コラム
患者が「通い続けたい」と感じるクリニックの共通点と、院長が今日から取り組める改善のヒントについて、一般社団法人日本医療介護人材育成支援機構で理事を務める、開業医の武井智昭ドクターが解説した記事を紹介します。
クリニックから患者が離れる“本当の理由”
「医療技術が高ければ患者は来る」
そう信じて開業したものの、なかなか患者数が伸びない……。こうした悩みを抱える開業医は少なくありません。しかし、実際の患者行動を見ると、クリニック選びの基準は私たち開業医の想像とは大きく異なることがわかります。
日本医療機能評価機構が実施した患者満足度調査によると、「もう二度と行きたくない」と感じた理由の上位に「受付スタッフの対応」、「医師の説明不足や態度」、「スタッフのコミュニケーション」が挙がっています。
また、Googleの口コミで「★1」評価を受けているクリニックを分析すると、その約6割が「受付の態度が悪かった」、「医師に話を聞いてもらえなかった、粗雑に扱われた」など、不満の多くが医師やスタッフの「対応」であることが明らかになりました。
筆者自身も診療を続けるなかで、「前のクリニックは先生が優秀だと評判だったけれど、いつも忙しそうで質問しづらかった」、「医師に自分の話を聞いてもらえず、スタッフにもぞんざいに扱われた」といった声を何度も耳にしてきました。
技術や知識が大切であることはいうまでもありません。しかし、患者が最初に、そしてもっとも頻繁に接するのは「人」です。受付での第一声、診察室での視線の合わせ方、会計時の笑顔やジェスチャー……こうしたコミュニケーションの積み重ねが、「このクリニックに通い続けたい」という気持ちを生みます。
実際、ある調査では「かかりつけ医を選ぶ理由」として「話をよく聞いてくれる」が68%、「スタッフの感じがいい」が54%と、「医療技術と効果」(32%)を大きく上回っています。
つまり、患者は「大切にされている」と感じるクリニックを信頼し、反対に「ないがしろにされた」と感じた瞬間、どれほど高度な治療を受けていても心が離れてしまうのです。
患者が「二度と行きたくない」と感じるスタッフのNGマナーTOP5
では具体的に、どんな対応が患者の心を遠ざけてしまうのでしょうか。実際の患者の声とともにみていきましょう。
第5位:服装・清潔感の欠如
「髪がボサボサで、白衣にシミがついているスタッフがいて不安になった」(40代女性)
医療機関である以上、清潔感は信頼の基本です。メラビアンの法則(※)が示すように、第一印象は視覚情報で決まります。
(※)メラビアンの法則とは、感情や態度を伝えるコミュニケーションにおいて、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%の割合で影響を与えるという心理学の法則
第4位:待合室での私語が多い
「受付で『昨日のドラマ見た?』と大きな声で雑談していて、呼んでも気づいてもらえなかった」(60代男性)
患者は体調不良や不安を抱えて来院しています。スタッフ同士の私語は、その不安を軽視しているように映ります。
第3位:早口・専門用語だらけの説明
「『では次回はこれとこれの検査をオーダーしておきますね』と早口で言われ、なんの検査かわからないまま終わった」(50代女性)
医療者にとっての日常用語も、患者にとっては“呪文”のように聞こえることがあります。
第2位:目線を合わせない
「医師だけでなく、受付も看護師もずっとパソコン画面を見たまま。私は人間じゃなくて番号なのかと悲しくなった」(70代男性)
電子カルテの普及で増えた問題ですが、一瞬でも目を合わせるだけで、印象は大きく変わります。
第1位:電話・受付での冷たい言葉遣い
「『はい、なんですか?』と面倒そうに言われた」「症状を説明している途中で『で、いつ来られますか?』と遮られた」
電話や受付はクリニックとの最初の接点です。ここで冷たい対応をされると、その瞬間に「この病院は自分を大切にしてくれない」と判断されてしまいます。
これらに共通するのは、患者に「存在や気持ちが軽んじられている」と感じさせてしまっている点です。技術的なミスではなく、「1人の人として扱われなかった」というネガティブな感情が、「二度と行かない」という決断につながります。
「かかりつけ医にしたい」と思われる好感マナー実践例
一方、患者から絶大な信頼を得ているクリニックには、共通して次のような工夫がみられます。
名前を呼び、目を見て挨拶する
「〇〇さん、おはようございます。今日は調子いかがですか?」たったこれだけで、患者は「自分を認識してくれている」とうれしく感じるものです。
実際、筆者のクリニックでは、小児の患者の誕生日を覚えて声をかけるようにしています。「もうすぐ5歳だね、保育園ではなにして遊んでいるの?」と話しかけると、お子さんも親御さんも自然と笑顔になります。
人生のイベントに寄り添う
思春期の患者には「受験どう?」「部活は?」と声をかける。成人の患者には結婚や転職など生活の変化に触れる。高齢の患者には「お孫さんは元気?」「最近お友達と会っていますか?」と社会的なつながりを尋ねる……。
疾患だけでなく、その人の人生そのものに関心を持つことで、患者は「ただ病気を治すだけではなく、自分という人間を見てくれている」と感じます。
笑顔の練習を全員で行う
あるクリニックでは、朝礼で「笑顔の練習」を30秒行うそうです。「おはようございます!」と鏡を見ながら全員で笑顔を作ると、最初は照れくさそうだったスタッフも、続けるうちに自然な笑顔が身につき、患者満足度が目に見えて向上したといいます。
クレームを宝に変える
「待ち時間が長い」というクレームを受けたあるクリニックは、待合室に「現在の待ち時間」を表示するボードを設置し、さらに「お待たせして申し訳ございません」というメッセージカードを渡すようにしました。
すると、「待つのは仕方ないけど、気遣ってくれる姿勢が嬉しい」とむしろ評価が上がったそうです。
院長が今日からできる「スタッフマナー向上」3ステップ
では、院長としてどのようにスタッフのマナーを高めていけばよいのでしょうか。
ステップ1.まず院長自身が手本となる
スタッフ教育に取り組む前に、まずは院長自身の振る舞いを見直しましょう。スタッフは院長の写し鏡です。院長が患者と目を合わせず、イライラした様子で診察していれば、スタッフも同じ態度を取るようになります。
筆者自身、忙しい日ほど意識的に深呼吸をし、笑顔を作り、患者の目を見て「今日はありがとうございました」と伝えるようにしています。院長のメンタルコントロールが、クリニック全体の空気を作ります。
ステップ2.「見える化」チェックリストの導入
「挨拶は明るくできているか」「電話は3コール以内に取れているか」「患者の名前を呼んでいるか」など、具体的な行動をチェックリストにします。そして週に1度、スタッフ全員で振り返る時間を設けることで、改善点が明確になります。
ステップ3.感謝と承認の文化を作る
患者から「あのスタッフの対応がよかった」という声があったら、必ず本人に伝えましょう。具体的には、朝礼の場などで「昨日〇〇さんが、受付の△△さんの笑顔に救われたと言ってくれました」と共有することで、スタッフのモチベーションは大きく高まります。認められる経験が、人を自発的な成長へと導くのです。
技術はもちろん重要です。しかし患者が最初に触れるのは「人」であり、その印象が集患の最前線を形づくります。
高度な医療機器を揃えるよりも、まずは院長自身が患者1人ひとりと心を通わせ、その姿をスタッフが自然に真似していく。そんな温かい循環を生み出すことが、長く愛されるクリニックへの第一歩です。
- 著者:
-
武井 智昭 高座渋谷つばさクリニック 院長
一般社団法人 日本医療介護人材育成支援機構 理事
■ 記事
求人サイト「ジョブメドレー」を通じて保育士として入職した5,830人のデータを分析した結果、応募から入職までにかかる日数は「平均54.3日」であることが分かりました。求職者の就業状況によって大きな差があり、離職中の場合は平均36.3日ですが、働きながら転職活動をしている(就業中)の場合は平均64.3日かかっています。一方で、20代から50代まで年代による入職期間の差はほとんどなく、どの年代でも入職までに平均50日以上を要していることが明らかになりました。
■ 採用担当者にとっての学び
労働力不足が深刻化する中、「いつまでに人材が欲しいか」という自社のニーズに対して、採用活動のスタート時期を逆算して設計することは人事の基本かつ最重要項目です。特に優秀な人材や経験豊富なベテラン層は、在職中から転職活動を行っているケースが多く、前職での引き継ぎやクラス担任の都合で入職までに2ヶ月以上の期間を要することを前提にする必要があります。焦って採用基準を下げることのないよう、データに基づいた余裕のある採用スケジュールの構築が求められます。
■ 自分の事業所で検討できること
自園の年間採用スケジュールを再点検し、「欠員が出てから慌てて募集する」のではなく、数ヶ月先を見据えた継続的な母集団形成を行う体制へシフトしましょう。
また、就業中の優秀な応募者(特に経験豊富な50代以上のシニア層を含む)を取りこぼさないよう、オンライン面接の導入や、土日・夜間の面接対応など、相手の状況に合わせた柔軟な選考プロセスを整備することが重要です。内定を出してから入職までの期間が空く場合は、定期的な連絡や事前見学会への招待など、入社意欲を維持するためのフォローアップ(内定者リテンション)の仕組みづくりも併せて検討してください。
生労働省は21日、LIFE(科学的介護情報システム)の運営主体を国保中央会へ移管することに伴う通知を出し、介護保険最新情報Vol.1495で周知した。
事業所・施設がLIFE関連加算を詳細な運用ルールを明らかにした。
今回の運営主体の移管は「介護情報基盤」の稼働開始に伴うもの。今回、厚労省はQ&Aで全サービス共通の留意事項を整理している。実務上の主なポイントは以下の通りだ。
◯ 提出する様式情報に変更はなく、情報の提出先が国保中央会へ切り替わる。
◯「少なくとも3ヵ月ごと」という情報の提出頻度は、厚労省が運用していた旧システムへ最後に提出した月から起算して差し支えない。
◯ 既に旧システムを利用している事業所・施設は、移行作業を終えれば改めて新システムで新規の利用申請をする必要はない。
厚労省はあわせて、「旧システムへ既に提出している様式情報は、新システムへ再び提出する必要はない」と説明した。
ただし、システムの移行作業を行った月のサービス提供分のデータを提出する際は注意が必要だ。同月中に旧システムで一部の利用者のデータを提出している場合、移行後の新システムで改めて全員分を提出する必要があるという。
厚労省はこのほか、旧システムでの新規の利用申請を4月22日19時で締め切ることや、運営主体の移管に伴う「ADL維持等加算」の経過措置なども提示した。
今回の運営主体の移管は「介護情報基盤」の稼働開始に伴うもの。事業所・施設には、7月末までの移行期間内に電子証明書の取得や利用者情報の再登録といった対応が求められる。
「少し気に入らないことがあるとすぐに『辞める』と言い出す職員がいる」
介護施設、保育園、クリニックの現場で、このような相談は非常に多く寄せられます。
周囲の士気を下げ、業務にも支障をきたすため、「いっそ本当に辞めてもらえないか」と考える経営者・管理職も少なくありません。
では実務上、「辞める」と発言した事実だけで退職扱いにすることはできるのでしょうか。
結論から言うと、一定条件を満たせば可能ですが、慎重な判断が必要です。
本記事では、トラブルを防ぎながら適切に対応するためのポイントを、判例と実務の視点から解説します。
退職の成立は「誰に伝えたか」で大きく変わる
まず重要なのは、「辞める」という発言が誰に対して行われたかです。
権限者に伝えた場合
院長、施設長、理事長、事務長など、人事権を持つ者に対して退職の意思を伝えた場合は、口頭であっても退職の申し出と評価される可能性があります。
つまり、この時点で「退職の意思表示」が成立していると判断される余地があります。
同僚や先輩に話しただけの場合
一方で、同僚や先輩職員などに対して「もう辞める」と話しただけでは、
法的な退職意思表示とは認められません。
現場ではよくあるケースですが、この段階で会社側が「辞めると言っていたから退職扱いにした」という対応をすると、後にトラブルになるリスクが高いです。
判例から見る「退職の成立」と「撤回」
退職を巡るトラブルでは、過去の裁判例が重要な判断基準となります。
① 退職が成立し、撤回できないケース
最高裁判例(昭和62年9月18日)では、
人事部長が退職願を受理したことは、会社側の承諾にあたる
とされ、退職は合意解約として成立し、その後の撤回は認められないと判断されています。
つまり、
- 労働者が退職の意思を示す
- 使用者側がそれを承認する
この2つが揃えば、退職は確定します。
② 撤回が認められるケース
一方、岡山地裁(平成3年11月10日)では、
人事権のない職員が退職届を預かっただけでは承諾とはいえない
とされ、退職の撤回が認められました。
この判例から分かるのは、
👉「誰が受け取ったか(承認権限の有無)」が極めて重要
という点です。
「辞める発言」で退職扱いにするための実務ポイント
では、問題の職員が会議や面談で「辞めます」と発言した場合、どう対応すべきでしょうか。
結論として、適切な手続きを踏めば自己都合退職として扱うことは可能です。
ただし、以下の対応を怠ると、後で「言っていない」「本気ではなかった」と争われるリスクがあります。
① 退職意思の“念押し”を必ず行う
感情的な発言なのか、本気の意思なのかを明確にする必要があります。
具体的には、以下のように確認します。
- 「今の発言は退職の意思で間違いありませんか?」
- 「正式に退職するという理解でよろしいですか?」
この確認を曖昧にすると、後で撤回を認めざるを得ない可能性が高まります。
② 退職日をその場で確定させる
退職意思が確認できたら、退職日を具体的に決めることが極めて重要です。
- 「いつ付けで退職しますか?」
- 「最終出勤日はいつにしますか?」
退職日はトラブルの火種になりやすいため、その場で明確に合意しておく必要があります。
③ 必ず書面(退職届)を提出させる
口頭でも退職は成立する可能性がありますが、実務上は非常に危険です。
必ず以下を行いましょう。
- 退職届の提出
- 日付・署名の確認
- コピー保管
これにより、「言った言わない」の争いを防ぐことができます。
よくある誤解:「口頭だから無効」は間違い
現場では、
「書面がないから無効では?」
という誤解が多く見られます。
しかし実際には、口頭でも退職の意思表示は有効です。
重要なのは、
- 明確な意思表示があったか
- 会社側が承認したか
という点です。
注意点:安易な“退職扱い”は逆にリスク
「辞めると言ったから辞めさせた」と安易に処理すると、以下のリスクがあります。
- 不当解雇と主張される
- 損害賠償請求
- 労基署・労働局対応
特に、感情的発言をそのまま退職扱いにするのは危険です。
実務対応の結論(現場で使える判断基準)
問題職員への対応としては、次のように整理できます。
- 同僚への発言 → 無効(様子見)
- 管理職への発言 → 要確認
- 明確な意思+承認 → 退職成立
そして最も重要なのは、
👉「記録を残すこと」
です。
まとめ:感情的な「辞める」に振り回されないために
「辞める」と繰り返す職員への対応は、現場のストレス要因になりがちです。
しかし、法的にはシンプルで、
- 誰に言ったか
- 本気かどうか
- 承認されたか
この3点で判断されます。
適切に対応すれば、不要なトラブルを防ぎながら、組織運営を安定させることができます。
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◾️「身だしなみ」のあり方を見直した背景
保育者といえば「エプロン・ジャージ」が一般的なイメージでしたが、檸檬会では15年ほど前より、そうしたイメージにとらわれない姿を目指してきました。
一方で近年では、社会全体で多様性を尊重する価値観が広がり、自分らしいあり方で、専門性を持って働く人たちを見かけることも少なくありません。
檸檬会でも保育者の「身だしなみ」について、安全性や衛生面から一定の基準を設けてきましたが、こうした社会背景や、「子ども一人ひとりの個性を大切にする保育」を掲げる中で、保育者のあり方について見直しを進める必要があると考えました。
私たちは、子どもたちの多様性を尊重するとともに、多様な価値観を持つ人々と協働していく力を育みたいと考えています。そのために、身近な大人である保育者が個性を発揮して働く姿を見せることは、子どもたちに「個性の尊重」を伝える生きた教育環境の一部になると考えました。
今回のガイドラインはそうした考えのもと、現場との対話を積み重ねながら策定されたものです。
◾️ガイドラインの考え方と変更点
本ガイドラインは従来のような一律の制限ではなく、保育者が自ら考え、話し合うための指針です。チームでお互いに高め合い、これまで以上に信頼される施設を目指します。
具体的な変更内容
髪色・髪型、一部の装飾(ペディキュア等)などについて、リスク管理と園内の対話を前提として、柔軟かつ多様な表現を認めてまいります。
大切にしていく点
今回の見直しにあたり、安全性・信頼・清潔感の低下を招かないよう、以下の運用を徹底いたします。
-
安全・衛生の最優先:
怪我・誤飲の原因となる装飾品(ピアス、マニキュア等)、衛生を損なう服装、強い香りを伴う衣服
等の着用制限は、これまで通り継続いたします。
-
プロとしての自覚:
柔軟な表現を認めつつも、保育のプロフェッショナルであることを第一に考え、信頼や清潔感の確保を優先してまいります。
-
フィードバックの文化づくり:
施設長を含めたチームで、「安心・安全・信頼・清潔感」に適っているかお互いに確認し、フィードバックし合う文化づくりを進めてまいります。
なお、本ガイドラインは各施設での対話を大切にしながら運用をしていくため、変更の開始時期は施設ごとに異なります。現場の状況に応じて、無理のない形で進めてまいります。
◾️職員同士の対話をもとに更新していく
このガイドラインはトップダウンではなく、職員同士の対話をもとにして策定されました。ルールとして決まっている内容、また、年度ごとに各施設の職員が話し合いのうえで更新できる内容、この両方をもって運用されます。
多様性を認めることは「なんでもあり」を意味するのものではありません。職員同士がお互いに声を掛け合い、安心してフィードバックし合える関係性こそが、檸檬会の目指すカルチャーです。
◾️保護者への説明と理解の促進
本取り組みについては、各施設においてその背景や意図を保護者の方へお知らせしています。見た目の多様性を認めつつも、それが「安心・清潔・信頼」を損なうことがないよう、保育者一人ひとりが真摯に保育に向き合い、説明責任を果たしていく姿勢を大切にします。
檸檬会では、本ガイドラインを通じて「個性」と「専門性」を両立させた新しい保育者像を追求してまいります 。また、社会の変化に応じて職員が対話を行い、内容を更新し続けることで、保育の質の向上に努めてまいります 。
居宅介護支援事業所のテレワークの実施状況が、国の最新の調査結果で報告されている。
ケアマネジャーのテレワークを「認めている」とした事業所は30.1%だった。
一方、約7割にあたる68.0%は「認めていない」と回答。出社を基本とする働き方が主流となっている実態が改めて浮き彫りになった。
テレワークを認めていない事業所にその理由を複数回答で問うと、「テレワークの環境が整っていない」が52.0%で最も多かった。次いで、「勤怠・タスク管理が難しい(35.2%)」「事業所の方針(35.1%)」などが続いた。
テレワークを認めている事業所にその頻度を尋ねたところ、「不定期」が66.7%で最多だった。
テレワーク中の緊急時対応については、50.3%が「体制を整備しており、管理者とテレワーク実施者による対応が可能」と回答。「体制を整備していない」と答えた事業所は28.6%だった。
テレワークを認めている割合には、事業所の所在地によって明確な差が見られた。
東京23区の地域区分の「1級地」では、59.2%の事業所がテレワークを容認。一方、地域区分の「その他」では20.8%にとどまっていた。
この調査は、厚生労働省から委託を受けた三菱総合研究所が昨年10月から11月にかけて実施したもの。全国3000の居宅介護支援事業所が対象で、32.9%の977事業所から有効回答を得た。
介護・保育・クリニックの現場で増えている「叱るとパワハラと言われる問題」について、専門社労士がわかりやすく解説します。
- 「注意しただけなのに“それはパワハラです”と言われた」
- 「叱らないでほしいと言われ、指導ができない」
このようなお悩みは、現場で非常に多く発生しています。
本動画では、
- 適正な業務指導はパワハラに該当するのか
- 「本人が嫌と感じたらパワハラ」は本当か
- 実際にパワハラになるケース/ならないケース
- 現場で取るべき正しい対応方法
について、実務目線で解説しています。
特に、
- 「指導を避けた結果、処分や解雇ができなくなるリスク」
についても詳しく触れていますので、管理者の方はぜひ最後までご覧ください。
【この動画はこんな方におすすめ】
- 介護事業所の管理者、施設長
- 保育園の園長、主任保育士
- クリニックの院長、事務長
- 問題社員対応に悩んでいる方
【ポイントまとめ】
- 適正な指導はパワハラではない
- 判断基準は「主観」ではなく「客観」
- 言い方や伝え方には十分注意が必要
- 指導をしないこと自体が大きなリスクになる
労務トラブルは、初動対応で結果が大きく変わります。
少しでも不安がある場合は、早めの対策が重要です。
職員採用において「面接では良い人材だと思ったのに、すぐ辞めてしまった」「現場と合わずトラブルになった」といった悩みは、多くの企業で共通しています。特に介護・保育・クリニックなどの対人サービス業では、人材の定着が経営を大きく左右します。
こうした課題の根本原因の一つが「採用ミスマッチ」です。そして、そのミスマッチを防ぐ有効な手段として注目されているのが「適性診断」です。本記事では、社労士の視点から、適性診断の重要性と導入すべき理由を実務ベースで解説します。
採用ミスマッチが起きる本当の理由
採用ミスマッチが発生する最大の要因は、「見える情報」と「見えない情報」のギャップです。
履歴書や職務経歴書では、資格や経験といったスキルは把握できます。また、面接では人柄やコミュニケーション力をある程度確認できます。しかし、実際の現場で重要となるのは、以下のような“見えにくい要素”です。
- ストレス耐性
- 協調性・対人関係力
- 指示への反応傾向
- 感情コントロール
これらは面接だけでは正確に把握することが難しく、結果として「採用してみないと分からない」という状態に陥ります。特に介護や保育の現場では、対人ストレスが高いため、この見えない部分のズレが早期離職につながるケースが非常に多いのです。
適性診断とは何か?
適性診断とは、応募者の性格特性や行動傾向、職種適性などを客観的に測定するツールです。
例えば、以下のような項目を数値化・可視化します。
- 協調性の高さ
- ストレス耐性
- 主体性・積極性
- ルール遵守傾向
- 対人コミュニケーションタイプ
つまり、適性診断は「面接では見抜けない部分を補完するツール」であり、採用の精度を高めるための重要な判断材料となります。
適性診断を導入すべき5つの理由
① 採用ミスマッチを防止できる
最大のメリットは、やはりミスマッチの防止です。性格や価値観が組織と合っているかを事前に把握することで、「入社後に合わない」というリスクを大幅に低減できます。
② 定着率の向上につながる
適性が合った人材は、職場への適応がスムーズです。その結果、早期離職が減り、定着率の改善につながります。特に人材不足が深刻な業界では、この効果は非常に大きいといえます。
③ 面接の質が向上する
適性診断の結果をもとに面接を行うことで、より深い質問が可能になります。
例えば、「ストレス耐性が低め」という結果が出た場合、その対応方法や過去の経験を具体的に確認できます。これにより、面接の精度が格段に向上します。
④ 配属ミスを防ぐことができる
同じ職種でも、現場によって求められる適性は異なります。例えば、
- 忙しい現場 → スピード・柔軟性重視
- 落ち着いた現場 → 丁寧さ・安定性重視
適性診断を活用すれば、配属先との相性を見極めることができ、配置ミスによる離職を防ぐことが可能です。
⑤ 管理職との相性も把握できる
見落とされがちですが、「上司との相性」は離職理由の大きな要因です。適性診断により、指示の受け方やコミュニケーションスタイルを把握することで、組織内の人間関係リスクを軽減できます。
適性診断を導入しないリスク
適性診断を導入していない場合、企業は大きなリスクを抱えることになります。
例えば、1人の採用にかかるコストは、広告費や教育コストを含めると50万円〜100万円程度になることも珍しくありません。にもかかわらず、ミスマッチによって短期間で離職してしまえば、その投資は無駄になります。
さらに、現場の職員に負担がかかり、既存スタッフの離職を招くという“負の連鎖”も発生します。これは経営にとって非常に大きな損失です。
適性診断の効果的な活用方法
適性診断は導入するだけでは意味がありません。重要なのは「使い方」です。
実務上は以下の流れがおすすめです。
- 書類選考後に適性診断を実施
- 結果をもとに面接質問を設計
- 配属や教育方針の参考にする
- 入社後のフォローにも活用
このように、採用から定着まで一貫して活用することで、初めて最大の効果を発揮します。
よくある誤解「適性診断は当てにならない?」
「適性診断は当てにならない」という声もありますが、これは半分正解で半分誤解です。
確かに、適性診断だけで採否を決めるのは危険です。しかし、面接と組み合わせることで、判断の精度は大きく向上します。
つまり、適性診断は「万能ツール」ではなく、「意思決定を支える材料」として活用することが重要です。
まとめ|採用は“確率”ではなく“精度”の時代へ
これからの採用においては、「なんとなく良さそう」という感覚的な判断ではなく、データに基づいた意思決定が求められます。
適性診断は、採用ミスマッチを防ぎ、定着率を高めるための有効な手段です。特に介護・保育・クリニックといった対人サービス業では、その重要性はますます高まっています。
採用に課題を感じている企業こそ、適性診断の導入を検討すべきタイミングです。
採用の質を高めたい、離職を減らしたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。適性診断の導入から運用まで、実務に即したサポートを行っています。
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“きっと喜んでくれるだろう”で大失敗…福利厚生導入時のポイント
たとえ、どれだけ素晴らしい福利厚生を導入したとしても、スタッフがその福利厚生を利用しなければ意味がありません。経費がかさむだけで、本末転倒になってしまいます。
失敗例1.バスや電車、ホテルの割引
以前、「バスや電車、ホテルが一般料金よりも安く利用できる」という民間企業の福利厚生サービスを導入したことがあります。旅行好きな筆者としては、このサービスを導入すればスタッフたちも、たくさん旅行に行くようになり、きっと喜んでくれるだろうと考えたのです。しかし実際には、全くといっていいほど活用されませんでした。
失敗例2.企業型確定拠出年金
メディアなどで「老後2,000万円問題」が騒がれ始めたころ、当院でもスタッフに正しい金融知識を身につけ将来に備えて欲しいという想いから「企業型確定拠出年金」を導入しました。個人型とは違い、事務費用負担と加入手続きを法人が担うことから、個人型よりも加入ハードルが下がると考えたのです。
「資産を預金だけで持つべきではない」と企業型確定拠出年金を行う重要性を伝え、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフにお願いして複数回、節税方法などをレクチャーしてもらいましたが、いまいち浸透しておらず、加入者の割合は少ないままです。
「よかれと思って」がうまくいかなかった原因
よかれと思って導入した福利厚生サービスですが、あまりうまくいかなかった原因は「院長目線」で導入したことにあります。
新しい福利厚生を導入する際には、事前にスタッフのニーズをしっかり把握することが重要です。導入する院長や経営者目線ではなく、サービスを享受するスタッフ目線に立つことで、双方の満足度を高めることができます。
【導入してよかった! スタッフの満足度が高い福利厚生3選】
成功例1.検診費用の補助
上記の失敗から、筆者は当院のスタッフにどんな福利厚生があったら嬉しいか、ヒアリングを行いました。
すると、「子宮頸がん・乳がん検診を受診する際に補助を出して欲しい」という声が上がりました。女性特有の疾患である子宮頸がん・乳がんですが、クリニックで働くスタッフというのは現状、女性が大半です。導入すれば助かる人が多いのは間違いありません。
要望を受け、筆者は早速「検診時半額を補助する」という福利厚生を導入しました。活用するスタッフは多く、満足度も高いようです。「ニーズを聞く」ことの重要性がよくわかった経験でした。
成功例2.置き型社食
仕事が忙しくつい外食やコンビニ弁当が多い人や、少しでも帰宅してからの家事を時短で済ませたい人に向けて、「置き型社食」を導入しました。
置き型社食とは、民間企業が提供する福利厚生サービスのひとつです。社員食堂を新たに設置するのが難しい中小企業などに向けて、「コストを抑えられ、手軽に導入でき、満足度が高い」として注目されています。
導入する側は、冷蔵庫が置けるスペースを確保し、サービスに申し込むだけで利用できます。社食専用の冷蔵庫が設置され、そこに毎月栄養バランスのとれた惣菜が届くのです。
当院が導入している置き型社食は、利用時に1品につき100円を支払うシステムです。電子レンジで温めるだけで食べることができるので、手間がかかりません。惣菜は持ち帰ることもできるため、忙しく働くスタッフに高い評価を得ています。
導入にあたってはスタッフを含めて試食を行い、アンケートの結果ニーズが高いことを把握したうえで実施に踏み切りました。
また当院では、「医療従事者である我々が健康であるからこそ、病気の患者さんに元気を与えられる」という考えのもと診療を行っており、筆者としてもスタッフにはできるだけ栄養価の高いものを食べてもらいたいという想いがあります。
そのため、国産原料が優先的に使用され、不要な添加物の入っていない「置き型社食」は、導入してよかったサービスのひとつです。
成功例3.自社農園で作った無農薬野菜の配付
上記の考えから、当院では某所に畑を借り、無農薬野菜の栽培を始めました。そこで収穫した玉ねぎ・さつまいも・トマト・レタスなどの無農薬野菜は、スタッフに無料で配っています。
スーパーなどで買うと割高な無農薬野菜を無料でもらえると、スタッフに好評です。野菜の配付を通じて、健康経営に繋げたいと考えています。
行政に頼るのもひとつの手!
市町村などが中小企業向けに提供している「福祉共済」は、個々の企業では導入しにくい充実した福利厚生サービスを提供しています。月々の会費が比較的安いわりに、サービス内容が手厚いものが多いのが特徴です。
たとえば、結婚・出産・子どもの入学時のための祝金や傷病時・災害時の見舞金、弔慰金、退職慰労金などの給付事業、舞台の観劇チケットやスポーツ観戦チケットが安く購入できる余暇支援といったサービスがあります。
当院でも、市の福祉共済に加入。筆者の経営するクリニックは球場が近いため、この余暇支援を利用して割引チケットを手に入れ、筆者とスタッフ、そのご家族を交えて野球チームの応援に行くなど、法人内のコミュニケーションの活性化に役立てていました。
残念なことに、現在は市の福祉共済事業が終了してしまったため、祝金や見舞金といった給付事業については内製化し、継続して福利厚生サービスを提供しています。
まとめ
充実した福利厚生制度を整えることで、スタッフとその家族の生活が豊かになり、モチベーションの向上につながります。また、新たなスタッフがクリニックで働く動機のひとつになるでしょう。
当院でも、これからもスタッフの満足度を高める福利厚生制度を考え、積極的に導入していきたいと考えています。
- 著者:
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梅岡 比俊(うめおか ひとし)
【医療法人梅華会 理事長】開業医コミュニティ「M.A.F」主宰





