福祉

4 月以降の雇用調整助成金の 特例措置と申請内容の確認強化

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、雇用調整助成金に特例措置が設けられ、特例措置の延長がこれまで繰り返し行われてきました。今回、この特例措置が2022 年6 月まで延長されました。また、4 月以降の休業について申請内容をより適正に確認する取組みが始まりました。

1. 延長された助成内容

特例措置として設けられている内容のうち、6 月30 日までの助成率と1人1日あたりの上限額は下表のとおりです(2022 年3 月までの水準から変更なし)。 

  

制度の見直し等の都度、支給申請様式が変更されています。そのため、申請の際には、厚生労働省のホームページから最新の様式をダウンロードして利用しましょう。

2. 強化される申請内容の確認

4 月以降の休業にかかる申請から、申請内容の確認が強化されることになっており、以下の3点を中心に実施されます。
①業況特例における業況の確認の実施
毎回(判定基礎期間(1ヶ月単位)ごと)、業況の確認が行われ、要件を満たしていれば業況特例を、満たしていなければ原則的な措置(地域特例に該当するときは地域特例)が適用されます。
②最新の賃金総額からの平均賃金額の算出
初回に算定した平均賃金額を継続して活用していましたが、これを見直し、原則として労働保険の令和3年度の確定保険料の算定に用いる賃金総額により平均賃金額が算出されます。
また、企業規模の変更を希望する場合、常時雇用する労働者の数、資本の額等により確認が行われます。
③休業対象労働者と休業手当の支払い確認
判定基礎期間の初日において雇用保険の適用が1 年未満の事業主等は、休業対象労働者の氏名、年齢および住所が確認できる書類の写しおよび休業手当を含む給与の支払いが確認できる書類等の提出が求められます。

 

 不正受給への対応が厳格化され、厚生労働省は、不正受給を行った事業所名等の積極的な公表、予告なしの現地調査のほか、捜査機関との連携強化を行うとしています。また、不正受給は、刑法第246 条の詐欺罪等に問われる可能性があります。助成金を活用するときは今後も適正な申請を行いましょう。

 

 

2023 年4 月より中小企業でも 月60 時間超の割増賃金率 50%以上に

すでに大企業では、1ヶ月60 時間を超える法定時間外労働に対する割増賃金率が50%以上とされていますが、いよいよ2023 年4 月1日より中小企業にもその適用が拡大されます。そこで、以下では割増賃金率の全体像と、今後トラブルの増加が懸念される未払い賃金の時効について確認しましょう。

1. 割増賃金率の確認

 割増賃金率は下表の3 種類に分けることができます。

  

 現在、1ヶ月60 時間を超えた法定時間外労働の割増賃金率(50%以上)は大企業のみの適用となっていますが、2023 年4 月1日より中小企業にも適用が拡大され、全ての企業が対象となります。この50%以上の割増が必要となる時間は、①の法定時間外労働のみであり、②の法定休日労働をした時間数は含みません。
 一方で、①の法定時間外労働が深夜に及んだときは、③の深夜労働に対する割増賃金の支払いも必要となります。したがって、割増賃金率は①の1ヶ月60時間超と③の深夜労働を合わせた75%以上で計算して支払うことになります。

2. 未払い賃金の時効

 2020 年4 月1 日の改正民法および改正労働基準法の施行により、賃金請求権の消滅時効は2 年から5 年になりました。ただし、企業への影響を考慮し、当分の間、3 年とする経過措置が設けられています。
 この時効(3 年)は2020 年4 月1 日以降に支払日のある給与から適用されます。例えば、2020 年4月25日が給与の支払日の場合には、その3 年後である2023 年4 月24 日で消滅時効が完成します。2022 年4 月1 日より改正民法の施行から3 年目に入ることで、2022 年4月以降に未払いの賃金等がある場合、これまで最大2 年間の請求となっていたものが、最大3年分を遡って請求される事案の増加が予想されます。
 特に時間外労働に対する未払いについては、今後、1. の割増賃金率の引き上げと相まって労働者の関心が高まることから、さらに適正な労働時間管理が求められるようになるでしょう。

 

時間外労働が多い中小企業の会社にとって、割増賃金率の引き上げは、人件費の大幅な増加につながります。いまのうちから、時間外労働の削減に向けた取組みを進めましょう。そして、未払い賃金が発生しないように、改めて正しい給与計算を行うと共に、問題となりやすい管理監督者の範囲や固定残業制度の運用などについても確認をしておきましょう。

 

Q 評価者であるリーダーや管理者が、評価や面談に不安感を感じ、職場での実践ができない。アドバイスをお願いします。

A 評価者研修やフィードバック面談研修を受講し、方法論を学び実践で活用しています。

 

人事評価を行うことは、上司にとってかなりの負担で、ましてやその結果を部下に説明するフィードバック面談等は大変重荷、などと言うご意見は、評価者の方々からよく伺います。ただ、それは、「評価」という言葉の印象にとらわれている結果であって、実際には評価の仕方を具体的に理解していないがゆえに誤解されているケースがとても多いのです。

評価者として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を理解し、それを実践すれば、だれでも評価を行うことができます。

評価者研修&フィードバック面談研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

Q「70 歳まで働くことができるようにすること」というニュースを少し前に見 ました。当事業所では60 歳を定年としており、希望者は65 歳まで働き続けることが できます。65 歳以降は、職員が働くことを希望し、事業所が必要と認めたときに は70 歳まで働くことができます。この取扱いのままで問題ないのでしょうか?

A,

2021 4 1 日より70 歳までの就業機会確保が努力義務となりました。現状

は努力義務であるため、職員が65 歳以降も働くことを検討した上で、現状のよう

な基準を継続することで問題はありません。将来的には70 歳までの就業機会確保

が義務化されることも考えられますので、労使間で十分に継続協議をしていくこ

とが求められます。

以下に詳細を解説いたします。

160 歳以降の雇用や就業機会の確保現在、65 歳未満の定年を定めている事業所は、原則として希望者全員を65 歳まで働くことができるようにする必要があります。これに加え、20214 1 日より、65 歳から70 歳までの就業機会を確保することが努力義務となりました。具体的には、以下の選択肢の中から措置を講ずるように努めなければなりません。

70 歳までの定年引き上げ

② 定年制の廃止

70 歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入

70 歳まで継続的に業務委託契約を締結できる制度の導入

70 歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

  1. 事業主が自ら実施する社会貢献事業
  2. 事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

 

2.必要な対応として考えられること

高年齢者雇用安定法では、65 歳以降の雇用等について、希望者全員ではなく、希望者の

うち、一定の基準を満たす職員に限定することも可能とされていますが、「事業所が必要と

認めたときには70 歳まで働くことができる」という基準では対象者を事業所が恣意的に

決めることができ、高年齢者を排除しようとする等、高年齢者雇用安定法の趣旨や他の労

働関係法令、公序良俗に反する可能性もあります。基準を決めるのであれば、その基準を

労使協議の上、明確にする必要があるものと思います。

 

3.今後の労働局の指導について

厚生労働省は都道府県労働局に対し、70 歳までの就業機会確保は努力義務であることか

ら、制度の趣旨や内容の周知徹底を主眼とする啓発・指導を行うよう方針を示していま

す。今後、70 歳までの就業機会確保について、周知や指導が強化されることも想定さ

れ、また、いずれは努力義務から措置義務になることも考えられます。各事業所におかれましては、現状の取扱いについて、職員の希望を踏まえながら労使協議を進めていかれることをお勧めいたします。

4 65歳超雇用推進助成金

 70歳までの雇用継続制度を奨励するための助成金も創設されました。本助成金制度は、生涯現役社会の実現に向けて、65歳以上への定年引上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換した事業主に対して助成し、高年齢者の雇用の推進を図ることを目的としています。

本助成金3コースのうちの代表的な「65歳超継続雇用促進コース」に関して、雇用継続に関する支給要件をご説明いたします。雇用継続方法としては4パターンあり、

. 65歳以上への定年引上げ、B. 定年の定めの廃止、C. 希望者全員を対象とする66歳以

上の継続雇用制度の導入、D. 他社による継続雇用制度の導入 のいずれかを導入した事業

主に対して助成を行うことになっています。また、助成金支給額も25万円から160万円まで施策内容によって支給額が決められています。ご興味ございましたら厚労省のリーフレットをご覧いただくか、またはお近くの社会保険労務士までお問い合わせください。

社会保険労務士顧問業務 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

ケアマネの法定研修、どう変わる? 厚労省が見直し案を通知

 

《 介護保険最新情報Vol.1073 》

厚生労働省はケアマネジャーの法定研修のカリキュラム、ガイドラインを見直す方針だ。28日、その見直し案を伝える通知を発出。介護保険最新情報のVol.1073で、自治体や現場の関係者らに広く周知した。

 

今回の見直し案は、厚労省が昨年度の事業(老人保健健康増進等事業)で有識者らの協力を得て作成したもの。あくまで"案"で確定ではないものの、これが新しいカリキュラム、ガイドラインのベースとなる。

ケアマネの法定研修はどう変わるのか。厚労省は通知で、カリキュラムの「見直しのポイント」を紹介している。実務研修、専門研修、主任ケアマネ研修などのポイントを記事下にまとめた。詳細は介護保険最新情報のVol.1073で確認できる。

厚労省は通知で、「今後のカリキュラム・ガイドラインの改正、施行に向けたスケジュールについては、全国担当者会議の開催などを通じて随時お知らせしていく」とアナウンスした。

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 各研修共通の見直しのポイント

◯ 幅広い視点で生活全般を捉え、生活の将来予測や各職種の視点・知見に基づいた根拠のある支援の組み立てを行うことが介護支援専門員に求められていることを踏まえ、そのような社会的要請に対応できる知識や技術を修得できるように科目の構成・内容を見直す

◯ 介護保険以外の領域も含めて、制度・政策、社会資源などについての近年の動向(地域共生社会、認知症施策大綱、ヤングケアラー、仕事と介護の両立、科学的介護、身寄りがない人への対応、意思決定支援など)を定期的に確認し、日々のケアマネジメントの実践のあり方を見直すための内容の充実・更新を行う

◯ 法定研修修了後の継続研修(法定外研修、OJTなど)で実践力を養成することを前提に、カリキュラムの内容を幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分(=講義中心)に見直す

 実務研修の見直しのポイント

◯「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」の時間数増

◯「居宅サービス計画等の作成」「サービス担当者会議の意義及び進め方」「モニタリング及び評価」の時間数減

◯「地域包括ケアシステムの深化及び地域の社会資源」の時間数増

◯ ケアマネジメントの展開に関する科目の事例類型の見直し

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 専門研修Iの見直しのポイント

◯「ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」の時間数減

◯「ケアマネジメントの実践における倫理」の時間数増

◯「個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習」の時間数増

◯ ケアマネジメントの演習に関する科目の事例類型の見直し

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 専門研修IIの見直しのポイント

◯「ケアマネジメントの実践における倫理」の新設

◯ ケアマネジメントにおける実践事例の研修・発表に関する科目の事例類型の見直し

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 主任介護支援専門員研修の見直しのポイント

◯「終末期ケア(エンドオブライフケア)を含めた生活の継続を支える基本的なマネジメント及び疾患別マネジメントの理解」の新設(現行の「ターミナルケア」は本科目に統合)

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 主任介護支援専門員更新研修の見直しのポイント

◯「ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援」の新設

◯ 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導、支援の実践に関する科目の事例類型の見直し(介護ニュースJOINT)

 

4回目のワクチン接種、介護職は対象外 60歳以上や基礎疾患のある人に5月末から開始へ 厚労省

厚生労働省は27日の厚生科学審議会の分科会で、4回目の新型コロナウイルスワクチンの接種について、その費用を公費で賄う予防接種法上の「特例臨時接種」に位置付けた。

対象は60歳以上の人、18歳以上で基礎疾患がある、または重症化リスクが高いと医師が判断した人とした。医療従事者や介護従事者も、これに該当しなければ対象に含まれない。

厚労省は今後、自治体との調整を進めつつ5月末の接種開始を目指す考えだ。

4回目の接種で使用するワクチンは、ファイザー社製とモデルナ社製の2種類に決めた。接種間隔は3回目の接種から5ヵ月以上。基礎疾患がある人については、呼吸器や心臓、腎臓、肝臓の慢性の病気、糖尿病、がんなどで通院・入院していることを条件とした。また、BMIが30以上の肥満のケースも含めた。

接種券はまず、60歳以上の全ての人に送付する見込みだという。一方、基礎疾患がある18歳以上の人などは自治体が把握できていないため、本人が申請する"手上げ式"での対応を想定している。

これまでの海外の研究によって、ファイザー社製を4回接種した60歳以上の場合、3回接種した人よりも一定の重症化予防効果が得られた一方で、感染予防効果は短期間しか得られなかったと報告されている。そのため厚労省は、今回の4回目接種の目的を「重症化予防」と設定。対象者の選定も、あくまで重症化リスクの高さを基準として行った。

後藤茂之厚労相は27日午後、「5月末から4回目接種を開始できるよう必要な手続きを進めていく」と記者団に説明。「明日、自治体の担当者向けに説明会を開催する。引き続き緊密に連携しつつ準備に取り組みたい」と述べた。(介護ニュースJOINT)

 

人を健康にする「笑い」

笑いには「医力(いりょく)」がある――。
医学博士の高柳和江さんと、
2021年4月13日に逝去された
筑波大学名誉教授の村上和雄先生は、
そう提唱されていました。

医学と遺伝子工学、
異なる見地から放たれる〝笑い〟の
知られざる効用に目を見開かされると共に、
笑顔でポジティブに生きる大切さを教えられます。
ユーモアを武器に、
力強く朗らかに生きたいものです。

〈村上〉
ストレス社会と言われて久しいですが、
私はストレスにもポジティブ・ストレスと
ネガティブ・ストレスがあると思いました。

問題にされているのはネガティブ・ストレスで、
それが加わると血圧や血糖値が上がったりする。
では、喜びとか感謝とか、笑いとか、
ポジティブなストレスを加えたら
下がるのではないかという仮説を立てたんです。

こういうことを考え始めた時に、
偶然吉本興業の社長に出会うんですよ。

〈高柳〉
ご縁ですね。村上先生が吉本興業と組んで
笑いが体に与える影響を調べられていたのは、
私は本当に画期的なことだと思っていたんです。

〈村上〉
実はそれまでは、吉本なんて全然見たことがなかった(笑)。
だから、すべては偶然の出会いから始まったんですよ。

〈高柳〉
あれはいつ頃から始めたのですか。

〈村上〉
2002年ですね。
みんな、遺伝子と吉本なんてミスマッチだと思ったはずですが、
そうじゃなかったんですね。
科学は知的なエンターテインメントだから。

まず、笑いによって血糖値が下がると仮定して、
糖尿病のお医者さんのところに
「こういう実験をやりたいんです」と相談に行ったら、
ほとんどのお医者さんから
「それはちょっと……」と断られました。
まあ、そんなアホなこと、まともな医者はやりませんよ。

ただ、私たちはアホだったから(笑)、
私の教え子の関係で半ば無理やり
協力してもらって実験を開始しました。

やってみて分かったのは、
笑いは科学にしにくいということです。
よく「笑いのツボ」とかいいますが、
東京の奥様と関西のおばちゃんでは、
笑うところが違うんですね(笑)。
そういう地域差もあるし、年代差もある。

だからどうしたら科学になるかを考えて、
2日に分けて実験をすることにしました。
対象は糖尿病の初期の患者さん二十数人です。
1日目は軽い昼食後、
大学の先生による「糖尿病について」
という講義を聞いてもらったんです。
特に下手な話をお願いしたわけじゃないですよ(笑)。
先生にはいつもどおりの講義をしてもらった。

すると、食前に測った血糖値よりも、
平均で123㍉も上がったんです。
上がる人は200以上も上がった。
これは予想以上でした。
だから、血糖値の高い人は
つまらない話を聞いちゃダメなんですよ(笑)。

2日目も同じ昼食を取ってもらった後、
同じ時間から漫才を聞いてもらいました。
そうしたら笑いによって平均77㍉下がっていたのです。

(月刊 致知より)

 

いちばん近い人を、いちばん大切にする

いちばん近い人を、いちばん大切にする

 

家族の中に、愛や理解、平和があったなら心の病やストーカー、DVなど、多くの問題はうまれてこなかったでしょう。

「夫婦だから」「親子だから」「兄弟だから」なんにもしなくても気持ちは通じ合うはず。イライラしたり、不機嫌でいても、感情をだしても許してもらえるはず。だから外での付き合いをたいせつにしたり、人脈を広げたりすることの方が大切なはず、と。

 でもそれは誤解です。

家族とはもともと形態があるものではなく、自分たちで、こころをかけて作っていくものものです。安定した関係を作るには、それなりの時間とエネルギーが必要です。

近い人との距離感は、近いからこそ難しいものです。近いからこそぶつかったり、面倒だったりします。それでも心を砕いて、相手に寄り添うことが必要なのです。

 自分のことを理解してほしいならば、相手のことをまず理解しましょう。

一緒に食事をとり、一緒に話をしましょう。相手の問題を一緒に解決しましょう。

嬉しいことも共有しましょう。

愛する人たちと笑顔の時間をすごせることほど、幸せなことはないと思います。

いちばん身近にいる人が、自分を理解してくれることほど、幸せなことはないはずです。

自分を大切にしようと思ったら、いちばん近い人を、いちばん大切にすることではないでしょうか。

福祉・医療人材の人間力向上研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

介護の事務負担、書式統一で軽減 ばらばらの行政手続きで政府検討 デジタル化を後押し

政府は介護事業者の煩雑な手続きの見直しを検討する

 

 政府は介護保険事業者の行政手続きの簡素化に乗り出す。自治体ごとにばらばらな書式の統一やデジタル化の促進などの是正策を検討する。業界では人手不足が慢性化している。余計な事務負担をなるべくなくし、本来のサービスに経営資源をより多く割けるようにする。介護の質を維持しながら、効率的な働き方に移行するよう促す。

 

 18日の規制改革推進会議の作業部会で提起した。今後、厚生労働省や総務省などと協議し、対応策をまとめる。

 

 介護事業者は都道府県や市区町村にさまざまな書類を提出する必要がある。広域展開する大手の場合、200近い自治体に同じ内容を届け出た事例もあるという。負担は膨大だった。

 

 役員や介護報酬が変わる際などには届け出が求められる。自治体によっては経歴や組織図、誓約書などが必須で、押印が要るケースもある。介護のローカルルールと呼ばれ、地域ごとに細かな違いが多い。

 

 電子申請などのデジタル対応も進んでおらず、紙の手続きがなお残る。自治体ごとに別々の書類をそろえるのは手間で、政府に改善を求める声が出ていた。

 

 18日の会合では日本在宅介護協会が煩雑な事務の実態を紹介した。自治体に報告する際に毎回、書類の作成やコピー、宛名書き、封入、投函(とうかん)などといった作業がいちいち発生しているという。

 

 提出する書類の内容や様式も自治体ごとに異なる。例えば千葉県香取市では変更届に加えて勤務形態の一覧表などの書類が必要だ。同じ県内の成田市では社員の経歴書や職員の配置表なども求められる。押印や郵送のしきたりが残る自治体もある。内閣府によると、社長交代時に数十、数百の届け出が必要になる事業者もいる。

 

 介護保険制度が始まった2000年前後は、地方分権一括法の成立など分権の機運が高まった時期だった。介護事業を市町村の自治事務と位置づけて地方の裁量に任せた負の側面として、非効率な事務手続きが残った。

 

 デジタル対応が遅れている市町村も多く、オンライン申請も普及していない。牧島かれん規制改革相は会合で「デジタル時代において合理的でなく、地方分権がめざしてきた姿でもない」と指摘した。

 

 規制改革会議は現行制度の見直しを急ぐ。まず書式や添付書類の統一を検討する。一つの自治体に提出すれば、他への提出を不要にするといった簡略化措置なども議論する。

 

 事業者の負担軽減に加え、自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するきっかけにもなるとみる。自前の対応が難しい小規模な市町村などを念頭に、国が開発した電子申請システムの導入拡大策についても協議する。(日本経済新聞 朝刊 経済・政策2022/4/19)

Q、何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている

A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

  • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

  • 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
  • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

①医療分野キャリアパス

 クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

 保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

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