コラム

Q 評価者であるリーダーや管理者が、評価や面談に不安感を感じ、職場での実践ができない。

 

A 評価者研修やフィードバック面談研修を受講し、方法論を学び実践で活用している。

 

人事評価を行うことは、上司にとってかなりの負担で、ましてやその結果を部下に説明するフィードバック面談等は大変重荷、などと言うご意見は、評価者の方々からよく伺います。ただ、それは、「評価」という言葉の印象にとらわれている結果であって、実際には評価の仕方を具体的に理解していないがゆえに誤解されているケースがとても多いのです。

評価者として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を理解し、それを実践すれば、だれでも評価を行うことができます。

⇒①医療分野キャリアパス

 クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

 保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

Q 始末書に「施設(事業所)が指導してくれない」と書き、反省してくれない職員への対応

Q 始末書に「施設が指導してくれない」と書き、反省してくれない職員への対応

 仕事のミスが多くクレームが入った職員に対して「始末書」の提出を求めたところ、その内容が「施設の指導が出来ていない為自分もミスをした」とまったく反省していない様子の始末書を提出してくる職員がいます。反省の色が見えず、始末書の意味がなくなっているような気がします。どうように対応したらいいでしょうか?

 

A 始末書というのは、業務などに規律違反をしたり、過失をしたりした場合に、その行為を反省し、謝罪し、同じことを繰り返させないようにする書面です。就業規則の制裁規定にも始末書に提示を求めています。

 

今回は、ミスが多くクレームまで入ってしまったので、その行為を反省してくれることを期待して提出を指示したのでしょう。しかし、反省するどころか施設へ責任転嫁していることがわかります。この場合、施設側が「指導をしたでしょう」と言ったところで「言った、言わない」の押し問答にしかならないのであれば、具体的な行動を振り返らせます。そして、改善することを具体的に指示し、ほかにも案があるならば自分から案を出してもよいように、ある程度「自由度」をいれると本人も書きやすくなります。

戒めるべきことは、「利用者さんのことを考えていなかったこと」ですから、話の途中で「自分はできていると思っても、利用者さんや他の職員はできているとは思っていない」ということを伝えるのです。そのうえで、「始末書」という書面ではなく、「改善提案書」と名称を変えるのもいいかもしれません。始末書というとどうしてもネガティブなイメージが強いからです。しかしここでも大切なのは、自分の行動を戒めて将来につなげることです。ですから書くハードルを下げ「改善提案書」に改めるというわけです。そしてこのフォーマットのなかに書くべき項目を入れ込んで記入してもらいます。ポイントは

  • どんな状況でクレームが発生したのか
  • それはどんな原因があったのか
  • そうすればそれを改善できるのか具体的な例をあげる
  • いつから実施するのか

 

人は埋め込み式の方が、書きやすくペンが進みます。まずは「自分の行動をふりかえり、反省してもらう」ことから始め、具体的な改善行動案を書いてもらいます。それでもできない場合には、「自分で書いたことなのになぜ実行がでいないのか」と面談で深堀していきます。

この書面を提出させるというのは、成長の過程もわかりますし、指導をしている実績もわかりますのでぜひともお勧めします。

 

 ⇒社会保険労務士顧問業務 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

報酬基準 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

東京都、保育のすべてがわかる「魅力ある保育」開設

東京都は2024年2月1日、保育人材の確保・定着に向けて、保育に特化した新たなプラットフォームとして効果的・継続的に保育の魅力を発信する「魅力ある保育」ホームページを開設した。

東京都は2024年2月1日、保育人材の確保・定着に向けて、保育に特化した新たなプラットフォームとして効果的・継続的に保育の魅力を発信する「魅力ある保育」ホームページを開設した。

 東京都は、安心して子供を産み育てられる環境を実現するため、保育サービスの拡充を進めるとともに、保育の現場を支える保育士の確保に取り組んでいる。今回、保育人材の確保や定着に向けて、「魅力ある保育」ホームページを開設した。

 「魅力ある保育」は、保育に関わる・興味のある人向けのホームページ。「保育に興味がある方」をはじめ、「潜在保育士」や「高校生」、「現役保育士」や「保育事業者」など、保育に関わるすべての人に、保育士の仕事の魅力や東京都のサポート制度などをわかりやすく紹介している。

 ホームページには、保育士資格の取り方、都内指定保育士養成施設マップや特色の一覧、相談窓口、復職サポートなどを掲載。また、「動画で分かる!保育士になるためには」「【見て発見!保育の魅力】保育士の1日がまるっとわかる保育園の日常動画」などの動画も掲載している。

 今後は、SNSなどでも発信していくとしている。

保育業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

診療報酬改定セミナー来月開催 厚労省 賃上げの内容・マイナ保険証利用の支援策など説明

厚生労働省が日本医師会、四病院団体協議会や日本薬剤師会、日本歯科医師会などと共同で、セミナーを開催します。初回は2月15日の18時から19時です。

内容は今年の診療報酬改定についてや、マイナ保険証に関連した支援金、顔認証付きカードリーダーの増設支援などについてです。

 

厚生労働省は2月、関係団体と共同で2024年度の診療報酬改定と「マイナ保険証」の利用促進に関するオンラインセミナーを開催する。中央社会保険医療協議会での議論を踏まえた医療従事者の賃上げに関する改定内容のほか、マイナ保険証の利用勧奨に取り組む医療機関などへの支援金や顔認証付きカードリーダーの増設支援について説明する。

 

 セミナーの開催は計4回。初回は日本医師会と共同で、2月15日の午後6時から7時まで実施する。

 

 2回目は、四病院団体協議会・全国国民健康保険診療施設協議会との共同で16日の午後5時-6時10分、3回目は日本薬剤師会と同日の午後6時40分-7時40分、4回目は日本歯科医師会と22日の午後1時-2時にそれぞれ実施する予定。

 

 いずれもYouTubeでライブ配信する。

クリニック・医療業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

【超有用】介護報酬改定、必読資料はこれ! どこを見たらいいか分からない方へ

1月22日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、来年度の介護報酬改定の省令、告示、通知などの改定事項が示されました。これで概ね、“2024年改定”の全容が見えました。あとは、より具体的な取り扱いが示されるQ&Aなどの発出を待つだけとなります。

多くの方が介護給付費分科会の資料をご覧になると思います。ただあまりに膨大なので、知りたいけれど読むのはちょっと億劫と思われるかもしれません。そういうときに、資料の構成をあらかじめ知っておくと各段に確認しやすくなると思います。


厚労省がホームページに掲載している介護給付費分科会(第239回)の資料のうち、必ず確認したいのは「資料1」と「参考資料1」です。


資料1.令和6年度介護報酬改定の主な事項について」では、改定の柱とそこに紐づく改定事項の全体を概観することができます。


留意しておくべきことは、「資料1」に全ての改定事項は書かれていないということです。あるサービス種別の全ての改定事項を把握したい場合は、「参考資料1.令和6年度介護報酬改定における改定事項について」が便利です。


「参考資料1」の構成は、前半が改定の施策の柱ごと、後半がサービス種別ごとになっています。サービス種別ごとに確認したいときは、「参考資料1」の後半から該当するサービスを確認するとよいです。あわせて、「全サービス共通(P188)」のページもお忘れなくご覧ください。

【介護報酬改定】各サービスの新・運営基準が公布 生産性向上委員会の設置、施設などの義務に 厚労省通知

来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が25日に公布された

厚生労働省は介護保険最新情報のVol.1201を発出し、自治体や介護現場の関係者に省令の公布を広く周知した。


今月15日の審議会で内容を固め、国民の意見を聞くパブリックコメントを募っていた経緯がある。各サービスの運営基準の見直しはこれで、全てのプロセスを経て最終的に決定・公表されたことになる。


厚労省は現在、各サービスの新たな基本報酬や加算の単位数、算定要件などの案についてパブリックコメントを募集している。こちらは今年度内に告示する予定。あわせて、改定の更なる詳細を明らかにする解釈通知やQ&Aなども、できるだけ早く示せるよう準備を急ぐ。


来年度の介護報酬改定に向けた動きも、そろそろ1つの区切りを迎えつつある。これまで活発な議論が行われてきたが、全体のスケジュールは概ね例年通りで進んでいる。

各サービスの運営基準の見直しは、介護現場に生産性向上を促す施策が目玉。テクノロジーを効果的に使う方策などを話し合う委員会の設置を義務付け(*)たり、ケアマネジャーにオンラインモニタリングを認めたりすることが初めて盛り込まれた。

* 生産性向上に関する委員会の設置は、施設系、居住系、多機能系、短期入所系サービスが対象。3年間の経過措置が設けられる。

また、医療と介護の連携を強化するための新ルールの導入も大きな柱だ。利用者の医療ニーズに対応できる体制の構築に向けて、全ての介護施設に後方支援の協力医療機関の指定が義務付けられる(*)ことになった。

※ 介護施設の協力医療機関の指定義務化には、3年間の経過措置が設けられる。

介護業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

【正念場】居宅介護支援の報酬改定 問われる好材料を活かす経営手腕

1月22日、社会保証審議会・介護給付費分科会で来年度の介護報酬改定の全容が決定されました

前回に引き続き、居宅介護支援費本体のみでなく特定事業所加算もプラスとなり、それは本体報酬よりも大きな上げ幅となりました。


仮に要介護3〜5かつ特定事業所加算を算定する場合、27単位上がることになります。1点10円で計算すると、270円×40人=1万800円。ケアマネ1人につき1万円強の報酬増となります。


注)この記事では配信当初、掲載時のJoint編集部の誤りで「利用者1人につき1万円強の報酬増」と記載しておりましたが、正しくは「ケアマネ1人につき1万円強の報酬増」でした。お詫びして訂正致します。この記事は訂正後の記事です。


東京都内の居宅介護支援事業所であれば、さらに上乗せされます。来年度からの新たな施策「居住支援特別手当」により、ケアマネにも勤続5年以内で月2万円ずつ、勤続6年以上で月1万円ずつが支給され、これをそのまま賃上げに充てることができます。


報酬だけではありません。ケアプランデータ連携システムの活用かつ事務員の配置で、ケアマネ1人あたり49件まで担当できるようになることも、売上増につながると見込まれます。


業務負担の軽減策にも注目です。他のサービスとの連携に基づくオンラインモニタリングをうまく運用すれば、訪問頻度を2ヵ月に1回に減らすことも可能となります。来年度からすぐに、とはいかないまでも、生産性向上を徐々に実現していく事業所が増えていくでしょう。

新たな同一建物減算については、思ったよりも下げ幅が小さく5%にとどまりました。他のサービスでは10%超となっているため、これは小幅な引き下げと言えるでしょう。


減算で言うとBCPの未策定減算が1%、高齢者虐待防止措置の未実施減算が1%で新設されます。未対応の事業所は、2025年3月末までにしかるべき措置を講じなければいけません。


来年度の介護報酬改定をどう評価すべきか − 。居宅介護支援事業所の経営という視点からみると、少なくとも今より良い条件になることは間違いありません。基本報酬は上がり、ケースを増やせる余地は広がり、生産性向上の手段の選択肢も増えます。胸をなでおろした事業者も少なくないのではないでしょうか。


これをどう活かすかは、個々の事業者の手腕が問われるところです。人材不足が更に顕在化していく今後は、個々のケアマネの処遇改善をどこまで具体化できるかが極めて重要な要素になります。またそれは、今回の介護報酬改定の施策に込められた思いでもあります。


我々にとってはしばらく正念場が続くでしょう。生産性向上、サービスの質の向上、賃上げ、より魅力的な労働環境の整備などを実現しなければ、人材不足で業界全体が先細りになってしまいかねません。そうなれば、介護サービスを受けられない高齢者も増えてしまうでしょう。私も創意工夫で経営努力を積み重ね、成果を出していきたいと思います。

今後、厚労省は例年通りであれば3月頃に「全国介護保険担当課長会議」を開きます。その後、今年度末には介護報酬改定の解釈通知やQ&Aを発出するとみられます。


すでに来年度の制度改正・報酬改定の内容はかなり出揃いました。解釈通知待ちの部分もありますが、来年度以降に向けて今から準備できることには、早め早めに取り組んでいった方がいいでしょう。

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Q、人事評価の項目は「一般的」「抽象的」な評価項目が多いため、評価が難しく、どうしても評価者の主観で評価してしまい、職員の納得が得られない。

A、評価項目を具体的な「行動表現」にすることで、評価がより客観的になり、また職員の課題を具体的に指導できる。

評価することは非常に難しく、評価者訓練を受けないと評価は出来ないと言われています。しかしそれは、評価項目が抽象的で何を評価すればいいのかわからないという原因が考えられます。

評価を行う難しさには、①人によって評価が変わる ②評価項目が不明確なので評価する人も、される人もわかりにくい、さらに③誤評価の原因(ハロー効果、偏り傾向、寛大化など)評価するということに困難さが付きまとっています。例えば「協調性」という表現で終わってしまう評価項目の場合、何が協調性なのか評価者が判断しなければなりません。抽象的な表現は職員をいろいろな視点から評価できることになり有用ですが、評価の公平性や客観性からみるとかなり深い問題が含まれています。具体的な行動表現にすることで、だれでも同じ理解とすることが大切です。

 

【具体的行動表現の実例】

評価項目:「感謝の気持ちをもってご利用者、職員に接する」

を具体的な評価項目にした場合に、例えば下記のような例となります。

例1:ご利用者や職場の仲間に感謝の気持ちで接することが出来、「○○さんのおかげです」や「ありがとう」が素直に笑顔で言える。

例2:ご家族様や見学、来訪者の目を見て、笑顔でお名前を添えて「ありがとうございます」と伝えている。

例3:他部署等の協力や理解があって自分が仕事ができる事に感謝して、相手の状態を配慮し、「お手伝いしましょうか」「何か私にできる事はないですか」と声掛けしている。

 

Q、弊社では各事業所の責任者(所長や園長)である管理者は、労基法上の管理監督者としての扱いで、残業代や休日労働の手当を支給していません。ただ、遅刻、早退、欠勤があった場合には、一般社員と同様に給与を減額しています。管理監督者の扱いに関してこの方法で問題ないでしょうか?

A 労働基準法41条の除外規定として、労基法上の管理監督者は深夜業務を除く、労働時間に関する規定は適用されないと定めています。まずは、労基法上の管理監督者とはどのよう方を指すのかを確認しておきたいと思います。ここでいう、「管理監督者」とは下記の要件を全て満たす方を指します。

1,人事権を持ち、事業経営にも参加している(ここでいう人事権とは、いわゆる異動を含む人事権で、人事評価しているだけでは不十分)

2,自分自身の勤務時間について自由裁量が認められている

3、一般社員と比べて、十分な報酬を得ている

 これらの3点を、勤務の実態として適用されている必要があります。単に役職名では判断できません。つまり休日、時間外労働の規制をうけない「管理監督者」に該当するかどうかは、具体的な権限や給与、勤務実態で判断が必要ということになります。

例えば、多くの介護事業所ではシフト勤務で勤怠管理を行っていますが、常態として勤務シフトに入っている働き方をしているような管理者がいた場合、勤務時間の自由裁量がないと判断され、管理監督者ではなく、一般社員とみなされる可能性もあります。

先ほど、管理監督者に該当するか否かを判断するときに、単に役職名での判断ではなく、勤務の実態で判断しなければならないとしましたが、多くの介護事業では職責(役職)で、それを判断している場合が多い上に、介護保険制度における「管理者」と労基法における管理監督者を混同してしまうケースもあるので注意が必要です。一般的には、理事長、社長、施設長、事業所長、事務長くらいまでの立場の方がそれに該当するケースが多いと考えられます。もし、それ以下の役職の方(例えば、主任、副主任やリーダー等)を管理監督者の扱いにして残業代などを支給していない場合は、一度、その方の業務や給与の実態を確認してみる必要があると思います。その結果、管理監督職に該当しない方に、残業手当等を支給していない場合には、労基署からは残業代未払いの扱いとして、「3年間分を遡及して」支払うといった是正勧告を受けるリスクがあります。

 

 2,また、管理監督者には残業代は支給されませんが、勤務時間管理自体は必要となります。これは、給与計算上の必要性ではなく、管理監督者の健康管理の問題によるものです。管理監督者はその責任の重さから、過重労働になってしまうケースは相変わらず多く、それが深刻化するとメンタル疾患につながる場合も見られます。従って、経営者や人事担当者は

  管理監督者の労働時間には常に注意を払い、管理監督者の健康管理に十分注意することが重要です。

 

 3,さて、今回ご質問のあった管理監督者における遅刻・早退・欠勤に関する給与の扱い

についてですが、その方が管理監督者に該当することを前提とした場合に、先述の要件

の「勤務時間の自由裁量」の点が問題になります。

  つまり、管理監督者は勤務時間に裁量が認められていることから、始業時刻から遅れて

出社(遅刻)しても給与減額扱いにはなりませんし、また終業時刻より遅くなっても残

業手当はつかないことになります。

ただ、欠勤の扱いにつきましては、管理監督者であっても「就業義務」自体はありますので、その義務が果たされない場合に該当すると判断され、給与も欠勤控除として減額することになります。

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Q ハラスメントの問題は医療機関でもよく耳にします。管理職による部下へのパワハラ  先輩の後輩に対する悪質ないじめも問題になっているようなケースもあるようです。実際医療機関としても社会的責任としてはどこまで問われるのでしょうか。

A ハラスメントの問題は、事実の深刻さや結果によっては行為者だけでなく、使用者(医療機関)の責任も問われます。使用者の安全配慮義務、損害賠償責任、結果によっては刑事責任まで問われるケースもあります。

 

詳細

使用者には、従業員が安全で、健康に働くことができるように配慮する義務があります。この義務は「安全配慮義務」といい、労働契約法5条に定めています。

 

労働契約法5条 「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保し、労働することが出来るよう、必要な配慮をするものとする。」

 

労働契約法には罰則はありませんが、使用者が安全配慮義務を怠り、労働者に損害が発生した場合、使用者は労働者に民事上の不法行為として損害賠償義務をおいことになります。

いじめ・いやがらせ行為は不法行為として、損害賠償責任を負う可能性があります。(民法709条)。パワハラを行ったものだけでなく、医療機関がそれを放置していれば、病院は使用者責任(民法715条)を問われることもあります。さらにパワハラ行為の程度によって、パワハラ行為者は、暴行・傷害、脅迫といった刑法上の処罰対象になることもあります。

 

医療機関が安全配慮義務違反に問われないためには、院内でパワハラ行為が問題になった場合、問題を放置せず、当事者や関係者から事情聴取を行うなど迅速に対応し、今後発生しないような対応が必要になります。また関係者に精神的なケアの措置も必要になります。

ハラスメントの問題が発生しないように、定期的に管理者研修を実施するなど、日頃から「予防」の措置を講じることが重要です。

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