コラム

厚労省、介護事業者への優遇融資を拡充 物価高騰を受け無利子・無担保で支援

厚生労働省は8日、物価高騰などの影響で経営が悪化している介護事業者を支えるため、福祉医療機構による優遇融資を見直すと発表

既存の優遇融資を大幅に拡充し、無利子・無担保での借り入れができるようにする。目下の厳しい経営環境を踏まえ、介護事業者の資金繰りの一時的な改善を後押しするための措置。8日から申請の受け付けが始まった


対象となるのは、収支が悪化していたり赤字に陥っていたりする介護事業所・施設(*)のうち、介護報酬の処遇改善加算を算定しているところ。経営改善計画書の提出も求められる。


 対象サービスの類型はこちら


無担保貸付の限度額は500万円、または直近2ヵ月の事業収益のいずれか高い方。元金の返済開始までの据置期間は2年間で、この間は利子がかからない(上限額あり)。


この優遇融資は、2024年度の補正予算で創設された制度に基づくもの。厚労省の関係者は、「物価や人件費が上がったことで経営が非常に厳しいという関係者の声などを踏まえ、こうした優遇融資の大幅な拡充に至った」と述べた。

厚労省、処遇改善加算の計画書・実績報告書の様式を一部修正 新ファイル公開

厚生労働省は介護報酬の処遇改善加算の公式サイトを更新し、2024年度の実績報告書と2025年度の計画書の様式の改訂版を掲載した。

Excelファイルの設定や関数の誤りを修正。3月31日に発出した介護保険最新情報のVol.1369で広く周知し、現場の関係者に活用を呼びかけた。これから書類を作成する場合、こちらを使った方が良さそうだ。


2024年度の実績報告書は、入力シート、記入例、大規模事業所用様式を変更。2025年度の計画書は、大規模事業所用様式を差し替えた。それぞれの見直しは次の通り。

2024年度の実績報告書様式
◯ 別紙様式3-1/セルF126:「その他」欄に記入できるよう、ロックを解除。

2025年度の大規模事業所用計画書様式
◯ 別紙様式2-2/セルL列444行目以降:基本情報入力シートのAC列を参照するよう修正。
◯ 別紙様式2-2/セルAK5:8011行目まで合算されるよう修正。
◯ 別紙様式2-2/セル3行目以降:基本情報入力シートにおいて、「提出の目的」として「補助金様式を都道府県に提出」を選択した際にグレーアウトされるよう修正。

今回の公式サイトの更新ではこのほか、処遇改善加算の運用ルールを明らかにするQ&Aの第2版も掲載された。また、人材確保・職場環境改善に向けた施策をまとめたリーフレットも掲載されている。(介護ニュースより)

Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

 

A、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

Q, 看護職員の強い要望もあり、時間単位有休を採用しようと事務長に相談したところ「半日単位があるから今は必要ない。管理も煩雑になるので」と拒否されました。そんなに管理が面倒なのでしょうか。

A、時間単位年休は残日数、時間の管理が煩雑になりやすいのですが、部署ごとに現場で管理する方法を決めておくといいでしょう。総務担当の負担も軽減されます。全部署一括ではなく、部門単位から試験的にどうする方法がいでしょう。

時間単位年休は平成22年4月1日から施行され、半日有休と時間単位有休を併用しているケースもありますが、時間単位有休を導入する際に、半日有休をなくすのが一般的です。

 時間単位有休は、労使協定を締結することで、一年間の有休休暇日数のうち繰り越しも含めて5日を限度に時間単位で付与することが出来るものです。ただ以下4項目について使用者と労働者が協定で合意しなければなりません。

 ①対象労働者の範囲 

 ②時間単位年休日数(5日以内)

 ③時間単位年休の1日の時間数

 ④1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数

また、有給休暇の事後振替を認めるかどうかについて、法律上特に定めはありません。認めることも、認めないことも施設で決めることができます。ただ、欠勤の理由が体調不良を交通事情というならまだしも、寝坊を理由に欠勤遅刻した職員が安易に申請することを避けるため、事後の振り替えを認めない施設もあります。

 また、時間単位年休は1時間単位で採用できますが、遅刻など安易な利用を極力避けるため、30分程度の遅刻には利用しずらい「2時間単位」で認めている施設も実際にあります。

画像情報提供加算、電カル情報共有でも算定可 厚労省

厚生労働省は、2 月から一部地域でモデル事業として始めた電子カルテ情報共有サービスで
患者の検査や画像情報などをほかの医療機関に提供した場合に「検査・画像情報提供加算」を
算定できるとする解釈を示した。検査・画像情報提供加算は、患者の診療情報をほかの医療機
関に電子的に提供した場合に算定が可能。当初は地域内で診療情報を共有する「地域医療情報
連携ネットワーク」などを用いたケースを想定していた。


電子カルテ情報共有サービスのプレ運用が開始され、同サービスを通じた診療情報の提供が
増加することを見据え、厚労省は検査・画像情報提供加算を届け出る際の記載事項を示した。
それによると、届出様式の「ネットワーク名」の項目は「全国医療情報プラットフォーム」と
し、「ネットワークを運営する事務局」は「厚生労働省」とする。「ネットワークに所属する医
療機関名」には、実際に診療情報を提供する医療機関名を記載。「安全な通信環境の確保状況」
では、チャネル・セキュリティーを「公衆網」、オブジェクト・セキュリティーを「SSL/TLS」
とする。診療情報の保存や管理を行う「ストレージ機能」については、なくても差し支えない
とした。診療情報の提供を受けた医療機関が算定できる「電子的診療情報評価料」についても
同様の取り扱いを示した。

厚労省は、2024年度の診療報酬改定に関する疑義解釈(その21)で一連の取り扱いを示し、
地方厚生局などに周知した。電子カルテ情報共有サービスは、全国の医療機関や薬局などで患
者の電子カルテの情報を共有する仕組み。政府は25年度中に本格運用を開始するとしている。

(メディカルウェーブ記事より抜粋)

社労士 林のコメント

 電子カルテ情報共有サービスがまもなく始まります。加算取得・業務効率に向けての準備が急がれます。

保育士の給与10.7%引き上げ 保育士に届いていない実態をどう見る? 三原大臣に聞いた(東京新聞記事) 

保育士の処遇改善のため、2024年度分の人件費が10.7%増額されています。東京すくすくが2月に記事【保育士の人件費10.7%引き上げは始まっています 本当に給与に反映される? 園の収支「見える化」の効果は?】で紹介したところ、現役の保育士たちから続々とコメントが集まっています。いずれも「もらえていない」という後ろ向きな内容が目立ちます。4月1日に開かれた三原じゅん子・こども政策担当相の閣議後会見で、こうした声が上がっていることについて聞きました。
写真 会見する三原じゅん子・こども政策担当相

閣議後会見に臨む三原じゅん子・こども政策担当相=こども家庭庁で

記者 3月末で保育士を辞める方が、園の経営者に24年度の引き上げ分を給与に反映してもらえないかと尋ねたところ、「うちは支払うつもりはない」と言われたそうです。それでも食い下がると「5月にはいくらか払うから、それまで残るなら払う」と言われたとのこと。保育士に引き上げ分が行き渡っていない事例がある現状について、どう受け止めますか?

三原大臣 人事院勧告を踏まえた処遇改善の効果は、現場で働く保育士の賃金改善に確実に行き届くようにすることが必要です。このため、各自治体を通じ、迅速かつ確実に一時金などにより賃金の支払いにあてることや、次年度以降の給与表、給与規定等の改訂に取り組んでいただくことを要請しているところです。

昨年度実施した10.7%の処遇改善は、令和6年4月からさかのぼっている分でありますことから、令和6年度に保育園に勤務されており、3月末に退職する職員も対象になりうるものであります。

 三原大臣は、たとえ3月末で退職したとしても、今回の人件費10.7%引き上げは対象になると明言しました。さらにこう呼びかけています。

三原大臣 各園での個々の職員の給与は雇用形態・勤務勤続年数・職責等はじめさまざまな事情を踏まえ、各園、または法人の給与規定等に基づく契約によって決定されるものであり、必ずしも保育士全員の給与が一律に改訂通り上がるものではございません

記者 先の保育士は、正規職員で勤続年数も十分であることから、いくらかは改善分を給与に反映されてしかるべき保育士だと考えます。こども家庭庁は、人件費が十分に保育士に行き渡るようにするため、園の収支の見える化も始めますが、数々の経営者による不正を見てきた保育士からすると、制度の穴を簡単にかいくぐるのではないかと話しています。

 保育士の給与は園の経営者の裁量によるため、東京すくすくに寄せられる声で多いのは、「国が直接、保育士の口座に一時金を支払ってほしい」という願いです。これについて、在任中に検討していただけないでしょうか。

三原大臣 経営状況の見える化では、施設・事業者単位での経験年数、役職に応じた基本給、手当や賞与を含めた年収目安などのモデル給与、人件費比率、職員配置状況などの経営情報を公表・分析するものです。保育所等の給与状況や人件費比率を明らかにすることによって、保育士等の求職者にとっても職場選択やキャリアの検討を支援する効果も期待しています。

 その上で、保育の公定価格は、保育所等に在籍する子どもの数に応じて保育に要する費用を支給するもの。保育士の給与は雇用形態・勤続年数・職責などに応じて事業者において決められるものです。

 保育士の口座に国が直接支払うのは、保育士の雇用形態・勤続年数・職責等に加えて、現場での勤務態度などの勤務評価がさまざまな中で、どのような方にどのような金額を支給するかという対象や金額に関する課題、また当該事務を実施するにあたっての体制やコスト等の課題などさまざまな論点があると考えており、今の公定価格の枠組みとは別にこのような仕組みを設けることは困難と考えています。

 いずれにしても、現場のみなさんに処遇改善の効果が行き渡ることは重要であると考えておりますので、しっかりと取り組んでまいりたい。自治体に対して、改めて事務連絡にて処遇改善が現場の保育士にしっかりと届くように要請を行って参りたいと思っています。

 こども家庭庁は「いずれは、公定価格の引き上げ分が人件費として保育士に行き渡っていない園がどれくらいあるのか、調査をしていく必要がある」との考えを示しています。

訪問介護の打撃深刻 6割近くが減収 報酬引き下げ・訪問回数減など影響 厚労省調査

2024年度の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられた訪問介護について、減収となった事業所が5割から6割弱に達することが明らかになった。

厚生労働省が3月31日に開催した専門家会議(介護報酬改定検証・研究委員会)で調査結果を公表した


調査結果は以下の通り。介護保険収入の増減を改定後の昨年8月でみると、前年同月比で5%以上減っている事業所の割合が、都市部でも地方でも最も高かった。例えば中山間・離島では、減収の事業所が58.7%にのぼっている。

この調査は厚生労働省が昨年9月に実施したもの。全国の訪問介護の約3300事業所が対象で、1200を超える事業所から有効な回答が得られた。


調査結果によると、都市部でも地方でも利用者宅への訪問回数が減少している事業所が6割を超えていた。これに加えて、2024年度の基本報酬の引き下げが減収の要因とみられる。

◆「処遇改善をしないとどうにもならない」


2日の衆議院・厚労委員会では、立憲民主党の早稲田ゆき議員がこうした調査結果を取り上げた。


福岡資麿厚労相は事業所の訪問回数が減少した要因について、「地方ではサービス需要のピークアウトがみられ、都市部では事業所間の競争が高まっている」と説明した。


これに対し早稲田議員は、「人手不足で依頼が来ても訪問できない事業所が増えている。だから訪問回数が減ってしまう」と指摘。「なぜ人手不足なのか。処遇改善が全く追いついていないからだ。基本報酬の引き上げ、処遇改善を進めなければどうにもならない」と訴えた。(介護ニュースより)

介護報酬のBCP減算、全サービス対象に新年度から適用 経過措置が終了

ほぼ毎年のことだ。介護の現場では、新年度を迎えるたびに少なからず緊張が走る。新たなルールがまた1つ、動き出すからだ。

2025年度の大きな見直しの1つに、業務継続計画(BCP)を策定していない事業所・施設に対する介護報酬の減算の導入がある。


現場に求められるのは、感染症と災害の発生を想定したBCPの策定。このどちらか、または両方が未策定の場合には、新年度から事業所・施設に以下の減算が適用される。居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全てのサービスが対象だ。

業務継続計画未実施減算

◯ 施設・居住系サービス=所定単位数の100分の3に相当する単位数を減算
◯ その他のサービス=所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算

この減算の導入は、2024年度の介護報酬改定をめぐる議論で決められたもの。2025年度から完全適用されることになったのは、国が現場の負担も考慮して1年間の経過措置(*)を設けていたためだ。

1年間の経過措置=訪問系サービス、福祉用具貸与、 居宅介護支援については、2025年3月31日までの間は減算を適用しない。それ以外のサービスは、2025年3月31日までの間、感染症予防の指針と災害計画が整備されていれば減算を適用しない。

この経過措置の期間が終了したため、新年度から減算が適用される運びとなった。BCPの策定は、現場にとって決して小さな負担ではない。施策の実効性を高める検証と、きめ細かな支援が国に求められる。(介護ニュースより)

社労士コメント:BCP未策定の事業所は、急ぎ策定準備に入ることをお勧めします。ご要望あれば、当社が作成支援をさせて頂きます。

        BCP(業務継続計画)作成研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング

        また、既に作成済の事業所におかれましても、発災時にBCPが機能するように、日常訓練などの実施を是非検討ください。

Q スタッフの不注意で事業所の機器を壊してしまった。弁償してもらえるか?

A 請求は可能ですが 全額を支払ってもらうことはできない可能性もあります。

 

どこまで請求できるのか

 請求の是非は、スタッフの注意義務違反の程度によって判断されます。スタッフがちょっと気を付ければ避けることのできた損害については、使用者がこのような危機を回避することができなかったことから、スタッフは責任を免れることはできません。また休憩時間や業務に全く関係ない場面で生じた破損に関しては、たとえ悪意がなくても本人の責任になります。例えば、喫煙禁止の休憩所のソファーを煙草で焦がしたら、間違いなく本人に弁償責任があります。

 ただし、いくら過失とはいえ医療機器など高額なものに損害が出た場合、こうしたリスク回避や分散の措置を十分に講じなかった使用者側の責任もあること、またスタッフの経済面の影響を考慮し、使用者の損害賠償請求権は制限する必要があるとされています。

 業務に関連するスタッフの不注意な破損であれば、満額請求は難しいでしょう。なお、判例でも、信義則上相当と認められる限度にその額は制限されるとの一般的な枠組みがあります。例えば、狭い通路で何かを運んでいて、ぶつけて壊した場合、構造的な問題や柱に緩衝材などをつけていなかった責任などが問われ、全額の請求は難しいと思われます。「使用者があらかじめ想定し、保険制度を通じて比較的容易にリスク分散し得るものであるから、使用者が基本的に責任を負担すべき」という考え方を取るということになります。

グーグルマップ「やらせ投稿」の歯科医院に措置命令 消費者庁

消費者庁は17日、歯列矯正歯科診療所を運営する医療法人社団スマイルスクエア(東京都世田谷区)に対し、景品表示法に基づく措置命令を出した。同法人が来院者にギフトカードや治療費割引の5,000円分の利益供与を行い、グーグルマップの最高評価「星5」の投稿を依頼していたため。


消費者庁によると来院者に対し、「星 5」の投稿、もしくはこれと併せて感想の投稿を条件に、5,000 円分の「QUOカード」の提供か、治療費から5,000円の割引を提案した。表示期間が2024年5月15日から9月11日までの9件について、利益供与で事業者が評価に関わっているのに、一般消費者にはそれが不明瞭であることから、景品表示法に違反するステルスマーケティングに該当するとして、消費者庁は措置命令を実施した。


措置命令では、該当する投稿は一般消費者に誤認される恐れがあり、景品表示法に違反するものであることを一般消費者に徹底させることに加え、再発防止策の徹底と同様の表示を今後行わないことを求めた。(メディカルウェーブ記事より)

 

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