保育

Q  慶弔休暇など特別休暇に関する相談です。頻繁にお悔やみ休暇を申請する職員が数名おり、他の職員から不満の声があがることもあります。特別休暇日数や運用ルールを見直したいと思っています。アドバイスをお願いします。

A まず検討したいのは付与要件です。ある園では、お悔やみ休暇を付与する期間は、一番多い付与日数が5日であり、従来の規定では、「連続5日」としているだけだったので、それを死亡日の翌日から5日以内などで設定します。例えば、配偶者が9月3日(金)に亡くなった場合の連続5日のお悔やみ休暇は9月8日(水)までの期間で、付与することにしました。

 結婚休暇の従来規定は、これも連続5日と規定していただけでした。ただ、実際には入籍後、落ち着いてからお披露目や旅行に行くケースが増えていることから、入籍後6か月以内に取得すること、としました。

 また、特別休暇の申請時には、きちんと確認してから付与したいので、証明書も提出してもらうことにしました。公的なものでなくても、お悔やみ休暇なら葬儀案内などでも可としました。以上のような変更を行い、就業規則もその内容で改定しました。

 このルール変更を導入後、お悔やみ休暇については、付与要件が明確になり、証明書の提出をしてもらうようになったからか、申請件数が減りました。職員からも「わかりやすいし

納得できる内容になった」という声も聞かれたようです。

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Q 始末書に「施設が指導してくれない」と書き、反省してくれない職員への対応

仕事のミスが多くクレームが入った職員に対して「始末書」の提出を求めたところ、その内容が「施設の指導が出来ていない為自分もミスをした」とまったく反省していない様子の始末書を提出してくる職員がいます。反省の色が見えず、始末書の意味がなくなっているような気がします。どうように対応したらいいでしょうか?

A 始末書というのは、業務などに規律違反をしたり、過失をしたりした場合に、その行為を反省し、謝罪し、同じことを繰り返させないようにする書面です。就業規則の制裁規定にも始末書に提示を求めています。

 

今回は、ミスが多くクレームまで入ってしまったので、その行為を反省してくれることを期待して提出を指示したのでしょう。しかし、反省するどころか施設へ責任転嫁していることがわかります。この場合、施設側が「指導をしたでしょう」と言ったところで「言った、言わない」の押し問答にしかならないのであれば、具体的な行動を振り返らせます。そして、改善することを具体的に指示し、ほかにも案があるならば自分から案を出してもよいように、ある程度「自由度」をいれると本人も書きやすくなります。

戒めるべきことは、「利用者さんのことを考えていなかったこと」ですから、話の途中で「自分はできていると思っても、利用者さんや他の職員はできているとは思っていない」ということを伝えるのです。そのうえで、「始末書」という書面ではなく、「改善提案書」と名称を変えるのもいいかもしれません。始末書というとどうしてもネガティブなイメージが強いからです。しかしここでも大切なのは、自分の行動を戒めて将来につなげることです。ですから書くハードルを下げ「改善提案書」に改めるというわけです。そしてこのフォーマットのなかに書くべき項目を入れ込んで記入してもらいます。ポイントは

  • どんな状況でクレームが発生したのか
  • それはどんな原因があったのか
  • そうすればそれを改善できるのか具体的な例をあげる
  • いつから実施するのか

 

人は埋め込み式の方が、書きやすくペンが進みます。まずは「自分の行動をふりかえり、反省してもらう」ことから始め、具体的な改善行動案を書いてもらいます。それでもできない場合には、「自分で書いたことなのになぜ実行がでいないのか」と面談で深堀していきます。

この書面を提出させるというのは、成長の過程もわかりますし、指導をしている実績もわかりますのでぜひともお勧めします。

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〚保育トピックス〛保育×ICT人材の育成

保育士を養成する学校法人 三幸学園が保育現場でICTを活用できる人材の育成やキャリア職支援のために保育業界向けにICTツールを提供する(株)コドモンと提携することが発表されました。

いま保育の現場では、人材不足によって保育士の業務負荷が増え、その結果保育士が疲弊し、退職するという事象が多数起きています。

この問題を解決するためには2つの手段が考えられます。

それは、”人を採用する”か、”業務を効率化させて保育士の負担を減らす”かです。

実はこの2つの手段の両方にICTツールは関わってきます。

特に採用面でICTツールを導入するメリットは以下にあるといえるでしょう。

① 保育施設がICTツールを積極的に導入することで保育士の業務負担を減らして働き方改革を行なっていることは、採用活動においてポジティブなメッセージとして打ち出せる

② 人材を新規に採用する際に保育施設の人件費が増えるという問題が考えられますが、ICTツールを導入することで業務を効率化させ、その浮いた分の経費を人件費にまわすことができる

また、保育士の業務負荷を減らすのにICTツールが有効であることについては説明するまでもないでしょう。

ただ、いくら保育施設でITCツールを導入しようと思っても、肝心の保育事業所の経営者、人事担当者、現場職員がICTツールに詳しくないケースも保育業界ではよく見られます。

そういった時にあらかじめICTについての知見を持った人材や養成校でICT関連のノウハウを学んだ人材が保育施設にいると、様々なシーンで活躍できることでしょう。

既に保育施設で働かれている方々はICTに詳しい人材を積極登用し、時には意見を聞くという受け入れ体制についても必要となります。

今後は保育×ICTに関わる人材が増えることで、保育施設の業務が効率化され、保育施設での働き方が変わっていくことが業界全体で期待されています。

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法人理念から求める職員像を可視化する

私は、法人が園を経営していく上で最も大切な価値観表しているものが、法人理念であると捉えています。多くの園では法人理念を、HP、入園のしおり、パンフレットなどの印刷物をはじめ様々な方法で保護者や職員に周知しています。

ただ、周知はしているものの、どこまで「浸透」しているかというと、なかなか難しいところです。ある園では、職員に理念を改めて尋ねたところ、ほとんどの職員が応えられなかったということをお聞きしています。「浸透」している状態とは、職員が理念の意味を理解しそれを日々の実践に活かせる状況を言います。そのような状態にもっていくために経営は、経営理念の周知に努力するだけでなく、それを行動に移せる職員をどれだけ育てることができるのかを日々の活動のかなで考えていく必要があります。

 

求める職員像を的確な言葉で表現する

 

保育現場では職員一人一人の自律的な判断、行動が求められます。しかし保育者不足から中途採用の職員やぱーと職員の増加により、法人理念の背景や創立者の思いが継承できていなかったり、これまでの暗黙の前提が成立しなくなっている園もあるでしょう。法人の、園の、保育実践において、拠り所となるものが必要になるのも自然な流れと言えるかもしれません。そこで、私は法人理念を具体的に実現できる「人財」を「求める職員像」として可視化することをご提案しています。法人理念に基づき、どのように行動してほしいのか、どのような人となりであってほしいのかを整理し、的確に表現する言葉で「可視化」し、職員に示すことが重要です。そのための方法はいろいろあると思いますが、当社では、法人理念を

いくつかのキーワードに凝縮し、各キーワードの意味とそれを実現できる行動を職員の発想で具体的にしていきます。例えば、

キーワード:「思いやり」⇒出来ることに手を出すのではなく、見守って、助けが必要な時は、思いやりの気持ちをもち笑顔で、声をかけて手伝っている。

キーワード:「報告・連絡・相談」⇒何を相談したいのか整理し、自分なりの考え方をもって、先輩や同僚に積極的に相談し、アドバイスは素直に受け入れている。

 

求める職員像が育成指針として活用し、また人事評価に組み入れ定期的に振り返る機会をつくりました

 

法人理念から「求める職員像」を可視化し、周知と浸透を図っている園長先生にお伺いしました。

 先日の職員会議で、園児への声掛けやかかわり方が議題に上がったのですが、中途採用の新人職員の一人から「求める職員像」を根拠にその関わり方の提案が出ました。参加していた職員からは賛同と納得を得ただけでなく、この発言は刺激になったようです。

また、年2回の評価の中に、その実践度合いに関する評価項目を入れて、定期的自己を振返る機会を持っています。いい評価がもらえればモチベーションにもつながっているようです。また上司・部下の間で、現状と今後について話し合う良いコミュニケーションの機会にもなっています。

 園としては、引き続き「求める職員像」に基づく職員の働きぶりを承認し、育成に繋げていければと考えています。

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Q 時間外の計算は1分単位なのか、15分や30分単位でもいいのか

A 1分単位が原則です。ただし、端数を切り上げる場合には15分単位、30分単位でも

 構いません。

 

切り上げにしないと給料未払いに給与計算上、よくある質問ですが、基本は1分単位です。例えば、17時までの就業時間で1742分まで働いた場合、12分カットして30分の残業代を支払った場合、12分の就業に関する支払いは未払いになってしまいます。

 

休養計算上は楽だということで15分単位の取り入れている事業所はよくあります。もし15分単位とするなら切り上げでなければいけません。つまり17時までの就業時間で1742分まで働いた場合には45分間の残業代を支払うことになります。管理の手間と数分プラスになる賃金のどちらをとるかの判断になります。

 

例外として、1か月の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計に1時間未満の端数がある場合には30分未満の端数の切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるといった端数処理は認められます。つまり月のトータル残業時間が3時間20分であった場合には3時間として、3時間40分であった場合を4時間とすることは可能です。

未払い残業は行政指導の対象に残業代を未払いのまま労基署の監査が行われると「是正勧告書」「指導票」により行政指導が行われます。例えば3か月分の未払い残業の「遡及支払い」を命じられた場合、未払いとなっている時間数及び給料の額を3か月間さかのぼって計算し、当該スタッフへの不足額を支払うなど、まずは行政書道に従い原則対応することになります。

 

適切な時間管理とは厚労省から平成13年に出された「労働時間の適正な把握のため講ずべき措置」では以下のように定められています。

 

  • 労働日ごとに、何時から仕事を開始して、何時まで仕事をしたか、確認し記録すること。
  • 使用者が自ら確認し記録するか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を、適性に申告するように十分に説明すること。必要に応じて実態調査をすること。
  • 労働時間の記録に関する書類は3年間保存すること。

 

労働時間の上限を設定して、上限を超える時間を切り捨てたり、そもそも労働時間の記録がないため「時間外労働がない」としたりしている場合には法律違反になります。

固定残業代として定額を支給する際には慎重に固定残業代を設定すると仮に残業代が発生しない月があっても残業代を支払わなければなりません。しかも実際に行われた残業が想定された10時間を超えると、別途残業代の支払い義務が発生します。そのため実態を確認した上で「何時間分を固定で支払うか」を決めなければなりません。固定残業手当を適切に運用するためには次の三つが要件とされています。

  • 基本給と割り増し賃金部分が明確に区分されていること
  • 割増賃金部分には何時間分の残業が含まれているかが明確であること
  • 上記②を超過した場合には、別途割増残業が支給されること

 

この方法は、残業が大体同じ時間発生している場合には適している方法ですが、月によって残業時間が大きく変動したり、人によってばらばらであったりする場合には、かえって管理が煩雑になる場合があります。導入によりメリットとデメリットをよく検討して慎重に判断する必要があります。

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ハラスメントのない職場~持続可能な園になるために~

ご承知のとおり今春から「パワーハラスメント防止措置」がすべての企業に義務化されました。大企業だけでなく園の運営においてもパワハラへの取り組みが求められるのです。パワハラとは何か、パワハラを防ぐ体制づくりについて考えてみましょう。今回は実際に保育園で起きた事例をもとに考えてみます。

 

保育園の事例

 

  • 子供が熱を出したので、看護休暇を取りたいと言ったら、「奥様は?あなたが休むの?」と言われた。

上司から同僚からの育児休業等の利用に関する言動により、育児休業などを申し出取得した男女職員の就業環境が害されることを、育児休業等に関するハラスメント(マタハラ)と言います、子の看護休暇を取ることは、法律で認められた職員の正当な権利です。正当な権利行使を非難するような言動がなされないように留意し、だれもが心地よく働けるような就業環境を創り上げていきましょう。

 

  • 先輩が「ごめんなさいね、あの先生、本当に何も知らなくて」と、保護者に笑いながら話していた。

パワハラの代表的な言動の類型に、精神的な攻撃(脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言)がります。正当な理由がないのに先輩がこのような発言をしていたら後輩にたいする侮辱に該当する可能性がありますので、このような言動委は慎んでください。もし、先輩職員が、事情があってこのような言動を行っていたならば(例えば、後輩職員は気づいていないが、後輩職員のミスで保護者が立腹していたので、後輩職員をかばう目的でこのような言動をした結果、保護者が笑って許してくれた等)保護者のいないところで後輩職員に事情を説明してフォローをする必要があります。

 

  • 「プールの組み立ては力のある男性の仕事ね」と任されたが、一人では無理。でも誰も手伝ってくれない。」

パワハラの代表的な言動の類型の一つに、(過大な要求)に該当します。業務を命じる立場にある職員は、男性だから力が強いとか、女性だから非力だ、といった精査による偏見(ジェンダーバイアス)を捨てて、業務の内容を適切に把握し、一人の職員に過度な負担がかからないように注意しましょう。

 

 

コミュニケーションは十分ですか

 

職員間のコミュニケーションはとても大切です。人間関係が十分でないと、何気ない一言や行動が相手を不快な気分にさせることがあります。更に価値観が多様化する昨今においては、相手への一層の配慮が必要です。園内の日常会話や習慣の中にハラスメントにつながるものが無いか、振り返ってみましょう。

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「芸福連携」で心豊かに 首都圏、障害者ら創作に力

高齢者や障害者がアーティストや文化芸術系団体、福祉系団体などと協力して芸術作品の創作に関わる「芸福連携」が首都圏で広がる。福祉施設内にアーティストが滞在したり、障害者の作品をデジタル化したりするなど、手法も多様化。アートと福祉が接近することで、高齢者や障害者に生きがいや心の豊かさをもたらすことを期待する。

 

 埼玉県東松山市の通所型介護施設「デイサービス楽らく」は9月、施設内にアーティストが滞在し、利用者とともに創作活動する「クロスプレイ東松山」というプロジェクトを始めた。アーティストが施設利用者とともに新たな芸術や高齢者ケアのあり方を模索する。

 

 同施設は6月、東松山市内で移転したのを機に芸術活動スペースを設けた。22年度はダンサーの白神ももこさんら3組のアーティストが定期的に施設を訪れ、滞在する。滞在を希望するアーティストも公募している。同施設関係者は「高齢者とアーティストが直接交流する時間と場所をつくることで、豊かなケアの発想が生まれる」と話す。

 

 障害者の芸術活動を支援する動きも広がる。パソナグループの特例子会社、パソナハートフル(東京・港)は、本社が入居するビルの2階に「アート村シーズンギャラリー」をオープンした。同社が雇用する知的障害者ら25人のアーティストが描いた絵を展示している。

 

デイサービス楽らくでは、高齢者とアーティストが協力して創作活動に取り組んでいる(埼玉県東松山市)

 

 千田貢美加企画室長によると、同社が障害者アーティストの育成に取り組み始めたのは約15年前。雇用したアーティストはおよそ1年かけて個性に適した画材やモチーフを探す。作品を販売するほか、企業から作品制作を受注することもある。障害者をアートデザイナーとして雇いたい企業向けのコンサルティングも始めた。

 

 障害者と文化・芸術の接点を増やすことは、障害者の生活の質を高める有効な手段の一つとされる。ニッセイ基礎研究所の21年の調査によると、文化芸術活動に関心を持つ障害者は88%いた。ただ過去1年間で実際に文化芸術活動に取り組んだ人は67%に低下する。障害者と芸術をつなぐ仕組みが求められている。

 

 障害者アートの裾野を広げようと、デジタル分野で支援するのが社会福祉法人の千楽(千葉県浦安市)だ。一般社団法人デジタルステッキ(横浜市)と組み、障害者が制作した仮想現実(VR)アートの作品の展覧会を開いている。発達障害などがある利用者がVRゴーグルを装着し、コントローラーで立体的な絵のような作品を制作する。

 

 展覧会はクラウドファンディング(CF)で資金を集め、130人以上から170万円以上の支援を受けた。今年12月に広島で展覧会を開くほか、CFの支援者らを対象にVRアートの体験会を111923日に浦安市内で開く。

 

 一般社団法人ソーシャルアートラボ(神奈川県藤沢市)は2月から、障害者のアート作品を非代替性トークン(NFT)化してネット販売する試みを始めた。スマートフォンゲームのモバイルファクトリー子会社が運営するNFT取引所「ユニマ」を通じ、障害者アーティストなど数十人の作品100点以上を出品した。

 

 価格は1万円前後から10万円近いものまである。購入者は作品の所有権をもち、印刷したり、SNS(交流サイト)で公開したり、メタバースなどの「バーチャルギャラリー」で展示したりできる。「障害者本人からやってみたいという連絡が多く寄せられている」(同団体の福室貴雅代表理事)

 

 出品した作品はこれまで1割ほどが売れた。福室氏は「障害を特別視するのではなく、芸術を通じて一緒に生きられる世界をつくる手伝いをしたい」と話す。高齢者や障害者と芸術の接点を広げるために、官民問わず様々な支援が求められる。(日本経済新聞 11月17日)

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中途採用は13倍 保育士から人気の保育園「一般企業で当たり前のことを」

保育士の人手不足が深刻な課題と言われているなか、東京・杉並区で6つの保育園を運営する社会福祉法人 風の森は、2022年の保育士の中途採用の倍率が13倍にもなったと言います。統括を務める野上美希さんに、“保育士が働きたくなる保育園づくり”について伺いました。(ヤフーニュースより)

保育士の心の余裕が保育に影響

他業界からの目線で行う改革

「休憩を60分取ってしまうと、保育士が代わる代わるいなくなってしまうため、保育士同士が子どものことをしっかり話し合う時間までは取れませんでした。これは、担任の先生以外にもフリーの保育士をうまく配置することで解決しまして、現在は国の基準の2倍以上の保育士が働いています」 野上さんは、保育の現場での事務作業が多いことも業界の課題だと話します。 行政の監査に書類のまとめが必要なほか、子どもの成長や活動を月単位、週単位で記録し、子どもたちの個別の記録も毎日行うなど事務書類が多いそうです。 「午後のお昼寝中は、5分おきに呼吸状態をチェックし、うつ伏せになってしまった子は仰向けにして、それを記録しています。書類が山のようにあるのですが、何か事件や事故が起きると必要書類がどんどん増えていき、決して減ることはないです。 もちろん、何かあっては決してならないのですが、もう少し提出書類が減ると助かります」 事務作業の負担を減らすため、現場の保育士以外の職員の配置にも力を入れました。園長などが請け負う園も多いそうですが、エクセルの報告書などの作成は、在宅勤務も可能な事務スタッフを雇ったそうです。 「保育の世界は、福祉の心で成り立っていますので、業界として厳かで声高にいう雰囲気がないのもあります。でもそれでやっていくのは限界だということを、他業界からきた身として伝えていけたらと思っています」(ヤフーニュースより)

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Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

 

①医療分野キャリアパス

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②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

 保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

Q 当施設では、中途採用にも試用期間を設けています。過去の経験を見込んで採用した職員でも結果として適正に欠いていたという経験がある為ですが、能力に問題のある職員の本採用を拒否する際にどんな点に注意すべきでしょうか。

A 経験のある職員を中途採用したはいいが、予想外に能力が低くて困ったという話はよく聞きます。複数の施設を渡り歩く問題児でも転職したばかりのころはおとなしく、職場の水に慣れてきたところに少しづつ牙をむき出してくるようなケースもよくあります。

 中途採用に関しては、新卒学卒者に比べれば期待値が高いため、そのものの能力や勤務態度等の評価をめぐるトラブルは多いものです。したがって中途採用者であっても、使用期間を設けることは大切です。ただし、トラブル防止のためにも就業規則の規定に基づいて規定を設けること、本採用を拒否する場合があることなどを雇用契約締結の際にきちんと説明しておくべきでしょう。

 

試用期間満了での本採用拒否は解雇に相当する

 

試用期間途中の解雇については、採用後14日間を超えて就労した職員には解雇予告が必要です。この場合、少なくとも30日前に解雇を予告するか、即日解雇の場合には30日以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。

また、試用期間中はいつでも「解雇」が許されると思い込んでいる経営者の方もいらっしゃいます。これは誤りで、試用期間であろうと解雇については一般の職員と同様、入職後14日を超えれば予告手当が必要ですし、安易に解雇が認められないのは一般職員と同様です。ただ、本採用に拒否(事実上の解雇)事由が就業規則に明記されていて、採用時の「面接などでは予見できなかった事実」として該当すれば、それは認められるケースもあります。こで大切な事は、「本採用拒否」の事由を就業規則に記載しておくことです。本採用拒否が認められる具体的な基準については、裁判例などから、「勤務態度不良」「勤務成績不良」「業務遂行能力の不足」「協調性にかける」「経歴詐称」などは具体的な理由として挙げられます。問題は、能力が不足しているということをどのように説明するかということです。

 

・「本採用拒否」に関する就業規則の記載例

一 遅刻、早退、欠勤が複数回あり、出勤状況が不良の場合

 二 上司の指示に従わない、同僚との協調性が乏しい、誠実に勤務する姿勢が乏しい等の勤務態度が不良の場合

三 必要な教育を施したものの法人が求める能力に足りず、改善の見込みが薄い場合

 四 経歴を偽り、その他不正な方法を用いて採用された場合

五 反社会的勢力若しくはそれに準ずる団体や個人と関係があることが判明した場合

六 督促しても必要書類を提出しない場合

 七 健康状態が思わしくなく、今後の業務に耐えられないと認められる場合

 八 法人の事業に職員として採用することがふさわしくないと認められる場合

 九 懲戒解雇などの解雇事由に該当する場合

 

問われるのは注意指導したプロセスと記録

 

  試用期間の解約権にもとづく解雇であっても、本採用拒否が有効と求められるための重要なポイントは、能力と適性が欠如している職員に対して「繰り返し注意・指導をしたけども改善の見込みがなかった」という事実とプロセスです。これは、通常の解雇の有効性が問われるプロセスと同様です。また、このような注意・指導を行ったという記録を残しておく必要もあります。

 

実務上は「退職勧奨」が一般的

 

本採用を拒否する場合、実務上は就業規則に基づいて退職勧奨をおこなうのが一般的です。試用期間中の評価をきちんと説明すれば、本人も「試用期間だからしかたない」と退職勧奨に応じるケースが多いように思います。そのためにも、就業規則には具体的な本採用基準を規定しておくことで、退職勧奨の説得材料にもなるわけです。

 

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