Q 退職時に「残っている有休を消化したい」という申し出を拒否することはできますか?

 

A 原則的には与えなければなりません

 

1,退職時には使用者の時季変更権が行使できない

 通常ですと労働者が請求のあった有休に対し使用者は「時季変更権」があります。しかし当然ながら職員の退職後に有休の時期をずらすことが出来ません。そのため、退職前に請求して来られた有休に関しては時季変更権が使えないこととなり、原則与えなければならないということになります。

 

2,有給を「買い上げてほしい」と言われたら

では休まない代わりに使いきれなかった有休を買い上げてほしいといわれたらどうでしょうか。

 有給の買い上げ予約は禁止されています。有給は本来、心身の疲労を回復する為のものであり買い上げによる必要な日数が与えられないというのは法律違反となります。

 但し、例えば1か月後に退職する職員が、残り一か月間全てを有休として使いたいと言ってきた場合、クリニックは急な人材不足に陥ります。なので、あくまで話し合いにより双方の権利と義務を調整していることになります。

 

3,就業規則に引継ぎ義務を明文化する

 上記のような事態を避けるために、職員と話し合いする際に、就業規則に「引継ぎ義務」を明文化しておくことがポイントです。つまり退職日の一か月前に退職の申し入れがあった場合、一か月間で自分の仕事を他の職員に引継ぎをしてから、有給をとり退職してください。それを就業規則に記載することで「有休はもちろん権利ですが、就業規則にある引継ぎも義務として果たしてください」と交渉が出来ます。

 仮に、後任者への引き継ぎに時間がかかり希望している有休の日数が取れなかった場合、

取得できなかった有休分の給料を支払うことまでまでは規制されていません。

 

4,使えなかった有休に結果的に買い取るのは違法にはならない

先述の通り、有休を買い取ることを約束することは法律で禁止されていますが、退職時には、有給は使わなければ単になくなってしまうだけです。そのため「あそこまで頑張ってくれたので、使えなかった有休分を退職金や手当で支給してあげる」ということは可能です。支給金額は有休を取得した場合と同じく通常給与を支給しても良いでですし、通常給与の8割、」5割等に設定すること可能です。但し、このような扱いはあくまで例外であり原則と例外を

分けて、職員が買い取ってもらうことを期待して有休を使わなくなることを注意しなければなりません。いくら金銭を支給しても、有給の取得が抑制されている風土があれば、労基法39条に違反していると指摘を受けることがあります。あくまで、結果的に残った有休に対しての対応であり、職員が有休をとる権利を阻害するものにならないようにしておくことがポイントです。

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