介護

Q ある介護職員のせいで退職者が続出しています。対応方法を教えてください。

A、事実を確認したうえで、服務規律にそって指導や制裁を検討しましょう。

退職者が辞めるときの本音は「辞めるのだから自分はもう関係ない」とか「辞めるときには問題を起こしたくない」という心理状態が働きますので、黙って身を引く職員は多いものです。

なかには今回のように、残される社員のために、とか自分にしか言えないことだから、ということで教えてくれる職員もいますので、これは大変ありがたいものです。

まずは、問題職員の行動が、退職者の言ったとおりなのかを確認する必要があります。一人だけの意見の場合にはどれだけ信ぴょう性あるかは、わかりません。ほかの職員からも聞き取りを行ったり、いつも以上に注意深く観察しておく必要があります。

 確認したうえで、間違いなく問題を起こしている場合には、その人を呼び出し、その程度によっては、指導しながら就業規則に定める制裁をあたえましょう。「制裁」という条文で、「利用者やその家族及び取引先などに不信招く応答など、対外的業務に誠実性を欠き、本法人の信用を傷つけた場合には罰則を与える」というような内容が定められていると思いますので、その条文を見せながら、具体的にどのような違反行為がおこなわれたのかを

説明し、指導していく必要があります。いきなりの解雇ではなく、指導や始末書から初めて段階的に指導していきます。そしてその指導内容は記録に残しておくようにします。

規律が守れない社員には、管理者は指導をあきらめてしまいがちです。しかし、あきらめてしまったら、利用者や従業員の安全はどのように守られるのでしょうか。

また、職場風土として「密告」ではなくて、よりよいサービスを提供するために何が必要かを、いつでもだれでも発言できる職場環境を整えることで、事業所全体を高めあっていく風土を形成していきましょう。

個別面談は「なかなか時間がとれなくて・・・・」は「優先順位が低い」ということ?

「業務で忙しいのでやっていません」「取り組む時間がありません」と社員から言われることがあります。評価制度の運用をサポートする中で「面談や振り返るの時間」を作ってくださいというと、このような言葉が返ってくるのです。

もちろん普段の仕事で忙しいのは十分承知していて、だからこそこのような時間を取ることが、成果の実現や成長に向けて非常に大きいのです。

もし「社長が大事な話があるから来週時間をあけてくれ」といわれたら「忙しいので時間がありません」という社員はあまりいないかと思います。

 つまり「忙しくてできないは」は「優先順が低い」といっていることなのです。

年間スケジュールをたてて、「優先順位が高い」業務として取り組みを

評価制度を運用することは、本来忙しいからこそ、生産性が低いままではなく、組織全体でこれを向上させていうために行うことなのです。ところが評価については、なぜか自分の業務だという認識が薄く、普段の業務とは別のところで会社がなんとなくやっていることと、他人事のようになってしまっていたりします。これをいかに自分ごとにして、通常業務よりも大事な「優先順位の高い業務」としていくことが出来るかが、評価制度の運用がうまくいくかどうか重要なポイントです。

年間スケジュールをたてて、会社全員がとても大事な「優先順位が高い」業務として取り組むようになると、間違いなく評価制度の効果が上がっていくでしょう。

 

Q入職して 1 ヶ月に満たない正職員が妊娠 4 ヶ月と判明しました。本人は産休と 育休を取りたいと言っていますが、希望どおり認めなければいけないのでしょ うか?

A職員から産前産後休業(産休)・育児休業(育休)の申し出があれば、事業所は、 原則として、その取得を認める必要があります。ただし、労使協定を締結するこ とで、勤続 1 年未満の職員の育児休業の申し出を拒むことができます。 (※以下では、今回の正職員の取扱いをとり上げます。)

 

詳細解説

1.妊娠・育児に係る休業制度 職員が妊娠した場合、出産予定 日前 6 週間(多胎妊娠の場合は 14 週間)、出産後 8 週間、産休を取 得できます。出産前は職員の請求 により休業を与えることになり、 出産後は、原則、就業させることはできません。 また、1 歳に達する日までの子どもを養育する 職員は、医院に申し出をすることで育休を取 得することができ、子どもが保育園に入園で きないなど一定要件を満たす場合、最長で子 どもが 2 歳に達するまで育休を延長すること ができます。 2.育休を取得できる人の例外 育休は、原則としてすべての正職員が申し 出可能ですが、医院は労使協定を締結するこ とにより、次に該当する職員からの申し出を 拒むことができます。 ① 入職 1 年未満の職員 ② 申し出の日から 1 年以内に雇用期間が終了 する職員 ③ 1 週間の所定労働日数が 2 日以下の職員 今回の職員は、産休が終了する時点では、入 職 9 ヶ月となるため①に該当し、労使協定を 締結している場合には、その育休の申し出を 拒むことができます。そのため、産休終了後は 育休を取得せずに復帰することとなります。 なお、①の判断は、育休の申し出の時点で行 うため、産休から復帰後の入職 1 年に達した 時点で、改めて育休の申し出をすることがで きます。育休を取得する際は、育休開始予定日 の 1 ヶ月前までに申し出ることになっている ことから、実際の育休の取得開始は入職後 1 年 1 ヶ月以降となります。 そもそも、育休は企業規模 に関わらず、法律で定められ ているため、就業規則等に定 めがなくても、職員が申し出 た場合には取得できます。今 回のケースのように、労使協定を締結するこ とにより申し出を拒む職員を定めることもで きるため、この機会に就業規則等の定めが適 切にされているか、また、労使協定を締結する かを確認しましょう。

6月に公表された「骨太方針2025」のポイントをおさえておきましょう

 

行政舵取りの「羅針盤」とも言える方針が明らかに

2025年6月13日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2025~「今日より明日はよくなる」と実感できる社会へ~」、通称「骨太方針2025」。2024年度(昨年度)はサブタイトルが「~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」と表されていたことを考えると、このトーンの変化にも何らかの意図・メッセージが含まれるのではないかな、と感じるところもあります。ともあれ、石破政権の発足以来初となる“骨太方針”、同政権があらためて何に注力をしようとしているのか?本方針書の中で、高齢者介護業界・障がい福祉業界に対してはどのような言及が為されているのか?今回は特に事業者にとって特に関係が深そうな部分を抜粋し、お届けしてまいります。

「骨太方針2025」で採り上げられている高齢者介護・障がい福祉業界に関連するテーマ・トピックス

では、早速、中身に移ってまいりましょう。

先ず最初のテーマ、「個別業種における賃上げに向けた取組」からの抜粋についてです(特に重要・関係が深いと思われる箇所については太字&下線を引いています。以下、同じ)。

 

(個別業種における賃上げに向けた取組)

医療・介護・障害福祉の処遇改善について、過去の報酬改定等における取組の効果を把握・検証し、2025年末までに結論が得られるよう検討する。

 

続いてのテーマ、「医療・介護・こどもDX」からの抜粋についてです。

 

(医療・介護・こどもDX)

医療DX工程表に基づき、医療・介護DXの技術革新の迅速な実装により、全国で質の高い効率的な医療・介護サービスが提供される体制を構築することについて、必要な支援を行いつつ、政府を挙げて強力に推進する。(中略)介護情報基盤の整備、診療報酬改定DX、薬局が有する情報の標準化とDXを進める。

 

続いてのテーマ、「誰一人取り残されない社会の実現」の中にある「共生・共助」からの抜粋についてです。

 

(共生・共助)

国民一人一人が生きがいや役割を持つ包摂的な地域共生社会を実現する。全国で必要な介護・福祉サービスを確保するため、外国人を含む人材確保対策を進める。ヤングケアラー、ワーキングケアラーなど年代や就労の有無を問わず、ケアラーへの地方公共団体の取組を支援するとともに、NPO等民間団体と連携した若者支援を推進する。(中略)旧優生保護法補償金等支給法に基づく補償金等を支給するとともに、「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画」に沿って、障害の社会モデルの考え方に基づく施策を推進する。「障害者基本計画(第5次)」に基づき、障害者差別の解消、ユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリーの取組の推進、就労や地域生活の支援、アクセシビリティ向上を促進する。

 

続いてのテーマ、「女性・高齢者の活躍」からの抜粋についてです。

 

(女性・高齢者の活躍)

我が国が「超高齢社会」を迎える中、「高齢社会対策大綱」に基づき、全ての世代の人にとって持続可能で、年齢に関わりなく希望に応じ活躍し続けられる社会を構築する。高齢期のニーズに応じたきめ細かなマッチングの推進等により、多様な就業等の機会の提供を官民連携して推進する。「認知症施策推進基本計画」を踏まえ、新しい認知症観に基づく施策を推進するとともに、地方公共団体における計画策定を進める。認知症の人の成年後見制度の利用を促進する。身寄りのない高齢者等への支援や総合的な権利擁護支援について検討するとともに、高齢者等終身サポート事業者ガイドラインの実効性確保など独居高齢者に対する政府横断的な対応を行う。遺言制度の見直しを検討する。

 

続いてのテーマ、「全世代型社会保障の構築」からの抜粋についてです。

 

(全世代型社会保障の構築)

本格的な少子高齢化・人口減少が進む中、技術革新を促進し、中長期的な社会の構造変化に耐え得る強靱で持続可能な社会保障制度を確立する。このため、「経済・財政新生計画」に基づき、持続可能な社会保障制度を構築するための改革を継続し、国民皆保険・皆年金を将来にわたって維持し、次世代に継承することが必要である。

医療・介護・障害福祉等の公定価格の分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保がしっかり図られるよう、コストカット型からの転換を明確に図る必要がある。このため、これまでの歳出改革を通じた保険料負担の抑制努力も継続しつつ、次期報酬改定を始めとした必要な対応策において、2025年春季労使交渉における力強い賃上げの実現や昨今の物価上昇による影響等について、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行う。

このため、2024年度診療報酬改定による処遇改善・経営状況等の実態を把握・検証し、2025年末までに結論が得られるよう検討する。また、介護・障害福祉分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善や業務負担軽減等の実現に取り組むとともに、これまでの処遇改善等の実態を把握・検証し、2025年末までに結論が得られるよう検討する。また、事業者の経営形態やサービス内容に応じた効果的な対応を検討する。

 

続いてのテーマ、「中長期的な時間軸を見据えた全世代型社会保障の構築」についてです。

 

(中長期的な時間軸を見据えた全世代型社会保障の構築)

現役世代が急速に減少し、高齢者数がピークを迎える2040年頃を見据えた中長期的な時間軸も視野に入れ、現役世代の負担を軽減しつつ、年齢に関わりなく、能力に応じて負担し、個性を活かして支え合う「全世代型社会保障」の構築が不可欠である。改革工程を踏まえ、医療・介護DXやICT、介護テクノロジー、ロボット・デジタルの実装やデータの二次利用の促進、特定行為研修を修了した看護師の活用、タスクシフト/シェアなど、医療・介護・障害福祉分野の生産性向上・省力化を実現し、職員の負担軽減や資質向上につなげるとともに、地域医療連携推進法人、社会福祉連携推進法人の活用や小規模事業者のネットワーク構築による経営の協働化・大規模化や障害福祉サービスの地域差の是正を進める。医療機関、介護施設、障害福祉サービス等事業者の経営情報の更なる見える化を進める。医療・介護・障害福祉分野の不適切な人材紹介の問題について実効性ある対策を講ずる。

 

続いてのテーマ、「中長期的な介護提供体制の確保等」からの抜粋についてです。

 

(中長期的な介護提供体制の確保等)

医療・介護ニーズを抱える高齢者や独居高齢者が増加する中、要介護状態や認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、中長期的な介護サービス提供体制の確保のための方向性を2025年中にまとめる。具体的には、2040年以降を見据え、人口減少や高齢化の進展によるサービス需要の地域差に応じ、中山間地域での柔軟な対応など各地域で地域包括ケアシステムを深化させるための方策を整理しつつ、地域医療構想を踏まえた医療・介護連携や介護予防の強力な推進、質の高いケアマネジメントの実現を含めた多職種間の連携や相談体制の充実、介護テクノロジーの社会実装に向けた実証・導入・伴走支援による生産性向上、事業者間の連携・協働化や大規模化の経営改善の取組や、ワーキングケアラーへの対応など官民連携による介護保険外サービスの普及、外国人を含む介護人材の確保・定着を支援する。有料老人ホームの運営やサービスの透明性と質を確保する。介護保険制度について、利用者負担の判断基準の見直し等の給付と負担の見直しに関する課題について、2025年末までに結論が得られるよう検討する。

 

最後のテーマ、「予防・健康づくり、重症化予防」からの抜粋についてです。

 

(予防・健康づくり、重症化予防)

高齢者の社会参加促進や要介護認定率の低下に向け、データを活用したエビデンスに基づく取組として、地域の多様な主体の連携協力や、成果指向型の取組等による効果的な介護予防やリハビリテーションを充実する。

 

当社提言: 国策の“風”を読み取り、早め早めの準備を

以上、「骨太方針2025」より、高齢者介護・障がい福祉業界に直接関係の深そうな部分のみを抜粋してお伝えさせていただきました。繰り返しになりますが、本内容は国全体の舵取りの羅針盤方針的な位置づけであり、それ故、相応の重みを伴なった情報であることを強く認識しておく必要があろうかと思います。

事業者としては上記内容を踏まえつつ、「これらの情報に対し、自社としてどう適応していくか?」について事前に頭を働かせておくことは勿論、内容によっては打ち手や対策を早急に検討・開始していくことが重要だと思われます。是非、本情報を有効に活用していただければ幸いです。私たちも今後、引き続き、本テーマを含め、より有益な情報や事例を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。

 

※本ニュースレターの引用元資料はこちら

↓

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2025/2025_basicpolicies_ja.pdf

 

 

参議院選で議席数を大きく伸ばした2党の政策・公約の中で、介護業界に深く関連する内容を確認しておきましょう

与党に大きな痛手となった参議院選挙

2025年7月20日(日)に行われた、第27回参議院選挙。結果としては自民党が39議席(非改選62議席と合わせて合計101議席)、公明党が8議席(非改選13議席と合わせて合計21議席)となり、与党議席数が合計122議席(=過半数となる125議席を割り込む)、という形で着地しました。一方、野党で大きく躍進したのは国民民主党(改選17議席+非改選5議席=22議席の獲得(選挙前は9議席))、そして参政党(改選14議席+非改選1議席=15議席の獲得(選挙前は2議席))であったことは皆様もご承知の通りです。このような状況下、今後、国政において発言権が増してくるかもしれない両党が我々介護業界に関連してどのような公約を掲げているのか?を確認しておくことは、介護業界に携わる皆様にとって、とても大切なことなのかもしれません。今月は、今回の選挙で大きく注目されることとなった国民民主党及び参政党の、特に介護業界に関連が深そうな政策・公約について採り上げ、確認してまいります。

 

国民民主党が公表している公約・政策とは

では、早速、中身に移ってまいりましょう。先ずはは国民民主党「各論政策」からの抜粋です。全部で8個の論点をピックアップしています(特徴的だな、と感じた部分は下線太字にしています)。

 

「令和の所得倍増計画」

介護職員、看護師、保育士等の給料倍増

特に、公定価格が給料決定に影響を及ぼす介護職員、看護師、保育士等の方々については10年で地域の実情を勘案しつつ給料を2倍にするとともに、地域手当の見直しを行います。処遇改善加算等は対象者に直接給付します。現在対象とされていない介護従事者については対象にします。

 

「現役世代・次世代の負担の適正化に向けた社会保障制度の確立」

年齢ではなく能力に応じた負担

医療・介護・障害福祉等にかかる自己負担の合計額に上限を設ける総合合算制度を創設します。

 

予防医療・リハビリテーション

健康寿命を延ばすため、認知症予防を含めた予防医療やリハビリテーションを充実させ、フレイル(加齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間状態になること)予防を促進させます。

 

介護サービス・認知症対策の充実

介護サービスの質を確保し、いのちや暮らしの基盤を立て直すため、政府が引き下げた訪問介護の基本報酬を引き上げ、全ての介護職員の賃金を引き上げます。また、介護DXの推進による介護現場の効率化を図るとともに、かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携推進、在宅サービスの充実、配食や見守りなどの促進を行い、「地域包括ケアシステム」の取り組みを拡充、強化します。さらに、認知症予防事業や認知症患者の徘徊対策などを推進します。介護職員の質を担保するために介護福祉士の上位資格「地域包括ケア士(仮)」を制度化し報酬に反映させるようにします。

 

介護研修費用補助

介護職員の人材確保と職場への定着を図ることを目的として、介護職員研修(初任者研修・実務者研修・介護支援専門員実務研修)を修了した方に研修費用の一部を補助します。

 

介護福祉士国家試験に母国語併記

外国人介護人材を受け入れていくにあたり、介護福祉士国家試験が日本語のため、合格率が低い状況にあり帰国してしまうケースが多いのが現状です。日本語に合わせて母国語を併記してもらい、資格の取得がしやすい環境を整備することにより、外国人介護人材が将来にわたり日本で活躍しやすい環境を整備します。

 

ケアマネジャー更新研修の廃止、負担の軽減

現在、ケアマネジャー(介護支援専門員)業務に従事するためには5年毎に研修を受ける必要があります。研修内容は都道府県によりばらつきがあり、長時間の研修や研修費用等は受講者に大きな負担が強いられます。そのため、ケアマネジャーの更新研修を廃止します。また、現在の都道府県主体の体制を見直し、全国一律でケアマネジャーの質の確保を図ります。

 

介護と仕事の両立支援

介護休業の期間を延長したり、介護休暇を時間単位で取得できるようにするなど、介護する家族の立場に立って、介護と仕事が両立できる環境を整えます。

 

参政党が公表している公約・政策とは

続いては参政党「Political Measures(政策)」からの抜粋です。興味深いことに、参政党においては介護・福祉業界について明確に触れてられている内容は見当たらないため、「高齢者」をテーマにした施策部分を2か所、抜粋致します。

 

健康で医療費削減に協力した高齢者には国内旅行券を配布し、外国人に依存しない観光業に再構築する。

 

日本の医療費は年間約45兆円にも達し、国民一人あたりで換算すると36万円という莫大な額になります。この状況を放置すれば、社会保障制度そのものが持続不可能となり、次世代への負担がますます重くなっていくことは明白です。参政党は、この医療費の削減と高齢者の健康増進、さらには国内観光産業の再生を同時に実現する革新的な政策として、「Go To トラベルによる医療費削減インセンティブ制度」を提案します。

具体的には、高齢者で、一定期間、健康を維持し、医療費削減に貢献された方に対して、国内旅行で使えるクーポン券を支給する仕組みです。これは単なるご褒美制度ではなく、医療資源の適正利用を促し、健康維持に対する意識を高めるインセンティブとなります。試算では、こうした高齢者のうち2割が医療サービスを利用しなかった場合、約5兆円規模の医療費が削減できると見込まれています。

この制度の導入にあたっては、医療機関との連携を強化し、予防医療のエビデンスに基づいたサービスを健康保険の対象とする制度改革も併せて実施します。生活習慣病の予防や健康診断、運動プログラムなど、予防に資する行動を積極的に支援し、高齢者が病気になる前に健康を守る仕組みを確立します。

また、この政策は医療費削減だけでなく、インバウンド(訪日外国人観光客)に依存してきた観光産業を再構築するチャンスでもあります。高齢者を中心とした国内旅行需要の喚起により、地方経済の活性化と観光インフラの有効活用を促進します。さらに、医療財政の健全化によって、将来的な保険料や税負担の抑制にもつながるため、国民全体にメリットがある施策です。

健康を保つことが経済的な価値を持ち、喜びや楽しみと結びつく社会を実現することで、高齢者のQOL(生活の質)を高めながら、国の医療制度も守る。これが参政党が目指す「自立と支え合い」の新しい社会保障のかたちです。

 

人生100年時代に向け、高齢者が年齢を問わず活躍できる環境を整備する

 

医学の進歩や生活習慣の改善により、平均寿命が大幅に延び、人生100年時代が到来するとされている。他方、日本においては人材不足が年々深刻になる中、人生経験や職務経験の豊富な高齢者への働き手や地域共同体の担い手としての期待が益々高まっている。高齢者が年齢を問わず活躍できる新しい時代に合った人生設計が可能な社会環境を、どの国よりも早く高齢化が進む日本においてこそ、他国に先駆けて整備する必要がある。

<主な施策>

〇働く意欲を低下させず、生活の安心感の向上につながる年金制度への改革(在職老齢年金の廃止等)。

〇年齢や勤務場所によらず活躍できる労働環境整備に係る企業の投資を支援(生成AI、ロボティクス、高速通信網等への投資に対する税制優遇等)。

〇高齢者雇用安定法の強化により、現在の仕事の継続(定年延長や継続雇用等)の他、社会貢献事業での就業を強力に推進(企業による農業法人設立と雇用の確保等)。

〇介護と農業を両立させる事業の推進(ケアファーム)。

〇意欲と能力のある高齢者を対象とする起業⽀援プログラムの整備(メンタリング、事務系ワーク⽀援等)と、起業者への優遇税制の適⽤。

〇伝統工芸、伝統芸能、郷土の歴史を、高齢者が参画して継承する活動の場づくりを推進。

 

当社からの提言:各党からの主張・メッセージ、違いをしっかり把握しておくことが重要

以上、今月は参議院選挙の結果を受け、国民民主党及び参政党に絞って公約・政策からの抜粋を行わせていただきました。同テーマに対する記載の有無等異なる点が多いため、一概に比較できる訳ではないとは思われますが、両党のポリシーが明確に感じ取ることが出来るという点で非常に興味深い内容だと思われます。一国民・一有権者として、今回のように介護・福祉業界や高齢者に関連する内容は勿論、それ以外の内容についても各党の主張・メッセージを踏まえておくことはとても重要なことです。その意味でもあらためてお時間のある際に下記リンク先の内容に目を通すことは勿論、両党以外の各政党の主張・考えを理解した上で日々の政治や行政の動きや発信内容に臨んでいくことが重要ではないか、と考える次第です。

 

※本ニュースレターの引用元資料はこちら。

https://new-kokumin.jp/file/DPFP-PolicyCollection2025.pdf

https://sanseito.jp/political_measures_2025/specific_policies/

Q、何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている.

「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。

A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

  • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

 

部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。

  • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

 

Q 上司からのパワハラと通常の指導・教育の違いは何か?

 

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしましたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れようとしません。注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

 

A 

パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われると上司は注意する出来ないのではないかと思ってしまうケースも散見されます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、厚生労働省は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 

Q, 「振替休日」と「代休の違い」について

Q 当院では休日出勤をした後に、他の平日を休日として休む時には「代休」と呼んでいますが、「振替休日」との違いがよくわかりません。また振替休日として処理する場合の基準などは、事情所ごとにきめてもよいものでしょうか?

A 振替休日と代休とは全くの別物で、法律上の扱いが異なります。休日出勤する予定があらかじめわかる状況ならば、振替休日で処理できますが、スタッフの急な欠勤や緊急対応などで休日出勤を余儀なくされた場合は、代休として処理すべき場面が多いと思われます。

 

詳細解説

 振替休日と代休を区別して運用している医療機関や施設は、そう多くありません。振替休日は労働基準法に基づいた制度であり、代休は労働基準法の定めは無く、設けるか設けないかは事業所が自由に決められます。両者の違いを端的に言うと「振替休日は事前の振り替え、代休は事後の振り替え」です。

 

  • 振替休日とは

所定の休日と労働日を入れ替える事。例えば、日曜日と同一週の火曜日を入れ替えた場合に、もともと休日だった日曜日が労働日となるだけなので、その日に働いても休日労働扱いにはならず、休日割り増しを支払う必要はありません。但し、翌週に振り替えたことで、その週の法定労働時間を超えた時には時間外の割増賃金を支払う必要があります。

また、休日振替を行う場合には①就業規則に規定すること②振り替える日を事前に(前日までに)指定すること、等の成立要件があります。

 

  • 代休とは

 振替休日との違いは、既に休日出勤をした後の処理方法ということです。実際に休日労働をした後に、その代償として他の日を休ませるということです。あとで休日を与えたからと言っても、休日労働は既に行われていますので、休日労働した日が法定休日であれば、35%の割り増し部分の支払いは必要となります。

 また代休は、任意規定なので、代休を付与するかしないかはく事業所側が自由に決められますが、制度として運用する場合には就業規則に規定する必要があります。

 医療機関の場合、急な欠勤や業務の都合で休日出勤を余儀なくされ、後日休めるときに休むという、事後の振り替えである「代休」として運用すべき場面が多いのではないでしょうか。

介護現場の新インフラ「介護情報基盤」、2028年4月までに全国で運用開始 厚労省通知 事業所への補助も

厚生労働省は22日、新たな「介護情報基盤」の運用開始に向けた具体的なスケジュールを、介護保険最新情報Vol.1405で全国に通知した。

 

新たな「介護情報基盤」は、利用者、事業所、医療機関、市町村などがオンラインで迅速に閲覧・共有できるクラウドのインフラ。

 

新たな「介護情報基盤」は、介護保険証や要介護認定、主治医意見書、ケアプランといった必要な情報を、利用者、事業所、医療機関、市町村などがオンラインで迅速に閲覧・共有できるクラウドのインフラ。紙や郵送でのやり取りをデジタル化し、介護現場の事務負担の軽減を実現するとともに、より質の高い情報連携、サービスの提供につなげる狙いがある。

介護現場の負担軽減と情報連携の迅速化・高度化を目指す国の重要施策で、自治体ごとの準備状況に合わせ、来年4月から活用を順次スタートする。そこから2028年4月までに、全国すべての市町村で運用を始めるとの日程を明確にアナウンスした。


通知では、介護事業所や医療機関に必要な環境整備の支援策にも言及。国保中央会のポータルサイトを通じた申請により、カードリーダーの導入や端末の設定支援などに対する補助を行う方針を明示した。


さらに、既存の「ケアプランデータ連携システム」を「介護情報基盤」に統合する計画も改めて示し、これを業務の効率化やケアの質の向上につなげると説明した。

情報連携の一元化で業務を効率化

この「介護情報基盤」を利用するには、各事業所がそれぞれクラウドにアクセスできる環境を整える必要があり、セキュリティを確保するためのクライアント証明書の導入、カードリーダーの導入、端末ごとの初期設定なども求められる。厚労省はこうした準備への負担を考慮し、新たな補助制度を設けることにした。


既存の「ケアプランデータ連携システム」を統合すれば、事業所が1つのWebサービスから多くの情報を閲覧・共有できるようになり、利便性とコスト効率の双方の向上が見込まれる。厚労省は今後、「介護情報基盤」の円滑な運用開始に向けて、手続きや補助などの詳細を順次周知していく考えだ。

週休3日制は介護現場をどう変えるか 制度導入と“働き方再設計”の現在地

「週休3日制」は介護現場に馴染むのか?


柔軟な働き方の実現が政策的にも求められる中、介護業界でも「週休3日制」の導入が注目されています.

国の「こども未来戦略」や第9期介護保険事業計画に基づく「総合的な介護人材確保対策」でも、週休3日制の推進が明記されており、育児・介護との両立、副業・兼業への対応などを背景に、柔軟な働き方のひとつとして全国的な機運が高まりつつあります。


すでに一部自治体ではモデル事業が展開されています。宮城県や福島県の介護事業者では、導入を契機に求人応募数が増加した、通勤回数が減って生活が安定したなど、一定の成果が報告されています。今年度から大阪府もモデル事業所を開始しました。


週休3日制は、特に、これまで介護職に関心のなかった若年層や異業種からの応募を呼び込む事例を生んでおり、新たな層へのアプローチ手段となっています。また、採用促進や離職防止に加え、職員のエンゲージメントや勤務満足度の向上、職場の一体感の醸成など、間接的な効果も指摘されています。働きやすい環境は、結果として介護の質を高めることにもつながります。

 実は“全員がハッピー”とは限らない? 制度の落とし穴とヒント


ただ、週休3日制を導入すれば即効果が得られるわけではありません。たとえば、完全週休3日制を導入した法人では、採用効果が顕著であった一方、従来の勤務形態に慣れた中堅職員が新制度に適応できず、結果として退職に至ったケースもあります。


制度が新しいからこそ、こうした影響は長期的に検証していく必要があります。定着率や離職率などの実質的な効果は、時間をかけてこそ見えてくるものです。新たな制度を導入する際には、新規採用者だけでなく、今いる職員をいかに大切にするかという視点も欠かせません。

 

ここで注目されるのが、「選択的週休3日制」という考え方です。完全週休3日制しか選択肢がない場合、かえって働き方の自由度が狭まり、制度が逆効果になるおそれがあります。


一方で、シフト調整が複雑になることから、完全週休3日制の導入を希望する法人が多いのも事実です。解決策として、例えば、法人内に旧来通りの勤務が可能な部署を残す、短時間勤務制度と組み合わせるなど、多様な働き方の選択肢を確保することが求められます。


特に、新人職員や外国人職員にとって、入職初期はOJTやコミュニケーションが重要な時期であるため、まずは週休2日制で進め、段階的に移行するなど、柔軟な設計も考えられます。


現場の懸念や不安に丁寧に向き合い、試行期間を設けたうえで、段階的な導入を進めていくことが、制度定着の鍵になると考えられます。


「休みを増やす」だけではない、これは“働き方改革”そのもの


さらに重要なのは、週休3日制を「休日数の変更」ではなく、「働き方の再設計」として捉える視点です。業務の棚卸しや間接業務の標準化、ICTの活用、eラーニングの導入、スポット人材の活用など、複合的な取り組みを並行して行う必要があります。制度の持続的な運用には、管理職の負担軽減やマネジメント支援も不可欠です。


週休3日制は、ゴールではなくスタートです。制度の導入をきっかけに、職員一人ひとりのライフスタイルに合った働き方を実現し、より持続可能で魅力ある介護現場をつくる第一歩とすることが期待されます。

 

お電話でのお問い合わせ

03-6435-7075(平日9:00~18:00)

営業時間外のお問い合わせはこちらから

相談・ご依頼の流れはこちら

YouTube チャンネル

メールマガジン無料登録

当社代表林正人の著書『社労士が書いた 介護「人材」の採用・育成・定着のための職場作り』が出版されました。

社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティングの情報セキュリティマネジメントシステムは、GCERTIにてISO/IEC 27001:2022の認証を受けています。【認証番号GIJP-2209-IC】
SRPⅡ認証は、社会保険労務士事務所の「信用・信頼」の証です。
社労士法人ヒューマンスキルコンサルティングは、全国社会保険労務士会連合会より社会保険労務士個人情報保護事務所として認証を受けています。【認証番号第1602793号】
→SRPⅡ認証(全国社会保険労務士連合会)
▲
menu