


1つは経営状況。昨年11月に公表した直近の「経営実態調査」の結果を踏まえた。訪問介護の利益率は7.8%で、全サービス平均の2.4%を大きく上回っていた。


もう1つは、介護職員以外の職種の処遇改善を進める必要があることだ。訪問介護は一般的にほぼ介護職員のみで運営される。このため、基本報酬の引き上げに充てる限られた財源を配分する対象にならなかったという。


厚労省は会合で、介護職員の賃上げを具体化する処遇改善加算の一本化・拡充などにより、目下のホームヘルパーの不足に対応していくと強調。訪問介護の加算率(*)を最上位で24.5%まで高めるとし、「基本報酬だけでなく、処遇改善加算の一本化・拡充もあわせて評価して頂きたい。多くの事業所がこれを確実に算定できるよう後押ししていく」と理解を求めた。

 訪問介護|一本化後の処遇改善加算の新たな加算率


介護職員等処遇改善加算(I)= 24.5%

介護職員等処遇改善加算(II)= 22.4%


介護職員等処遇改善加算(III)= 18.2%


介護職員等処遇改善加算(IV)= 14.5%

◆「訪問介護がなくなると破綻する」


これに対し、連合の小林司生活福祉局長は、「基本報酬を下げてサービスの持続可能性が担保されるのか心配だ。訪問介護の現場で働く人、これから目指そうとする人に誤ったメッセージを送ってしまう」と問題を提起した。


また、民間介護事業推進委員会の稲葉雅之代表委員は、集合住宅に併設されている事業所とそうでない地域の事業所とでは経営状況が大きく異なると指摘。「基本報酬の一律の引き下げは理解に苦しむ。より細かい分析に基づいて施策を講じるべきだ。撤退を余儀なくされる事業所が出てしまう」と主張した。


このほか、日本医師会の江澤和彦常任理事は、「今後、どのような影響が生じるかしっかりとみていく必要がある。在宅医療も訪問介護があって初めて継続できる。訪問介護がなくなると容易に破綻する」と危機感をあらわにした。(介護ニュースより)

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Q ある介護職員のせいで退職者が続出 どう対処したら・・・

Q  職員の定着率が悪いなと感じていた時、辞めていくある職員が「私、Aさんが怖くてやめるんです」と教えてくれました。どうやらA職員は、利用者にいじめや嫌がらせをしていたようなのです。A職員の行動は一般職員にも有名らしいのですが、管理者には一切のその情報があがってきませんでした。辞める職員の密告であることがA職員にわかれば、辞めて後もその職員に何をしてくるかわからないので、内緒にしてほしいと言ってきています。でもそのままにしていたら、退職者が続出だけでなく施設の信用にも関わります。どのように指導したらよいでしょうか。

A、事実を確認したうえで、服務規律にそって指導や制裁を検討しましょう。

退職者が辞めるときの本音は「辞めるのだから自分はもう関係ない」とか「辞めるときには問題を起こしたくない」という心理状態が働きますので、黙って身を引く社員は多いものです。なかには今回のように、残される社員のために、とか自分にしか言えないことだから、ということで教えてくれる社員もいますので、これは大変ありがたいものです。

まずは、問題社員の行動が、退職者の言ったとおりなのかを確認する必要があります。一人だけの意見の場合にはどれだけ信ぴょう性あるかは、わかりません。ほかの社員からも聞き取りを行ったり、いつも以上に注意深く観察しておく必要があります。

 確認したうえで、間違いなく問題を起こしている場合には、その社員を呼び出し、その程度によっては、指導しながら就業規則に定める制裁をあたえましょう。「制裁」という条文で、「利用者やその家族及び取引先などに不信招く応答など、対外的業務に誠実性を欠き、本法人の信用を傷つけた場合には罰則を与える」というような内容が定められていると思いますので、その条文を見せながら、具体的にどのような違反行為がおこなわれたのかを説明し、指導していく必要があります。いきなりの解雇ではなく、指導や始末書から初めて段階的に指導していきます。そしてその指導内容は記録に残しておくようにします。

規律が守れない社員には、管理者は指導をあきらめてしまいがちです。しかし、あきらめてしまったら、利用者や従業員の安全はどのように守られるのでしょうか。

また、職場風土として「密告」ではなくて、よりよいサービスを提供するために何が必要かを、いつでもだれでも発言できる職場環境を整えることで、事業所全体を高めあっていく風土を形成していきましょう。

助成額の大幅引上げが行われたキャリアアップ助成金 正社員化コース

キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者(有期雇用労働者等)の非正規雇用労働者について、企業内のキャリアアップを促進するため、正社員化の取組みを実施する企業に対する助成金です。

先日成立した政府の補正予算においても、この助成金の拡充が案に組み込まれており、補正予算成立後に早速、助成額が拡充となる改正・施行が行われています。改正された内容は以下の通り全部で4つです。

1.
正社員化のさらなる促進のための助成額を見直し
 支給対象期間を6ヶ月から12ヶ月に拡充し、6ヶ月あたりの助成額が見直されました。中小企業で1人当たりの助成金が57万円から80万円(2期に分けて支給)に増額されました。

2.
有期雇用期間が長期化している非正規雇用労働者に対する正社員化を支援するための支給要件の緩和
 対象となる有期雇用労働者の雇用期間が、6ヶ月以上3年以内から6ヶ月以上に緩和されました。

3.
正社員化に新たに取り組む事業主に対する支援を強化するため、正社員転換制度の導入に係る加算措置を新設
 新たに正社員転換制度の導入に取り組む事業主に対し、中小企業において20万円の加算措置が新設されました。

4.
多様な正社員の選択が可能となるよう、多様な正社員制度の導入に係る支援を拡充
 多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間正社員)制度規定に関する加算額が、中小企業で9.5万円から40万円に増額されました。

■参考リンク
厚生労働省「キャリアアップ助成金

「クリニックの福利厚生」

“きっと喜んでくれるだろう”で大失敗…福利厚生導入時のポイント

たとえ、どれだけ素晴らしい福利厚生を導入したとしても、スタッフがその福利厚生を利用しなければ意味がありません。経費がかさむだけで、本末転倒になってしまいます。

失敗例1.バスや電車、ホテルの割引

以前、「バスや電車、ホテルが一般料金よりも安く利用できる」という民間企業の福利厚生サービスを導入したことがあります。旅行好きな筆者としては、このサービスを導入すればスタッフたちも、たくさん旅行に行くようになり、きっと喜んでくれるだろうと考えたのです。しかし実際には、全くといっていいほど活用されませんでした。

失敗例2.企業型確定拠出年金

メディアなどで「老後2,000万円問題」が騒がれ始めたころ、当院でもスタッフに正しい金融知識を身につけ将来に備えて欲しいという想いから「企業型確定拠出年金」を導入しました。個人型とは違い、事務費用負担と加入手続きを法人が担うことから、個人型よりも加入ハードルが下がると考えたのです。

「資産を預金だけで持つべきではない」と企業型確定拠出年金を行う重要性を伝え、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフにお願いして複数回、節税方法などをレクチャーしてもらいましたが、いまいち浸透しておらず、加入者の割合は少ないままです。

「よかれと思って」がうまくいかなかった原因

このように、よかれと思って導入した福利厚生サービスですが、あまりうまくいかなかった原因は「院長目線」で導入したことにあります。

新しい福利厚生を導入する際には、事前にスタッフのニーズをしっかり把握することが重要です。導入する院長や経営者目線ではなく、サービスを享受するスタッフ目線に立つことで、双方の満足度を高めることができます。

【導入してよかった! スタッフの満足度が高い福利厚生3選】
成功例1.検診費用の補助

上記の失敗から、筆者は当院のスタッフにどんな福利厚生があったら嬉しいか、ヒアリングを行いました。

すると、「子宮頸がん・乳がん検診を受診する際に補助を出して欲しい」という声が上がりました。女性特有の疾患である子宮頸がん・乳がんですが、クリニックで働くスタッフというのは現状、女性が大半です。導入すれば助かる人が多いのは間違いありません。

要望を受け、筆者は早速「検診時半額を補助する」という福利厚生を導入しました。活用するスタッフは多く、満足度も高いようです。「ニーズを聞く」ことの重要性がよくわかった経験でした。

成功例2.置き型社食

仕事が忙しくつい外食やコンビニ弁当が多い人や、少しでも帰宅してからの家事を時短で済ませたい人に向けて、「置き型社食」を導入しました。

置き型社食とは、民間企業が提供する福利厚生サービスのひとつです。社員食堂を新たに設置するのが難しい中小企業などに向けて、「コストを抑えられ、手軽に導入でき、満足度が高い」として注目されています。

導入する側は、冷蔵庫が置けるスペースを確保し、サービスに申し込むだけで利用できます。社食専用の冷蔵庫が設置され、そこに毎月栄養バランスのとれた惣菜が届くのです。

当院が導入している置き型社食は、利用時に1品につき100円を支払うシステムです。電子レンジで温めるだけで食べることができるので、手間がかかりません。惣菜は持ち帰ることもできるため、忙しく働くスタッフに高い評価を得ています。

導入にあたってはスタッフを含めて試食を行い、アンケートの結果ニーズが高いことを把握したうえで実施に踏み切りました。

また当院では、「医療従事者である我々が健康であるからこそ、病気の患者さんに元気を与えられる」という考えのもと診療を行っており、筆者としてもスタッフにはできるだけ栄養価の高いものを食べてもらいたいという想いがあります。

そのため、国産原料が優先的に使用され、不要な添加物の入っていない「置き型社食」は、導入してよかったサービスのひとつです。

成功例3.自社農園で作った無農薬野菜の配付

上記の考えから、当院では某所に畑を借り、無農薬野菜の栽培を始めました。そこで収穫した玉ねぎ・さつまいも・トマト・レタスなどの無農薬野菜は、スタッフに無料で配っています。

スーパーなどで買うと割高な無農薬野菜を無料でもらえると、スタッフに好評です。野菜の配付を通じて、健康経営に繋げたいと考えています。

行政に頼るのもひとつの手!

市町村などが中小企業向けに提供している「福祉共済」は、個々の企業では導入しにくい充実した福利厚生サービスを提供しています。月々の会費が比較的安いわりに、サービス内容が手厚いものが多いのが特徴です。

たとえば、結婚・出産・子どもの入学時のための祝金や傷病時・災害時の見舞金、弔慰金、退職慰労金などの給付事業、舞台の観劇チケットやスポーツ観戦チケットが安く購入できる余暇支援といったサービスがあります。

当院でも、市の福祉共済に加入。筆者の経営するクリニックは球場が近いため、この余暇支援を利用して割引チケットを手に入れ、筆者とスタッフ、そのご家族を交えて野球チームの応援に行くなど、法人内のコミュニケーションの活性化に役立てていました。

残念なことに、現在は市の福祉共済事業が終了してしまったため、祝金や見舞金といった給付事業については内製化し、継続して福利厚生サービスを提供しています。

まとめ

充実した福利厚生制度を整えることで、スタッフとその家族の生活が豊かになり、モチベーションの向上につながります。また、新たなスタッフがクリニックで働く動機のひとつになるでしょう。

当院でも、これからもスタッフの満足度を高める福利厚生制度を考え、積極的に導入していきたいと考えています。(出典:梅岡 比俊(うめおか ひとし)
【医療法人梅華会 理事長】開業医コミュニティ「M.A.F」主宰)

「こども未来戦略」閣議決定…児童手当を拡充、多子世帯の大学無償化

政府は2023年12月22日、「こども未来戦略」を閣議決定した。2024年度からの3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」に3.6兆円を充て、児童手当の拡充、多子世帯の高等教育費の負担軽減、「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設などを打ち出している.

政府は2023年12月22日、「こども未来戦略」を閣議決定した。2024年度からの3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」に3.6兆円を充て、児童手当の拡充、多子世帯の高等教育費の負担軽減、「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設などを打ち出している。

 「こども未来戦略」では、2024年度から2026年度までの3年間を集中的な取組期間と位置付ける「加速化プラン」に3.6兆円を充てる。内訳は、「子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組」1.7兆円、「すべての子供・子育て世帯を対象とする支援の拡充」1.3兆円、「共働き・共育ての推進」0.6兆円。

具体的な施策は、「児童手当の抜本的拡充」「出産等の経済的負担の軽減」「高等教育費の負担軽減」「年収の壁への対応」「子育て世帯に対する住宅支援の強化」「こども誰でも通園制度(仮称)の創設」「男性育休の取得促進」など。

 児童手当は、2024年10月分以降、支給対象を高校生年代(18歳到達後の最初の年度末)までに拡充。所得制限を撤廃し、第3子以降の手当月額を3万円に増額する。多子加算のカウント方法は、現在の高校生年代までの扱いを見直し。大学生に限らず、22歳年度末までの上の子について、親などに経済的負担がある場合をカウント対象とする。

 多子世帯(扶養する子供が3人以上の世帯)の大学・短大・高専(4-5年生)・専門学校の授業料・入学金は、2025年度から所得制限を設けず無償とする措置を講じる。支援の上限は、現行制度と同様、大学の場合で授業料が国公立約54万円、私立約70万円、入学金が国公立約28万円、私立約26万円。対象学生に係る学業の要件について必要な見直しを図ることを含め、早急に具体化する。

 授業料等減免および給付型奨学金については、2024年度から多子世帯や理工農系学生などの中間層(世帯年収約600万円)に拡大する。

 こども誰でも通園制度(仮称)は、就労要件を問わず、時間単位などで柔軟に利用できる新たな通園給付制度。利用対象者は、満3歳未満で保育所などに通っていない子供とし、月一定時間まで利用可能枠内で利用が可能。2025年度に法律上制度化し、実施自治体数を拡充したうえで、2026年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体で実施できるよう、所要の法案を次期通常国会に提出する。

 加速化プランを支える安定な財源の確保については、社会保障の公費節減で1.1兆円、社会保険制度を通じて拠出する支援金制度の創設で1.0兆円、既定予算の最大限の活用などで1.5兆円とし、実質的な負担が生じないようにするとしている。(業界教育ニュースより)

【まとめ】介護施設の運営基準どう変わる? 特養や老健、介護報酬改定の変更点が正式決定

来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された

武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した


新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは介護施設(特養、老健、介護医療院)の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。


日頃から連携できる協力医療機関の指定の義務化が大きな柱。厚労省の狙いは、高まる医療ニーズに対応できる体制の構築につなげていくことだ。このほか、生産性向上を具体化する委員会の設置の義務化なども盛り込まれた。今回、老健と介護医療院に固有の見直しはない。改正内容は下記の通り。


2024年度介護報酬改定|介護施設の運営基準の見直し


◆ 施設系サービス共通

(1)協力医療機関との連携体制の構築


以下の要件を満たす協力医療機関を定めることを義務付ける。その際、3年の経過措置期間を設ける。複数の医療機関を定めることで要件を満たすことも差し支えない。


◯ 入所者が急変した場合などに、医師、または看護職員が相談対応にあたる体制を常時確保していること


◯ 診療の求めがあった場合に、診療を行う体制を常時確保していること

◯ 入所者が急変した場合などに、当該施設の医師、協力医療機関の医師らが診療を行い、入院を要すると認められた入所者の入院を、原則として受け入れる体制を確保していること


1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者が急変した場合などの対応を確認するとともに、協力医療機関の名称などについて、指定権者に届け出なければならないこととする。


また、入所者が協力医療機関などに入院した後に、病状が軽快して退院が可能となった場合は、速やかに再入所させられるように努めることとする。

(2)新興感染症の発生時などに対応する医療機関との連携


新興感染症の発生時に、施設内の感染者の診療などに迅速に対応できる体制を平時から構築するため、あらかじめ、感染者に対応する協定締結医療機関(第2種協定指定医療機関)との間で、発生時の対応を取り決めるよう努めることとする。


また、協力医療機関が第2種協定指定医療機関の場合は、その医療機関との間で、新興感染症の発生時などの対応について協議することを義務付ける。

(3)ユニットケアの質の向上に向けた体制の確保


ユニット型施設の管理者は、「ユニットケア施設管理者研修」を受講するよう努めなければならないこととする。

(4)生産性向上の方策を検討する委員会の設置の義務付け


介護現場の生産性向上の取り組みを推進する観点から、現場の課題を抽出・分析したうえで必要な対応を検討し、事業所全体で継続的に業務改善に取り組む環境を整備するため、利用者の安全、サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討する委員会の設置を義務付ける。その際、3年間の経過措置期間を設けることとする。

◆ 特別養護老人ホーム

(1)小規模特養の配置基準の緩和


離島や過疎地域の小規模特養の効率的な人員配置を可能とする観点から、以下の見直しを行う。


◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養にショートステイが併設されている場合、そのショートステイの医師について、特養の医師によって利用者の健康管理が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。


◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養に通所介護、地域密着型通所介護、ショートステイなどが併設されている場合、併設事業所の生活相談員、栄養士、管理栄養士、機能訓練指導員について、特養の生活相談員、栄養士、管理栄養士、機能訓練指導員によって利用者の処遇が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。


◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養に小規模多機能、看護小規模多機能が併設される場合、特養のケアマネジャーについて、小多機、看多機のケアマネによって利用者の処遇が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。

(2)緊急時などの対応方法の定期的な見直しの義務付け


特養があらかじめ定めることとされている緊急時などの対応方法について、配置医師、協力医療機関の協力を得て定めることとする。また、1年に1回以上、見直しを行うことを義務付ける。

◆ 全サービス共通

(1)管理者の兼務範囲の明確化


管理者の兼務について、一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認められるようになる。


現行の運営基準で管理者は、兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能とされている。


今回の改正では、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことがルール上明確になる。あわせて管理者の責務が、


“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”

などと再定義される。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようになる。

(2)「書面掲示」規制の見直し


運営規程の概要など、重要事項をウェブサイトで公表することが新たに義務付けられる。


現行では事業所内での書面掲示が求められるが、これに加えてネットでの情報提供も必須となる。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化が適用される。


重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などが想定されている。(介護ニュースより)

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当社代表林正人の著書『社労士が書いた 介護「人材」の採用・育成・定着のための職場作り』が出版されました。

SRPⅡ認証は、社会保険労務士事務所の「信用・信頼」の証です。
社労士法人ヒューマンスキルコンサルティングは、全国社会保険労務士会連合会より社会保険労務士個人情報保護事務所として認証を受けています。【認証番号第1602793号】
→SRPⅡ認証(全国社会保険労務士連合会)
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