保育

保育士対象の調査、約9割がSDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職したいと回答

明日香は、現役保育士95人を対象に実施した、保育の現場におけるSDGsへの取り組みに関する実態調査の結果を、6月25日に発表した。同調査は、6月7日~11日の期間に行われている。

 調査対象者に、勤務先の保育園で地域貢献や環境保全などSDGsに関係する取り組みを行っているかを尋ねたところ、61.1%の保育園がSDGsに関する何らかの取り組みを行っていることがわかった。

 具体的な取り組み内容としては、「ペットボトルや牛乳パックなどで工作をする」や「シーズンに1度、使用する公園をみんなで掃除する」といった回答が寄せられている。

 保育の現場でSDGs目標に取り組みたいと思うかを尋ねた質問では、「とても思う」が28.4%、「思う」が47.4%に達した。

 保育の現場でSDGs目標に取り組みたいと「とても思う」「思う」と答えた人に、取り組みたい項目を尋ねたところ(複数回答)、「質の高い教育をみんなに」(55.6%)がもっとも多く、「すべての人に健康と福祉を」(47.2%)、「飢餓をゼロに」(37.5%)がそれに続いている。

 保育園では環境問題や地域貢献など社会的な取り組みを行うべきだと思うかを尋ねた質問では、「とても思う」が41.0%、「思う」が49.5%だった。

 保育園では環境問題や地域貢献など社会的な取り組みを行うべきだと思うかという質問に、「とても思う」「思う」と答えた人に、その理由を尋ねたところ、「保育園から始めれば、子どもたちも身近に感じやすい」や「地域との交流によって子どもたちが得ることも多いから」といった回答が寄せられている。

 SDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職したいと思うかを尋ねた質問では、「とても思う」が32.6%、「思う」が56.8%となった。

 SDGsに関する取り組みを行っている施設・団体に就職したいと「とても思う」「思う」人に、その理由を尋ねたところ、「子どもたちの将来を考えて」や「SDGsに取り組んでいる団体は、労働条件についても考えていそうだから」といった回答が寄せられている。

 勤務先の保育園が地域貢献や環境保全などSDGsに関係する取り組みを行っている、と答えた人に、SDGsに関する取り組みについて、勤務先の保育園がより外へ情報発信してほしいと思うかを尋ねた質問では、「とても思う」が51.8%、「思う」が37.9%に達した。

 

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週4 日勤務のパート職員の年次有給休暇5 日取得義務

Q

4 月に、1 日の所定労働時間が6 時間で週4 日勤務してもらうパート職員を採用しました。10 月に年次有給休暇(以下、年休)を付与する予定ですが、このパート職員も、正職員と同様、付与日から1 年間に年5 日の年休を取得させる必要があるのでしょうか?

A

パート職員であっても、年休が10 日以上付与される場合、付与した日から1 年間で5 日取得させる義務(以下、取得義務)が発生します。週4 日勤務のパート職員が、勤続6 ヶ月となる10 月に付与される年休日数は7 日となるため、勤続6 ヶ月の時点において年5 日の年休の取得義務は発生しません。

詳細解説

1.パート職員への年休の比例付与
労働基準法では、入職日から6 ヶ月継続勤務し、かつ全労働日の8 割以上を出勤した職員に、正職員、パート職員など雇用形態に関わらず年休を付与することを定めています。週の所定労働時間が30 時間未満のパート職員などは、所定労働日数に応じて年休の付与日数が決定します(比例付与)。この年休日数は、下表のとおりです。
2.年休の5 日取得義務
取得義務は、パート職員を含む1 年間に10日以上の年休が付与される職員に発生します。
今回の質問の週 4 日勤務のパート職員は、入職して 6 ヶ月の時点では年休の付与日数が7 日(下表参照)のため、取得義務は発生しませんが、3 年 6 ヶ月勤務した場合、付与日数は10 日となるため、この時点から取得義務が発生します。取得義務は、下表の網掛けに該当する職員に発生します。なお、前年度から繰り越した年休と新たに付与される年休を合算して10 日以上になったとしても、取得義務は発生しません。
勤続年数によって取得義務が発生することもあるため、年休の付与日、付与日数、取得義務の有無、残日数等の管理は、正職員・パート職員を問わず、しっかり行いましょう。

 

 

 

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年次有給休暇の8 割要件を計算する際のポイント

年次有給休暇(以下、「年休」という)の付与については、全労働日の8 割以上出勤していることという要件(以下、「8 割要件」という)がありますが、その計算の際に、会社の責に帰すべき事由によって休業した日や育児休業を取得した日等のイレギュラーについて、どのように計算すべきか判断に迷うことがあります。その実務上のポイントを確認します。

1.8割要件の計算

8 割要件を満たしているかの計算は、出勤率をもって判断します。この出勤率は、出勤日数(算定期間の全労働日のうち出勤した日数)を全労働日(労働義務が課せられている日のことで、就業規則等で定めた休日を除いた日数)で除して計算します。
出勤日数には、休日出勤した日は除く一方で、遅刻や早退があったとしても、その日は出勤しているため、含めます。
この出勤率を計算する際に、分母の全労働日から除外される日と、分子の出勤したものとして取り扱う日が定められています。全労働日から除外される日数には、以下のものがあります。
  ① 使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
  ② 正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
例えば、新型コロナウイルス感染症の影響により、会社独自の判断で従業員を休業させた場合は、①に該当し、休業させた日を全労働日から除外し、出勤率を計算します。
一方、出勤したものとして取り扱い、出勤率の計算の際に出勤日数および全労働日数に含めるものとしては、以下のものがあります。
  ① 業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
  ② 労働基準法に規定する産前産後休業を取得した日
  ③ 育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
  ④ 年次有給休暇を取得した日
例えば、算定期間においてすべて育児休業を取得していた場合、休業日数を全労働日に含み、出勤したものとして取り扱う日数にも休業日数を含むことから出勤率は10 割となり、実際に勤務した日数がないとしても年休の付与を行います。

2. 特別休暇等の取扱い

会社独自の休暇である特別休暇や、育児・介護休業法による子の看護休暇・介護休暇を取得した日等については、法令での定めはないため、それぞれの会社で出勤率の計算の際にどのように取り扱うかを決めることになります。一般的には出勤したとみなして出勤率を計算する方法が多くみられます。

 

出勤率を計算した結果、8 割要件を満たさなかった場合、その年については年休が付与されませんが、次の年に8 割要件を満たした場合は、8 割要件を満たさなかった年も勤続継続年数に含めて、付与日数が決まります。従業員にとって年休の付与や取得に対する関心は高いことから、誤りのないように管理しましょう。

 

Q,配偶者の社会保険の扶養の範囲内の収入で働くパート職員がいます。時給を引 き上げたので、このまま働くと年間収入が 130 万円以上となりそうです。健康保 険の被扶養者の条件として、年間収入が 130 万円未満という基準がありますが、 どのように対応したら良いでしょうか?

A,パート職員の年間収入が 130 万円以上になった場合、配偶者の健康保険の扶養 から外れることになります。この場合、週の所定労働時間および月の所定労働日 数によって、パート職員は、状況に応じ事業所の健康保険・厚生年金保険または 国民健康保険・国民年金に加入することになります。

 

 詳細解説: 1.健康保険の扶養の収入基準 健康保険の被扶養者となる収 入の基準は、原則、年間収入が 130 万円未満で、かつ、扶養者 の年間収入の半分未満であるこ ととなっています ※1。 ここでの収入とは、扶養の認定日以降の年 間の見込み収入をいい、被扶養者の収入に は、雇用保険の基本手当や健康保険の出産手 当金等(以下、基本手当等)も含みます。 具体的には、給与収入※2は月 108,333 円以下、 基本手当等は日額 3,611 円以下であれば、年 間収入が 130 万円未満と判断されます。年間 収入が 130 万円以上となる場合、対象のパー ト職員は扶養から外れることになります。 なお、一時的に収入が多くなることによ り、年間収入が 130 万円以上となるときに は、すぐに扶養の認定が取り消されるのでは なく、給与明細書、雇用契約書等と照らし、今 後の見込み収入で判断することになります。 扶養の認定は扶養者の保険者が行うため、詳 細な取扱いは、配偶者の勤務先を通じて保険 者に確認することになります。 2.職員自身での社会保険の加入 扶養から外れることになったパート職員 は、自身で社会保険加入することとなり、週 の所定労働時間かつ所定労働日数が、正職員 の 4 分の 3 以上の場合は、事業所の健康保 険・厚生年金保険に加入します※3。これらの 所定労働時間・所定労働日数に満たないとき には、個別に国民健康保険・国民年金に加入 します。 今回の質問のように、時給を引き上げた パート職員が、今後も扶養の範囲内の収入で 働き続けることを希望するのであれば、所定 労働時間を減らして年間収入が 130 万円未満 となるような働き方の検討も必要になりま す。まずは、職員と今後の働き方を話し合う と良いでしょう。

今後、同一労働同一賃金の考え方が浸透していくに従って、この問題に直面するケースが

増えてくるものと思います。「配偶者が反対しているからこの基準を超えられない」というような人については、契約更新時などに「1年間の収入が待遇改善によってこれぐらいになりますよ」ということを示して、きちんと説明をすることが大切になります。そうすれば、年末にバタバタと就業時間調整することもなくなります。労働者ごとに就業調整の基準は異なります。例えば、配偶者の家族手当がどの様な基準で支払われるのかは配偶者の会社の規定次第ですし、社会保険に加入する、しないという事もご本人の希望がありますから、その希望をよく聞きながら、契約更新時に相談されることをお勧めします。一方で、待遇改善の結果103万円、130万円は超えるけれども、それによって65歳以降の年金支給額が増える、健康保険でも傷病手当金の支給対象になる等、メリットも多いことをきちんと知っていただき、より長期的にみれば会社も本人もハッピーになることもあることを認識頂くことも大切のように思います。

 

※1)被扶養者が 60 歳以上または障害者のとき は、年間収入が 180 万円未満 (※2)交通費(通勤手当)を含む (※3)常時 501 人以上の特定適用事業所は、週の所定労働時間が 20 時間以上あること、雇 用期間が 1 年以上見込まれること、賃金の月額 が 88,000 円以上であること、学生でないこと の 4 点をすべて満たす場合

                                    以上

掛け持ちしている職員の 社会保険加入

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

総務部長
当社で1日5 時間、週5 日の勤務をしているアルバイトがいます。10 月の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用拡大で社会保険に加入することになる予定ですが、実は他社でも働いていることがわかりました。
社労士                                                                                                                     掛け持ちでアルバイトをされているということですね。ちなみに雇用保険は御社で加入されていますか?
総務部長                                                                                                                                                  はい、加入要件を満たしているので当社で加入しています。話を聞いたところ、他社では、1日5 時間、週4 日働いているそうです。アルバイトですので、他社で働くこと(副業・兼業)は禁止していないのですが、社会保険はどのようになるか気になっています。
社労士                                                                                                                         雇用保険は、複数で勤務し、加入要件を満たしていたとしても原則として1カ所のみで加入します(※65 才以上のマルチジョブホルダーを除く)。ちなみに加入する事業所は主たる賃金を受ける事業所です。
総務部長                                                                                                                                                   労働時間は当社の方が長く、給与も高いと思います。そのため、雇用保険は当社のみで加入すればよいということですね。となると、社会保険も当社のみで加入となるのでしょうか?
社労士                                                                                                                       社会保険は異なり、複数の事業所で加入要件を満たした場合、そのすべての事業所で加入することになります。他社でも週20 時間勤務しているということですので、その他の加入要件を満たせば加入することになります。
総務部長                                                                                                                                             そうなのですか!?となると、健康保険被保険者証(以下、「健康保険証」という)は2 枚持つことになるのですか?
社労士                                                                                                                                          いいえ。複数の事業所で加入した場合には、主となる事業所を従業員が選択し、届出することになり、この主となる事業所に係る健康保険証のみが交付されます。ただ、複数の事業所に加入しているため、社会保険料は按分となり、各々の事業所から支払われる給与から控除されることになります。
総務部長                                                                                                                                             なるほど、かなり複雑ですね。
社労士                                                                                                                   負担する社会保険料額の決定方法はさらに複雑です。まずは、10 月以降、他社でも社会保険の加入要件を満たしているかの確認から始める必要がありそうですね。
総務部長                                                                                                                                             そうですね。まずは、確認してみることにします。

 

ONE POINT
  ①複数の事業所で雇用保険の加入要件を満たしても、原則として1 つの事業所のみで被保険者となる(※65 才以上のマルチジョブホルダーを除く)
  ②複数の事業所で社会保険の加入要件を満たした場合には、加入要件を満たしたすべての事業所で被保険者となる。
  ③健康保険証は従業員が選択した1 つの事業所のみで発行される。

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変化がみられる副業に対する考え方と国の動き

副業・兼業(以下、「副業」という)への関心が、労使ともに高まっています。実際に、従業員から副業することができるか、会社に問合せがあったり、一部の企業では解禁の方針を決めて動き出しているところもあります。以下では、副業に関する国や企業の動きについてみておきます。

1. 国としての副業の考え方

 以前は、他社で就業し副業することについて、特に正社員については、企業の情報漏洩につながったり、自社の業務に専念できなくなったりすること等の理由から禁止や消極的な許可制としている企業が多くを占めていました。また、厚生労働省が公開しているモデル就業規則でも、従業員の遵守事項として「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と規定されていました。
 これが現在では、働き方改革実行計画における副業解禁の方針を踏まえ、考え方が見直されています。そして、現在公開されているモデル就業規則では、以下のように原則副業を認め、例外的に制限可能というスタンスの規定に変更されています。
(副業・兼業)
第68 条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合

2. 企業としての対応

 企業側の副業のメリット・デメリットを考えてみると、メリットとして、従業員のスキルアップ、優秀な人材の流出防止、副業によって得た情報や人脈による事業機会の拡大等が挙げられます。その一方で、デメリットとして、過重労働や企業の情報漏洩、細かな労務管理、優秀な人材が本業を離れて副業先へ転職する可能性等が挙げられます。
 副業に関しては、企業の考え方も従業員の考え方も過渡期であるものの、国の大きな方向性は副業をさらに促進していくことになっています。
 今後は、従業員からの副業の問合せについて、禁止される理由や許可されない理由の説明が求められることも出てくるでしょう。企業として、どのように考えるかを改めて検討する時期が来ているのかもしれません。

 

国は、2022 年7 月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、企業に対し、副業の容認の有無、そして条件付きで認めている場合については設けている条件の内容を、自社のホームページ等で公表することが望ましいとしました。これは、就職先を選ぶ人からみて、副業に対する企業の考え方を分かりやすくすることを狙いとしています。

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産後パパ育休の申出を1ヶ月前までとするための労使協定

2022 年10 月1日より改正育児・介護休業法の第二段階目が施行され、産後パパ育休の制度がスタートします。産後パパ育休は、現状の育児休業とは異なり、より取得しやすい仕組みが整えられています。ここでは産後パパ育休の申出期限について確認をしておきます。

1. 産後パパ育休の特徴

 産後パパ育休は、原則2 週間前までに申し出ることで、子どもの出生後8 週間以内に4 週間を上限として取得できる育児休業です。
 2 回に分割して取得できるほか、労使協定を締結することで、会社と従業員が事前に合意した範囲で産後パパ育休中に働くことができるという特徴があります。

2. 産後パパ育休の申出期限

 産後パパ育休の申出期限は原則2 週間前ですが、次の2 点を労使協定で定めることにより、現在の育児休業と同様に1ヶ月前までに申し出ることを要件とすることができます。
 ・雇用環境の整備等の措置の内容( 法律上の義務である雇用環境整備措置を上回る措置)
 ・産後パパ育休の申出期限(2 週間を超え、1ヶ月以内に限る)
 この2 点のうち「雇用環境の整備等の措置」は、次の①~③のすべてとなります。自社の状況を踏まえた具体的な措置の内容を定める必要があります。
 ①以下のうち、2 つ以上の措置を講ずること
 ・育休等に関する研修の実施
 ・育休等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
 ・自社の労働者の育休等の取得事例の収集・提供
 ・自社の労働者へ育休等の制度と育児休業の取得促進に関する方針の周知
 ・育児休業の申出をした労働者の育休等の取得が円滑に行われるようにするための業務の配置または人員の配置に係る必要な措置
 ②育休等の取得に関する定量的な目標を設定し、育休等の取得促進に関する方針を周知すること
 ③育休等の申出に係る当該労働者の意向を確認するための措置を講じた上で、その意向を把握するための取組みを行うこと
  ※育休等とは、育児休業および産後パパ育休を指す。
 ①は1 つ以上の措置を講ずることがすでに義務となっており、ここでは①について2 つ以上の措置を講じることが求められています。また③についても意向確認のための働きかけを行うことが義務となっていますが、ここでは意向を把握するための取組みまで求められていることが特徴です。

 

産後パパ育休を取得する際に、業務の引継ぎ等が必要な場合には、2 週間前の申出では引継ぎ期間が不足することも想像されます。労使協定の締結を検討するとともに、そもそも急な取得の申出にならないように、従業員の育児休業等に係る意向を事前に確認しておくことなどが重要です。

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小学校休業等対応助成金・支援金 2022年9月までは同内容で延長へ

新型コロナウイルス感染症も現在は少し状況が落ち着いていますが、更なる変異種の報道もあり、再び感染拡大となる可能性も否定できません。そんな中、厚生労働省から、令和4年7月以降の小学校休業等対応助成金・支援金の内容等が公表されました。

 この内容は、あくまでも政府としての方針であり、施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要となることから、現時点では予定として捉えるようにしてください。
1.「小学校休業等対応助成金・支援金」について
(1)
小学校休業等対応助成金(労働者を雇用する事業主の方向け)
 休暇中に支払った賃金相当額×10/10を助成する点に変更はありません。また日額上限についても、画像の通り、変更はありません。
(2)
小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)
 就業できなかった日について、1日あたり定額で支給する点に変更はありません。また、支給額についても、画の通り、変更はありません。
 
2.「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」の設置期間の延長
 小学校休業対応助成金に関する相談に対応するため、「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」を、令和4年9月30日までの期間、全国の都道府県労働局に設置していますが、この設置期間も延長される予定です。

3.新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みによる申請
 労働局からの本助成金の活用の働きかけに事業主が応じない場合に、令和4年6月末までに取得した休暇と同様に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みにより、労働者が個人で申請できることとする対応も、令和4年9月末までに取得した休暇について行われる予定です。

 

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新型コロナの後遺症に関する労災の取扱いが明確に

厚生労働省は、令和4年5月12日に、新型コロナの罹患後症状の労災補償の取扱いに関する通達を発出しました。これは、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 別冊罹患後症状のマネジメント(第1版)」が取りまとめられたことを踏まえ、新型コロナの罹患後症状の労災補償における取扱いを明確にしましたもので、具体的な取扱いとしては以下のとおりとされています。

(1)
療養補償給付
 医師により療養が必要と認められる以下の場合については、本感染症の罹患後症状として、療養補償給付の対象となる。

  1. 診療の手引きに記載されている症状に対する療養(感染後ある程度期間を経過してから出現した症状も含む)
  2. 上記1の症状以外で本感染症により新たに発症した傷病(精神障害も含む)に対する療養
  3. 本感染症の合併症と認められる傷病に対する療養


(2)休業補償給付
 罹患後症状により、休業の必要性が医師により認められる場合は、休業補償給付の対象となる。なお、症状の程度は変動し、数か月以上続く症状や症状消失後に再度出現することもあり、職場復帰の時期や就労時間等の調整が必要となる場合もあることに留意すること。

(3)
障害補償給付
 診療の手引きによれば、本感染症の罹患後症状はいまだ不明な点が多いものの、時間の経過とともに一般的には改善が見込まれることから、リハビリテーションを含め、対症療法や経過観察での療養が必要な場合には、上記のとおり療養補償給付等の対象となるが、十分な治療を行ってもなお症状の改善の見込みがなく、症状固定と判断され後遺障害が残存する場合は、療養補償給付等は終了し、障害補償給付の対象となる。

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Q,仕事が出来ず協調性もない問題のあった社員が、定年後の再雇用を申し出てきました。会社としては定年をもってやめてもらいたいが、どのような対応が出来ますか、尚、当社は雇用継続制度をとっており、再雇用基準を定めた労使協定があります。

A, 当該社員は定年迎えるということで、定年後再雇用をしないということが考えられますが、それが出来るかどうかが問題になるところです。

平成25年4月1日より改正高年齢者等の雇用の安定等の関する法律が施行されています。この改正では、定年に達した人を引き続き雇用する「雇用継続制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されました。ただ、従来このような仕組みを設けていた場合には、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢(令和4年3月31日までであれば63歳)を超える年齢の者について、なお雇用継続制度の対象者を限定する基準を定めることは可能となります。

 逆にいうと、60歳定年で雇用継続制度をとっている場合、本人が希望するときは、解雇事由や退職事由にあたる事由がないかぎり、少なくとも上記支給開始までは再雇用する必要があります。再雇用基準を適用できるのは上記支給開始年齢を超えて再雇用するかどうかを判断するときになります。

従って、御質問にある問題社員が再雇用を希望した場合、その時に再雇用基準を満たしていなかったとしても、少なくとも上記支給開始年齢までは再雇用をする必要があります。

 

2,解雇することはできるのか

仮に再雇用拒否が出来ない場合でも客観的合理性と社会的相当性の要件を満たしていれば解雇することはできます。ご質問のケースでは、当該社員は仕事も出来ず協調性もないとのことですので、解雇できるかどうかのポイントとしては、その問題事由を裏付ける客観的事実、問題性の程度、そして何度も注意指導しても改善しなかったという「改善可能性」が無いことや、他の部署に配転して解雇を回避する余地がないか、などが焦点になります。

 実際のケースでは、十分な注意指導が出来ておらず、直ちに解雇するのは難しいというケースが見受けられます。そのような場合には、一端、再雇用したうえで、当該社員の問題状況や注意指導の履歴を記録化するようにして、契約更新の段階で雇止めを検討するという方法も考えられます。ただ、社内で長年キャリアを積んだ年長社員に対して、どれだけの指導教育ができるかについては、現実的にかなり難しい部分もあるのではないでしょうか。

 

3,労働条件を変更することはできるか

定年後再雇用とする場合、雇用契約を締結しなおすことになりますので、その際に労働条件(給与、職種、業務内容)を改定し提示することは可能です。ただ、どのような変更をしてもいいかというと、厚労省QAによれば、継続雇用高齢者の安定した雇用を確保するという趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金など雇用に関するルールの範囲内で事業主と労働者の間で決めることが出来るとされています。そして最終的に合意できなかった場合でも、事業主が合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば結果的に継続雇用に至らなかったとしても、法律違反になることはないとしています。

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4,事業主側として現実的な対処方法としては。

 ご質問のケースのような場合、当該社員との雇用継続が難しいということであれば、実務対応としては、当該社員にこれまでの勤務をねぎらいつつも、会社の評価を伝えて、まずは退職勧奨を試みるのが現実的な対応であると考えます。また、場合によっては割り増し退職金を支払う等の方法も考えられるところです。

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