保育

法人理念から求める職員像を可視化する

私は、法人が園を経営していく上で最も大切な価値観表しているものが、法人理念であると捉えています。多くの園では法人理念を、HP、入園のしおり、パンフレットなどの印刷物をはじめ様々な方法で保護者や職員に周知しています。

ただ、周知はしているものの、どこまで「浸透」しているかというと、なかなか難しいところです。ある園では、職員に理念を改めて尋ねたところ、ほとんどの職員が応えられなかったということをお聞きしています。「浸透」している状態とは、職員が理念の意味を理解し

しそれを日々の実践に活かせる状況を言います。そのような状態にもっていくために経営は、経営理念の周知に努力するだけでなく、それを行動に移せる職員をどれだけ育てることができるのかを日々の活動のかなで考えていく必要があります。

 

求める職員像を的確な言葉で表現する

 

保育現場では職員一人一人の自律的な判断、行動が求められます。しかし保育者不足から中途採用の職員やぱーと職員の増加により、法人理念の背景や創立者の思いが継承できていなかったり、これまでの暗黙の前提が成立しなくなっている園もあるでしょう。法人の、園の、保育実践において、拠り所となるものが必要になるのも自然な流れと言えるかもしれません。そこで、私は法人理念を具体的に実現できる「人財」を「求める職員像」として可視化することをご提案しています。法人理念に基づき、どのように行動してほしいのか、どのような人となりであってほしいのかを整理し、的確に表現する言葉で「可視化」し、職員に示すことが重要です。そのための方法はいろいろあると思いますが、当社では、法人理念を

いくつかのキーワードに凝縮し、各キーワードの意味とそれを実現できる行動を職員の発想で具体的にしていきます。例えば、

キーワード:「思いやり」⇒出来ることに手を出すのではなく、見守って、助けが必要な時は、思いやりの気持ちをもち笑顔で、声をかけて手伝っている。

キーワード:「報告・連絡・相談」⇒何を相談したいのか整理し、自分なりの考え方をもって、先輩や同僚に積極的に相談し、アドバイスは素直に受け入れている。

 

求める職員像が育成指針として活用し、また人事評価に組み入れ定期的に振り返る機会をつくりました

 

法人理念から「求める職員像」を可視化し、周知と浸透を図っている園長先生にお伺いしました。

 先日の職員会議で、園児への声掛けやかかわり方が議題に上がったのですが、中途採用の新人職員の一人から「求める職員像」を根拠にその関わり方の提案が出ました。参加していた職員からは賛同と納得を得ただけでなく、この発言は刺激になったようです。

また、年2回の評価の中に、その実践度合いに関する評価項目を入れて、定期的自己を振返る機会を持っています。いい評価がもらえればモチベーションにもつながっているようです。また上司・部下の間で、現状と今後について話し合う良いコミュニケーションの機会にもなっています。

 園としては、引き続き「求める職員像」に基づく職員の働きぶりを承認し、育成に繋げていければと考えています。

副業と兼業に関するルール作り

Q, ある職員から「勤務終了後に夜間に、他の事業所でも働いてみたいのですが、問題ありませんか?」という質問がありました。金銭的な理由ということなので、現業に支障のないようにしてもらえれば副業を認めていきたいと思いますが、認めるにあたり留意点などあれば教えてください。

A,

厚労省の「副業、兼業に関するガイドライン」によると副業は、新技術開発や第2の人生の準備として有効であると書かれています。人口減少期を迎え 労働力の減少が叫ばれている我が国において、副業の推進により国は労働力の確保や生産性の向上を期待しているものと思われます。

では事業所としては副業を認めなければいけないのでしょうか。法律上、副業禁止の可否に定めはありませんが、過去の判例でみると「労働時間以上の時間をどのように利用するかは、労働者の自由」との考え方に立っていて、副業を認めることが基本的な対応と考えられます。

しかし、副業を解禁していく場合の注意点もあります。

まず、職員から副業を始めたいという申し出があった場合、事業所として、まずは本業に影響がないことを確認する必要があります。たとえば、深夜業に従事して、寝不足になり本来の業務がおろそかになってはいけません。他には他の事業所で勤務するとなると、当事業所の情報が漏れるリスクもあります。従って、事業所として申し出があった場合に許可することを前提にしつつも、いつ、どのような業務に従事するのかをきちんと確認し、内容を精査する必要があるでしょう。また、就業規則にもその点を下記の内容にて表現することがあります。

 

○○条 法人は職員が副業兼業に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止または制限することが出来る。

①労務提供上の支障がある場合

②企業秘密が漏洩する場合

③会社の名誉や信頼を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

④競業により事業の利益を害する場合

 

また、残業代の計算にあたっても注意が必要です。複数の事業所で勤務する場合、労働時間を合算して1日8時間、1週で40時間を超えることも想定されます。労基法ではその場合、合算した労働時間として超過時間があれば残業代を支払う必要があります。この場合、支払う側は、後から雇用契約を締結した方、もしくは法定労働時間を超えて働く原因を作った方に支払の義務が生じます。

 

次に社会保険関係ですが、雇用保険については、たとえ複数の勤務先でそれぞれ週20時間以上勤務していたとしても、主たる勤務先(原則、収入が多い方)でしか加入できません。

 

健康保険と厚生年金金保険については、複数の勤務先それぞれ加入条件を満たした場合、どちらで加入するかは本人が選ぶことになります。そのうえで、例えば、加入する先での勤務先給与が月20万円、加入しない方が月10万円だとすると合計額30万円に基づいて社会保険が計算されます。つまり、それぞれの勤務先の給与額に応じて按分計算され、両方の勤務先から毎月の社会保険料が控除されることになります。因みに健康保険証は、加入する勤務先の保険者のみから発行されます。

 

最後に、副業兼業を認めていく流れにはあるものと思いますが、一方で、副業は長時間労働につながりやすい等懸念点も指摘されています。本業副業を問わず、他でも働いている職員がいる場合には、もう一方の勤務先の労働時間を意識して、法令順守と健康管理に配慮していくことが必要になります。

 

9割以上の保育士が「ヒヤリ・ハット」の経験あり

明日香は13日、同社の保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」が、全国の常勤保育士104人を対象に実施した、「保育士のヒヤリ・ハットに関する意識調査」の結果をまとめ発表した。


それによると、「ヒヤリ・ハットについてどれだけ把握できているか」を尋ねたところ、最も多かったのは「意味合いに加えて具体的な事例まで把握している」81.7%で、以下、「意味合いは把握しているが具体例まではわからない」11.5%、「聞いたことはあるが詳細な内容までは知らなかった」4.8%などが続き、「言葉を聞いたことがなかった」も1.0%いた。


「自身の保育業務でヒヤリ・ハットを経験したことはあるか」を聞いたところ、「経験したことがある」が90.4%で圧倒的に多く、「経験したことがない」は6.7%だった。


「保育業務のどのような場面でヒヤリ・ハットが起きたのか」を尋ねたところ、「園庭遊具の使用中」73.6%が最も多く、以下、「おもちゃで遊んでいる最中」51.4%、「食事中」36.8%、「園外での移動・活動中」36.4%、「延長保育・土曜保育などの職員配置が少ない時間帯」24.7%、「プールなど水遊び中」22.1%、「保育施設内での移動中」21.0%などが続いた。

このほか、「つい目を離したすきに」や「アレルギー対応」など47の自由回答も寄せられた。


また、「勤め先の保育園では、事例の報告・共有でヒヤリ・ハットの振り返りを行っているか」と質問したところ、「報告・共有はしているが、振り返りは行えていない」が15.4%、「報告・共有・振り返りは行っているが、十分ではない」が30.8%という回答だったが、半数以上(53.8%)は「報告・共有・振り返りともにしっかり行っている」と回答。


「ヒヤリ・ハットの事例を保育業務に活用できていると感じるか」と質問したところ、「非常にそう感じる」が30.8%、「ややそう感じる」が54.8%で、「あまりそう感じない」は13.5%。


また、「ヒヤリ・ハットの事例をどのように活かしているのか」を聞いたところ、「ヒヤリ・ハットが起きた場所の環境見直しを行っている」が74.2%、「ヒヤリ・ハットの収集だけでなく、安全管理に向け分析を行っている」が52.8%、「事例や改善策について議論する機会を作り、保育園内で危機意識を高めている」が38.2%、「未然に事故を防ぐことができる設備・製品を園内に揃えている」が23.6%だった。

このほか、「その都度記入して、毎月の職員会議で共有」や「子どもの動きの予測を常にしている」など41の自由回答も寄せられた。


「勤め先の保育園は、ヒヤリ・ハットを報告しやすい・しにくい環境であると感じるか」と質問したところ、「非常に報告しやすい」が33.7%、「やや報告しやすい」が56.7%で、「やや報告しにくい」は8.7%、「非常に報告しにくい」は1.0%。


「ヒヤリ・ハットを報告しにくいと感じる理由」を聞いたところ、最も多かったのは「報告することで立場が脅かされる可能性があるから」40.0%で、以下、「報告して上司から叱責を受けるのが怖いから」30.0%、「ヒヤリ・ハットを報告しても活用されることは無いから」30.0%、「報告してもフィードバックを受ける機会がないから」20.0%と続いた。


また、「勤め先の保育園では、ヒヤリ・ハット報告書がどのような報告フローで伝わっているか」を聞いたところ、「主任などの中間管理職に報告された後、園長に報告される」が33.7%、「園長に報告された後、管理本部に報告される」が32.7%、「主任などの中間管理職に報告された後園長を挟み、管理本部に報告される」が22.1%だった。

この調査は、全国の常勤保育士を対象に、8月18・19日にインターネットで実施した。有効回答数は104人。

★ マザー・テレサの二つの言葉 ★

梅沢 辰也

(中村中学校・中村高等学校前校長)

【梅沢】

それからこれは校長になってからのことですけど、マザー・テレサの言葉を

引用する機会が多いですね。

 

校長として私の思いをどうやって生徒に伝えればよいかと本を読み漁る

うちに出逢ったのが、マザー・テレサでした。

 

特に惚れ込んでいる言葉が二つあって、話をする際によく引用しているんです。

 

──ぜひ教えてください。

 

 

【梅沢】

一つは

 

「愛の反対は憎しみではなく無関心です」。

 

愛とは何か。

 

 

それは無関心の反対だから関心を持つことだとマザー・テレサは言う。

 

ですから友達同士でもまずお互いに関心を持とうよ、ということで、そのためには

挨拶や日頃のコミュニケーションがいかに大事かということですね。

 

 

もう一つは

 

 

「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。

 言葉に気をつけなさい、

 それはいつか行動になるから。

 行動に気をつけなさい、

 それはいつか習慣になるから。

 習慣に気をつけなさい、

 それはいつか性格になるから。

 性格に気をつけなさい、

 それはいつか運命になるから」。

 

 

この中で私が一番強調したいのが、「言葉に気をつけなさい、

 それはいつか行動になるから」ですね。

 

言葉というのは普段何気なく使っているものですが、

それだけに気をつけなければいけなくて、特にマイナスな言葉は

極力使わないようにする。

 ──マイナスな言葉を使わない。

【梅沢】

そうです。マイナスな言葉というのは、それを言った瞬間、最初に傷つくのは

その言葉を発した本人です。

 

だからマイナスな言葉を使えば使うほど、その人がダメになってしまう。

 

もちろん、その言葉を聞かされる人にも影響を及ぼすので、

もっとぽかぽかした言葉を多く使いたいものですね。

 

出典:『致知』20168月号 特集「思いを伝承する」より

 

Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

A、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

ある職員のせいで退職者が続出,どうしたら?

職員の定着率が悪いなと感じていた時、辞めていくある職員が「私、Aさんが怖くてやめるんです」と教えてくれました。どうやらA職員は、利用者にいじめや嫌がらせをしていたようなのです。A職員の行動は一般職員にも有名らしいのですが、管理者には一切のその情報があがってきませんでした。辞める職員の密告であることがA職員にわかれば、辞めて後もその職員になにをしてくるかわからないので、内緒にしてほしいと言ってきています。でもそのままにしていたら、退職者が続出だけでなく施設の信用にも関わります。どのように指導したらよいでしょうか。

 

A

事実を確認したうえで、服務規律にそって指導や制裁を検討しましょう。

退職者が辞めるときの本音は「辞めるのだから自分はもう関係ない」とか「辞めるときには問題を起こしたくない」という心理状態が働きますので、黙って身を引く社員は多いものです。

なかには今回のように、残される社員のために、とか自分にしか言えないことだから、ということで教えてくれる社員もいますので、これは大変ありがたいものです。

まずは、問題社員の行動が、退職者の言ったとおりなのかを確認する必要があります。一人だけの意見の場合にはどれだけ信ぴょう性あるかは、わかりません。ほかの社員からも聞き取りを行ったり、いつも以上に注意深く観察しておく必要があります。

 確認したうえで、間違いなく問題を起こしている場合には、その社員を呼び出し、その程度によっては、指導しながら就業規則に定める制裁をあたえましょう。「制裁」という条文で、「利用者やその家族及び取引先などに不信招く応答など、対外的業務に誠実性を欠き、本法人の信用を傷つけた場合には罰則を与える」というような内容が定められていると思いますので、その条文を見せながら、具体的にどのような違反行為がおこなわれたのかを

説明し、指導していく必要があります。いきなりの解雇ではなく、指導や始末書から初めて段階的に指導していきます。そしてその指導内容は記録に残しておくようにします。

規律が守れない社員には、管理者は指導をあきらめてしまいがちです。しかし、あきらめてしまったら、利用者や従業員の安全はどのように守られるのでしょうか。

また、職場風土として「密告」ではなくて、よりよいサービスを提供するために何が必要かを、いつでもだれでも発言できる職場環境を整えることで、事業所全体を高めあっていく風土を形成していきましょう。

 

処遇改善加算Ⅱに関する園のリーダー名と職務内容について

処遇改善加算Ⅱの制度を園に導入するには、職位と職務内容を就業規則やキャリアパスの役割等級表に明記することをお勧めしています。リーダー名も「乳児リーダー」「発達支援リーダー」「食育リーダー」などが多いですが、これはあくまで一例です。園長先生が実現したいことによって、それぞれの園ごとに異なるものです。

 ある園では、クラス業務に収まり切れない園全体に関わることをスムーズに進めるため、

既存の委員会に着目した組織づくりをしています。具体的には既存の委員会に、保育環境、保健衛生、安全管理などをそれぞれに割り振ります。そして委員会の中から処遇改善等加算Ⅱの「保育環境リーダー」「保健衛生リーダー」「安全管理リーダー等を任命します。

 例えば、保育環境リーダーの職務内容は「園内環境整備年間計画の作成および実施、園児とともに環境整備の実践(園舎、園庭等)です。保育環境リーダーが一人ですべてこなすのではなく、環境整備の場所や日時を職員に割り振り、可能なものは園児とともに実践してもらい、進捗状況を確認します。園全体の保育環境整備を、リーダーが計画にそって采配することになります。

 また、ある園では園の特色である自然遊びや楽器を、より日々の保育に取り入れて実践発表までを担う保育者を育成したいと、処遇改善等Ⅱの「自然遊びリーダー」「楽器リーダー」

を設けています。従来は、園長や主任を中心に進めてきたのですが、園の特色をより打ち出すには保育者が主体となって進め、継続することが重要と考えてのことです。

リーダーたちは、ポジションと職務内容が与えられ、取り組むことで成長していきます。延長先生の励ましや承認が、リーダーたちのやる気を引き出し、成長を後押しします。園長先生が実現したいことに向けて、是非、処遇改善加算等Ⅱの制度を園経営に活かしていっていただきたいと思います。

24年度、満3歳児保育を開始(満3歳児と年少(3年保育)、年中(2年保育)を募集)

今年で創立55年目を迎え、「体の強い子」「心の豊かな子」「よく考える子」「ねばり強い子」「けじめのある子」を育んできた藤が丘幼稚園。

 いよいよ来年度から年少の1つ下、「満3歳児保育」が始まる。これは満3歳になれば入園が可能になる制度で、「幼児教育・保育の無償化」対象。未就園児向けのプレ教室(※)ではなく、正規の入園となるため、教育時間も同じ。子どもたちが早くから集団生活に馴染み、教育を受けられるメリットがある。

 満3歳児保育の開始で通園期間を早めるとともに、全学年で正規の教育時間前後に預かり保育も実施(朝7時半から/夜6時半まで)。共働き世帯でも通園できるように保育園に近い環境を整えているのも特徴だ。

 広く安全な園庭には今秋、大型総合遊具「ディノワールド」を設置。運動能力を育むように設計された最新型の遊具で、園児も夢中になりそう。

 自園調理の給食は化学調味料を使わず、国産食材のみ使用するこだわりで、苦手な食べ物を克服できた園児も多いとか。伝統のかわいい制服や同じグループのエンゼルスイミングスクールで行う水泳教室など、設備面・教育面は言うことなし。無償化対象園なので費用負担も少なく、保育園からの入園もお勧めだ。

学校法人吉浜学園 藤が丘幼稚園

横浜市青葉区藤が丘2-37-7

(出典:神奈川タウンニュース)

Q, 頑張っている職員を評価してもポストが少なく、昇進と昇給が思ったようにできていない、どうしたら?

A、例えば、10人規模の訪問介護事業所や、通所介護(デイサービス)事業所でも十分にキャリアパスは構築できます。規模が小さい事業所は職責や組織のポジションが少なく、また給与財源が限られているという理由で、キャリアパスを作っても、意味がないとお考えの事業所は多いようです。ただ、社内のポジションで考えてみると、資格等級制度における「昇進」と「昇格」は異なります。「昇進」は確かにポジションが空かなければ上に進むことはできませんが、「昇格」は等級要件がクリアできれば全員昇格するのが、キャリアパスにおける資格等級制度の考え方です。例えば、取得した資格のレベル、勤続年数、人事評価などで、各等級の要件を定め、その昇格要件を決め、給与や時給に連動させれば、立派なキャリアパスです。また、昇給財源ですが、前述の処遇改善加算金を、財源に充当させることも十分可能ですし、むしろ国もそれを奨励しています。もしかしたら、従業員教育に時間をかけられない小規模事業所だからこそ、その仕組みにより自発的に能力を高めるようになるといった、キャリアパス効果は大きいかもしれません。

①医療分野キャリアパス

 クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

 保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

業務の持ち帰り禁止から職員の働き方改革を進める

 

Q、先生は、家庭の事情で帰らなくてはならず、残業はできません。通常の業務時間内は御遊具会まえの練習が立て込んでいたり、衣装づくりに時間は取れず、みんなに申し訳ない気持ちだったようです。そんなときにA先生がわたしは家で作ってくると申し出たそうです。

 園内で時間外労働をしている職員には、もちろん残業手当を払っています。でもA先生のような場合には、どうしたらよいのでしょうか?

 

A, まずは、自宅で行った業務内容、具体的な完成品、かかった時間数を確認して、園長が必要な時間数を確認し、残業手当を支払ってはどうでしょうか。問題は今後の対応をどうするかです。安易に自宅での業務を認めてしまうと、自宅での業務が多くなるでしょうし、

そもそも労働時間の把握ができません。

 やはり原則通り、①業務は命じられた場所で行う②業務時間内で終了できるように、業務のやり方を変える。という2点の対応が必要です。

 まずは就業規則に就業の場所は「○○園、および命じられた場所」と規定します。命じられた場所には、園児と一緒に行くお散歩や公園、外部の研修会場を想定しています。自宅を就業場所として命じなければ、業務を持ち帰ることはできません。

 就業規則に、「就業場所」を定め、職員毎の労働条件通知書にも同様の記載をします。

次に、業務のやり方を変えることについて、どんなことから始めたらいいか、園長と話をしました。「行事前に残業が増えるのは、これまでのやり方を踏襲していること、各クラスが

同じレベルの仕上がりを目指していることなどが原因かもしれません・・・・」と仰っていました。見方を変えると課題が見えてきます。行事のやり方などを変えることは、職員たちにとって自身にもなったようです。日常業務いついても、業務の完成イメージから必要な時間を逆算して取り組むなど業務時間内でやる方法を考え、チャレンジしてみると、手ごたえを感じるようなのです。これが、当園の「働き方改革」なのかもしれません。

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