医療
「SNS活用」が不可欠なワケ
我々は普段、どういったことに1日の時間を使っているのでしょうか。昔はテレビを観たり新聞を読んだりしていた時間も、いまはスマホをチェックする時間に充てている、という人も少なくありません。
なかでも、YouTubeやTikTok、FacebookやInstagramなど、「SNS」に時間を使っている人は非常に多いと思います。年代によって使うアプリに多少の差はあるものの、毎日1度はSNSをチェックする人が大半でしょう。
であれば、「クリニックも時間とお金をかけ、SNSに力を入れる」というのもひとつの手なのではないでしょうか。
一般的なクリニックは「B to C(クリニックから患者へ)」ですが、筆者が目指すところは「B to “F”(クリニックからファンへ)」。患者さまをクリニックのファンにすることです。筆者はそう考え、積極的にSNSの運用を行っています。
ウェブサイトの場合、すべてのコンテンツをじっくりと見る方は少ないでしょう。なにか症状があったり、病気を疑ったりするときに、検索をかけるなどしてクリニックのHPを訪ねます。その際、患者が見る情報は予約の仕方や営業時間など、限られたポイントのみです。
したがって、普段からクリニックの取り組みや考え方を伝えたり、あるいはイベント情報を宣伝したりする際には、SNSの活用が効果的です。
SNSは「情報の鮮度」を生かす
SNSを開くと、「タイムライン」上にフォローしているユーザーの直近1日~2日の出来事が流れてきます。やはりこの「情報の新鮮さ」や「タイムリーさ」が、SNSの特徴です。したがって、我々の考え方や施策を一気に出すのではなく、少しずつ出すのがいいでしょう。
また、普段からSNSを利用している方はご存知かもしれませんが、SNSにおいては、ユーザーが1度クリックして見たものは最適化され、「おすすめ」としてまたすぐ見られるような仕組みになっています(=「アルゴリズム」)。
ですから、こまめに小出しに情報を載せることによって、ユーザーにクリニックの情報を繰り返しチェックしてもらい、「B to “F”」でファンとしてクリニックに来てもらいましょう。
ただし、タイムラインはどんどん流れていってしまいますから、本当に大事なお知らせなどはクリニックHPに掲載し、また投稿する際には必ずリンクを貼って、最終的にはクリニックHPに誘導する形で運用していきましょう。
動画づくりも「トレンド」をおさえて
いま、世の中は「ショート動画」ブームです。いまの人たちは5分以上の動画は観ませんし、30秒ほどでスワイプし、別の動画に移ってしまう人も少なくありません。
クリニックが動画を作成するのであれば、この「同じ動画をじっと観てくれない」という特徴も踏まえて本数を分けるなど、「いかにして短い動画のなかに自分たちが伝えたいメッセージを入れ込むか」ということも考えて作る必要があります。
とはいえ、ある程度長い尺のなかで我々の取り組みをじっくりと見てもらうことも大事でしょう。そこでたとえば、そのクリニックが行っている治療を短くまとめた動画をTikTokやInstagram、Facebookに載せ、長い尺がとれるYouTubeではしっかり詳しく説明したものを載せる。こういった流れを作るのはおおいに有効です。
また、Webマーケティングにおいて、「セールスファネル」という方法があります。
これは「営業活動における“漏斗”」という意味で、Webコンテンツを通して顧客を獲得する際に、入り口にその企業の認知を促すようなコンテンツを入れ、そこから少しずつユーザーの興味が湧くような情報を提供し、最終的に顧客を獲得していくという仕組みです。
クリニックにおいても、複数のSNSを活用する場合には、このような戦略的な制度設計をしていく必要があるでしょう。
SNS運用に不可欠な「ペルソナ」の設定
SNS運用に重要なことが、もう1つあります。それは、「発信するコンテンツは対象のペルソナをはっきり意識して作らないと、ぼやけてしまう」ということです。
「ペルソナ」とは、その商品やサービスの「たった1人の理想の顧客」のこと。「ターゲット」よりもいっそう具体的に「たった1人の理想の顧客」を想像し、その顧客が見るであろうコンテンツを作っていく必要があるのです。
たとえば、70代の独身男性と、30代の既婚女性であれば、観るコンテンツの好みや種類は大きく変わってくるでしょう。それぞれに合わせたものを作っていかないと、そのコンテンツのゴールがあいまいになってしまいます。ファン(患者)獲得のためには、“Just for me”を提供していく必要がありますから、慎重になりたいところです。
また、クリニックのSNS運用では、コンテンツのアップだけでなく「広告」も重要です。
Instagramは20代、TikTokは10代に多く見られていますし、反対にFacebookの場合は40代以上のビジネスマンに多く見られています。広告を出す場合もターゲットに合わせて、出し方を変えていく必要があります。
いずれにしても1つのSNSにすべてを埋め込むわけではなく、複数のSNSの活用をおすすめします。また、最終的に誘導するクリニックHPを充実させることもやはり必要です。あるいは、「MEO(Map Engine Optimization=マップエンジン最適化)」といって、主にGoogleマップを活用した認知度向上も有効でしょう。
まとめ
すべての業務に共通することですが、これらの対策は、継続しないと改善できません。まずは始めてみて、その後1ヵ月ごとに「何人がどの媒体からアクセスしていて結果的に来院し患者になっているか」を確認し、そこから自分たちのクリニックに合った媒体や運用方法を見極めていきましょう。
世の中に沢山あるSNSは、そのクリニックにとって全部が全部、均等に効果が出るわけではありません。
データを集めたうえで、さまざまな手段のなかから、どの方法がもっとも自分の目的に合っているか、また、費用対効果高いかなどを判断し、活用していきたいところです。
また、これをクリニックのドクターが1人でやるのは本当に大変ですから、本腰を入れてSNSを運用する場合、外部の専門家のサポートを受けるか、スタッフのなかから専門の人を育てることも重要だと、筆者は考えます。
出典:梅岡 比俊(うめおか ひとし)コラム
⇒クリニック・医療業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
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A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。
弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。
- 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。
評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。
- 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
- はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。
評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。
その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。
Q、これまで配偶者の扶養の範囲内で働きたいという理由から、年収を 103 万円以内で抑える職員や、130 万円未満で抑える職員がいました。今回、とあるパート職員から「年収を 106 万円未満で抑えたい」という申し出がありました。この「106万円」とは、どのような基準なのでしょうか。
A, いわゆる「106 万円の壁」とは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の特定適用事業所において、社会保険の加入基準の 1 つとされているものです。特定適用事業所に該当するか否かは、病院・医院の正職員数※によって異なり、申し出のあったパート職員が、本当に年収 106 万円未満に抑える必要があるかは、状況に応じた判断が必要になります。
解説
1.パート職員が社会保険に加入する基準パート職員が社会保険に加入する基準は、正職員数※が100 人以下の病院・医院と 101人以上の病院・医院(特定適用事業所)で違いがあります。具体的には以下のとおりです。
<特定適用事業所以外の事業所>
正職員の 1 週間の所定労働時間および 1 ヶ月の所定労働日数が 4 分の 3 以上のパート職員が加入。
<特定適用事業所>
以下の 3 つの基準をすべて満たしたパート職員が加入。
① 1 週間の所定労働時間が 20 時間以上である
② 賃金の月額が 8.8 万円以上である
③ 学生でない
パート職員がいう「年収 106 万円未満」とは、特定適用事業所の基準の②を年収に換算した額(8.8 万円×12 ヶ月≒106 万円)を指していると思われます。なお、収入の判断は②のとおり賃金の月額で行うため、年収 106 万円はあくまでも目安の額に過ぎません。
2.106 万円の壁と 130 万円の壁の関係
社会保険には 106 万円の壁と 130 万円の壁があるといわれますが、106 万円の壁はすでにみたように、特定適用事業所において社会保険に加入すべき基準の 1 つです。社会保険に加入することで、勤務する病院・医院で保険料を納めることとなります。一方の 130 万円の壁とは、年収が 130 万円以上になることで、配偶者や家族の健康保険
の被扶養者や、国民年金の第 3 号被保険者から外れることを指します。被扶養者や第 3 号被保険者から外れた場合には、パート職員自身で、国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を納める必要が出てきます。
3.変更となる特定適用事業所の範囲
特定適用事業所の範囲は、2024 年 10 月から、正職員数※が 51 人以上の病院・医院まで拡大されます。また、国としては今後、最低賃金を引き上げることにより、これらの壁を意識せずに働けるような環境づくりを進める予定とされています。手取り収入を確保したいパート職員の関心が高い内容のため、その仕組みを理解しておくとよいでしょう。
年度内に取り組むサイバーセキュリティ対策
医療機関等を狙うサイバー攻撃が増加し、手口も多様化・巧妙化しています。オンライン資格確認や電子処方箋の導入も加わり、より高いレベルのセキュリティ対策が求められる中、厚生労働省はガイドライン※1を改訂しました。
チェックリストの作成が必須
ガイドラインの記載事項のうち、何を優先して取り組むべきかは、チェックリスト※2で把握できます。立入検査時にはこのチェックリストの全項目について、日付(確認日と目標日)や回答等が記入されているかの確認が行われますので、対策が必要です。
同チェックリストは、外部のシステム事業者の利用を想定した 2 部構成(医療機関用と事業者用)です。それぞれ 2023 年度用と 2024 年度用があり、進捗の目安にもなります。医療機関用では、2023 年度中に次の事項のすべてについて、対応することを目指します。
2023 年度のチェック項目 医療機関版
医療情報システム安全管理者の設置
サーバ、端末 PC、ネットワーク機器の台帳管
理
リモートメンテナンス(保守)を利用した機器
の有無の確認
システム事業者に対し、医療情報セキュリティ
開示書の提出要請
利用者の職種・担当業務別の情報区分ごとの
アクセス利用権限設定
不要なアカウントの削除(退職者や使用してい
ないアカウント等)
アクセスログ管理
セキュリティパッチ(最新ファームウェアや更
新プログラム)の適用
接続元制限の実施
インシデント発生時の連絡体制図の策定
さらに 2024 年度は以下が追加されます。
2024 年度の追加チェック項目 医療機関版
バックグラウンドで動作する不要なソフトウェ
アやサービスの停止
インシデント発生時に診療を継続するための
備え(必要な情報の検討、データやシステムの
バックアップ、復旧手順の確認)
サイバー攻撃を想定した事業継続計画
(BCP)の策定
専門的な知識や経験が必要となる分野です。外部のシステム事業者に相談しながら、早めに対策されることをお勧めします。
※1 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版(令和 5 年 5 月)」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
※2 「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001125392.pdf
および、「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル」https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001105752.pdf
国立感染症研究所がまとめた7日から13日までの1週間(第32週)の5類感染症の患者報告(小児科定点医療機関約3,000カ所、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は定点医療機関約5,000カ所、速報値)によると、ヘルパンギーナとRSウイルス感染症の定点医療機関当たりの患者報告数が5週連続で減少した。新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎、インフルエンザ、手足口病は2連続で減った。
〔新型コロナウイルス感染症〕報告数は前週比10.4%減の15.16人。都道府県別の上位3位は、佐賀(24.59人)、石川(21.06人)、鳥取(20.76人)。
〔感染性胃腸炎〕報告数は前週比20%減の2.48人。過去10年の同期の平均よりも少ない。都道府県別の上位3位は、石川(5.79人)、大分(5.14人)、宮崎(3.92人)。
〔ヘルパンギーナ〕報告数は前週比40.8%減の1.81人。過去10年の同期の平均よりも少ない。都道府県別の上位3位は、山形(10.07人)、岩手(6.32人)、長野(4.68人)。
〔RSウイルス感染症〕報告数は前週比34.2%減の1.23人。定点当たりの報告数に変更された2018年以降の同期の平均よりも少ない。都道府県別の上位3位は、山形(5.22人)、岩手(6.32人)、長野(4.68人)。
〔インフルエンザ〕報告数は前週25.7%減の1.07人。過去10年の同期と比べて最も多い。都道府県別の上位3位は、大分(4.62人)、宮崎(4.16人)、鹿児島(3.78人)。
〔手足口病〕報告数は前週比23.8%減の0.93人。過去10年の同期の平均よりも少ない。都道府県別の上位3位は、島根(5.7人)、新潟(4.4人)、山口(2.95人)。
(医療介護CBニュースより)
A、「キャリアパス規定」もしくは「人事評価規定」として、社内規定として文書化したり、また全職員へのキャリアパスの「見える化」にも工夫をしている。
社内規定の一つとして「人事評価規定」を文書化されることをお勧めしています。「評価制度が、いつの間にか運用しなくなってしまった」などということが無いように、キャリアパスや人事評価の運用は、社内監査等の対象として定期的にその運用が適切になされているかどうかチェックされなければなりません。つまり法人のガバナンス機能として、運用を継続していくためにも、それが文書化されルールに従った運用がなされているかが確認されなくてはなりません。下記の文書化の事例(抜粋)をご紹介いたします。
1,規程趣旨
この規程は、法人職員に対するキャリアパスの実施を通じて職員の資質向上を図り、もって人事管理の適正化、組織の活性化、地域貢献に資することを目的とする。
2 キャリアパスの定義
この規程においてキャリアパスとは、法人が職員に対し職業人として必要な能力と処遇について具体的な内容を職能等級、職位、職層、求められる能力を示すことにより、職員が自らの目標を設定し努力するための道筋を示したものと定義する。
3 キャリアパスの意義
キャリアパスを整備する意義は、法人が人材育成を何よりも重要であると認識し、働く人の成長を願い目標を設定し努力を重ねることができる環境整備の一つとすることにある。運用にあたって、資格等級制度、人事評価制度、研修制度との連動を図ることによりキャリアパスを法人経営の重要なツールとして定着させる。これにより、職員が自らの将来像を描きながら日々の業務に邁進できる環境を実現させる。
4 主管部門・担当部門・監査部門
キャリアパスを実施するにあたり、以下の通り、主管部門・担当部門・監査部門を定める。
主管部門 法人本部に「法人本部キャリアパス運営委員会」を組織する。
担当部門 各事業所に、事業所責任者を中心とした「○○事業所キャリアパス運営委員会」を組織する。
監査部門 「キャリアパス制度運営監査委員会」を第三者委員会として組織する。委員会は、人事考課制度等に専門知識を有した者、被評価者代表、評価者代表、法人本部代表者などから構成する。・・・・・
また、キャリアパスの「見える化」ですが、本来の「見える化」とは「問題点の可視化」という意味ですが、ここでは「理解を深めるためのビジュアル表現」という意味で使用しています。つまり、キャリアパスをよりわかりやすく表現することで、求職者に対してアピールできるほか、在職している職員のモチベーションを高める効果もあります。さらに言うと、「退職したくなったが、少し我慢すれば次のステップに進めるので、もう少しだけ辛抱しよう」という、離職防止効果までを期待できます。
☞①医療分野キャリアパス
クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
②介護分野キャリアパス
処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
③保育園のキャリアパス
保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
最近、ここ10年ぐらいは、生活費以外のほとんどのお金は「経験」に使ったといっていいかもしれません。もちろんお金をかけなくてもできる経験はありますが、お金を掛けなければできない経験もたくさんあります。旅行をしたり、おいしいものを食べたり、音楽を聴いたり、一流の仕事人の話をきいたり、本を読んだり、映画をみたり・・・。
経験は、それ自体が夢中になる「遊び」であるとともに。「成長」のチャンスでもあります。
人やモノや社会を理解したり、自分で稼いだり、人のために何かできたり、幸せを感じたり、
・・・より豊かな人生を送るベースになっているような気がいたします。
高価なバッグや服を買っても、その価値は下がる一方です。貯金を数百万しても、無職になると、数年でなくなる金額です。
しかし経験を買うと、失敗を含めてその価値はどんどん生きてきます。経験から得たことは自分自身を作る一部にもなります。様々な経験をすることで、行きたい方向も明確になります。いまでも、人生を豊かにするために「経験」に、出し惜しみをしません。
お金をある程度自由に使えるようになったことの喜びは、好奇心を満たしてくれる「経験」にお金を使える事のような気がします。
また、経験することで得られる大きな価値があります。それは人とのつながりが生まれることです。家族や友人とのかけがえのない経験は、思い出として、繰り返し語ることが出来ます。新しい経験をすることで、新しい出会いがあったり、同じ経験をした人と意気投合したり、そこから人生の師を得られたりするかもしれません。経験を買うことで、人とのつながりや愛情が積み重なり、人間関係を広げ、世界を広げることが出来るのです。
幸福度がいちばん上がるお金の使い方は、「モノ」より「経験」を買うことでだと私は確信しています。
⇒社会保険労務士顧問業務 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
報酬基準 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
A:
施設には、年休取得時期を変更できる権利がありますが、退職日までまとめて年休を取得し、退職日以降に変更する出勤日がない場合、本人からの年休取得を拒否することはできません。よって、まずは退職日が変更できないか、年休を取得しながら引継ぎに協力してもらえないか、など職員と十分話し合いましょう。また、退職の申し出自体にとてもショックをうけ、さらに追い打ちをかけるように残っている年休をしっかり使ってから辞めたい、という希望に対して法的にはやむを得ないとは理解はしつつも、感情的なわだかまりが残ってしまう辞め方になってしまうこともあります。こうした事態を避けるためにも、重要な業務を分担できる体制を整備する、日頃から年休の取得促進をはかる、などの対策を講じておくことが重要になります。
詳細解説:
1.退職日までの年休取得
日常的に年休を取得しない職員のなかには、年休が数十日も残っているというケースが少なくありません。施設には、事業の正常な運営を妨げる場合、年休取得日を変更できる「時季変更権」がありますが、退職時にまとめて年休を取得するケースでは、変更する出勤日がないため、時季変更権を行使することはできません。
そのため、まずは退職日を変更できないか本人と話し合いを行い、可能であれば、引継ぎをしながら、並行して本人の希望する範囲で年休を取得してもらうようにします。
2.退職時に引継ぎを確実に行ってもらうために
就業規則等へ「1 ヶ月前までに退職の申し出をすること」と規定している施設が多いと思いますが、年休の残日数の多い職員の退職や、1 ヶ月に1 回しか実施しない業務の引継ぎがあると、十分な引継ぎが実施できないことがあります。退職の申し出は、自身の業務内容や年休取得の予定を考慮して、場合によっては1 ヶ月前より前に行うよう、あらかじめ職員に周知しておきましょう。
また、特定の人にしかわからない業務を作らない体制や、業務内容や作業手順がわかるようなマニュアルを整備しておくなど、業務の属人化を回避し、急な引継ぎとなった場合であっても、滞りなく進められるよう、日頃から対策を講じておくことが重要です。
職員の退職時に引継ぎを確実に行ってもらわないと、後任担当者が困ることになり、ひいては利用者様へ悪影響を及ぼすことになりかねません。職員それぞれに事情があるため、やむを得ず急な退職の申し出となる場合もありますが、業務に支障が出ないよう確実に引継ぎを行いながら、本人の希望する年休取得ができるような職場づくりが求められます。
3、年休の「買い上げ」について
最後に年休の「買い上げ」に関してもお伝えしておきます。年休に関する法の趣旨を考えれば、金銭に置き換えることは年休を与えたことにはならず、違法となります。ただ、年休を法の定めのとおり付与した後、職員がこのすべてを取得せずに退職することとなった場合において、在職中の取得を選択しない職員に対し、一定の社内基準に従って金銭の給付をもって年休の取得に替えるという扱いは違法ではありません。しかしながら、法人側がこのような制度を設けていないのに、職員の方から未取得の年休を金銭給付に替えることを請求する権利はありません。年休はそもそも労働者の健康管理と余暇利用に資するために設けられた制度ですから、これを確実に取得させることが法の要請です。安易に金銭給付に替えることとするのは差し控えるべきでしょう。
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報酬基準 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
A,
評価項目を具体的な「行動表現」にすることで、評価がより客観的になり、また職員の課題を具体的に指導できます。
評価することは非常に難しく、評価者訓練を受けないと評価は出来ないと言われています。しかしそれは、評価項目が抽象的で何を評価すればいいのかわからないという原因が考えられます。
評価を行う難しさには、①人によって評価が変わる ②評価項目が不明確なので評価する人も、される人もわかりにくい、さらに③誤評価の原因(ハロー効果、偏り傾向、寛大化など)評価するということに困難さが付きまとっています。例えば「協調性」という表現で終わってしまう評価項目の場合、何が協調性なのか評価者が判断しなければなりません。抽象的な表現は職員をいろいろな視点から評価できることになり有用ですが、評価の公平性や客観性からみるとかなり深い問題が含まれています。具体的な行動表現にすることで、だれでも同じ理解とすることが大切です。
【具体的行動表現の実例】
評価項目:「感謝の気持ちをもってご利用者、職員に接する」
を具体的な評価項目にした場合に、例えば下記のような例となります。
例1:ご利用者や職場の仲間に感謝の気持ちで接することが出来、「○○さんのおかげです」や「ありがとう」が素直に笑顔で言える。
例2:ご家族様や見学、来訪者の目を見て、笑顔でお名前を添えて「ありがとうございます」と伝えている。
例3:他部署等の協力や理解があって自分が仕事ができる事に感謝して、相手の状態を配慮し、「お手伝いしましょうか」「何か私にできる事はないですか」と声掛けしている。
☞
①医療分野キャリアパス
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②介護分野キャリアパス
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③保育園のキャリアパス
保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
A 労働時間管理は「時間外労働の管理」といっても過言ではありません。各部署の所属長が残業の必要性を判断し、適切時間を指示するなど、管理職の役割は重要です。職員、個々に勤務時間内に仕事を終える意識をいかにもたせるかが重要です。
一方、始業時刻=出勤時刻、終業時刻=退勤時刻 という認識で時間管理を行っている事業もいまだ多くあります。このような事業所には、労働時間の定義についてまずは指導教育する必要があります。つまり始業終業時刻と出退勤時刻は違うという認識をまずは持っていただくことです。労働時間に関する意味を理解することで、その時間管理意識を持って業務を遂行していくことは、今後、さらに重要なポイントになります。そのためには、まず指導いただきたいのは、時間外労働の「許可制」です。当然ながら業務は所定時間内に行うのが前提ですが、事情により残業になりそうな場合には、その理由と終業時刻を明記し、許可制とする必要があります。それにより、所定外労働割増をつける時間が明確になりますし、何より大切なことは各職員の時間管理意識を高めることができます。ただし、残業の許可制を規定に定めていても、許可を受けない残業のすべてが無効になるかというとかならずしもそうではありません。通常の業務をこなすうえで,所定時間内終わらないような業務量を要求したならば、残業時間に対して、黙示の承認があったということになり、残業時間に該当するという判断になりますので、適宜の指導が必要になります。
ただ、残業を所属長の許可制にしていても、申請された残業内容をよく理解せずに全部承認していたり、逆に、明らかに残業が必要な業務量にも関わらず許可をしなかったりと、所属長により対処の仕方はまちまちになりがちです。本当に必要な残業かどうか、どの程度の時間が必要かなどを判断して、適切な許可を与える必要があります。
残業許可制運用のポイント
- 残業の理由を明確にさせる
「何のために残業をするのか」「なぜ、その業務が残ってしまったのか」を確認します。例えば、許可申請の残業理由に「介護記録作成の為」とだけ記入させるのではなく、「なぜ
介護記録作成業務が残ってしまったのか」を記入させます。そうすることで、原因を本人と上司が確認しあうことで改善に繋げることができます。残業理由が本人の能力の問題であれば、個別指導や業務の標準化を進める必要があります。
- 残業内容の緊急性・必要性を判断する
その業務が「要当日処理」か「翌日処理で可」なのかをメリハリをつけて確認します。
またその業務は、「あなたがやらなければならない業務」なのか「次の交代勤務者で対応できる業務」なのかを確認します。
- 業務の上限時間(目安)を指示する
「その業務は30分で終えて」と目標時間を指示します。業務内容応じて適切な時間を指示することは必要です。但し、このことは「30分以上の残業は認めない」と上限設定をすることではありません。上限を超えて残業していても、事実上、黙認している状況であれば
それは「黙示の承認」に該当します。
- 職員の健康状態にも配慮する
休憩はきちんととれたか、体調にお問題はないか、などを確認します。こうしたことは、日頃の部下とのコミュニケーションで行っておきたいところです。
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