保育

【採用面接】これだけはやってほしい準備のポイント

Q 当法人では新卒採用・中途採用ともの計画的に行っていますが、せっかく採用しても

 なかなか定着せず、早いと3か月未満で退職する人もいます。何とか定着をしていただくように取り組みを行っていますが、採用面接ではどのような点に気をつけたら良いでしょうか。

A 「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。

どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。

それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。

 現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。

 

一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。

下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。

 

  • 具体的な内容を質問する

 漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。

 ・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか

  具体的に言ってください」

 ・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」

  • 人間関係についてどう考えているか確認する。

 人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。

 ・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」

 ・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」

  • 求職者からの質問を引き出す

 面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。

どうやって実現? 1クラスに「国基準の2倍」の保育士 杉並の認可保育所に聞いてみた

国基準の2倍の保育士を配置している認可保育所を1月10日公開記事「保育士が『基準の2倍』いる認可保育所、『週休2日、残業ゼロ』で倍率14倍の人気職場に」で取り上げたところ、「具体的な方法を知りたい」などと多くの質問が寄せられた。手厚い保育の実現のため、どんな工夫をしているのか。詳細を改めて聞いた。(奥野斐)

◆自治体の独自補助をフル活用

 1月10日公開記事で紹介した「Picoナーサリ和田堀公園」(東京都杉並区)。取材した5歳児クラスは全23人の児童に対し、担任の保育士が2人いて、フリーの保育士も手伝っていた。国の最低基準では、5歳児は保育士1人で30人を受け持てる。運営する社会福祉法人「風の森」統括の野上美希さん(47)は「行政の補助制度を一つ一つ調べて活用している」と言う。
 私立認可保育所の基本の運営費は、園児数などによる国基準に基づき、国と都道府県の負担分も合わせて区市町村から支給される。加えて、都道府県や区市町村の判断で独自の補助制度を設けることができる。
「風の森」が六つの認可保育所を運営している杉並区は、区の要件を満たした上で常勤保育士を国基準より多く置くと1人当たり月40万円余▽常勤の事務職員を雇うと月29万〜31万円▽看護師を置くと月43万〜52万円—などを支給。これらの活用で、園児のケアの充実や、保育士の事務負担減につなげている。

◆「60分休憩、残業なし、完全週休2日」も掲げる

 東京都には、小中高校生の育児体験を年10回以上実施すると年60万円▽保育士実習生を年6人以上受け入れると年80万円—という制度がある。情報通信技術(ICT)化推進の区の補助金や、男性の育休取得や女性の就業継続への都の支援も申請している。
 野上さんは「東京は地方と比べ、行政の支援が手厚い。常にアンテナを高くして情報を得る努力と、マネジメントが必要」と話す。

保育現場の状況や保育士増による好循環について話す社会福祉法人「風の森」で統括を務める野上美希さん=東京都杉並区の「Picoナーサリ和田堀公園」で

 こうした工夫で、保育士の賃金を下げることなく国基準の2倍の保育士の配置を実現。都のウェブサイトによると「風の森」が運営するある園の経験5年の副主任保育士のモデル賃金は、月額29万1100円(2021年度)。厚生労働省調査では、東京の保育士の平均給与(同年度)は残業代込みで月額29万8600円なのでほぼ同水準だ。
 「風の森」は「60分休憩、残業なし、完全週休2日」も掲げる。23年度の中途採用倍率は14倍だ。
 補助金や支援は自治体によって制度も申請方法も異なる。保育所にとっては手続きは負担だ。全国保育団体連絡会の実方伸子副会長は「制度に詳しい事務職員がいない、保育士の勤続年数の条件を満たせないなどの理由で申請できない園もある」と指摘。「そもそも国の基準が低すぎて、人もお金も足りず、現場が回らない。国基準や運営費の引き上げが必要」と強調した。(東京新聞3月23日より)

社員の健康増進に補助金 厚労省、中小向け 運動指導など促す

厚生労働省は2024年度に、社員の健康増進を図る中小企業への補助金を新設する。死亡や転落など重大な事故が減る一方、転倒や腰痛といった労働災害が増加している。身体機能の衰えにより発生するケースも多く、運動指導などを促す。

 理学療法士ら専門家による体力チェックや運動指導を実施する企業に、費用の4分の3100万円を上限に給付する。転倒や腰痛は日常生活や業務への負担が残りやすく、企業活動に影響する。事故を起こす前の備えを促す。

 5月にも実施計画の受け付けを始め、審査を経て補助を決める。

 労災による死亡者数は減少傾向にある。22年に774人と20年前の半分以下に減った。ケガなどで4日以上休業した死傷者数は132355人と過去20年で最多となっている。このうち転倒が27%と最も多く、次いで腰痛などが16%を占める。老人ホームといった福祉施設での事故が目立つ。

 厚労省の既存の補助金は60歳以上の労働者をかかえる企業が対象だった。労災の統計では、とくに女性で50代から転倒や腰痛が増える傾向にある。「身体機能は60歳で急に衰えるわけではない。継続的な維持が重要だ」(同省安全衛生部)といい、高齢者に限らない補助の新設を決めた。補助率も既存の2分の1から4分の3に高める。

 企業の労災対策はソフト面で遅れている。22年の厚労省の労働安全衛生調査によると、手すりの設置や段差解消に57%の事業所が取り組むものの、体操や運動を実施していたのは21%だった。同省は23年度からの第14次労働災害防止計画で「ハード・ソフト両面から対策に取り組む事業場の割合を50%以上」にする目標を打ち出した。

日本経済新聞 朝刊 経済・政策(5ページ)2024/3/22 

極端に協調性を欠く従業員へ懲戒などの対処は可能でしょうか?

Q, 職場の社員全員が行う片付けなどにも参加しない、交代勤務でしばしば遅刻し、相手に迷惑をかける、直前に勤務の交代を依頼するなど、協調性を欠く職員Aについて、ほかの職員から「Aとは一緒に働くことは出来ない」との相談が多く寄せられ、中にはAが原因で退職する職員も出始めている。このような場合に懲戒あるいは解雇することはできますか?また、職場で仲が悪い職員BCがいて、一日中話をしないために職場環境が悪くなっている、このような場合、BCを懲戒処分にすることはできますか?

A, 職場には多数の職員が就労しているわけですから、一人が勝手な行動をしていたのでは職場は成り立ちません。すなわち、職場秩序は多数の職員を擁する法人の存立、維持のために必要不可欠なものです。

さて、職員が職場で他の職員との協調性を欠く場合において、法人がとりうる措置としては、まず、懲戒処分が考えられます。裁判例においても、本人の執務態度、上司、同僚に関する無礼並びに協調性の欠如について、職場の規律を乱し、円滑な職務遂行を阻害しているということが懲戒事由解雇にあたると認めているものがあります(大阪地裁平成4年3・31)

ここでポイントになるのは、本人の協調性の欠如によりいかに企業秩序が阻害されているかです。仮に本人に協調性の欠如は認められるものの、企業秩序への影響が軽微な場合には懲戒処分を行うことは難しくなると思われます。その点、医療・福祉の現場をチームワークが業務遂行の上でとても重要な要素となりますので、協調性の欠如が懲戒処分の対象になることは十分に考えられます。

 次には懲戒解雇という措置も考えられます。裁判例には、就業規則に記載された解雇事由

「執務能力が著しく不良」(単なる勤務成績不良ではない)とは職場に適用する能力に欠ける場合に包含するもの解し、社会生活をして人間として常識に欠ける部分が多く、協調性に乏しく、職場に適用する能力に著しく欠いており、かつ将来の将来の改善に見込がないことから解雇を有効と認めたものがあります(東京高裁S421・24)。

 ご質問の前段ですが、退職者がでるほど職場環境が悪化し、職場秩序が相当に乱れていると思われますので、早急に関係者から事実確認(まずは被害を受けている同僚から)をし、職員において、設問のような言動が実際にあったならば、相当な事情が認められない限り厳重注意、懲戒処分、場合によっては解雇を検討すべきと考えます。また、これまで注意指導歴などから、本人の改善が認められない限り、もはや懲戒の問題ではなく、解雇措置も検討すべきと思います。また設問後段においてもBとCが一日中口を利かないことに対して、周りの職員も気遣い、あるいは不快に感じ、職場環境全体が悪化している考えられ、早急に手だてを講じるべきです。その際に、なぜBCの中が悪いのか、その原因を探る必要があります。率直に上司がそれぞれから事実確認をすべきです。そしてその原因から事態を収拾する方法を模索すべきと思います。たとえそれが個人的なことであっても職場にそのような関係を持ち込むことは、職場環境を乱し職場に支障のある行為であるということは重大のことです。それゆえ法人は、そのような職員に対し、してはいけない事項であることを諭し、両者に気づかせるべきです。

そのような注意指導をしたうえで、なお改善しないということであれば、就業規則に従い懲戒などを検討すべきでしょう。又場合によっては、両名を同じ職場ではなく、別の職場に配置することも検討すべきでしょう。

Q、何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている

A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

  • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

  • 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
  • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

非認知能力や愛着障害…心身の発達支援セミナー

合同出版は2024年3月27日~30日、「子どものこころやからだの発達を支援する 連続セミナー2024春」を開催する。視聴チケットは3,000円(税込)、教材付きチケットは7,700~8,900円(税込)、書籍付きチケットは4,600円(税込)から。見逃し配信あり。

「子どものこころやからだの発達を支援する 連続セミナー2024春」は3月27日から30日、午後7時から9時に開催される。最前線で活躍する登壇者が、特別支援教育や療育、保育の現場ですぐに役立つ知識や支援のポイントについて講演するという。

 3月27日は、「10分からできる!スキマ時間を使って学校で非認知能力を高めるワーク」をテーマに、非認知能力についてや、教育現場で必要な理由、高める支援法を講演する。登壇者は、教材の考案者で臨床心理士の中島美鈴氏と、ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーとして教育現場で活躍する高口恵美氏。チケットは、視聴チケットのほか教材チケットや関連書籍付きチケットなどから選択して購入できる。アーカイブ配信あり。

 3月28日は、教室・児発・放デイで取り組める「話しことば・発音の支援」をテーマに、「絵をみてまねっこ!いっしょにできたねおしゃべりカード」の使い方、ことばの教室、児発・放デイで取り組めることばの支援を紹介。言語聴覚士や子供に関わる支援者と「コミュニケーション支援」のこれからについて考えたいとしている。登壇者は、言語聴覚士・ことばの相談室ことり主宰 寺田奈々氏と、言語聴覚士・子どもの発達支援を考えるSTの会代表 中川信子氏。チケットは、視聴チケットのほか教材チケットや関連書籍付きチケットなどから選択して購入できる。アーカイブ配信あり。

3月29日は、「愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもへアセスメントを活用した具体的な支援法」をテーマに、愛着障害について、米澤式/愛着障害アセスメントツールの使い方、アセスメントで見分ける愛着障害と発達障害、愛着障害のある子供の個別支援の勧めについて講演する。登壇者は、和歌山大学教育学部教授・臨床発達心理士スーパーバイザー 米澤好史氏。チケットは、視聴チケットのほか書籍付きチケットなどから選択して購入できる。アーカイブ配信なしで、リアル配信のみ。

 3月30日は、「境界知能の子どもはなぜ教育からも福祉からも見落とされてしまうの?」をテーマに、境界知能について、境界知能の子供に必要な支援、精神医学の知的障害診断との関連、発達障害との併存について講演する。登壇者は、小児科医・青山学院大学教授 古荘純一氏。アーカイブ配信あり。

 2,000円割引となるお得な4回コース視聴チケットは1万円(税込)。各参加費は、Webサイトにて確認できる。申込みは、Webサイトより行う。

◆子どものこころやからだの発達を支援する 連続セミナー2024春
開催期間:2024年3月27日(水)~30日(土)19:00~21:00
形式:オンライン
申込締切:
・視聴チケット 開催日当日18:00
・教材付き、書籍付きチケットなど 2024年3月17日(日)23:55
・4回コース視聴チケット2024年3月27日(水)18:00
参加費:Webサイトにて確認できる
申込方法:Webサイトにて申し込む

Q キャリアパスの説明を受けても、実際にどうすれば上位等級に昇格できるのかがよくわからない

A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、

キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。

この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています

  • 前等級における最低勤務年数
    「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。
  • 資格
    それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。
  • 実務経験
    「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。
  • 人事評価
    人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。

 

誰かのために時間を使う

人の時間の使い方を考えるとき、「100%誰かのための時間」ということはあり得ません。「自分の為に時間」「誰かのための時間」は単純に割り切れるものではありません。「あの人にはこれだけやってあげた」「親が望むよう生きていた」「会社の為に働いてきた」という人は自分の時間を犠牲にしてきたとおもっているのでしょう。

わかっておきたいのは、自分の時間は全て自分で選択できる自由な時間であるということ。どう使うかはひとりひとりに委ねられています。「いやそんな自由はない」と思うなら「~しなくては」という呪縛に縛られているのかもしれません。「誰かの時間」でも、自分がそうしたいからと思えば「自分のための時間になります」その意識が無ければ、他人に振り回されてばかりの時間になります。「だれかの為だけ」と考えていたら自分の気持ちが置いてきぼりで身が持ちません。

人は誰かの為だから頑張れることが多いものです。仕事をするのも、食事をつくるのも、遊びの計画をたてるのも、「あの人の喜ぶ顔が見たい」と思えば頑張れるものです。人の役にたったり、認めてもらえたりすることで、安心感も幸せも感じられます。自分の為に時間も必要ですが、「誰かが喜んでくれることが自分の幸せ」と思える時間をもてたり、より大きな幸せがもたらされるのではないでしょうか。

Q,仕事が出来ず協調性もない問題のあった社員が、定年後の再雇用を申し出てきました。

Q,仕事が出来ず協調性もない問題のあった社員が、定年後の再雇用を申し出てきました。会社としては定年をもってやめてもらいたいが、どのような対応が出来ますか、尚、当社は雇用継続制度をとっており、再雇用基準を定めた労使協定があります。

A, 当該社員は定年迎えるということで、定年後再雇用をしないということが考えられますが、それが出来るかどうかが問題になるところです。

平成25年4月1日より改正高年齢者等の雇用の安定等の関する法律が施行されています。この改正では、定年に達した人を引き続き雇用する「雇用継続制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されました。ただ、従来このような仕組みを設けていた場合には、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢(令和4年3月31日までであれば63歳)を超える年齢の者について、なお雇用継続制度の対象者を限定する基準を定めることは可能となります。

 逆にいうと、60歳定年で雇用継続制度をとっている場合、本人が希望するときは、解雇事由や退職事由にあたる事由がないかぎり、少なくとも上記支給開始までは再雇用する必要があります。再雇用基準を適用できるのは上記支給開始年齢を超えて再雇用するかどうかを判断するときになります。

従って、御質問にある問題社員が再雇用を希望した場合、その時に再雇用基準を満たしていなかったとしても、少なくとも上記支給開始年齢までは再雇用をする必要があります。

 

2,解雇することはできるのか

仮に再雇用拒否が出来ない場合でも客観的合理性と社会的相当性の要件を満たしていれば解雇することはできます。ご質問のケースでは、当該社員は仕事も出来ず協調性もないとのことですので、解雇できるかどうかのポイントとしては、その問題事由を裏付ける客観的事実、問題性の程度、そして何度も注意指導しても改善しなかったという「改善可能性」が無いことや、他の部署に配転して解雇を回避する余地がないか、などが焦点になります。

 実際のケースでは、十分な注意指導が出来ておらず、直ちに解雇するのは難しいというケースが見受けられます。そのような場合には、一端、再雇用したうえで、当該社員の問題状況や注意指導の履歴を記録化するようにして、契約更新の段階で雇止めを検討するという方法も考えられます。ただ、社内で長年キャリアを積んだ年長社員に対して、どれだけの指導教育ができるかについては、現実的にかなり難しい部分もあるのではないでしょうか。

 

3,労働条件を変更することはできるか

定年後再雇用とする場合、雇用契約を締結しなおすことになりますので、その際に労働条件(給与、職種、業務内容)を改定し提示することは可能です。ただ、どのような変更をしてもいいかというと、厚労省QAによれば、継続雇用高齢者の安定した雇用を確保するという趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金など雇用に関するルールの範囲内で事業主と労働者の間で決めることが出来るとされています。そして最終的に合意できなかった場合でも、事業主が合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば結果的に継続雇用に至らなかったとしても、法律違反になることはないとしています。

 

4,事業主側として現実的な対処方法としては。

 ご質問のケースのような場合、当該社員との雇用継続が難しいということであれば、実務対応としては、当該社員にこれまでの勤務をねぎらいつつも、会社の評価を伝えて、まずは退職勧奨を試みるのが現実的な対応であると考えます。また、場合によっては割り増し退職金を支払う等の方法も考えられるところです。

 

 以上

 

保育所、補助金申請不要に 登園・勤怠のデータ共有 こども家庭庁、保育士の働き方改善 

こども家庭庁は2025年度に保育施設の園児の登園や保育士の勤務状況を一元管理するデータベースづくりに着手する。実態の把握を容易にして、施設の運営や保育士の手厚い配置への加算などに関する補助金の申請が原則不要になる。保育士の働き方を改善し、人手不足の解消を狙う。

こども家庭庁は保育行政のデジタル化を進める

 厚生労働省の調査によると、231月の保育士の有効求人倍率は3.12倍で、全業種平均の1.35倍を大きく上回る。保育士の資格を持つ人は最新調査の21年時点で173.1万人と10年前から65.5万人増えたものの、実際に保育現場で働く人は4割に満たない。資格を持ちながらも保育の仕事をしていない潜在的な保育士は増え続け、21年に107.3万人に上る。

 データベースづくりは政府のデジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率化の一環で、関連経費を25年度予算案で要求する。データベースは26年度の本格稼働をめざす。

 保育士らは日中に子どもを世話し、夕方以降に補助金申請のための事務作業をすることが多い。業務の負担を減らすことで、保育士の離職を防いだり、潜在的な保育士の復職につなげたりする。

 こども家庭庁は保育士の配置を手厚くしたり、専門職員を置いたりする保育所に補助金を上乗せして支給している。例えば、保育士は1人で3歳児を20人まで担当できるが、15人にして丁寧に面倒をみる場合はその分の運営費を補助する仕組みがある。

 こうした加算や施設運営にかかる補助金を受けるため、保育所は地方自治体が指定した文書などに人員体制を記入し、郵送やメールで提出する必要がある。

 千葉県内で認可保育所「キートス」を運営するハイフライヤーズ(千葉市)の担当者は「1人の職員の情報を補助金の申請ごとに何回も書く必要があり、ミスのもとになっている」と語る。保育料や入退園した子どもの情報などが自治体と施設との間で共有されておらず、施設側で確認に追われることもあるという。

 自治体側でも出された書類を手作業で精査するなどデジタル化の遅れが指摘される。

 各保育所の児童の登園情報や保育士の配置状況をまとめる全国共通のデータベースをつくり、多くの保育所で使われている業務支援アプリから入力できるようにする。

 データベースから児童と職員の人数を参照し、保育所が受けられる補助金を自動的に算出できるようにもする。

 こども家庭庁は共通のデータベースを構築するにあたり、自治体ごとにバラバラになっている申請項目や業務フローを見直す。25年度にも全国で基準をそろえる。

 人員配置が補助金の要件を満たしているかどうかを確認する作業の負担も軽くする。

 現在は自治体の職員が定期的に保育所に立ち入り、人員が十分かといった点を確認することが多い。データベースが整えば、監査の際に人員配置など事務的な確認を省いて衛生環境や安全管理についてより入念にチェックできるようになる。(3月5日 日本経済新聞朝刊より)

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