コラム
介護施設、保育園、そして診療所(クリニック)の運営において、人事や採用に関するお悩みは絶えません。特に多くの経営者や管理者の方からご相談をいただくのが、「試用期間中の職員・スタッフの扱い」についてです。
こんなお悩みはありませんか?
「他のスタッフと頻繁にもめごとを起こし、職場の雰囲気が悪化している…」
「患者様や保護者様からのクレームが相次いでいる…」
「指導しているが改善が見られず、本採用は難しいと感じている…」
「試用期間中であれば、いつでも簡単に解雇できる」と考えていらっしゃる方も少なくありません。しかし、法律上のルールや注意点を正しく理解していないと、後に不当解雇として訴訟や労働審判などの大きなトラブルへ発展するリスクがあります。
この記事では、介護専門社労士・保育専門社労士・クリニック専門社労士の視点から、試用期間中の解雇に関するリーガルリスクや客観的な判断基準、さらに未然にトラブルを防ぐための具体的な対策を分かりやすく解説します。
1. 試用期間中の解雇は本当に認められやすいのか?
「試用期間」とは、応募書類や面接だけでは判断しきれなかった適正、勤務態度、スキルなどを実際の業務を通じて見極め、本採用するかどうかを判断するために設定される期間です。
法律上、試用期間は「解雇権が留保された労働契約」と解釈されています。そのため、すでに本採用された通常の従業員と比較すると、解雇の認められる範囲が相対的に広い傾向にあるのは事実です。
「解雇権濫用法理」は試用期間中も適用される
しかし、「認められやすい」ということと「自由にクビにできる」ということは全く異なります。
労働契約法第16条により、解雇には以下の2つの要件が必要です。
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客観的に合理的な理由があること
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社会通念上相当であること(処分が重すぎず妥当であること)
この原則は試用期間であっても適用されます。単に「印象が悪い」「経営者や管理職と性格が合わない」といった感情的な理由や、十分な指導・改善の機会を与えていない状態での解雇は、「解雇権の濫用」として法律上無効と判断される可能性が極めて高いのです。
2. 業界別:解雇やトラブルになりやすい具体的事例
介護・保育・クリニックの現場では、一般的なオフィスワークとは異なる特有の対人スキルや安全配慮が求められます。そのため、トラブルの質も業界ごとに特徴があります。
【業界別トラブルと求められる対応の比較】
介護現場
└ 主な課題: 介護事故・看過できない不適切ケア、既存スタッフとの連携拒否
└ 求められる指導: 業務手順(マニュアル)遵守の指導と、客観的な指導記録の保持
保育現場
└ 主な課題: 保護者クレームの頻発、園児への安全配慮不足、チームワークの乱れ
└ 求められる指導: 段階的な面談の実施と改善要請、保護者対応のログ化
クリニック
└ 主な課題: 患者様への接遇不良・クレーム、医療安全(ヒヤリハット)への認識不足
└ 求められる指導: 面談記録とスキルチェックシートを活用した定期的フィードバック
① 介護現場での事例(介護専門社労士の視点)
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【事例】 入社2ヶ月目の介護スタッフ。移乗介助などの基本手順を守らず、注意されても「自分のやり方のほうが効率的だ」と指示を無視。他のヘルパーや看護師と口論が絶えず、利用者様に対する言葉遣いにも不適切な点があり、ヒヤリハットが多発している。
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【リスク】 介護現場での連携不足は、重大な介護事故や利用者様の離脱に直結します。しかし、事故が未遂(ヒヤリハット)に留まっている段階で、一度も書面での指導・警告を行わずに「適性なし」として即座に解雇すると、事業所側が過失を問われるケースがあります。
② 保育現場での事例(保育専門社労士の視点)
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【事例】 試用期間中の保育士。園児への接し方が粗雑で、保護者から「怪我の説明がなかった」「不機嫌な対応をされた」などのクレームが連日寄せられる。園長が口頭で何度も改善を促したが、「保護者側が神経質すぎる」と聞く耳を持たない。
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【リスク】 保育園の信頼に関わる重大な事態ですが、保護者からのクレーム内容を客観的に精査し、園側がどのような具体的な改善指導を行ったかがデータや記録として残っていないと、不当解雇の主張に対抗できません。
③ クリニックでの事例(クリニック専門社労士の視点)
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【事例】 医療事務・受付スタッフ。受付での接遇が悪く、患者様から「冷たい」「説明が不親切だ」とGoogleマップの口コミ等に悪評を書かれるレベルのクレームが発生。医師や先輩スタッフが指導しても不貞腐れ、他のスタッフとも会話を拒否して職場の雰囲気が悪化している。
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【リスク】 クリニックは少人数体制が多く、一人の不調和が組織全体を疲弊させます。院長先生が「来週から来なくていい」と感情的に伝えてしまうケースが散見されますが、これは30日前の解雇予告(または予告手当の支払)を欠いた「不当解雇」の典型例となってしまいます。
3. 万が一トラブル(訴訟・労働審判)になった際の注意点
事業所側から見れば「明らかに本人に非がある」と感じる状況であっても、相手側の労働者が納得せず、弁護士や労働組合(ユニオン)を介して訴えてくるケースは年々増加しています。
いざ法的トラブルへ発展した場合、「事業所側が正当性を証明する立証責任」を負います。
口頭注意だけでは証拠にならない
裁判や労働審判の場では、「日常的に口頭で注意していた」という主張はほとんど効力を持ちません。 能力不足や勤務態度の悪さを理由とする場合、事業所として「いつ、どのような事象に対し、どのように改善指導を行い、それに対して本人がどう反応したか」という記録が書面やデータで残されているかが勝敗の分け目となります。
4. 試用期間中のトラブルを回避する3つの実践対策
労務トラブルを回避し、正当かつ円滑に人事判断を行うための具体的なステップを3つご紹介します。
① スキルチェックシートと面談記録の活用
試用期間中に習得してほしい知識、業務スキル、社会人・医療従事者としての勤務態度を定めた「評価チェックシート」を作成・運用しましょう。
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運用のポイント:
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チェックシートに基づき、定期的な評価面談を実施する。
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面談時に達成度や客観的な課題を本人に提示する。
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面談内容と本人の署名(または確認済み記録)を残す。
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これにより、指導の記録(客観的証拠)が蓄積されるだけでなく、本人にとっても「何が不足しているのか」を明確に自覚する機会となり、業務改善に繋がるメリットがあります。
② 就業規則に基づいた「試用期間の延長」
「あと1〜2ヶ月様子を見れば改善するかもしれない」「もう少し見極める期間が欲しい」という場合、試用期間を延長する選択肢もあります。
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注意点: 試用期間の延長を行うには、あらかじめ就業規則に「業務上の必要がある場合、試用期間を延長することがある」旨の根拠規定が必要です。規定がない状態での一方的な延長は無効とされる場合があるため、事前の規定見直しが必須です。
③ 真摯な話し合いによる「自主退職(合意退職)」の提示
解雇は、手続きや条件が非常に厳格であり、事業所・労働者双方にとって精神的・時間的な負担が大きくなります。そのため、トラブルを最小限に抑える最善策は「話し合いによる合意退職(自主退職)」です。
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運用のポイント: 入職からの数ヶ月間、月1回程度の定期面談を重ねます。事前に作成したチェックシートや客観的な事実(クレームの記録等)を交えて現状を振り返り、「当事業所が求める水準と現在の状態」のミスマッチを冷静に提示します。 本人が「ここでは自分も力を発揮できないかもしれない」と自発的に納得し、退職を選択するよう促すアプローチが最もトラブルが少ない方法です。
※注意 退職を強要するような過度な追いつめや退職勧奨は「退職強要」とみなされ違法となるリスクがあります。あくまで真摯な対話と現状認識の共有に努めましょう。
5. まとめ:適切な試用期間運用と労務管理のために
試用期間中のスタッフに関する問題は、放置するほど職場環境の悪化や既存スタッフの離職、患者様・利用者様からの信頼失墜を招きます。一方で、拙速な解雇判断は大きな法的リスクを引き起こします。
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就業規則の試用期間・解雇規定は適切に整備されているか?
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客観的な指導記録や評価プロセスが構築されているか?
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現場の状況に合わせた個別具体的な対応ができているか?
これらを自社・自院だけで判断するのは容易ではありません。リスクを未然に防ぎ、安心した施設・クリニック運営を行うために、一度専門家へご相談いただくことを強くおすすめします。
弊所(社会保険労務士事務所)へのご相談・ご依頼の流れ
当事務所は、介護施設・保育園・クリニックに特化した専門社労士として、業界特有の労務課題に精通しております。試用期間中の対応や就業規則の見直し、トラブル防止の仕組みづくりでお困りの際はお気軽にご相談ください。
【ご相談・導入の流れ】
STEP 1: お問い合わせ・無料相談のお申し込み
└ WEBフォームまたはお電話より、現状のお悩みをお気軽にご連絡ください。
STEP 2: ヒアリング・現状の確認(オンラインまたは対面)
└ トラブルの経緯、該当スタッフの勤務状況、現行の就業規則等を確認いたします。
STEP 3: 適切な対応策のご提案・アドバイス
└ 法律・過去の裁判例に基づき、具体的な対応手順や指導書類作成のアドバイスを行います。
STEP 4: 継続的なサポート(顧問契約・制度設計)
└ スキルチェックシートの作成、就業規則の改定、日常的な労務相談まで伴走いたします。
【まずはお気軽にご相談ください】 「今いるスタッフへの対応で悩んでいる」「就業規則が今の法改正や現場に合っているか不安」といったご相談も承っております。
[ お問い合わせフォームはこちら ] (24時間受付中) お問い合わせ | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング
介護労働安定センターが7月末に公表した昨年度の「介護労働実態調査」の結果で、介護従事者の最新の給与水準が報告されている。
月給制で働く介護従事者の平均月収は25万4951円。前年度から2.4%増加した。平均月収のアップはこれで6年連続となる。

ここでいう平均月収は、ボーナスや残業代、休日出勤手当などを除いた額。交通費など毎月決まって支払われる手当は含まれている。税金や保険料が引かれる前の額面で、いわゆる「手取り」ではない。
介護従事者の平均月収を職種別にみると、ホームヘルパーや介護職員、生活相談員などで相対的に高い伸びがみられた。サービス提供責任者の平均月収は26万3280円となり、介護支援専門員の25万9950円を上回っている。

この調査は昨年10月に行われたもの。全国の事業所・施設で働く介護従事者が対象で、2万675人から有効な回答を得ている。
【この記事のポイント】
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1〜2分のわずかな遅刻でも放置は厳禁!職場全体の士気低下を防ぐ初期対応
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「始末書」と「顛末書」の違いとは?就業規則がないとペナルティは課せない
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介護・保育・クリニックそれぞれの現場で起きやすい「遅刻トラブル」の具体例
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万が一の解雇・不利益変更を見据えた「証拠を残すステップ」
介護施設、保育園、医科・歯科クリニックを運営する経営者(施設長、園長、院長)の皆様、日々の現場対応お疲れ様です。労務管理のご相談を受ける中で、非常に多く寄せられるのが「遅刻を繰り返す職員への対応」です。
「何度注意しても『すみません』と言うだけで改善されない」
「たった数分の遅刻だし、人手不足だから強く言いにくい……」
「反省が見られないから始末書を書かせたいけれど、どう進めればいい?」
このように悩まれている経営者・管理職の方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、「数分の遅刻だから」と黙認することは、職場崩壊の第一歩です。また、焦って正しくない方法で「始末書」を提出させようとすると、逆にパワハラを主張されたり、労使トラブルに発展したりするリスクがあります。
今回は、介護・保育・クリニック特化の社労士が、遅刻を繰り返す職員への「正しい教育的指導の手順」と「始末書・顛末書を活用した適切な労務対応」について詳しく解説します。
1. なぜ「わずかな遅刻」も黙認してはいけないのか?
診療所や保育園、介護現場において、「5分程度の遅刻なら、朝の引き継ぎにギリギリ間に合っているから……」と、注意をうやむやにしてしまうケースが散見されます。
しかし、勤務態度の不良を放置することには、経営上大きなリスクが潜んでいます。
① 職場全体の規律が緩む(真面目な職員の不満増大)
定刻通りに出勤して準備を整えている職員からすれば、「あの人はいつも遅刻しているのに怒られない」という不満が溜まります。やがて「少し暗黙の了解で遅れてもいいんだ」と職場全体の気が緩み、組織の規律が崩壊します。
② 現場の安全・サービス品質の低下
医療・介護・保育は「人の命や安全」を預かる現場です。1人の遅刻によって朝の申し送り(引き継ぎ)が不十分になると、投薬ミス、転倒事故、園児の見落としなど、重大なインシデントに直結します。
③ いざ処分(解雇など)を検討した時に不利になる
将来的に「改善が見られないため退職させたい」となった場合、過去の遅刻を事業主が黙認していた(注意・指導の記録がない)と、裁判や労働局の指導において「会社が遅刻を容認していた」と判断され、不当解雇とみなされる可能性が高くなります。
たとえ数分の遅刻であっても、「遅刻は労働契約違反であり、懲戒対象になり得る」というスタンスで初期から明確に指導することが重要です。
2. 業界別:現場でよくある「遅刻放置」の具体例
当事務所(介護社労士・保育園社労士・クリニック社労士)のもとに寄せられる、実際の現場トラブル例をご紹介します。
【クリニック(診療所)の例】
状況: 受付・医療事務の職員が、毎朝開院10分前の朝礼に3〜5分遅れてくる。
院長の悩み: 最初の頃は「気を付けてね」と注意していたが、本人は「患者さんの診察(9時〜)には間に合っています」という態度。院長も忙しくなり注意をやめてしまった結果、看護師や他のスタッフから「事務だけ優遇されている」と不満が爆発した。
【保育園の例】
状況: 7時半からの早朝保育担当(開園作業)の保育士が、5分〜10分の遅刻を月に何度も繰り返す。
園長の悩み: 鍵を開けて園児を迎える体制が整わず、保護者を外で待たせる事態が発生。注意しても「電車が遅れた」「子供の体調が」と理由をつけて反省がない。人手不足のため強く叱れず、始末書を書いてもらって意識を変えさせたい。
【介護施設の例】
状況: デイサービスや訪問介護のヘルパーが、送迎・訪問の直前になって遅刻してくる。
施設長の悩み: 1人の遅刻によって他のスタッフが送迎ルートを変更せざるを得なくなり、利用者へのサービス提供が遅れる。指導しても「道が混んでいた」と言い訳し、改善の兆しが見られない。
どの現場にも共通しているのは、「最初の段階で正しいステップを踏んで文書記録を残していないこと」が原因で、事態が悪化している点です。
3. 「始末書」と「顛末書」の決定的な違い
「何度も注意しても直らないから、始末書を書かせよう」と考えた際、経営者が必ず知っておくべき2つの文書(始末書・顛末書)の違いについて解説します。ここを混同して対応すると、違法性を問われることがあります。
| 項目 | 始末書(懲戒処分) | 顛末書(業務命令) |
| 主な目的 | 違反の事実を認めさせ、反省・不発誓約を行わせる | 違反の事実に至る経過・顛末を報告させる |
| 法的性質 | 懲戒処分(ペナルティ)の一環 | 業務上の指示(報告書の提出) |
| 就業規則の要件 | 就業規則に「懲戒の種類」として明記が必要 | 就業規則の懲戒規定がなくても提出命令が可能 |
| 不提出時のリスク | 始末書の強制は「思想の強制」になり得ないか注意が必要 | 正当な業務命令違反として追加指導が可能 |
① 懲戒処分としての「始末書」
始末書は、本人の違反行為を自覚させ、反省と「二度と繰り返さない」という誓約をさせるための懲戒処分です。
【超重要ポイント】
始末書を提出させるには、あらかじめ就業規則に「懲戒の種類」として始末書の提出命令(けん責・戒告など)が定められていることが絶対条件です。
規律がないまま「ペナルティとして始末書を出せ」と命じることは、違法(懲戒権の乱用)となるため注意してください。
② 業務改善のための「顛末書」
顛末書は、「いつ・どこで・なぜ遅刻したのか」という事実に焦点を当て、その経緯を客観的に報告させる文書です。これは業務命令の一環として求めることができます。
反省の弁(「心からお詫びします」等)を強要することはできませんが、「事実の確認」と「今後の改善策(例:目覚ましを2個かける、1本早い電車に乗る)」を記載させることで、本人の自覚を促す効果があります。就業規則の懲戒規定が未整備な段階では、まず「顛末書(または理由書・業務改善計画書)」の提出を求めるのが安全な手順です。
4. 遅刻を繰り返す職員への具体的な進め方【5つのステップ】
では、具体的にどのような手順で指導・対応を進めればよいのでしょうか。法的に安全で、かつ実効性の高い5ステップをご紹介します。
【Step 1】その場での口頭注意(事実の確認)
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【Step 2】面談による指導と「指導記録」の作成
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【Step 3】業務命令としての「顛末書(改善計画書)」の提出
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【Step 4】就業規則に基づく懲戒処分(始末書の提出命令)
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【Step 5】出勤停止・普通解雇等の検討(労務の専門家へ相談)
Step 1:その場での口頭指導(放置しない)
遅刻があった当日に、「数分だから」と流さず「遅刻は困る」旨をハッキリ伝えます。言い訳を聞くのではなく、「何時に着いたか」という事実を認識させます。
Step 2:面談の実施と「指導記録」の保管
改善されない場合は、個別に面談の場を設けます。
「なぜ遅刻が続くのか」の原因をヒアリングしつつ、「○月○日○分遅刻:口頭注意実施」といった指導記録をメモ(エクセルや紙)に残しておきます。 これが将来のトラブル予防における強力な証拠となります。
Step 3:業務命令として「顛末書・改善対応書」を提出させる
面談を経ても改善が見られない場合、業務指示として「遅刻の理由」と「今後の対策」を書面(顛末書や業務改善回答書)で提出させます。
Step 4:就業規則に基づき「始末書(懲戒処分)」を命じる
就業規則に「戒告・けん責(始末書を提出させて将来を戒める)」の規定があることを確認した上で、正式な懲戒処分通知書と共に「始末書」の提出を命じます。
Step 5:改善されない場合は次の段階へ
始末書を出してもなお遅刻を繰り返す場合、減給や出勤停止、最終的には「普通解雇」を検討するフェーズに入ります。※解雇の手続きは慎重な判断が必要なため、必ず労務の専門家に相談してください。
5. 労務管理の「穴」を塞ぐために、今すぐ見直すべきポイント
「問題職員に指導したいけれど、自社の就業規則で対応できるかわからない……」
そう思われた経営者様は、以下のポイントをチェックしてみてください。
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就業規則に懲戒規定(けん責、始末書の提出等)が明記されているか?
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1〜2分の遅刻の扱い(控除やカウント方法)のルールが明確か?
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タイムカードやシフト表など、遅刻の客観的な記録が残っているか?
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日常的な指導記録(いつ、だれが、どう注意したか)を残す仕組みがあるか?
介護・保育・医療現場は、一般的な企業以上に「急な欠勤や遅刻が現場のオペレーションに与える影響」が甚大です。だからこそ、現場の特性に合わせた明確なルールの構築と、法的に正しいステップでの対応が欠かせません。
まとめ:問題職員の対応・就業規則の見直しは専門家にご相談ください
遅刻を繰り返す職員への対応は、放置すれば職場環境の悪化を招き、焦って強引な対応をすれば労使トラブル(パワハラ主張や不当解雇の訴え)に発展するという、経営者にとって非常に頭の痛い問題です。
正しく解決するためには、「日頃の指導記録」「適切な就業規則」「段階を踏んだ文書化」の3つが揃っている必要があります。
介護・保育・クリニックの労務管理なら「当事務所」にお任せください!
当事務所は、医療・福祉業界の労務管理に特化した専門社労士(介護社労士・保育園社労士・クリニック社労士)として、これまで数多くの施設長・園長・院長先生方のお悩みを解決してまいりました。
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「今の就業規則で問題職員に始末書を書かせられるか確認したい」
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「改善されない職員への指導文書の書き方を相談したい」
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「現場の負担を減らし、規律を守るための労務ルールを作りたい」
このようなお悩みをお持ちの経営者様は、トラブルが大きくなる前に、ぜひ一度当事務所までお気軽にご相談ください。業界特有の事情を汲み取った、実践的で安全な労務サポートをご提案いたします。
【無料労務診断・ご相談のお申し込みはこちら】
当社ホームページのお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。
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子どもを守るために、まず保育士を守る――設備・運用・人員体制で備える夏の保育現場
今年は新たに、ニューエラジャパン合同会社の協力により、屋外活動を担う保育士へ帽子を導入しました。
子どもの熱中症対策が広く呼びかけられる一方で、その子どもたちを見守る保育士自身の暑さ対策は、十分に注目されてきませんでした。風の森では、保育士の安全と心身の余裕を守ることが、子どもの体調変化を見逃さず、安全な保育を続けるために欠かせないと考えています。
実施期間:2026年7月から9月頃まで
実施場所:風の森が運営する各保育施設
実施内容:施設環境の整備、運用ルールの見直し、人員体制の確保等
酷暑で増す、保育現場の見守り負担
2026年4月、気象庁は最高気温40℃以上の日を「酷暑日」と新たに定義しました。体温調節機能が未発達で、地面からの照り返しも受けやすい子どもたちを守るため、夏の保育現場では水分補給や体調変化の確認など、通常以上に細かな見守りが求められます。
一方、こども家庭庁の委託調査では全国の保育施設の8割(※1)が人手不足を感じている実態があります。人員に余裕がなければ、一人ひとりへの目配りや保育士自身の休憩・交代が難しくなります。
特にプール遊びに関し国の事故防止ガイドラインでは、子どもと一緒に活動する職員とは別に、監視に専念する職員を配置することが求められています(※2)。人員体制によっては実施が難しくなる場合もあり、人手不足の影響は子どもの安全だけでなく、夏ならではの体験機会の喪失にもつながります。
酷暑時代の子どもの安全と体験の機会を守るためには、設備だけでなく、保育士が無理なく見守れるルールや人員体制が欠かせません。
※1 こども家庭庁令和6年度「保育人材確保にむけた効果的な取り組み手法等に関する調査研究」実施:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
※2 こども家庭庁等「教育・保育施設等におけるプール活動・水遊びの事故防止及び熱中症事故の防止について」
介護労働安定センターは29日、最新の「2025年度介護労働実態調査」の結果を公表した。
職員が「不足している」と答えた事業所の割合は65.8%(*)。前年度から0.6ポイント上昇し、現場の厳しさがさらに増していることが分かった。
* 不足=「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計。
職種別で最も不足感が強いのはホームヘルパーだ。
「不足」とする事業所は82.9%に上り、他の職種と比べても突出して高い水準となった。「大いに不足」「不足」を合わせたより切実な状況も58.6%を占めており、訪問介護の供給体制が極めて切迫していることが改めて浮き彫りになった。
施設などの介護職員も「不足」が69.8%となり、前年度から上昇した。このほか、ケアマネジャーや看護職員、リハビリ専門職などでも前年度より不足感が悪化。幅広い職種で人材難が深刻化している現実が報告されている。
この調査は、介護労働安定センターが昨年10月に実施したもの。全国の1万8000事業所・施設が対象で、53.1%の8955事業所・施設から有効な回答を得た。
遂に令和8年度地域別最低賃金額改定の目安が発表されました。
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
今後の動向に注目です。
取り急ぎのご一報でした。
はじめに:その「なんとなくの残業」、放置していませんか?
医療機関、介護事業所、保育園の経営者・管理者のみなさま、日々の運営お疲れ様です。
スタッフの労務管理を行うなかで、以下のようなお悩みを抱えてはいませんか?
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「終業時刻を過ぎているのに、なぜか帰らずに職場に残っている職員がいる」
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「注意したいけれど、どこからを残業(労働時間)と判断すべきか迷う」
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「タイムカードの打刻時間と実際の業務時間がズレていて不安だ」
医療・介護・保育の現場は、突発的な対応や業務の多層化、シフト制などにより残業が発生しやすい環境にあります。しかし、理由のない滞在や事前申請のない残業を放置していると、未払い残業代の過去遡及請求(過去3年分)や労務トラブル、さらには人件費や光熱費などのコスト増大という、事業所の存続に関わる大きな経営リスクへ直結しかねません。
本記事では、クリニック専門社労士、介護専門社労士、保育園専門社労士の視点から、実際のトラブル事例(訪問介護含む)を踏まえつつ、終業時刻を過ぎても退勤しない職員への適切な指導法とリスク防止策を徹底解説します。
1. 残っている職員の「理由」と「業務の緊急度」を確認する
職員が終業時刻を過ぎても職場に残っている場合、まずは「なぜ残っているのか」「その業務は今すぐ行うべきものか」という業務の緊急度・必要性を確認する必要があります。
(1)緊急度・必要性が高い場合
医療・介護・保育の現場では、突発的な対応が避けられない場面が多く存在します。
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クリニック: 診療終了間際の駆け込み患者への対応、患者様の急変対応、検査結果の即時整理など
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介護事業所(通所・入所・訪問): 利用者の急変・転倒対応、送迎トラブル、訪問先での緊急対応、サービス提供記録の緊急作成など
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保育園: 園児の突発的なケガ・発熱、保護者からの相談・対応、延長保育の予期せぬ延長など
このように緊急性が高い場合は、時間外労働(残業)として認めざるを得ません。ただし、残業の運用方法には以下の2通りがあります。
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管理者が残業命令を出す場合(指示型)
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職員から事前申請を受け、管理者が承認する場合(申請型)
多くの施設で「②事前申請型」を採用していますが、ルールが形骸化し「申請なしで勝手に残業している」ケースが後を絶ちません。適切な指導とルールの再徹底が必要です。
(2)緊急度・必要性が低い場合
「業務時間内だと集中できないから」「明日の準備を余裕を持ってやっておきたいから」といった個人的な理由で残っているケースも少なくありません。
こうした自己判断による残業を曖昧に許容してしまうと、「ダラダラ残業」が日常化・固定化してしまいます。必要性の低い業務についてはその場で残業を認めず、「決められた時間内で効率よく業務を終わらせる」意識を持たせる指導を行い、速やかな退勤を促しましょう。
2. 業務以外の理由で残っている場合は「すみやかに退勤」させる
業務を行っていないにもかかわらず職場にとどまっているケースもあります。
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退勤後のプライベートな予定(飲み会や習い事など)まで時間をつぶしている
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先輩や同僚が残っていて「お先に失礼します」と言いづらい雰囲気がある
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雑談や着替えをしたまま事務所やスタッフルームでダラダラと過ごしている
仕事をしていない様子であれば、「用事が終わっているなら速やかに退勤してください」とハッキリ指導することが重要です。
また、一見仕事をしているように見えても、事前に指示・承認を出していない残業であれば、「本日の業務はここまでにして、続きは明日に回して退勤してください」と業務を打ち切らせる指示を出しましょう。
管理者側が何も言わずに放置(不作為)していると、法的には「残業を黙認していた=残業を許可していた(黙示の指示)」とみなされ、後から残業代の支払いを求められる原因になります。
3. 「ダラダラ残業」が引き起こす経営リスクとトラブル事例
残業のルールがあいまいなまま放置されると、経営面・組織面で大きなリスクが発生します。ここで、実際の現場で起きたトラブル事例をご紹介します。
【事例1】クリニックにおける「慣習化したダラダラ残業」
事象: ある内科クリニックで、受付スタッフAさんが診療終了後も1時間以上スタッフルームで残業していました。院長は「今日の締め作業をやっているのだろう」と放置していましたが、実際は日中に終わる作業をゆっくり行ったり、雑談を交えたりしていただけでした。
リスク: Aさんの退職後、タイムカードの記録をもとに「未払い残業代」が請求されました。院長は「残業を命じていない」と主張しましたが、タイムカードの記録と放置していた事実から「黙示の指示があった」とみなされ、数十万円の残業代を追加支給することになりました。
【事例2】訪問介護事業所における「記録作成・移動時間の曖昧化による残業トラブル」
事象: 訪問介護事業所のヘルパーBさんは、すべての訪問サービスが終わった後、夕方に事業所に戻ってきてから「支援記録の作成」や「サ責への報告」をまとめて行っていました。事業所に残って他のヘルパーと話し込み、退勤打刻が毎晩1〜2時間遅れていましたが、サ責は「記録作成に時間がかかっているのだろう」と特に注意していませんでした。
リスク: Bさんが退職する際、事業所に戻ってからのすべての滞在時間について未払い残業代を請求されました。事業所側は「記録作成は15分程度で終わる内容であり、残りは雑談だった」と反論しましたが、事業所内にいた客観的な記録(タイムカード)があり、管理者も退出を促していなかったため、労働時間として認定されてしまいました。
【事例3】保育園における「持ち帰り・サービス残業の曖昧化」
事象: 保育園のC先生は、閉園後に園に残って日誌の記入や壁面装飾の作成を行っていました。園長は「残業申請を出していないから自主的な残業」と思っていましたが、業務量が多すぎて勤務時間内に終わらない構造になっていました。
リスク: C先生が体調不良で退職する際、労働基準監督署へ駆け込み。「残業を申請できる雰囲気ではなく、指示された業務量が勤務時間内に終わらない状況だった」として指導が入り、過去に遡って残業代の支払いを命じられました。
4. 最大の恐怖!過去に遡って残業代を請求されるリスク
「うちはアットホームだから」「今まで誰も残業代を請求してこなかったから大丈夫」と考えてはいませんか?
良好な人間関係が保たれている間や、給与に大きな不満がない時期は問題が表面化しないかもしれません。しかし、以下のような「きっかけ」ひとつで状況は一変します。
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人間関係の不調や、上司・園長・院長・サ責とのトラブル
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退職時のトラブルや感情的なこじれ
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人事評価や昇給・賞与に対する不満
労働基準法の改正に伴い、未払い残業代の請求時効は「3年」となっています。もし過去3年分にわたる時間外労働の請求を受けた場合、未払い額は1人あたり数百万円、組織全体では千万円単位の膨大な金額に膨れ上がるケースも珍しくありません。
タイムカードの記載時間=労働時間とみなされる?
労務トラブルにおいて最も焦点となるのが、「タイムカードの打刻時間と、実際の労働時間に相違がないか」です。
打刻時間と実際の勤務状態にズレがある場合、以下のような具体的実務対応を日常的に行うことが求められます。
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「残業事前申請・許可制」の書面・システム運用を徹底する
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実際の勤務開始・終了時刻と実労働時間を定期的に本人と確認・照合する
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照合した記録に対し、本人の確認印や承認記録を残す
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「労働時間とは何か」「承認のない残業は認めない」ことを院長・園長・施設長自身が正しく理解し、職員へ周知する
日頃から職員の健康管理に留意し、「不必要な残業はさせない」「事前承認のない残業は禁止する」という姿勢を厳格に指導・徹底することが、最大の防衛策となります。
5. 専門家とともに「残業トラブルに強い職場環境」を作りませんか?
クリニック、介護事業所(訪問介護含む)、保育園における労務管理は、一般的な企業とは異なる特有の難しさがあります。
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医療・看護・受付など多職種が入り交じるクリニック
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移動時間・記録作成・直行直帰やシフトが複雑な訪問介護・介護現場
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行事準備や持ち帰り仕事が発生しやすい保育園
これらの現場で「残業のルール」を浸透させ、未払い残業代リスクをゼロにするためには、業界の事情に精通した専門家による就業規則の見直しや残業許可制の導入・運用サポートが不可欠です。
当社にお任せください!
当社には、各業界の課題に特化した「クリニック専門社労士」「介護専門社労士」「保育園専門社労士」が多数在籍しております。
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「ダラダラ残業をなくすための『残業事前許可制』を導入・運用したい」
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「訪問介護ヘルパーの移動時間や事業所滞在時間の労務ルールを整理したい」
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「現在のタイムカード運用や就業規則にリスクがないか診断してほしい」
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「終業後になかなか帰らない職員への指導方法や面談について具体的に相談したい」
このようなお悩みをお持ちの管理者・経営者様は、ぜひ一度当社へご相談ください。現場の実情に合わせた最適な労務ソリューションをご提案いたします。
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近年、全国の自治体で「認定こども園」への移行が急ピッチで進んでいます。
その最大の背景にあるのが、2026年4月から本格実施された「こども誰でも通園制度」です。
保護者の就労状況を問わず、未就園児を預けられるこの仕組みは、子育て支援としては大きな一歩です。
しかし、最前線で働く私たち保育士にとっては、「理想と現実のギャップ」に直面する場面も増えています。
現場から見えてきた「4つの壁」
先行して行われたモデル事業の結果、現場からは以下のような悲鳴に近い課題が挙げられています。
・保育の質の維持: 生活リズムが全く異なる「在園児」と「非在園児」を同室で見る難しさ
・安全管理の不安: 慣れない環境で過ごす子どもの突発的な行動への対応が増えること
・業務の肥大化: 登録手続きや日報、不定期な利用への細かな配慮
・人員不足の深刻化: 配置基準ギリギリの体制では、一人ひとりの負担が限界に…
制度そのものを否定する声ばかりではありませんが、
「現場のノウハウ」や「人員配置」が制度のスピードに追いついていないのが今のリアルな課題といえます。
この変化を「キャリア」にどう活かす?
この激変期は、保育士一人ひとりの「市場価値」を左右する大きな分岐点になります。
・幼稚園教諭免許と保育士資格のダブル保有
・幅広い年齢層・背景の子どもへの対応経験
これらは、今後のキャリアにおいて評価されやすい要素になる可能性があります。
一方で、
移行期の慌ただしさを「貴重な経験」として前向きに捉えられる環境なのか、
それとも「役割が曖昧なまま負担だけが増えている状態」なのかは、園によって大きく異なります。
「このまま消耗し続ける働き方は避けたい」
そう感じたときは、一度立ち止まって働き方を見直すタイミングと考えるのも、決して間違いではありません。
厚生労働省は23日に介護保険最新情報Vol.1527を発出し、新たなLIFE(科学的介護情報システム)への移行について現場へ改めて注意を喚起した
7月31日の期限が目前に迫る中、23日時点でも移行作業を完了していない事業所・施設が一定数残っていると指摘。期間内に手続きを確実に終えるよう呼びかけている。
LIFEの運用主体は今年5月11日、厚労省から国民健康保険中央会へと移管された。
LIFEを活用している事業所・施設は、新たなLIFEへの移行作業が不可欠。これを済ませることが、LIFE関連加算を継続して算定するための必須要件となる。
介護事業所の施設長、保育園の園長、クリニックの事務長や主任看護師など、現場で「管理者」と呼ばれる役職者の方々の労働時間管理や給与計算で、次のようなお悩みを抱えていませんか?
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「管理者として残業代を支給していないが、遅刻してきた分を給与から減額(遅刻控除)してもいいのだろうか?」
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「介護保険法や児童福祉法上の『管理者』だから、労働基準法上の『管理監督者』として扱って問題ないはずだ」
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「主任やリーダーにも『役職手当』を出しているから、残業代は不要ではないか?」
結論から申し上げますと、労働基準法上の「管理監督者」であっても、遅刻・早退による給与減額は原則として認められません。 もし遅刻控除を行ってしまうと、その人物は管理監督者ではなく「一般社員」であるとみなされ、過去3年分に遡って多額の未払い残業代の支払いを命じられる(是正勧告を受ける)リスクが生じます。
本記事では、介護・保育・医療(クリニック)業界に特化した社会保険労務士の視点から、労働基準法第41条における「管理監督者」の正しい定義、介護・保育・クリニック特有の混同しやすいポイント、そして遅刻・早退・欠勤時の給与の取扱いについて分かりやすく解説します。
1. 労働基準法第41条における「管理監督者」とは?
労働基準法第41条第2号では、「事業の種類にかかわらず監督又は管理の地位にある者(以下、管理監督者)」について、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないと定めています。
つまり、管理監督者に該当する場合、時間外労働(残業)手当や休日出勤手当を支払う必要がありません(※ただし、深夜労働手当の支払いは必要です)。
しかし、単に社内で「店長」「施設長」「リーダー」といった役職名をつけているだけでは、法的な管理監督者とは認められません。裁判例や厚生労働省の通達において、管理監督者と認められるためには以下の3つの要件を「勤務の実態として」すべて満たしている必要があります。
① 経営者と一体的な立場での「十分な職務権限」があるか
経営方針の決定に関与しているか、採用・解雇・人事評価・シフト作成などの重要な人事権限を持っているかどうかが問われます。現場のシフト調整程度しか権限がない場合は、これに該当しません。
② 労働時間について「自由な裁量」があるか
始業・終業時刻に縛られず、自分の判断で出退勤を決める自由があるかどうかが重要です。タイムカードで出退勤を厳密に管理され、遅刻や早退に対してペナルティがある働き方の場合は、「時間の自由裁量がない」と判断されます。
③ 職務の重要性にふさわしい「適切な待遇(給与・手当)」が支払われているか
基本給や役職手当が、一般社員に比べて十分に高額である必要があります。「残業手当を払わない代わりに、数万円程度の役職手当を支給しているだけ」という状態では、待遇要件を満たしているとは言えません。
これら3つの要件は、契約上の形式ではなく「具体的な勤務実態」で判断されます。
2. 介護・保育・クリニックで多発する「名ばかり管理職」の落とし穴
特に介護事業所、保育園、医療機関(クリニック)においては、業界特有の事情から「名ばかり管理職」が発生しやすい構造があります。代表的な注意点を3つ挙げます。
介護保険法・児童福祉法上の「管理者」と労基法上の「管理監督者」の混同
介護保険制度(指定基準)や保育所の設置基準、医療法では、事業所ごとに「管理者」や「施設長」「園長」の配置が義務付けられています。 ここで注意したいのは、行政上の「配置義務のある管理者」と、労働基準法上の「管理監督者」は全く別物であるということです。
行政上の要件を満たすために置かれた「施設長」や「サビカン(サービス管理責任者)」「園長」「事務長」であっても、経営上の権限がなく、日々の現場業務に追われている場合は、労基法上は「一般社員」と判定されます。
シフト勤務に入っている管理者は「管理監督者」になれない?
多くの介護施設や保育園、クリニックでは、1か月単位のシフト制で勤務を回しています。 もし、管理者が「常態として特定の勤務シフト(日勤・夜勤・早番など)に組み込まれ、欠勤すると現場が回らない状態」にある場合、出退勤の自由裁量がないとみなされ、管理監督者性が否定される可能性が極めて高くなります。
主任、副主任、リーダー階層への残業代不払いリスク
一般的な組織において、労基法上の管理監督者に該当する可能性があるのは、理事長、社長、施設長、事業所長、事務長といった経営トップ・幹部クラスに限られるケースがほとんどです。
もし、それ以下の役職である「主任」「副主任」「リーダー」「看護師長」などを管理監督者として扱い、残業手当を支給していない場合、労基署の調査(労働基準監督署の立ち入り調査)が入ると、ほぼ確実に「名ばかり管理職(未払い残業)」として指摘を受けることになります。
【是正勧告による企業リスク】 労基署から是正勧告を受けた場合、未払い残業代は**「過去3年分(法改正により延長)」に遡って支払う義務**が生じます。対象者が複数名いる場合、支払額は数百万円〜数千万円規模に膨れ上がり、法人の資金繰りに重大な打撃を与えることになります。
3. 管理監督者の「遅刻・早退・欠勤」に関する給与の取扱い
ここで、今回のメインテーマである「管理監督者に対する遅刻・早退・欠勤時の給与の取扱い」について整理します。
遅刻・早退:給与減額(遅刻控除)はNG
該当者が労基法上の管理監督者であることを前提とした場合、遅刻や早退による給与減額(控除)は認められません。
管理監督者は「労働時間について自由な裁量を持っている」ことが前提だからです。例えば、定刻より2時間遅れて出社した場合であっても、「遅刻したから2時間分の給与を引く」ということはできません。 もし遅刻控除をしてしまうと、「この職員には時間の自由裁量がない(=管理監督者ではない)」という自社に不利な証拠を自ら作ることになってしまいます。
欠勤:就業義務違反として「欠勤控除」はOK
一方で、丸1日休んだ場合の「欠勤控除」は認められます。
管理監督者であっても、雇用契約・委任契約に基づく「就業義務(働く義務)」自体は存在するためです。1日も労働を提供しなかった日については、ノーワーク・ノーペイの原則に基づき、給与から1日分を減額(控除)しても労働基準法上問題ありません。
遅刻を繰り返す管理監督者への正しい対処法
「遅刻控除ができないなら、遅刻を繰り返す管理者をどう指導すればいいのか?」というご質問をよくいただきます。 給与の減額(遅刻控除)はできませんが、管理者としての「職責を果たしていない」として、人事評価を下げる、役職手当を減額する、あるいは懲戒処分の対象とすることは可能です。
4. 残業代が出ない管理監督者でも「労働時間管理」は必須!
「管理監督者には残業代を払わないから、タイムカードを打刻させなくていい」と誤解されている経営者様・園長様が今でも少なくありません。
結論として、管理監督者であっても労働時間の把握・管理は法律上の義務です。
給与計算のためではなく「健康確保措置」のため
2019年4月の労働安全衛生法改正により、「高度プロフェッショナル制度適用者を除くすべての労働者(管理監督者を含む)」の労働時間の状況を客観的な方法で把握することが事業主に義務付けられました。
管理監督者はその責任の重さから長時間労働・過重労働に陥りやすく、精神疾患(メンタルヘルス不調)や脳・心臓疾患を引き起こすリスクが高いためです。
経営者・人事担当者が取り組むべき安全配慮義務
経営者や人事担当者は、管理監督者のタイムカードやPCログなどを確認し、過重労働になっていないかを常にチェックしなければなりません。万が一、管理監督者が長時間労働によってうつ病などを発症した場合、法人側は「安全配慮義務違反」として多額の損害賠償責任を問われるリスクがあります。
5. 介護・保育・クリニックの労務管理なら専門社労士にご相談ください
介護事業所、保育園、クリニックなどの現場は、一般企業以上に労働時間管理やシフト編成、加算制度(処遇改善加算など)の運用が複雑です。
自社の管理者が労基法上の「管理監督者」に該当するかどうかは、単なる知識だけでなく、過去の裁判例や労基署の指導傾向を踏まえた専門的な法的判断が必要となります。
「自社の役職手当や管理者扱いが適切かどうか不安だ」 「未払い残業代のリスクを事前に回避したい」 「医療・介護・保育に特化した就業規則の見直しを行いたい」
このようにお考えの法人様・オーナー様は、ぜひ一度、介護・保育・クリニック専門の社会保険労務士法人(弊所)までお気軽にご相談ください。現場の実態に即した最適な労務管理体制の構築をサポートいたします。
本記事のまとめ
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労基法上の管理監督者は「職務権限」「時間の自由裁量」「相応の待遇」の3つの実態で判断される(役職名だけでは不可)。
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介護・保育・クリニックの「管理者」は行政上の要件であり、労基法上の管理監督者と混同すると残業代未払いリスクが生じる。
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管理監督者に対して遅刻・早退控除は原則不可(行うと管理監督者性を否定される)。ただし欠勤控除は可能。
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残業代の支給対象外であっても、健康管理のために労働時間の把握は義務である。






