保育

「日本一働きたい会社にしたい」

みなさん、こんにちは!

以前にこのブログでもご紹介

させて頂きましたが、

「日本一働きたい会社にしたい」

という社長の想いで、社員を大切にし、

社員の「人間力」の向上を育成されている

福岡のスーパーハロディ社 加治社長の

お話をご紹介する記事をご紹介させて頂きます。

雑誌『致知』の5月号より。

『ハローデイ経営理念の1番目は

「より多くのお客様に感謝する会社」

とあって、会社をよくしていく過程で

この理念の浸透にも力を入れてきました。

(社長の加治様)は体験しているから

分かりますが、従業員にはいくら口で

説明しても、

悲しいかな他人事で

しかないから分からないんです。

ではどうすれば思いを伝える

ことができるかと

いろんな研修に参加した上で、

これはと思うものをベースに

研修をつくりました

「お元気様研修」といって、

5つある経営理念をベースに

2日間かけてやるんです。

例えば感謝について

「皆さんにとって感謝の原点

はどこにありますか」

という感じで問い掛けます。

いろいろと答えが出てきますが、

答えは両親ですと。

「両親に感謝できない人が

 何で赤の他人のお客様に

感謝できるんですか。

 絶対にできません」

というかたちで入るんですよ。

(中略)

それから研修では

普段私たちが

よく使う言葉についても

伝えています。

その中の一つに

「ピンチはチャンスだ、ありがとう」

という言葉が必ず出てくるんです。

例えば誰かが私にボコボコに

怒られて落ち込んでいると

皆が寄ってきて、

「よかったなおまえ、

おめでとう。

 チャンスじゃないか」

と言って励ます時に使うんです。

このことを理解していただくには

火事事件についても

お話しする必要があって、

実は平成8年元旦の午前1時

にお店が燃えたんですよ。

そのお店というのは20数年ぶりに

出したばかりの後藤寺店という新店で、

これが大当たりして

会社の経常利益の3分の2の利益を

出していたんです。

その夜、除夜の鐘を聴きながら

営業報告を確認し終えて

やっと一息ついたところで、

電話が鳴り響きました。

電話口から上ずった声で、

「火事です。後藤寺店が燃えています」

と聞こえてきた瞬間、

もう真っ青になりました。

すぐに車に飛び乗ったのは

いいのですが、

頭の中は悪いことばかりが

次々と浮かんでくるものですから、

寒さではなくて怖さで

震えが止まりません。

――あぁ怖さで震えが。

その時に私の好きな

「ピンチはチャンスだ! ありがとう」

という清水英雄先生の詩が

ふっと浮かんできたので、

それを必死で唱え始めたんです。

「つらいことがおこると/感謝するんです/
 これでまた強くなれると/ありがとう/

 悲しいことがおこると/感謝するんです/
 これで人の悲しみがよくわかると/ありがとう/

 ピンチになると感謝するんです/
 これでもっと逞しくなれると/ありがとう/

 つらいことも悲しいこともピンチものり越えて/
 生きることが人生だと言いきかせるのです……

車内での40分間、

私はその詩を大声で繰り返しました。

店に着いた時にはゼェゼェいって

喉がかれていたので、

店に向かって歩く間は

「ピンチはチャンスだ/人生はドラマだ」

と小声で何度も呟いていました。

すると私を見つけた店長が

バッと走り寄ってきて

「すいませんでした」

と大声で謝ってきました。

その時私の口から出てきたのが、

「店長大丈夫や!

 改装費1億か2億かかっても、

 君ならまた取り戻せるやろ」

という言葉だったんですよ。

私は基本的に怖がりだし弱虫だから、

あの詩を口にしていなければ、

きっと店長をボコボコに

していたと思います。

だからその店長は

いまだに言うんですよ。

あの時は半殺しまでだったら

我慢しようと覚悟をしていたら、

思いもよらない言葉を掛けられて、

嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかったと。

――胸にグッと迫ってくるものがあります。

この話には後日談がありまして

そのお店がオープンした時の

売り上げというのが

1700万円でした。

これはスーパーの売り上げとしては

驚異的な数字なんですよ。

ところが火事の1か月後に

再オープンした時の売り上げが

何と2300万円だったんです。

オープン時の売り上げを

クリアするっていうことは

本来ありえないことなんです。

ですから「ピンチはチャンスだ、ありがとう」

というのはここからきているんですよ。

こういった話も2日間の研修に全部入っています。』

以上 雑誌 致知 の4月号の記事から抜粋です。

自分にとって、最悪の出来事が

降りかかってきたとき、

私は、自責の念で落ち込んだり、

人にその感情をぶつけてみたり

することがあります。

でもそんな時ですら、

起きてしまった事態を前向き

にとらえ、「ありがとう」と

いう事が出来る。

凄まじい人間力をお持ちの

方がいらっしゃるのだ

と、感銘を受けました。

不運が降りかかってきた

時にこそ、その人の「真」の

人間力が試されるものでは

ないかと感じ入りました。

因みの、ハロデイの加治社長の夢は

ハロディ社を

「日本一働きたい会社」にする

事を目指しているそうです。

きっと、このようなリーダー

がいるような会社は

社員全員が、お客様の為に

そして、会社の為に

楽しみながら仕事が

出来るものと思います。

人間力研修とは

福祉人材の人間力向上研修

 

『採用募集時の労働条件を変更する際の注意点』

Q

現在、職員の採用募集をしています。採用したい求職者がいますが、実務経験やブランクを考慮すると、求人上で明示している職務手当の月額20,000 円を月額10,000 円として採用することが適当だと感じています。求職者本人の合意が得られれば、採用募集時の労働条件を変更しても問題ないでしょうか?

A

変更する内容を求職者が理解できるように説明を行い、施設と求職者が合意をした上で、採用募集で明示した労働条件等を変更することは可能です。ただし、採用募集で明示した労働条件は、労働契約の前提となるため、見直すべき事情がない限り、安易な変更は避けましょう。

詳細解説

1.採用募集時に明示すべき労働条件とその変更

 採用募集時には、業務内容や就業時間、賃金の額等の明示すべき労働条件が定められています。明示された労働条件は、求職者が求人に対し応募するための誘引にすぎないとされており、明示された労働条件がそのまま労働契約の内容になるとは必ずしもいえません。採用選考を進める上で、労働条件を見直すべき事情が出てきたときには、その事情を踏まえ、施設と求職者が見直す内容に合意をすることが必要です。
 ハローワークに出した求人について実際の労働条件と求人票の内容が異なる場合、求職者が相談できる「ハローワーク求人ホットライン」が設けられています。相談があったときには、事実を確認の上、採用する施設に対して是正指導を行うこととなっており、行政がこのような体制をとっていることを考えると、求人票の内容(採用募集時の労働条件)は安易に変更すべきではないことがわかります。

2.労働条件等変更時の明示

 実際に採用選考が進む中で、採用募集時に明示していた労働条件の内容を変更、特定(幅のある賃金の額の表示について具体額を決定する等)、追加、削除をする場合は、求職者に変更内容を改めて明示しなければなりません。今回の質問のように、採用募集時に明示していた職務手当20,000 円の支給額を10,000 円とすることは「変更」に該当し、求職者が変更内容を適切に理解できるような方法で明示します。具体的には、最初に明示した内容と変更内容を対照できる書面を交付したり、労働条件通知書等で変更がわかるように下線を引いたりする方法があります。
 採用選考に至る過程で、採用募集時の労働条件を変更することもあるかと思いますが、変更する可能性がある場合は、あらかじめ求職者に内容の変更があり得ることを伝えることで、採用時のトラブルを防ぎましょう。そして、採用時には、再度、労働条件を明示し、施設と求職者の両者が納得した上で雇用契約を締結するようにしましょう。

 

Q 法人理念を職員一人一人に浸透させるためにはどのような方法がありますか?

法人理念を周知はしているものの、どこまで「浸透」しているかというと、なかなか難しいところです。ある園では、職員に理念を改めて尋ねたところ、ほとんどの職員が応えられなかったということをお聞きしています。「浸透」している状態とは、職員が理念の意味を理解しそれを日々の実践に活かせる状況を言います。そのような状態にもっていくために経営は、経営理念の周知に努力するだけでなく、それを行動に移せる職員をどれだけ育てることができるのかを日々の活動のかなで考えていく必要があります。

 

求める職員像を的確な言葉で表現する

 

保育現場では職員一人一人の自律的な判断、行動が求められます。しかし保育者不足から中途採用の職員やぱーと職員の増加により、法人理念の背景や創立者の思いが継承できていなかったり、これまでの暗黙の前提が成立しなくなっている園もあるでしょう。法人の、園の、保育実践において、拠り所となるものが必要になるのも自然な流れと言えるかもしれません。そこで、私は法人理念を具体的に実現できる「人財」を「求める職員像」として可視化することをご提案しています。法人理念に基づき、どのように行動してほしいのか、どのような人となりであってほしいのかを整理し、的確に表現する言葉で「可視化」し、職員に示すことが重要です。そのための方法はいろいろあると思いますが、当社では、法人理念をいくつかのキーワードに凝縮し、各キーワードの意味とそれを実現できる行動を職員の発想で具体的にしていきます。例えば、

キーワード:「思いやり」⇒出来ることに手を出すのではなく、見守って、助けが必要な時は、思いやりの気持ちをもち笑顔で、声をかけて手伝っている。

キーワード:「報告・連絡・相談」⇒何を相談したいのか整理し、自分なりの考え方をもって、先輩や同僚に積極的に相談し、アドバイスは素直に受け入れている。

 

求める職員像が育成指針として活用し、また人事評価に組み入れ定期的に振り返る機会をつくりました

 

法人理念から「求める職員像」を可視化し、周知と浸透を図っている園長先生にお伺いしました。

 先日の職員会議で、園児への声掛けやかかわり方が議題に上がったのですが、中途採用の新人職員の一人から「求める職員像」を根拠にその関わり方の提案が出ました。参加していた職員からは賛同と納得を得ただけでなく、この発言は刺激になったようです。

また、年2回の評価の中に、その実践度合いに関する評価項目を入れて、定期的自己を振返る機会を持っています。いい評価がもらえればモチベーションにもつながっているようです。また上司・部下の間で、現状と今後について話し合う良いコミュニケーションの機会にもなっています。

 園としては、引き続き「求める職員像」に基づく職員の働きぶりを承認し、育成に繋げていければと考えています。

チームワークについて考える。

皆さん、こんにちは!

今日は、チームワークについて

皆さんと考えてみたいと思います。

介護の現場だけでなく

どこの職場でも、仕事をする限り

チームワークの大切さを感じない

方はいないのではないかと思います。

では、みなさんにお聞きします。

チームワークをつくり上げる為

日頃どんなことをなさっていますか?

コミュニケーションを頻繁にしたり

チーム目標を掲げたり、仕事以外

のイベントを盛り上げたり・・・・

特にリーダーの方々は、御苦労されて

いらっしゃるのではないかと思います。

良いチームワークを創る為には・・・

大切な事は、リーダーの原点に戻り

やはり上司と部下の

1対1の信頼関係を創り上げる事の

ように思います。

部下の方は、上司から「認められ」

信頼関係が出来ると、心が安心し

満たされます。そして、前向きに

仕事に取り組もうとしてくれます。

そして、心の余裕が出来てくると

周りの人を助けよう、という気持ち

になります。

部下がこのような気持ちになりますと

今度は、横の繋がりが強くなり、自然と

協力関係が作られてきます。

上司にとって、リーダーにとって

大切なのは、部下のひとりひとりと

の絆、信頼関係をつくる上げることが

基本になるように思います。

そして、上司が中心になり、

部下ひとりひとりと信頼関係が

できてくると、部下同士の

横の繋がりは、自然と強く

なっていきます。

最初から、チームワークを

良くするには、という事で

何か特別な事をしなくても

部下との11の関係を

築き上げることに、努力

していけば、自然と

チームワークは出来てくる、

そんなふうに考えると

すこし、肩の荷が軽くなりませんか?

何かのご参考にして頂ければ

幸いです。

介護リーダー研修

職場リーダー(主任)の職場実践力&人間力向上研修

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしましたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れようとしません。注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われてしまうようでは、上司としては、注意すること自体出来なくなってしまいます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

 

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、裁判例によると、「合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えた、いわゆるパワーハラスメント」(名古屋高裁H191031)「人格、存在自体を否定するもの」(東京地裁H191015)といった要素が挙げられています。

また厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(H24130日)は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

 また、ご質問のように、パワハラのとらえ方としてよくあるものが「相手がパワハラと感じたらパワハラ行為になる」などと、あたかも相手の感じ方でパワハラ行為か否かが決まってしまうといったような誤った認識があります。このような認識が原因で、必要に応じて部下を強く指導・教育する必要があっても、それを躊躇してしまうようなこともあるのではないかと思います。重要なことは、「相手がその行為をどう感じたかではなく」、その行為自体に「社会通念上、許容される範囲を超える」ところがあったか否か、ということになります。

 

さて、御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 また、最近はスマホなどを使用し、指導教育の内容を「無断録音」されているようなケースも多いのではないかと思います。この場合、当然ながら「言った、言わない」という話にはならないわけで録音された発言が、それに該当するか否かが判断されるわけです。このことを踏まえると、いつも録音されているという認識をもつことで、自身の言動の抑止力にもなり、冷静な態度で指導教育が行われるのではないでしょうか。

                                   以上

パートタイマーの年収の壁は130 万円?

パートタイマーなどの短時間労働者にとって見逃せない「年収の壁」。一定額を超えると税金や社会保険の対象となり、手取り額に大きく影響します。よく耳にするのは103 万円と130 万円の壁ですが、106 万円の壁にも要注意です。

106 万円の壁って何?

 収入への影響が特に大きいのは、社会保険料が発生するとき。一般的に20 万~40 万円程の年収増がないと、手取り額が減少します。
 社会保険は、年収130 万円で扶養から外れ、自ら加入し保険料を支払うことになります。また、事業所規模によっては年収106 万円で短時間労働者も加入※1 となり、その対象は、現在、段階的に拡大されています(下表)。

  

 

傷病手当金の支給期間通算と 施行前に受給していた従業員の扱い

私傷病で会社を休み給与が支給されないときで、一定の要件を満たしたときは、健康保険の傷病手当金が支給されます。傷病手当金が支給される最長の期間は支給開始日から暦日で1 年6 ヶ月ですが、2022 年1月1日以降、支給期間を通算して1 年6 ヶ月になりました。そこで、改正点について具体的事例を用いながら確認します。

1. 支給期間の通算方法

 傷病手当金は私傷病で一定期間連続して受給する他、同じ傷病であっても期間を空けて断続的に受給することがあります。例えば、以下のような申請事例が考えられます。
①2022年3月1日~4月10日 労務不能 (支給期間:38日間)
②2022年4月11日~4月20日 労務不能 (支給期間:10日間)
③2022年5月11日~6月10日 労務不能 (支給期間:31日間)
 このケースでは2022 年3 月1日~3 日までの3 日間が、傷病手当金が支給されない「待期期間」、2022 年3 月4 日が支給開始日となり、支給される最大の日数は2023 年9 月3 日までの549 日間となります。
 これに対し、受給した期間からそれぞれ残りの支給日数を確認すると、①は549 日-38 日=511日、②は511日-10 日=501日、③は501日-31日=470 日となります。支給満了日は、残りの支給日数が0 日となる日であるため、③の期間が終了した翌日(2022 年6月11日)より連続して470 日間労務不能であった場合は2023 年9 月23 日、支給期間の合間に合計して40 日間就労した場合は2023 年11 月2 日となります。

2.2021 年12 月31日以前の受給者

 今回、2022 年1月1日以降に支給される傷病手当金から変更となりましたが、2021 年12月31日以前に支給開始日があり、2021 年12月31日時点で支給開始日から1 年6 ヶ月が経過していない場合は、改正後の考え方の対象になります。
 そのため、2020 年7 月2 日以降が支給開始日の傷病手当金については改正後の対象となり、その支給期間は、以下の事例が示すように考えます。
 支給開始日が2020年7月2日で、2020年7月2日~31日(30日間)の傷病手当金が支給されているときは、まず、2021年12月31日で、支給開始日から起算して1年6ヶ月を経過していないため、改正後の規定が適用される。
 その支給日数は、2020年7月2日から2022年1月1日までの549日であり、2022年1月1日時点で、既に30日分の傷病手当金が支給されているため、2022年1月1日時点の残りの支給日数は519日となる。
 傷病手当金が支給される最長1 年6 ヶ月間のカウントは、同一の傷病についてです。異なる傷病で傷病手当金を受けるときには、通算することなく、傷病ごとで最長1 年6 ヶ月をカウントします。この際、同一傷病の判断は協会けんぽ等の保険者が行うことになっています。

 

保育事業所様向け情報(労務)1月号③

女性活躍推進法における行動計画の策定等の拡大

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

 

総務部長
2022 年4 月から女性活躍推進法における一般事業主行動計画の策定・公表の義務対象が、労働者数301 人以上から101 人以上の企業に拡大されると聞きました。この101人以上とは正社員の数で判断すればよいですか。
社労士                                                                                                   「常時雇用する労働者数」で判断することになっており、正社員だけでなくパートタイマーや契約社員、アルバイトなど、その名称に関係なく、無期契約の従業員、有期契約の場合は過去1 年以上継続して雇用している従業員や1 年以上継続して雇用する見込みの従業員を含みます。
総務部長                                                                                                                                               なるほど。有期契約の従業員も労働者数に含める必要があるのですね。そうなると当社は101 人以上になりそうです。どのようなことを準備すればよいのでしょうか。
社労士                                                                                                    取り組むべき事項は、大きく分けて3 つのステップに分かれています。①女性労働者の活躍状況の把握と課題分析、②一般事業主行動計画の策定・社内周知・公表、③都道府県労働局へ届出・年1 回の情報公表の3 つです。
①は、自社における採用者に占める女性比率や労働者に占める女性比率、平均勤続年数の男女比、月別の平均残業時間数、管理職に占める女性比率など、自社の女性の活躍に関する状況を把握します。その上で把握した内容をもとに自社の課題を分析します。
総務部長                                                                                                                                             活躍状況の把握と課題分析ですか。時間がかかりそうです。
社労士                                                                                                              確かに様々な数字の確認が求められますね。そして、②として状況把握、課題分析の結果から、女性活躍を推進するための計画期間、数値目標、取組内容、取組の実施時期を盛り込んだ行動計画を策定します。策定後には、すべての従業員に行動計画を周知し、自社のホームページに掲載するなど外部にも公表を行う必要があります。
総務部長                                                                                                                                            次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画と同じように、周知・公表が必要なのですね。
社労士                                                                                                                                             最後に、③として一般事業主行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ届け出ます。また女性の活躍に関する情報公表として、定められた項目から1 項目以上を選択して外部に向けて公表する必要があります。さらに公表した情報の内容は、おおむね1 年に1 回以上更新し、いつの情報なのかがわかるように更新時期を明記することになっています。

 

ONE POINT
① 2022 年4 月から女性活躍推進法における一般事業主行動計画の策定・公表の義務対象が、301 人以上から101 人以上に拡大される。
② 2022 年4 月1日までに101 人以上300 人以内の企業は、一般事業主行動計画の策定・情報公表を行う必要がある。

 

キャリアアップ助成金が使いやすくなりました。

令和3年12月21日以降の改正が反映されたキャリアアップ助成金制度正社員化コース・賃金規程改定コースの助成金が一部変更になりました。

変更内容は加算措置の新設と時限措置の延長です。どちらの変更も今までより使いやすくなる方向の改定になります。

詳細は下記をご参照ください。

キャリアアップ助成金が使いやすくなりました。

 

保育事業所様向け情報(労務)1月号②

妊娠・出産を申し出た従業員への育休取得の意向確認等

2021 年6 月に成立した改正育児・介護休業法がいよいよ2022 年4 月から段階的に施行されます。4 月に施行される改正点を大きく分けると、①育児休業を取得しやすい雇用環境整備、②妊娠・出産の申し出をした従業員への個別周知・意向確認、③有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件の緩和の3 点になります。このうち②について確認します。

1. 個別周知・意向確認

 2022 年4 月以降、従業員本人から妊娠・出産等の申し出や、従業員の配偶者の妊娠・出産等について申し出があった場合、会社は育児休業制度等をはじめとする一定の事項を従業員に、個別に周知する必要があります。周知すべき事項は以下の4 点です。
①育児休業・出生時育児休業に関する制度
②育児休業・出生時育児休業の申し出先
③雇用保険の育児休業給付に関すること
④労働者が育児休業・出生時育児休業期間について負担すべき社会保険料の取扱い
※出生時育児休業に関することは2022年10月以降が対象
 この個別周知とともに、「育児休業の取得を申し出するか」という従業員の意向を確認することになります。なお、これらの個別周知・意向確認の方法は、面談の他、書面を渡すことや、従業員が希望したときにはFAX や電子メール等を用いることもできます。

2. 意向をどこまで確認するか

 意向確認の具体的な内容について、厚生労働省が作成した意向確認書の様式例を見ると、以下の4 つの選択肢のうちから、従業員が該当するものに「〇」をつけ、会社に提出する方法になっています。
・育児休業を取得する
・出生時育児休業を取得する
・取得する意向はない
・検討中
※出生時育児休業に関することは2022年10月以降が対象
 この意向確認について、会社がどこまで確認する必要があるか迷いますが、指針・通達では、意向確認の働きかけを行えばよいとされており、具体的な意向を把握することまでを求めるものではないとしています。当然、意向を把握することが望ましいとは言えますが、従業員によっては回答をしないケースも出てくることでしょう。今後の具体的な管理・運用方法の検討が事前に求められます。

 

個別周知や意向確認を行う前の「妊娠・出産等の申し出」とは、「妊娠3 ヶ月です」という申し出や「〇月〇日が出産予定日です」というような申し出が該当します。妊娠・出産等の申し出を把握しづらい状況も想定されるため、例えばあらかじめ申し出用の社内様式を用意して、その様式を事前に周知しておき、書面を提出してもらうことで意向確認をしていく方法も考えられます。

 

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