介護

コロナワクチン優先接種、在宅系の介護職も対象 厚労省が方針転換

田村憲久厚生労働相は3日の参議院予算委員会で、新型コロナウイルスワクチンの優先接種の対象について、在宅系サービスの介護職も条件付きで含める意向を表明した。

ワクチンの需給状況や感染状況などを踏まえ、対象に含める判断を自治体が行えるようにする。これまで施設・居住系サービスの介護職だけに限定していたが、現場の関係者などから多くの要請を受けて方針を転換した。

自宅療養を余儀なくされる感染者・濃厚接触者に対し、直接的に対応する機会があると想定される介護職を新たに加える。訪問介護や小規模多機能などの事業所のうち、感染者らが生じてもサービスを継続する意思のあるところに登録してもらう方向だ。居宅介護支援や福祉用具貸与、ショートステイなどのサービスも除外しない案を詰めていく。近く自治体へ通知を出す。

田村厚労相は予算委で、病床の逼迫により介護を受けながら自宅療養を続けなければならない高齢者が出てきたことを、今回の方針転換の理由として説明。「それぞれの自治体の判断になる。ワクチンを接種した介護職には、感染者にもご対応頂くことが前提になる」と述べた。自民党の福岡資麿議員への答弁。(介護ニュースサイト JOINT)

 

 

【厚労省公表】業務継続計画(BCP)の研修動画

 

感染症や自然災害の発生を想定した業務継続計画(BCP)の
策定について、

厚生労働省は先月末、

介護施設・事業所にノウハウを伝える研修動画を公表した
ようですね。

関心をお持ちの皆様は、下記をご確認下さいませ。

 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html

 

 

R3年報酬改定 グループホームの整備要件緩和・新設要件創設について確認しておきましょう

2021年度介護保険法改正・報酬改定の全貌が明らかに
2021年1月18日に具体的な改定額が公表され、ようやく全貌が明らかになった2021年度介護保険法改正・報酬改定。皆様におかれましても情報収集と共に、「どの加算を取るか?」等の確認・検討作業を既に進められていることと存じます。小幅ではあるものの全サービスにおいて基礎報酬が増額される等、例年に比べると比較的緩やかな改正内容で落ち着いたかと思われますが、それでも様々な加算に込められたメッセージ、及び3年後の改定を見据えた場合、現段階から入念に準備を進めておくべき内容も数多く含まれているかもしれません。中でも「最も大きな変化の一つ」と感じられたのは恐らく、グループホームではないでしょうか。今回は今後の新規展開の一助となることも視野に、グループホーム整備基準の緩和・新設について採り上げてまいりたいと思います。


ループホームの整備基準の緩和・新設 その具体的な内容とは
では、早速、中身を確認してまいりましょう。まずは整備基準緩和内容の1つめについてです。(以下)。
 (現行)
 共同生活住居(ユニット)の数を1または2とする。ただし、用地の確保が困難であることその他地域の実情により事業所の効率的運営に必要と認められる場合は、共同生活住居の数を3とすることができる。

(改定後)
 共同生活住居(ユニット)の数を1以上3以下とする。
今までグループホームを新設する際、「最大2ユニットまで」という要件が付されることが全国的にも多く、3ユニットの整備認可はほぼ不可能、というのが一般的だったかと思われます。しかし、今回の上記改正により「3ユニットの整備」が基本的に認められることになり(地域の整備状況にもよるかもしれませんが)、経営の効率性が増してくることにも注目が集まるかもしれません。
加えて2点目の緩和内容(下記)もリンクしてくるでしょう(以下)。
<現行>
1ユニットごとに1人
・1ユニット : 1人夜勤
・2ユニット : 2人夜勤
・3ユニット : 3人夜勤

<改定後>
1ユニットごとに1人
・1ユニット : 1人夜勤
・2ユニット : 2人夜勤
・3ユニット : 3人夜勤
ただし、利用者の安全確保や職員の負担にも留意しつつ、人材の有効活用を図る観点から、3ユニットの場合であって、各ユニットが同一階に隣接しており、職員が円滑に利用者の状況把握を行い、速やかな対応が可能な構造で、安全対策(マニュアルの策定、訓練の実施)をとっていることを要件に、例外的に夜勤2人以上の配置に緩和できることとし、事業所が夜勤職員体制を選択することを可能とする(追加)。
「各ユニットが同一階に隣接しており、職員が円滑に利用者の状況把握を行い、速やかな対応が可能な構造で、安全対策(マニュアルの策定、訓練の実施)をとっていること」という適用要件はしっかりとおさえておかなければならないものの、上記条件に適合できる立地・物件が見つかった場合においては十分、検討に値する内容ではないかと思われます(本緩和要件適用の場合、「1人あたり50単位の減算」という条件は付されることになりますが)。これらの要件緩和の魅力度は地域によって変わってくると思いますが、是非、頭に留めておいていただいた方が宜しいかもしれません。
最後に3点目、「グループホームにおけるサテライト型事業所の創設」を確認してまいりましょう。


【サテライト型事業所の創設】
(基準)※本体事業所と異なる主なもの
・本体事業所との兼務等により、代表者、管理者を配置しないことが可
・介護支援専門員ではない認知症介護実践者研修を修了した者を計画作成担当者として配置することが可
・サテライト型事業所のユニット数は、本体事業所のユニット数を上回らず、かつ、本体事業所のユニット数との合計が最大4まで
続いてサテライト型事業所の基準・報酬案についてです。
サテライト型事業所の人員基準
(介護予防)認知症対応型共同
生活介護(本体事業所) サテライト型(介護予防)


認知症対応型共同生活介護
代表者 認知症の介護従事経験若しくは保健医療・福祉サービスの経営経験があり、認知症対応型サービス事業開設者研修を修了した者 本体の代表者
管理者 常勤・専従であって、3年以上認知症の介護の従事経験がある認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した者 本体の管理者が兼務可能
介護従業者 日中 常勤換算方法で3:1以上 常勤換算方法で3:1以上
夜間 時間帯を通じてユニットごとに1以上 時間帯を通じてユニットごとに1以上
計画作成担当者
介護支援専門員 介護支援専門員であって、認知症介護実践者研修を修了した者1以上 認知症介護実践者研修を修了した者1以上
サテライト型事業所のその他基準・報酬
(介護予防)認知症対応型共同生活介護
(グループホーム)
サテライト型事業所の
本体となる事業所 認知症グループホーム
※ 事業開始後1年以上の本体事業所としての実績を有すること、又は、入居者が当該本体事業所において定められた入居定員の100分の70を超えたことがあること
本体1に対するサテラ
イト型事業所の箇所数 最大2箇所まで
※本体ユニット数とサテライトユニット数の合計が「4」以下であることが必要
本体事業所とサテライ
ト型事業所との距離等 自動車等による移動に要する時間がおおむね20分以内の近距離
本体事業所と同一建物や同一敷地内は不可
サテライト型事業所の
設備基準等 本体事業所と同様
指定 本体、サテライト型事業所それぞれが受ける
※ 医療・介護・福祉サービスについて3年以上の実績を有する事業者であること
※ あらかじめ市町村に設置される地域密着型サービス運営委員会等の意見を聴くこと
定員
介護報酬 通常の(介護予防)認知症対応型共同生活介護の介護報酬と同額
基本的には「小規模多機能」の基準に準じた内容だと認識いただいて差し支えないかと思います。これから新たにグループホームの取り組みを検討される方には勿論ですが、既にグループホームに取り組まれている方にとっても興味深いスキームに映るのではないでしょうか。
ご興味をお持ちいただいた方は早めに管轄の保険者へ
以上、数ある改正内容の中から、「特に大きな変化かもしれないな」と感じられた一部分を抜粋させていただきました。地域密着サービスである以上、グループホームの整備は各保険者の計画に左右されてくることはご承知の事かと思いますが、だからこそ「これを機に、グループホームの新設(増設)を検討したい」とお感じになられた方は「先手必勝」の精神で是非、早めに管轄の保険者へ足を運び、情報収集を開始されることをおススメしたいと思います。その上で土地の探索含め、先んじて可能なアクションを開始していくことが未来の成果の獲得確度を高めることにもつながってくるのではないかな、と考える次第です。
私たちも今後、上記に関する有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。
※本ニュースレターの引用元資料はこちら

第193回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14716.html

【介護・保育】人材定着ブログ3月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは㉑」

【介護・保育】人材定着ブログ1月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは⑳」

の続きです。

 

今回は評価者に是非、知っておいてほしい評価者の心構えと留意点についてお伝えしたいと思います。評価をするにもぜひ知っておかなければならない基本的なルールや、自ら気を付けなくればならない「評価者のクセ(エラー)」などがあります。それらを知識として知ったうえで実際の評価を行うのと、全く知らないで評価を行う場合とでは、結果に大きな差が生じますので、事前に評価者研修などを受講いただいた上で、評価に入っていただきたいと思います。

1、評価者の心構え

 評価スキルを学ぶ前に、大前提として評価者に持っていただきたい「心構え」についてをお伝えいたします。

(1)人事評価の制度内容、仕組を十分に理解していること。

(2)部下の育成が最大の目的であることを理解していること。

  部下の昇給や昇格を念頭に置いた評価をしないこと。

(3)部下と面談(コミュニケーション)の機会を多くもつこと。

  部下に対して期待していることを明示すること。

(4)人物評価でなく、事実に基づいて評価すること。

  部下の行動を観察し、事実を記録すること。

(5)管理者として自らのマネジメント能力を磨くこと。

  部下の能力を的確に把握し、職務(等級)にふさわしい仕事を与え、情報を提供し、

  指示・命令を出し、権限を委譲し、適切な支援を行うこと。

 

 

2、「評価エラー」に関する留意点

 次の項目は評価者がよくやってしまう「評価エラー」と言われるもので、まずはそのパターンをご紹介するととともにその対応策も含めてお伝えいたします。

 (1)「ハロー効果」に注意する(先入観や印象で評価しない)

  ①全体的印象ハロー効果

   部下の人物・行動の全体から受ける印象や、いったん自分の頭の中で作り上げて

   しまった部下の全体評価を先入観として持ってしまい、この全体的印象が強いため、

   無意識の内に、部分部分の特性の評価を歪めてしまうこと。

②部分的印象ハロー効果

   部下の何か一つまたはいくつかの特性に際立って優れた点があり、これに対して

   「優秀である」「高度である」と強い印象を持ってしまうと、他に劣っている特性

があっても、全体として「優秀」「高度」であると歪んだ評価をしてしまう傾向

   (例えば売上成績が良いと販売促進企画も開拓力もクレーム処理もすべて良いと

    判断してしまう場合等)

  ③対応策

   ・考課項目一つ一つの意味を正確に理解し、項目ごとに事実情報・記録を確認しな

    がら評価する

   ・全体的印象や部分的印象にとらわれていないかを絶えず自問自答しつつ、部下を

    分析的に様々な角度から観察し、評価するように努めること。

 (2)「寛大化傾向」に注意する

所謂、評価が相対的に「甘く」なってしまう傾向です。

①このエラーが起こりやすいケース

・日頃一緒に仕事をしている部下に対して、「厳しい評価をして恨まれたくない」

   「次に厳しい仕事の指示がしづらくなる」「評価について、部下から文句をつけ

   られたら煩わしい,説明できない」「部下に良い顔を見せておきたい」などの

   気持ちが働く場合

 ・日頃から公私にわたって親しく付き合っている部下、特に仕事上で頼りにして

  いる部下、自分が理解できない難しそうな仕事をしている部下を評価する場合

 ・部下が昇進・昇格の候補年次に近づいて来た時、上司として「何とかあの人を

  昇進させたい」という思いにとらわれた場合

 ・自分の職場の部下を他の職場の者より「賞与を多くしたい」「早く昇格させたい」

  などの競争意識が働く場合

 ②対応策

 ・部下それぞれに期待されるレベルに相応しい目標・課題を与える

  (職務基準や職能要件等がある場合、期待基準に照らして評価する)

 ・曖昧な印象や思惑を排して、考課項目ごとに、観察・記録した具体的事実に

   基づいて評価する姿勢に徹すること。

 ・人事考課の重要な目的の一つが、部下の問題点を正しく捉え、これを指導・育成

   に結びつけるための情報収集の手段であるという認識を深めること。

 

介護報酬の新加算“LIFE”最新情報

介護報酬の“LIFE加算”、情報提供項目を公表 厚労省 送信は翌月10日まで

新年度の介護報酬改定では、国の新たなデータベース「LIFE」への情報提供などを要件とする加算が新設される。「科学的介護推進体制加算」と名付けたこのインセンティブについて、厚生労働省は既に固まったアウトラインを伝える通知を19日に発出した

 

 

必要な情報提供のメニューを「現状案」として公表。利用者のADL、口腔・栄養、認知症などカテゴリごとの項目を具体的に示した。実際に加算を算定するためには、こうした情報をサービス提供月の翌月10日までにLIFEへ送る必要があると呼びかけている

 

4月から導入される科学的介護推進体制加算は、ミニマムで利用者1人あたり40単位/月。特養や老健、特定施設、グループホーム、通所介護、小規模多機能など多くのサービスが対象だ。LIFEへの情報の蓄積に協力すること、そこからのフィードバックを活かすことなどが要件とされている。

 

政府が以前にも増して重きを置く自立支援・重度化防止の観点から、より効果的なサービスの展開につなげるための仕組み。大規模データベースの構築はエビデンスの確立などに役立てられていく。

 

今回の通知で明かされた情報提供のメニューは概ね、これまで審議会などで説明されてきた概要に沿ったもの。利用者の身長や体重、既往歴、服薬、ADL、口腔・栄養、認知症など項目は多岐にわたる。厚労省は以下の資料に2ページでまとめ、現場の関係者へ広く周知した。

 

 

科学的介護推進に関する評価

 

情報提供の期日はサービス提供月の翌月10日まで。LIFEのサイトでデータを直接入力する方法のほか、請求ソフトからCSV連携で送信する方法もある。請求ソフト側の対応はベンダーによって異なってくる。

 

情報提供に対する事業所へのフィードバックは、その翌月中にLIFEのサイトからPDFで実施される予定。厚労省は「更なる詳細は追って提示する」としている。(情報元:JOINTニュース)

 

介護事業所様向け情報(労務)2月号③

テレワークを導入する際の流れや留意点

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の拡大防止の観点から緊急的にテレワークを導入したのですが、うまく進んでないように感じています。ゼロから考え直したいと思うのですが、どのように進めればよいのでしょうか。

社労士:

御社同様に、テレワークを導入したものの運用で課題が出てとりやめた企業も多いようです。一方で、厚生労働省は感染症対策としてテレワークの実施を推奨しており、その流れとして①実施に向けての検討(業務の切り出し・対象者の選定・費用負担)、②セキュリティのチェック、③ルールの確認(労務管理)、④作業環境のチェックの4つにまとめています。

総務部長:

当社は、社内で行っていた業務が自宅でもできるように、パソコンを自宅に持ち帰り、自宅のインターネット環境に接続することで在宅勤務を進めてきました。確かに、テレワークに適した業務かの確認は行わず、また、インターネット環境も自宅で整っている前提で進めていました。

社労士:

テレワークに適した業務と会社に出社して行った方がよい業務、これに加え、何らかの工夫をすることでテレワークに適した業務に変わる業務があると思います。例えば紙で保存していたものをクラウドに保存したり、Web会議システムを導入すること等、考えるべきポイントがありそうです。

総務部長:

確かにそうですね。全員一律に「週3日はテレワークをすること」と指示を出しましたが、業務内容によってはテレワークが適さない従業員もいます。また、インターネット環境の調査をしませんでしたが、従業員やその家族が契約しているインターネット環境を使うこととしても、ウイルス対策ソフトのアップデート等、セキュリティ面の注意が必要になりますね。

社労士:

そうですね。テレワークでは通常、従業員の働いている状況が見えないため、コミュニケーションの量も質も低下し、また、労働時間の管理もあいまいになりがちです。こちらもクラウドの勤怠管理システムを導入し、自宅でも打刻できるようにするといった工夫が必要になるのでしょう。

総務部長:

ところで、「④作業環境のチェック」ではどのようなことに注意するのでしょうか。

社労士:

自宅の温度や湿度、照明の状況や、机の高さや椅子の座り心地等、多岐にわたります。先ほどのインターネット環境も含め、テレワークを実施することで発生する費用もありますので、これを労使のいずれが、どの程度負担するかということも決めておく必要がありますね。

【ワンポイントアドバイス】
1. テレワークを導入するときには、運用面の検討を行う必要がある。
2. テレワークを実施することにより発生する費用の負担は、事前に取り決めが必要となる。

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(労務)2月号②

厚生労働省が公開する新型コロナの拡大防止チェックリスト

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の収束が見えない中、職場等で感染拡大防止策を確実に実践することが求められています。厚生労働省では、以前より「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」(以下、「チェックリスト」という)をホームページで公開していますが、2020年11月には、冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法に係るチェック項目を追加する等の改訂が行われています。以下では、このチェックリストの中から、「換気の悪い密閉空間の改善」と「多くの人が密集する場所の改善」の2点について確認しておきましょう。

1.換気の悪い密閉空間の改善

  • 職場の建物が機械換気(空気調和設備、機械換気設備)の場合、建築物衛生法令の空気環境の基準が満たされている(ただし、温度は18℃以上に維持することが望ましい)。
  • 職場の建物の窓が開く場合、リーフレット「冬場における『換気の悪い密閉空間』を改善するための換気の方法」で推奨する方法により、居室の温度18℃以上かつ相対湿度40%以上を維持しつつ、窓を開けて適切に換気を行っている(HEPAフィルタ付き空気清浄機の適切な活用を含む)。
  • 電車等の公共交通機関の利用に際し、窓開けに協力するよう全員に周知している。

2.多くの人が密集する場所の改善

  • 業態に応じて可能な範囲で出勤を抑制するように努めている。
  • 電車やバス等での他人との密着を防ぐため、時差通勤、自転車通勤、自家用車通勤などの活用を図っている。
  • テレビ会議やWeb会議の活用等により、人が集まる形での会議等をなるべく避けるようにしている。
  • 対面での会議やミーティング等を行う場合は、マスクの着用を原則とし、人と人の間隔をできるだけ2m(最低1m)空け、可能な限り真正を避けるようにしている。
  • 接客業等において、人と人が近距離で対面することが避けられない場所は、労働者にマスクを着用させ、人と人の間にアクリル板、不燃性透明ビニールカーテンなどで遮蔽するようにしている。
  • 職場外(バスの移動等)でもマスクの着用や換気、人との間隔を取る等、三つの密を回避するよう努めることとしている。

このチェックリストは、当初公開されたものから環境の変化等により、内容が更新されています。三密の回避等、当初からの防止策に加え、必要な防止策が加えられていますので、以前確認された場合も含め、最新版を厚生労働省のホームページからダウンロードして確認してみてください。

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(労務)2月号①

在籍型出向による雇用維持支援と産業雇用安定助成金(仮称)

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の感染拡大は未だ収束の目途も付かず、企業における従業員雇用の維持も厳しい局面を迎えつつあります。そのような中、国は在籍型出向の活用による雇用維持への支援と産業雇用安定助成金(仮称)の創設を予定しており、2020年12月にその概要資料が公表されました。これらは第三次補正予算の成立、厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点ではあくまで予定に留まりますが、動きを確認しておきましょう。

1.在籍型出向の活用による雇用維持への支援

在籍型出向の活用としては、出向元と出向先双方の企業を支援する新たな助成制度を創設し、産業雇用安定センターによるマッチング体制を強化する等、新型コロナの影響により一時的に雇用過剰となった企業が従業員の雇用を守るため、人手不足等の企業との間で在籍型出向(雇用シェアリング)により雇用維持する取組みへの支援が行われます。対策のポイントとして、以下の内容が挙げられています。

  1. 全国および都道府県協議会の設置・運営等による雇用シェアリングの情報連携や理解促進
  2. 自治体等が運営するマッチングサイトや労使団体・業界団体等が保有する出向に関する情報と産業雇用安定センターが連携したマッチング支援体制の強化
  3. 在籍型出向を支援するため、出向元・出向先双方に対する助成金の創設による企業へのインセンティブの付与

2.産業雇用安定助成金(仮称)の創設

在籍型出向を支援するため、出向元と出向先双方に対するインセンティブとして、産業雇用安定助成金(仮称)が創設される予定です。助成金の内容は対象労働者に係る以下の2種類の経費について、出向元事業主と出向先事業主とが共同事業主として支給申請を行い、その申請に基づきそれぞれの事業主へ支給されるものです。なお、申請手続きは出向元事業主が行うことになる予定です。

①出向運営経費

出向運営経費は、労働者(雇用保険被保険者)を在籍型出向により送り出す事業主とその労働者を受け入れる事業主に対して、賃金、教育訓練、労務管理に関する調整経費等、出向中に要する経費の一部が助成されるものです(表1参照)。

②出向初期経費

出向初期経費は、労働者(雇用保険被保険者)を在籍型出向により送り出す事業主とその労働者を受け入れる事業主に対して、就業規則や出向契約書の整備費用、出向に際して出向元であらかじめ行う教育訓練、出向先が出向者を受け入れるために用意する機器や備品等、出向に要する初期経費が助成されるものです(表2参照)。

正式な決定はまもなく行われる予定ですので、必要に応じ今回とり上げたような出向での雇用維持や出向での人材確保をご検討ください。

※2021年1月12日時点の情報です。

(次号に続く)

介護の情報公表制度、4月から掲載内容増 厚労省 全サービスが対象

厚生労働省は今年4月の介護報酬改定を機に、施設・事業所が「介護サービス情報公表システム」へ掲載すべき情報の幅を広げる。

職員が研修を受講しているかどうかなど、認知症の高齢者を支える技術を高める取り組みについて新たに公表を求めていく。

今年度内に通知を改正し、来年度からのルール化に踏み切る。施設・事業所を選ぶ利用者の利便性を改善すること、認知症ケアの質の向上につなげることが狙いだ。

そもそも情報公表制度の埒外にある居宅療養管理指導を除き、全てのサービスがこの見直しの対象となる。今回の改定に向けた検討を重ねてきた審議会で方針が決められた。

厚労省は現在、通知改正に向けた事務的な準備を進めている。

例えば、認知症介護指導者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修を受けた職員の人数、その他の研修の実施状況などを掲載してもらう考え。「全ての事業者で、行動・心理症状(BPSD)も含め対応力の向上が求められている。各事業所の取り組みを利用者が確認できるようにする」などと説明している。

(介護ニュースサイト掲載記事より)

 

次期法改正で義務付けられる感染対策・災害対策ついて確認しておきましょう

介護保険法改正・報酬改定の全貌が明らかに

昨年の春から始まり、コロナ禍の中でもなんとか継続されてきた介護給付費分科会。20回以上に亘る議論が重ねられ、2021118日(月)にようやく全ての内容が固まってまいりました。大別すると「介護保険法・省令等の変更」と「介護報酬の改定」の2種類に分かれる本情報ですが、報酬改定についてはサービス種類が多岐に亘る中、あまりにも幅広な内容になってしまうため、本ニュースレターで採り上げるのは不適当である、というは判断のもと、本日は多く(内容によっては全て)の事業者にとって関係してくるであろうテーマ「感染症対策」「災害対策」について内容を4点ほど抜粋し、コメントや解説を加えてまいります(報酬改定内容については是非、皆様各自で追いかけていただければと思います。もしご質問等ございましたらいつでも気軽にご度相談下さい)。

「日頃からの備えと業務継続に向けた取り組みの推進」について(抜粋)

では、早速、中身を確認してまいりましょう。

まず1点目は、全てのサービスに関わる「感染症対策の強化」についてです(以下)。

感染症対策の強化【全サービス】

■ 介護サービス事業者に、感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底を求める観点から、以下の取組を義務づける。【省令改正】

・施設系サービスについて、現行の委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加え、訓練(シミュレーション)の実施

・その他のサービスについて、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等

(※3年の経過措置期間を設ける)

施設系サービスにおいては従来より設置が必須となっていた対策委員会ですが、こちらがサービスを問わず、全ての介護事業者にとって「義務」となりました(厚生労働省が敢えて「義務」という言葉を選択していることにも留意が必要です)。3年の猶予期間はあるものの、8期(20214月~20243月)中に本内容を実践しなければ「運営義務違反」に問われることになってしまいます。こちらについては早めに体制整備含め、然るべき準備をされることが求められてくるでしょう。

次に2点目、こちらも全サービスを対象とした内容「業務継続に向けた取組の強化」についてです(以下)。

業務継続に向けた取組の強化【全サービス】

■ 感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての介護サービス事業者を対象に、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等を義務づける。【省令改正】

(※3年の経過措置期間を設ける)

こちらも上記感染症対策と同様、「業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等」の内容が全ての事業者に「義務」付けられることになります。

「業務継続に向けた計画」とは、一般的にBCPBusiness Continuity Plan)と呼ばれるものです。甚だ私見ではありますが、大企業は別にして、全ての産業・業界を含め、中小企業でBCPを策定されている企業などは一般的に極めて少ない(と、言いますか、殆ど聞いたことがない)のではないかと思われます。そのような状況の中、規模の大小を問わず、全ての介護事業者にBCPの設置が「義務」付けられた、ということは、換言すれば、介護事業はそれだけ社会的な使命を背負っている、ということと同義であり、災害時においても特に、業務継続を担保しなければならない事業である、という位置づけがあらためて社会の中で明確になった、と理解すべきではないでしょうか(実際、コロナ禍の中で利用を控えられた高齢者のADLが一気に低下してしまったり、認知症状の進行が加速されたり、という事態に直面された方も相当数いらっしゃったのではないかと思います)。その意味では前述の感染対策同様、この「義務」という言葉に潜む意図をしっかり読み取り、BCPについては単に「形式上揃えました」という「借り物レベル」で終わらせるべきでないことは自明です(釈迦に説法であれば恐縮です)。また、上記で厚生労働省が提示している「介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」も大いに参考にすべきかとは思いますが、災害対策の対象は「感染症」だけではなく、自然災害や火災等も対象に入ってきます。是非、専門家にも相談しながら、実効性が高く、職員の皆様の安心感につながるようなBCPの策定、並びに運用を行っていただきたいと思います(人材の確保・定着にも少なからず影響を及ぼすものと思われますので)。

次に3点目、「通所系サービス」「短期入所系サービス」「特定、施設系サービス」を対象とした「災害への地域と連携した対応の強化について」を確認してまいりましょう。

災害への地域と連携した対応の強化【通所系サービス、短期入所系サービス、特定、施設系サービス】

■ 災害への対応においては、地域との連携が不可欠であることを踏まえ、非常災害対策(計画策定、関係機関との連携体制の確保、避難等訓練の実施等)が求められる介護サービス事業者(通所系、短期入所系、特定、施設系)を対象に、小多機等の例を参考に、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならないこととする。【省令改正】

地域密着サービスなどではそもそも、地域の方々と協働する形での「運営推進会議」の設置が必須となっていること等含め、上記「地域と連携した対応の強化」は比較的実践しやすいのかな、とも思われますが、今まで地域との接点を有してこなかったサービス施設・事業所については実践するにあたり、頭を悩ませる内容かもしれません。そのような施設・事業所様は逆にこの機会をチャンスと捉え、ここより積極的に地域と関わっていく契機としていくことが求められるものと思われます。

最後に、通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応を確認させていただきます(こちらは下記をお読みいただければ十分だと思われますので、コメント・解説等は割愛させていただきます。いずれかに該当する可能性が高い事業者様は速やかに確認の上、申請を行う段取りを問止めることをおススメする次第です)。

通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護

○ 通所介護等の報酬について、感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に、状況に即した安定的なサービス提供を可能とする観点から、以下の見直しを行う。

ア より小さい規模区分がある大規模型について、事業所規模別の報酬区分の決定にあたり、前年度の平均延べ利用

者数ではなく、延べ利用者数の減が生じた月の実績を基礎とすることができることとする。【通知改正】

イ 延べ利用者数の減が生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から5%以上減少している場合、3か月間(※

2)、基本報酬の3%の加算を行う(※3)。【告示改正】

現下の新型コロナウイルス感染症の影響による前年度の平均延べ利用者数等から5%以上の利用者減に対する

適用にあたっては、年度当初から即時的に対応を行う。

※1 ア・イともに、利用者減の翌月に届出、翌々月から適用。利用者数の実績が前年度平均等に戻った場合はその翌月に届出、翌々月まで。

※2 利用者減に対応するための経営改善に時間を要するその他の特別の事情があると認められる場合は一回の延長を認める。

※3 加算分は区分支給限度基準額の算定に含めない。

 

実行に備え、更なる業務効率化の推進を

以上、簡易ながら、今回は各サービス毎の個別の改定内容ではなく、多くのサービスに共通する内容からピックアップし、概要やポイントについてお伝えさせていただきました。上記内容を踏まえる中、「昨今、声高に叫ばれている“業務効率化”と逆行するような改正内容ではないか?」との意見も多く、実際にそのような側面も確かに否めないものと思われます。他方、社会保険を活用する形で事業を行っている介護事業として、その社会的使命から逆算的に考えれば上記内容は何らおかしな話ではなく、むしろ「今まで無かったことの方がおかしい」、という意見も一定程度存在しています。事業者としてはそのような社会的要請を踏まえ、自社の事業継続の可能性向上は勿論、法人によっては災害時における地域のセーフティネットとしても機能することを踏まえ、災害対策について、あらためて価値高い仕組みを法人の中に落とし込んでいく必要があるでしょう(と同時に、職員の業務負荷を軽減させる意味においても、その他業務の効率化にも今まで以上に注力していく必要性もあることも付言させていただきます)。

私たちも今後、上記に関する有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。

※本ニュースレターの引用元資料はこちら

199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16033.html

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