コラム

業務の持ち帰り禁止から職員の働き方改革を進める

 

Q、先生は、家庭の事情で帰らなくてはならず、残業はできません。通常の業務時間内は御遊具会まえの練習が立て込んでいたり、衣装づくりに時間は取れず、みんなに申し訳ない気持ちだったようです。そんなときにA先生がわたしは家で作ってくると申し出たそうです。

 園内で時間外労働をしている職員には、もちろん残業手当を払っています。でもA先生のような場合には、どうしたらよいのでしょうか?

 

A, まずは、自宅で行った業務内容、具体的な完成品、かかった時間数を確認して、園長が必要な時間数を確認し、残業手当を支払ってはどうでしょうか。問題は今後の対応をどうするかです。安易に自宅での業務を認めてしまうと、自宅での業務が多くなるでしょうし、

そもそも労働時間の把握ができません。

 やはり原則通り、①業務は命じられた場所で行う②業務時間内で終了できるように、業務のやり方を変える。という2点の対応が必要です。

 まずは就業規則に就業の場所は「○○園、および命じられた場所」と規定します。命じられた場所には、園児と一緒に行くお散歩や公園、外部の研修会場を想定しています。自宅を就業場所として命じなければ、業務を持ち帰ることはできません。

 就業規則に、「就業場所」を定め、職員毎の労働条件通知書にも同様の記載をします。

次に、業務のやり方を変えることについて、どんなことから始めたらいいか、園長と話をしました。「行事前に残業が増えるのは、これまでのやり方を踏襲していること、各クラスが

同じレベルの仕上がりを目指していることなどが原因かもしれません・・・・」と仰っていました。見方を変えると課題が見えてきます。行事のやり方などを変えることは、職員たちにとって自身にもなったようです。日常業務いついても、業務の完成イメージから必要な時間を逆算して取り組むなど業務時間内でやる方法を考え、チャレンジしてみると、手ごたえを感じるようなのです。これが、当園の「働き方改革」なのかもしれません。

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クリニック・医療機関に多い「固定残業代」支給について

Q、事務処理時間の簡便化のために、特定職員の残業代を定額支給にしていますが、職員から実際の残業にみあった金額が支給されているのか疑問の声が上がっています。医師の給与についても残業代を含めた年俸制で支給していますが、現状に何か問題があるでしょうか

A、

残業代の定額支給は法令違反を招きやすいだけでなく、長時間労働の温床にもなりやすいものです。医師の年俸制の問題も、労働時間の管理方法とともに見直すべき課題の一つです。

サービス残業が発生してしまう要因の一つに、「固定残業代」の問題があります。例えば、月給30万円、40時間分の残業代を含む、というように、割増残業を毎月定額手当として支給するもので、労働基準法上認められた制度です。

固定残業代は本来、事務処理の簡便化のために認められた制度です。残業時間がゼロの人にも40時間分まるまる支給されるため、仕事のできる人と、できない人の不公平感をなくす意味もありました。しかし、定額40時間分を超えた労働時間分は、割増分を支払うことになるため、定額支給にしたところで労働時間を把握する必要があり、それほどのメリットのある制度ではありません。結果的に50時間残業しても40時間の定額分しか支給されないなどサービス残業の温床になっています。

事務スタッフの少ない医療機関でも導入しているケースがありますが、「ダラダラ残業を招く」といった弊害を招くこともあります。

 例えばある整形外科病院では、理学療法士に対して、残業代を30時間の定額制で支給していました。ところが、残業をした時間分だけ支給額が増える本来のやり方ではないので、

残業時間に関する意識が薄れ、中には「どうせ残業代がでないから」と間違った認識でダラダラと居残る職員が増えてしまいました。そのためこの病院では固定残業代を廃止して、タイムカードと時間外勤務申請を併用して厳格に労働時間を管理する方法に改めました。結果的に、固定残業を廃止したことで、残業時間は15時間ほどに半減したといいます。

 残業代の定額支給の問題は、高額の年俸制で支給される医師の給与でもたびたび問題視されます。最近、医師の年俸に残業代が含まれているかが争われた裁判では、最高裁は「含まれていない」と判示したケースもあります(H2977日)「残業代と基本給を区別できない場合には残業代が支払われたとはいえない」として無効と判断されました。

 この最高裁判決は、残業代の区分が不明確な給与の支払い方法は例外なく認められないとの立場を鮮明にし、労働基準法の立場を遵守するよう管理者に求めたもので、医師の労務管理にも少なからず影響を与えそうです。

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保育現場の「ヒヤリ・ハット事例集」内閣府

ヒヤリ・ハット事例集
 

    政府は、教育・保育施設における送迎バス園児置き去りなどの事故を受け、命の危険につながりかねない事例100件を取りまとめた「ヒヤリ・ハット事例集」を公表した。おもに子供の所在や行動を把握できなくなった事例を中心に掲載している。

     「ヒヤリ・ハット事例集」は、2022年度「子ども・子育て支援調査研究事業」の国庫補助を受け、日本経済研究所が作成し2023年3月付で公開した。事例集の作成にあたっては、有識者や教育・保育団体、先行自治体を構成員とする「意見交換の場」を開催し、各団体の協力のもと収集。場面ごとの傾向や共通の注意事項について分析し、試行的に重大さのレベルをリスクに応じてレベル0~3の4段階に分類している。

    ヒヤリ・ハット事例は、「送迎バス」7件、「園外保育」25件、「園内(室外)保育」29件、「園内(室内)保育」39件の4場面100件。リスクレベルは、間違ったことが実施されたが子供には変化がなかった場合(実害なし)の「レベル1」が9割を占めている。

     最多は、園内(室内)保育での「抜け出し」19件。ついで園外保育での「見失い・行方不明」10件、園内(室外)保育での「抜け出し」10件、「置き去り」9件。「抜け出し」の要因は、職員の思い込みや確認不足のほか、子供の行動把握ができていなかったことなどが多くみられた。

     政府は、同事例集を各教育・保育施設が職員に対し園内で事故防止対策の研修を行う際に活用したり、行政などがヒヤリ・ハット事例集を作成する際の参考資料としての活用を想定。事故予防に役立ててもらいたいとしている。

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    【医師が解説】「ホームページだけ」は時代遅れ…高い患者満足度につなげる、クリニックの「SNS運用」戦略

    「SNS活用」が不可欠なワケ

    我々は普段、どういったことに1日の時間を使っているのでしょうか。昔はテレビを観たり新聞を読んだりしていた時間も、いまはスマホをチェックする時間に充てている、という人も少なくありません。

    なかでも、YouTubeやTikTok、FacebookやInstagramなど、「SNS」に時間を使っている人は非常に多いと思います。年代によって使うアプリに多少の差はあるものの、毎日1度はSNSをチェックする人が大半でしょう。

    であれば、「クリニックも時間とお金をかけ、SNSに力を入れる」というのもひとつの手なのではないでしょうか。

    一般的なクリニックは「B to C(クリニックから患者へ)」ですが、筆者が目指すところは「B to “F”(クリニックからファンへ)」。患者さまをクリニックのファンにすることです。筆者はそう考え、積極的にSNSの運用を行っています。

    ウェブサイトの場合、すべてのコンテンツをじっくりと見る方は少ないでしょう。なにか症状があったり、病気を疑ったりするときに、検索をかけるなどしてクリニックのHPを訪ねます。その際、患者が見る情報は予約の仕方や営業時間など、限られたポイントのみです。

    したがって、普段からクリニックの取り組みや考え方を伝えたり、あるいはイベント情報を宣伝したりする際には、SNSの活用が効果的です。

    SNSは「情報の鮮度」を生かす

    SNSを開くと、「タイムライン」上にフォローしているユーザーの直近1日~2日の出来事が流れてきます。やはりこの「情報の新鮮さ」や「タイムリーさ」が、SNSの特徴です。したがって、我々の考え方や施策を一気に出すのではなく、少しずつ出すのがいいでしょう。

    また、普段からSNSを利用している方はご存知かもしれませんが、SNSにおいては、ユーザーが1度クリックして見たものは最適化され、「おすすめ」としてまたすぐ見られるような仕組みになっています(=「アルゴリズム」)。

    ですから、こまめに小出しに情報を載せることによって、ユーザーにクリニックの情報を繰り返しチェックしてもらい、「B to “F”」でファンとしてクリニックに来てもらいましょう。

    ただし、タイムラインはどんどん流れていってしまいますから、本当に大事なお知らせなどはクリニックHPに掲載し、また投稿する際には必ずリンクを貼って、最終的にはクリニックHPに誘導する形で運用していきましょう。

    動画づくりも「トレンド」をおさえて

    いま、世の中は「ショート動画」ブームです。いまの人たちは5分以上の動画は観ませんし、30秒ほどでスワイプし、別の動画に移ってしまう人も少なくありません。

    クリニックが動画を作成するのであれば、この「同じ動画をじっと観てくれない」という特徴も踏まえて本数を分けるなど、「いかにして短い動画のなかに自分たちが伝えたいメッセージを入れ込むか」ということも考えて作る必要があります。

    とはいえ、ある程度長い尺のなかで我々の取り組みをじっくりと見てもらうことも大事でしょう。そこでたとえば、そのクリニックが行っている治療を短くまとめた動画をTikTokやInstagram、Facebookに載せ、長い尺がとれるYouTubeではしっかり詳しく説明したものを載せる。こういった流れを作るのはおおいに有効です。

    また、Webマーケティングにおいて、「セールスファネル」という方法があります。

    これは「営業活動における“漏斗”」という意味で、Webコンテンツを通して顧客を獲得する際に、入り口にその企業の認知を促すようなコンテンツを入れ、そこから少しずつユーザーの興味が湧くような情報を提供し、最終的に顧客を獲得していくという仕組みです。

    クリニックにおいても、複数のSNSを活用する場合には、このような戦略的な制度設計をしていく必要があるでしょう。

    SNS運用に不可欠な「ペルソナ」の設定

    SNS運用に重要なことが、もう1つあります。それは、「発信するコンテンツは対象のペルソナをはっきり意識して作らないと、ぼやけてしまう」ということです。

    「ペルソナ」とは、その商品やサービスの「たった1人の理想の顧客」のこと。「ターゲット」よりもいっそう具体的に「たった1人の理想の顧客」を想像し、その顧客が見るであろうコンテンツを作っていく必要があるのです。

    たとえば、70代の独身男性と、30代の既婚女性であれば、観るコンテンツの好みや種類は大きく変わってくるでしょう。それぞれに合わせたものを作っていかないと、そのコンテンツのゴールがあいまいになってしまいます。ファン(患者)獲得のためには、“Just for me”を提供していく必要がありますから、慎重になりたいところです。

    また、クリニックのSNS運用では、コンテンツのアップだけでなく「広告」も重要です。

    Instagramは20代、TikTokは10代に多く見られていますし、反対にFacebookの場合は40代以上のビジネスマンに多く見られています。広告を出す場合もターゲットに合わせて、出し方を変えていく必要があります。

    いずれにしても1つのSNSにすべてを埋め込むわけではなく、複数のSNSの活用をおすすめします。また、最終的に誘導するクリニックHPを充実させることもやはり必要です。あるいは、「MEO(Map Engine Optimization=マップエンジン最適化)」といって、主にGoogleマップを活用した認知度向上も有効でしょう。

    まとめ

    すべての業務に共通することですが、これらの対策は、継続しないと改善できません。まずは始めてみて、その後1ヵ月ごとに「何人がどの媒体からアクセスしていて結果的に来院し患者になっているか」を確認し、そこから自分たちのクリニックに合った媒体や運用方法を見極めていきましょう。

    世の中に沢山あるSNSは、そのクリニックにとって全部が全部、均等に効果が出るわけではありません。

    データを集めたうえで、さまざまな手段のなかから、どの方法がもっとも自分の目的に合っているか、また、費用対効果高いかなどを判断し、活用していきたいところです。

    また、これをクリニックのドクターが1人でやるのは本当に大変ですから、本腰を入れてSNSを運用する場合、外部の専門家のサポートを受けるか、スタッフのなかから専門の人を育てることも重要だと、筆者は考えます。

    出典:梅岡 比俊(うめおか ひとし)コラム

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    【介護報酬改定】訪問介護+通所介護の新サービス創設、審議会で慎重論相次ぐ 関係者の意見分かれる

    《 社保審・介護給付費分科会|8月30日 》

    来年4月の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で30日、訪問介護と通所介護を組み合わせた新たな複合型サービスの創設が取り上げられた

    新たな複合型サービスを創設する構想は、これから制度をどう見直すかを描いた昨年末の報告書に厚生労働省が盛り込んだもの。委員からは具体化を促す声があがった一方で、「必要性を感じない」といった否定的な発言も相次いだ。


    ◆ 地域密着型で創設


    厚労省は会合で、新たな複合型サービスの創設を検討する理由を改めて説明した。


    今後さらに在宅の介護ニーズが膨らんでいくこと、ホームヘルパー不足で訪問介護の供給量が足りなくなる懸念が強いこと、訪問介護と通所介護を共に運営している事業者が多いこと、などを列挙。例えば通所介護の事業所が訪問介護も提供できるようにすれば、人材など貴重なリソースをより有効に活用していけるのではないかという。


    厚労省は会合で、昨年度に実施した調査の結果も報告。通所介護の職員が訪問介護に携わるメリットを事業所に聞くと、


    ◯ 両サービスの連携・情報共有がしやすい

    ◯ 利用者との信頼関係を構築しやすい


    ◯ 利用者の状態をより正確に把握できる


    などの答えも多かったとした。


    厚労省は新たな複合型サービスを創設する場合、市町村が指定権者となる地域密着型サービスの一角に組み込む考え。1ヵ月ごとの包括報酬とする案なども出ている。


    焦点は報酬の多寡だけではない。ケアマネジメントを内包する形とするか、通所介護の事業所から訪問する職員にヘルパー資格を求めるか、なども意見が分かれている。また、小規模多機能など似た機能を有するサービスとの位置付けの整理が必要、と訴える関係者もいる。(介護ニュース)

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    訪問介護のヘルパー、2040年までに3.2万人増が必要 厚労省試算 「非常に厳しい状況」

    担い手の不足が極めて深刻な課題となっている介護保険の訪問介護について、厚生労働省は30日の審議会で、今後のニーズや必要なサービス量などの見込みを公表した

    2021年の時点でおよそ118万人だった1ヵ月あたりの利用者数が、2040年にはおよそ134万人まで増加するとした。


    足元の1事業所あたりの平均利用者数から計算すると、2040年には約4万件の事業所が必要になると説明。2021年の約3万5000件から、約5000件増やさなければならないと報告した。


    また、2040年には約28万3000人のホームヘルパーが必要になると試算。2021年の実績は約25万1000人で、そこから約3万2000人を追加的に確保しなければならないとした。


    あわせて、場合によってはヘルパーが更に必要となることも考えられると指摘。「現状から比較するとサービスの供給量が大きく不足していく可能性がある」との認識を示した。


    近年、訪問介護の事業所数は微増にとどまる傾向が続いている。ヘルパーは有効求人倍率が15倍を超えており、高齢化も急速に進んでいるのが現状。今後、拡大するニーズをカバーしきれなくなって介護難民が一段と増えてしまう懸念が強い。


    厚労省は審議会で「非常に厳しい状況」と認めた。来年4月の介護報酬改定に向けて、当面の対策を検討していく方針。この日の会合では、通所介護の事業所が訪問介護も提供できるようにする新たな仕組みを俎上に載せた。(介護ニュースより)

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    福祉用具の貸与・販売を選択制に 厚労省が正式に提案 歩行器やつえなど対象

    厚生労働省は28日、介護保険の福祉用具をレンタルで使うか、または購入して使うかを利用者が自ら選択できる新たな制度の導入を正式に提案した。

    福祉用具貸与・販売の見直しを議論している有識者会議で、「導入に向けた検討をお願いしたい」と委員に要請した。来年度の介護報酬改定をめぐる論点の1つになる。


    厚労省は固定用スロープや歩行器、つえなど相対的に廉価な種目を“選択制”の対象とする方針。貸与ではなく販売でも提供できるようにすることで、膨張する介護費の一定の抑制につなげられると見込む。


    例えば貸与が長期間に及ぶ利用者などでは、販売の方が自己負担が軽く済むケースがあることも考慮した。“選択制”が実際に導入されれば、福祉用具は一部の例外(*)を除いて利用者の状態変化に対応できる貸与が原則、としてきた基本的な考え方を変える大転換となる。

    * 一部の例外=入浴や排泄に関わるなど貸与がなじまない福祉用具

    厚労省は会議で、貸与か販売かを利用者に選んでもらうプロセスにも言及。介護支援専門員や福祉用具専門相談員が、サービス担当者会議などで説明して合意形成につなげる構想を描いた。


    いったん貸与に決まった後も、販売への切り替えの必要性を担当者会議などで6ヵ月ごとに協議していくことを提案。福祉用具専門相談員が6ヵ月に1回以上モニタリングを行い、使用方法や使用頻度、使用上の課題などを記録したうえで、利用者やケアマネジャーに交付する案も示した。


    また販売となった場合も、福祉用具専門相談員らが利用者からの要請に応じて必要なメンテナンス、使い方の指導などを実施していく仕組みも検討するとした。


    委員の立場は分かれた。厚労省の提案に賛同する声があがった一方で、否定的な意見も続出。「利用者が販売を選ぶと状態変化に対応できなくなり、安全性の確保も難しい」「本当に介護費の抑制につながるのか疑問」「ケアマネや福祉用具専門相談員らにより大きな負担がかかる」といった慎重論が相次いだ。


    厚労省はこうした意見を踏まえ、具体策を詰める議論を更に深める方針。担当者は会合後、「提案を再整理し、次回の会合で改めて提示したい」と述べた。(介護ニュースより)

    Q, 何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている

    A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

    弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

    • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

    評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

    • 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
    • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

    評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

    その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

     

    医療機関『社会保険における 106 万円・130 万円の壁とは』Q&A

    Q、これまで配偶者の扶養の範囲内で働きたいという理由から、年収を 103 万円以内で抑える職員や、130 万円未満で抑える職員がいました。今回、とあるパート職員から「年収を 106 万円未満で抑えたい」という申し出がありました。この「106万円」とは、どのような基準なのでしょうか。

    A, いわゆる「106 万円の壁」とは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の特定適用事業所において、社会保険の加入基準の 1 つとされているものです。特定適用事業所に該当するか否かは、病院・医院の正職員数※によって異なり、申し出のあったパート職員が、本当に年収 106 万円未満に抑える必要があるかは、状況に応じた判断が必要になります。

    解説

    1.パート職員が社会保険に加入する基準パート職員が社会保険に加入する基準は、正職員数※が100 人以下の病院・医院と 101人以上の病院・医院(特定適用事業所)で違いがあります。具体的には以下のとおりです。
    <特定適用事業所以外の事業所>
    正職員の 1 週間の所定労働時間および 1 ヶ月の所定労働日数が 4 分の 3 以上のパート職員が加入。
    <特定適用事業所>
    以下の 3 つの基準をすべて満たしたパート職員が加入。
    ① 1 週間の所定労働時間が 20 時間以上である
    ② 賃金の月額が 8.8 万円以上である
    ③ 学生でない


    パート職員がいう「年収 106 万円未満」とは、特定適用事業所の基準の②を年収に換算した額(8.8 万円×12 ヶ月≒106 万円)を指していると思われます。なお、収入の判断は②のとおり賃金の月額で行うため、年収 106 万円はあくまでも目安の額に過ぎません。

    2.106 万円の壁と 130 万円の壁の関係
    社会保険には 106 万円の壁と 130 万円の壁があるといわれますが、106 万円の壁はすでにみたように、特定適用事業所において社会保険に加入すべき基準の 1 つです。社会保険に加入することで、勤務する病院・医院で保険料を納めることとなります。一方の 130 万円の壁とは、年収が 130 万円以上になることで、配偶者や家族の健康保険
    の被扶養者や、国民年金の第 3 号被保険者から外れることを指します。被扶養者や第 3 号被保険者から外れた場合には、パート職員自身で、国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を納める必要が出てきます。


    3.変更となる特定適用事業所の範囲
    特定適用事業所の範囲は、2024 年 10 月から、正職員数※が 51 人以上の病院・医院まで拡大されます。また、国としては今後、最低賃金を引き上げることにより、これらの壁を意識せずに働けるような環境づくりを進める予定とされています。手取り収入を確保したいパート職員の関心が高い内容のため、その仕組みを理解しておくとよいでしょう。

    医療機関におけるサイバーセキュリティ対策

    年度内に取り組むサイバーセキュリティ対策
    医療機関等を狙うサイバー攻撃が増加し、手口も多様化・巧妙化しています。オンライン資格確認や電子処方箋の導入も加わり、より高いレベルのセキュリティ対策が求められる中、厚生労働省はガイドライン※1を改訂しました。

    チェックリストの作成が必須


    ガイドラインの記載事項のうち、何を優先して取り組むべきかは、チェックリスト※2で把握できます。立入検査時にはこのチェックリストの全項目について、日付(確認日と目標日)や回答等が記入されているかの確認が行われますので、対策が必要です。

    同チェックリストは、外部のシステム事業者の利用を想定した 2 部構成(医療機関用と事業者用)です。それぞれ 2023 年度用と 2024 年度用があり、進捗の目安にもなります。医療機関用では、2023 年度中に次の事項のすべてについて、対応することを目指します。

    2023 年度のチェック項目 医療機関版


     医療情報システム安全管理者の設置
     サーバ、端末 PC、ネットワーク機器の台帳管

     リモートメンテナンス(保守)を利用した機器
    の有無の確認
     システム事業者に対し、医療情報セキュリティ
    開示書の提出要請
     利用者の職種・担当業務別の情報区分ごとの
    アクセス利用権限設定
     不要なアカウントの削除(退職者や使用してい
    ないアカウント等)
     アクセスログ管理
     セキュリティパッチ(最新ファームウェアや更
    新プログラム)の適用
     接続元制限の実施
     インシデント発生時の連絡体制図の策定
    さらに 2024 年度は以下が追加されます。
    2024 年度の追加チェック項目 医療機関版
     バックグラウンドで動作する不要なソフトウェ
    アやサービスの停止
     インシデント発生時に診療を継続するための
    備え(必要な情報の検討、データやシステムの
    バックアップ、復旧手順の確認)
     サイバー攻撃を想定した事業継続計画
    (BCP)の策定
    専門的な知識や経験が必要となる分野です。外部のシステム事業者に相談しながら、早めに対策されることをお勧めします。
    ※1 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版(令和 5 年 5 月)」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
    ※2 「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001125392.pdf
    および、「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル」https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001105752.pdf

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