コラム

Q 非正規職員にも、正職員同様に試用期間を定めるべきでしょうか?そもそも1年契約としたら、そのうち6か月を試用期間にしても、使用期間の意味があまりないように思うのですが、アドバイスをお願いします。

A, 試用期間とは、わが園の職員として適性を実際の勤務を通して確認して、本採用できるかどうかを判断するための期間です。試用期間は、長期雇用を前提とした制度と言えます。

 多くの園では、非正規職員の契約期間は1年としており、更新をしない限り、雇用期間満了により雇用は終了します。

 試用期間は、労働法には「設けなければならない」といった根拠条文はありません。試用期間を設けるかどうかは園が任意に決めることが出来ます。しかし、一方で、非正規職員に

試用期間を定めることにより長期雇用(更新する)を約束しているように捉えてしまう懸念があります。また、試用期間を設け、本採用しないといった判断をした場合でも契約期間

の途中で、任期満了を待つことなく雇用を終了せざるを得ないほど重大な「やむを得ない事由」が必要になることもあります。このような事情から、非正規職員に試用期間を設けてもあまり機能しないことも多いのです。

 それでは、そうすればいいのでしょうか。お勧めは、初期の契約期間を短くすることです。

例えば、最初の契約期間は3カ月とし、その間で適性を診断します。もし、適性がないと判断される場合には期間満了で雇用を終了します。更新する場合には、次の契約期間は1年にこだわらず、適切な長さにします。

 応募者の方からすると、期間が短いという印象をもたれるかもしれませんが、この期間の趣旨をよく説明し、お互いに大切な期間であるということの理解を得る必要もあるものと思います。

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Q、弊社では各事業所の責任者(所長)である管理者は、労基法上の管理監督者としての扱いで、残業代や休日労働の手当を支給していません。ただ、遅刻、早退、欠勤があった場合には、一般社員と同様に給与を減額しています。管理監督者の扱いに関してこの方法で問題ないでしょうか?

 

A 労働基準法41条の除外規定として、労基法上の管理監督者は深夜業務を除く、労働時間に関する規定は適用されないと定めています。まずは、労基法上の管理監督者とはどのよう方を指すのかを確認しておきたいと思います。ここでいう、「管理監督者」とは下記の要件を全て満たす方を指します。

1,人事権を持ち、事業経営にも参加している(ここでいう人事権とは、いわゆる異動を含む人事権で、人事評価しているだけでは不十分)

2,自分自身の勤務時間について自由裁量が認められている

3、一般社員と比べて、十分な報酬を得ている

 

これらの3点を、勤務の実態として適用されている必要があります。単に役職名では判断できません。つまり休日、時間外労働の規制をうけない「管理監督者」に該当するかどうかは、具体的な権限や給与、勤務実態で判断が必要ということになります。

例えば、多くの介護事業所ではシフト勤務で勤怠管理を行っていますが、常態として勤務シフトに入っている働き方をしているような管理者がいた場合、勤務時間の自由裁量がないと判断され、管理監督者ではなく、一般社員とみなされる可能性もあります。

先ほど、管理監督者に該当するか否かを判断するときに、単に役職名での判断ではなく、勤務の実態で判断しなければならないとしましたが、多くの介護事業では職責(役職)で、それを判断している場合が多い上に、介護保険制度における「管理者」と労基法における管理監督者を混同してしまうケースもあるので注意が必要です。一般的には、理事長、社長、施設長、事業所長、事務長くらいまでの立場の方がそれに該当するケースが多いと考えられます。もし、それ以下の役職の方(例えば、主任、副主任やリーダー等)を管理監督者の扱いにして残業代などを支給していない場合は、一度、その方の業務や給与の実態を確認してみる必要があると思います。その結果、管理監督職に該当しない方に、残業手当等を支給していない場合には、労基署からは残業代未払いの扱いとして、「3年間分を遡及して」支払うといった是正勧告を受けるリスクがあります。

 

 2,また、管理監督者には残業代は支給されませんが、勤務時間管理自体は必要となります。これは、給与計算上の必要性ではなく、管理監督者の健康管理の問題によるものです。管理監督者はその責任の重さから、過重労働になってしまうケースは相変わらず多く、それが深刻化するとメンタル疾患につながる場合も見られます。従って、経営者や人事担当者は

  管理監督者の労働時間には常に注意を払い、管理監督者の健康管理に十分注意することが重要です。

 

 3,さて、今回ご質問のあった管理監督者における遅刻・早退・欠勤に関する給与の扱い

についてですが、その方が管理監督者に該当することを前提とした場合に、先述の要件

の「勤務時間の自由裁量」の点が問題になります。

  つまり、管理監督者は勤務時間に裁量が認められていることから、始業時刻から遅れて

出社(遅刻)しても給与減額扱いにはなりませんし、また終業時刻より遅くなっても残

業手当はつかないことになります。

ただ、欠勤の扱いにつきましては、管理監督者であっても「就業義務」自体はありますので、その義務が果たされない場合に該当すると判断され、給与も欠勤控除として減額することになります。

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新助成金情報

事業主等が雇用する労働者に対して、事前に作成した計画に沿って職務に関連した訓練を実施する場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

詳細は

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「人への投資助成金」

 

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Q 能力の低いスタッフを試用期間中または期間終了後に解雇は出来るか?できるとしたらどのような場合か?

A、試用期間であったとしても、簡単に解雇することはできません。一般的には試用期間の解雇基準が、本採用スタッフに対する解雇基準よりやや穏やかであるとはいえ、能力不足により解雇が裁判上有効とされるケースはまれで、繰り返し指導をしても改善か見込めないなどの「改善可能性」な無いと判断されるような、やむを得ない理由が必要です。

 

1,試用期間とは

 

試用期間とはいわゆる見習の期間、つまり使用者と労働者がお互いのミスマッチを防ぐために設ける見極めの期間、として置く場合が多いと思われます。この規定は事業所の任意で設定するものであり、法律上の定義が特にありません。

 過去の裁判例によれば、試用期間は「採用時には知ることが出来なかった事実が、後になって発覚することもあるから、最終決定を一時指し止めて使用者側の解約権が保持されている状態、いわゆる解雇権が留保されている期間と解されています。従って、一般の社員の解雇より解雇要件がやや緩やかにはなるものの、やはり合理的、社会通念上の相当性は求められます。

 

2,「業務への能力や適性に欠けている」「欠勤があまりに多い」などの理由の場合

 事業所はスタッフの試用期間満了までに、業務への適性があるか、勤務態度や出勤状況は良好か、などを見極めると同時に、その都度、改善のための具体的指導・教育を尽くす義務があります。

 また指導は1度や2度といった程度ではなく、度重なる指導・教育にも関わらず改善が盛られない、といった事実とそのエビデンスが必要になります。判例も「試用期間中のものに責められるべき事実があったとしても、それに対して直ちに解雇をもって臨むことなく会社には社会的見地から合理的範囲内で、その矯正・教育に尽くすべく義務がある」というものです(高橋ビルディング事件、大阪高裁)

 

3,一定の能力を持つ経験者を募集し、本人もその能力を保証していた場合

 求人票の記載や採用時の面接で、事業所が求める耄碌や技能について応募者自ら「できます」とか「お役に立てます」と保証していたにも関わらず、実際には事業所の求める水準には達していなかった場合には、試用期間中の解雇は認められやすいといえます。

 経験と能力を前提にしている採用であれば、その前提を記載した労働契約書を締結しておくことも有効な手段の一つです。例えばクリニックさんであれば、「レセプト業務の単独遂行」「○○検査の実施」などと具体的に明記し、その業務を前提にしたさいようであることがわかるようにしておくこともいいでしょう。

 

4,解雇は難しい

そもそも能力が低いからということで解雇は出来ません。多少能力が低い程度では改善可能性があると判断されることが多いのです。解雇が裁判上有効とされるには「何度も是正のために注意し、反省を促したにも関わらず改善されない」など今後の改善見込が無いレベルが要求されます。

「アナウンサーが2週間に2回寝坊をして遅刻、放送が二度流れなかった」事案でも結果として会社からの解雇は認められなかったのです。裁判所の判断は、「教育指導をしていけば改善可能性がある」というものでした。つまり、それだけ解雇は難しいということであり

一端採用したら粘り強く、指導していくことが必要です。

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マネジメントの観点を取り入れた1か月単位の変形労働制の事例紹介

ある園長先生からのご相談です。

この園の開園時間は9時から19時まででです。子供たちが順次登園し、9時半から午前中いっぱいまでがメイン活動です。年齢に応じて12時前後から昼食、12時30分以降は午睡クラス、クラス活動13時30以降は降園、または預かり保育・・・とさらに分かれていき19時の閉演に向けて子供の人数は段階的に減っていきます。園長先生の希望は、午前中は職員を手厚く配置し、メイン活動を充実させたいと思っていらっしゃいます。

 しかし、遅番職員は10時に出社するので、9時半からスタートするメイン活動にと途中方はいることになり、落ち着いて取り組むことが出来ない、これを何とかする方法はないですか、というご相談です。

 

職員の配置をコントロールする。

 

園の一日の流れに応じた子供の活動状況や人数によって、職員の人数を手厚くしたり、配置基準通りの人数にしたりすることを可能にする職員配置を検討することも可能です。

現在の働き方は1日8時間の固定で、1か月変形を採用し、各月の労働日数は決まっていました。園長先生が実現したいメイン活動の充実を念頭に置きながら就業規則の運用を考えてみました。例えば下記のような運用です。

①1日労働時間は、6時間、8時間、10時間。の3種類とする。

②各月の6時間の日と10時間の日を、同じ日数で設定する。

③就業規則に定めていた1か月変形の各月の労働日数は変えずに、各月の6時間、8時間、10時間の日数を決める。

就業規則は下記のように書き換えます。

 

 

従来の定め

今後の定め

早番

8時間労働 7:00~16:00(休憩60分)

6時間労働 7:00~13:00(休憩なし)

普通番

8時間労働 8:00~17:00(休憩60分)

8時間労働 8:00~17:00(休憩60分)

遅番

8時間労働 10:00~19:00(休憩60分)

10時間労働 8:00~19:00(休憩60分)

但し書き

 

月内において、早番と遅番の日は同じ日数とする

6月の労働日数と労働時間を示した下記表のように6時間、10時間の日を同じ日数で設定し、各月にの労働日数は変えていません。これであれば、各月の労働時間数はこれまで通りです。

 

以前

これから

所定労働日数

21日

21日(早番4日、普通13日、遅番4日)

所定労働時間

168時間

168時間

 

このようにした結果、9時半から午前中のメイン活動にはその日に出勤する6時間、8時間、10時間すべての職員の配置が可能になります。

毎月の勤務表は、前月末日までに職員に提示します。勤務表の作成に当たっては週(日曜から土曜)に1日の休日を確保しながら、各月で決めた6時間、8時間、10時間の日数を労働日とします。

 

この運用を始めた園長先生にお伺いしました。

 

午前中に職員の手厚い配置が可能になり、子供への配慮が行き届き、子供の意欲にこたえる保育ができるようになりました。「メイン活動の充実」を実感することが出来ています。また育成担当職員に余裕が出来、OJTによる育成に成果が出始めました。当初は10時間労働になる日の仕事ぶりが心配でしたが、時間が長いことをうまく利用して計画的に業務を進めたり、行事の準備に取組む姿が見られ、心配は杞憂に終わってくれました。13時で勤務終了となる早番の日は休憩時間が無い為、拘束時間が短いので、職員はワークライフバランスを活かし、趣味や習い事を始めた職員もいたり、概ね職員にも好評のようです。

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Q 当法人では新卒採用・中途採用ともの計画的に行っていますが、せっかく採用しても  なかなか定着せず、早いと3か月未満で退職する人もいます。何とか定着をしていただくように取り組みを行っていますが、採用面接ではどのような点に気をつけたら良いでしょうか。

A 「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。

どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。

それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。

 現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。

 

一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。

下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。

 

  • 具体的な内容を質問する

 漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。

 ・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか

  具体的に言ってください」

 ・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」

  • 人間関係についてどう考えているか確認する。

 人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。

 ・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」

 ・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」

  • 求職者からの質問を引き出す

 面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。

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〚保育トピックス〛保育士のキャリア感

保育士のキャリア感に関する意識調査が実施されました。

その調査で明らかになった事実としては以下の事項があげられます。

① 将来園長の仕事に就きたいと考えている保育士は16.1%

② 園長の仕事に就きたくないと思う理由の第一位は『責任が重く、自分には無理だと思うから』

③ 『理想となる保育士や将来自分がなりたい保育士像を思い描けていますか』という設問には約7割の保育士が『できている』と回答

④ 『キャリアにおける具体的な目標を設定できていますか』という設問には約5割の保育士が『できている』と回答

上記の結果から、保育士は一スタッフとしての将来像はイメージできていますが、一スタッフとして働く以外のキャリアパスについてのイメージはややしづらい職種ということが分かります。

これは保育業界自体がスペシャリスト志向の職員が多いということもあるかもしれませんが、事業所側の方で明確なキャリアパスを職員に示しきれていないという原因があることも推察できます。

もちろん展開している事業所数によっては役職軸によるキャリアパスは提示しづらい部分もあるかもしれませんが、その場合でもスペシャリスト軸によるキャリアパスの提示をすることは可能だと思われます。

キャリアパスを明確に描ける保育士が増えると対外的な保育業界のイメージも変わっていくかもしれません。

保育業界の人事担当者の皆様は、ぜひ自事業者のスタッフが自身のキャリアパスをどこまで描けているか一度確認をいただければと思います。

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Q  慶弔休暇など特別休暇に関する相談です。頻繁にお悔やみ休暇を申請する職員が数名おり、他の職員から不満の声があがることもあります。特別休暇日数や運用ルールを見直したいと思っています。アドバイスをお願いします。

A まず検討したいのは付与要件です。ある園では、お悔やみ休暇を付与する期間は、一番多い付与日数が5日であり、従来の規定では、「連続5日」としているだけだったので、それを死亡日の翌日から5日以内などで設定します。例えば、配偶者が9月3日(金)に亡くなった場合の連続5日のお悔やみ休暇は9月8日(水)までの期間で、付与することにしました。

 結婚休暇の従来規定は、これも連続5日と規定していただけでした。ただ、実際には入籍後、落ち着いてからお披露目や旅行に行くケースが増えていることから、入籍後6か月以内に取得すること、としました。

 また、特別休暇の申請時には、きちんと確認してから付与したいので、証明書も提出してもらうことにしました。公的なものでなくても、お悔やみ休暇なら葬儀案内などでも可としました。以上のような変更を行い、就業規則もその内容で改定しました。

 このルール変更を導入後、お悔やみ休暇については、付与要件が明確になり、証明書の提出をしてもらうようになったからか、申請件数が減りました。職員からも「わかりやすいし

納得できる内容になった」という声も聞かれたようです。

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Q 始末書に「施設が指導してくれない」と書き、反省してくれない職員への対応

仕事のミスが多くクレームが入った職員に対して「始末書」の提出を求めたところ、その内容が「施設の指導が出来ていない為自分もミスをした」とまったく反省していない様子の始末書を提出してくる職員がいます。反省の色が見えず、始末書の意味がなくなっているような気がします。どうように対応したらいいでしょうか?

A 始末書というのは、業務などに規律違反をしたり、過失をしたりした場合に、その行為を反省し、謝罪し、同じことを繰り返させないようにする書面です。就業規則の制裁規定にも始末書に提示を求めています。

 

今回は、ミスが多くクレームまで入ってしまったので、その行為を反省してくれることを期待して提出を指示したのでしょう。しかし、反省するどころか施設へ責任転嫁していることがわかります。この場合、施設側が「指導をしたでしょう」と言ったところで「言った、言わない」の押し問答にしかならないのであれば、具体的な行動を振り返らせます。そして、改善することを具体的に指示し、ほかにも案があるならば自分から案を出してもよいように、ある程度「自由度」をいれると本人も書きやすくなります。

戒めるべきことは、「利用者さんのことを考えていなかったこと」ですから、話の途中で「自分はできていると思っても、利用者さんや他の職員はできているとは思っていない」ということを伝えるのです。そのうえで、「始末書」という書面ではなく、「改善提案書」と名称を変えるのもいいかもしれません。始末書というとどうしてもネガティブなイメージが強いからです。しかしここでも大切なのは、自分の行動を戒めて将来につなげることです。ですから書くハードルを下げ「改善提案書」に改めるというわけです。そしてこのフォーマットのなかに書くべき項目を入れ込んで記入してもらいます。ポイントは

  • どんな状況でクレームが発生したのか
  • それはどんな原因があったのか
  • そうすればそれを改善できるのか具体的な例をあげる
  • いつから実施するのか

 

人は埋め込み式の方が、書きやすくペンが進みます。まずは「自分の行動をふりかえり、反省してもらう」ことから始め、具体的な改善行動案を書いてもらいます。それでもできない場合には、「自分で書いたことなのになぜ実行がでいないのか」と面談で深堀していきます。

この書面を提出させるというのは、成長の過程もわかりますし、指導をしている実績もわかりますのでぜひともお勧めします。

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Q 働きぶりがわるいので試用期間後に給料を下げたいが可能ですか?

A 通常は出来ませんが、あらかじめ労働条件の変更を視野に入れた労働契約を締結していれば可能です。

 

労働契約の途中で事業主側が一方的に条件を変更することは原則としてできません。労働条件を変更するときは労働者との合意が必要になります。

 一方、雇用期間を定めた契約であれば、契約の更新時に契約が変更になることを説明し、「新たな契約を締結しなおす」ということになります。いわゆる契約職員としての雇用形態です。

 クリニックで多いのは、試用期間相当期間を「機関の定め有り」で契約し、その後に「契約期間の定めなし」の契約に転換する流れになります。つまり試用期間を3カ月に設定しているクリニックでは、採用時に通常であれば期間の定めなしで契約するところを、あえて3カ月の有期契約を結ぶということになります。そうして3カ月後に想定していた働きぶりが悪かった場合には、それに見合った新たな契約条件を提示し、本人が合意した場合には契約を更新するということになります。

 但し、期間を定めた契約は、採用したものの、入職辞退につながる可能性もあることを認識しておかなければなりません。なぜなら、この3カ月の雇用期間は不安定と感じる職員もいます。優秀な人材は他のクリニックでも内定が出ている可能性があるので、別のクリニックに流れる可能性は否定できません。そのため通常であれば、「期間の定めなし」の契約として、面接などで人柄やスキルに不安が残る場合のみ「期間の定め有り」の契約にするといった運用にされるところが多いように思います。

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