コラム

2026年度診療報酬改定とは?クリニックが今すぐ対応すべきポイント

 

2026年度の診療報酬改定は、クリニック経営にとって極めて大きな転換点となるものです。今回の改定では、本体部分が+3.09%(2026年度および2027年度の2年度平均)と大幅に引き上げられましたが、その背景には「賃上げ(+1.70%)」「物価高騰対策(+0.76%)」「医療DXの推進」といった明確な政策意図が存在します。また従来のような「要件を満たせば算定できる仕組み」から、「診療の質や実績に応じて評価される仕組み」へと大きく方向転換が図られている点も特徴的です。
本記事では、こうした改定の中でもクリニック経営に大きな影響を及ぼす「生活習慣病管理」「充実管理加算」「ベースアップ評価料」「物価対応料」「医療DXへの対応」について、実務に直結するポイントを分かりやすく整理します。

1.生活習慣病管理と「成果」に基づく評価体系への移行

内科系クリニックにおいて、今回の改定で最も影響が大きいのが、「生活習慣病管理料」と新設された「充実管理加算」の見直しです。

■生活習慣病管理料は“検査前提”の運用へ
今回の改定により、生活習慣病管理料(I)の要件が見直され、原則として「少なくとも6か月に1回以上」の血液検査等の実施が求められるようになりました。これにより、従来のような長期処方中心のフォローのみでは、算定継続が難しくなる方向性が明確になっています。

一方で、
・特定健診
・事業者健診
これらの結果を適切に把握・活用している場合には、自院での再検査は必須ではありません。ここで重要なのは、「検査を実施しているかどうか」ではなく、「検査結果を把握し、継続的に管理できているか」という点です。

なお、療養計画書については患者署名が不要となり、現場負担は一定程度軽減されています。

■「充実管理加算」で“診療実績”が評価される時代へ
従来の「外来データ提出加算」は廃止され、主病ごとに区分を分けたうえで、各主病の管理に関する実績に応じて点数に差を付ける「充実管理加算」が設けられました。

・充実管理加算1:30点(上位20%)
・充実管理加算2:20点(上位50%)
・充実管理加算3:10点(データ提出を行う医療機関)

すなわち、診療所の実績、いわば“成績”によって点数が変動する評価体系へ移行したことになります。

■既存医療機関と新規参入施設の違い
2026年3月31日時点で外来データ提出加算を届け出ている既存医療機関については、経過措置として当面「充実管理加算1(30点)」の算定が認められています。
一方、今回の改定から新規に算定を開始する医療機関については、取り扱いが大きく異なります。

令和8年度(2026年度)の基本的な流れは以下のとおりです。
・5月20日:様式7の10を提出
・6月〜7月:データ作成
・8月:実績データ提出
・9月:様式7の11を提出
・10月:算定開始

新規参入の場合、2026年10月から2028年3月までの期間は「充実管理加算3(10点)」のみ算定可能となります。つまり、算定開始後およそ1年半は点数が固定される仕組みです。

2028年4月以降は、提出した実績に基づいて10点・20点・30点のいずれかに評価されます。

なお、2026年度のスケジュールに間に合わない場合は、以下の流れで2027年4月から算定を開始することも可能です。

・2026年11月20日:様式7の10を提出
・2026年12月〜2027年1月:データ作成
・2027年2月:実績データ提出
・2027年3月:様式7の11を提出
・2027年4月:算定開始

この加算は、「短期間で高点数を取得するもの」ではなく、「診療実績を積み上げて評価される仕組み」である点が大きな特徴です。

■医療機関連携が“収益”につながる
今回の改定では、以下の加算も新設されました。

・眼科医療機関連携強化加算:60点(年1回)
・歯科医療機関連携強化加算:60点(年1回)

これらは、糖尿病患者などを対象に、眼科・歯科へ適切に紹介し、連携を行った場合に算定可能です。単なる紹介状の発行にとどまらず、受診状況の確認や情報共有まで含めた「実効性のある連携」が求められます。

2.「賃上げ」と「物価高騰」への戦略的対応

今回の改定では、スタッフの処遇改善と物価高騰への対応も重要な柱として位置付けられています。

■ベースアップ評価料の戦略的活用
ベースアップ評価料については、対象となる職員の範囲が拡大され、事務職員や40歳未満の勤務医師・薬剤師も含まれることとなりました(※経営者・役員を除く)。大きなポイントは、「継続的に賃上げを実施しているかどうか」によって、算定点数に明確な差が設けられている点です。

(初診時)ベースアップ評価料Ⅰ

区分 2026年6月〜2027年5月 2027年6月以降
新たに賃上げを実施 17点 34点
継続的に賃上げを実施 23点 40点

なお、2026年5月までに届出を済ませている医療機関であっても、2026年6月から算定を行うためには、2026年6月1日までに改めて届出が必要です。届出漏れが生じないよう、十分な注意が求められます。

■新設「物価対応料」の確実な算定
光熱費や医薬品・医療材料の価格上昇への対応として、新たに「物価対応料」が創設されました。

算定項目 2026年度 2027年度
外来・在宅(初診) 2点 4点
外来・在宅(再診) 2点 4点
訪問診療 3点 6点

2027年度には点数がほぼ倍増する設定となっており、中長期的な収益補填の役割も期待される項目です。本項目は原則としてすべての患者に算定可能であるため、算定漏れのない運用体制を整備することが重要です。

また、患者への説明にあたっては、「厚生労働省による全国一律の制度改定である」ことをあらかじめ整理しておくと、スムーズな対応につながります。

3.医療DX推進と「電子的診療情報連携体制整備加算」

従来の「医療DX推進体制整備加算」は見直され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が創設されました。本加算は3段階に区分されており、それぞれ取得難易度や求められる対応水準が大きく異なります。
なお、施設基準は全10項目と多岐にわたるため、本稿では詳細は省略します。具体的な要件については、厚生労働省の公表資料をご確認ください。

■加算区分と実務上のポイント
加算1(15点)
全10項目すべての要件を満たす必要があり、最も高難度の区分です。

特に、
・電子処方箋の発行体制
・電子カルテ情報共有サービスの活用
といった項目は導入ハードルが高く、現時点では一部の先進的な医療機関向けの位置づけといえます。

加算2(9点)
加算3の要件に加え、以下のいずれかに対応することで算定が可能です。

・電子処方箋
・認定電子カルテ
・情報共有サービス
のいずれかへの対応で算定可能です。

要件と実務負担のバランスから、多くのクリニックにとって現実的な目標となる区分です。

加算3(4点)
基礎的なDX対応のみで算定できる区分であり、比較的取得しやすい点が特徴です。

区分 点数 主な要件 実務上の位置づけ
加算1 15点 要件(1)〜(10)すべて [高難度]フルスペックのDX体制が必要
加算2 9点 (1)〜(7)+(8)〜(10)のいずれか [中]現実的な達成ライン
加算3 4点 要件(1)〜(7)すべて [低]まずはここから対応

「電子的診療情報連携体制整備加算2(9点)」を目指すうえで、最も現実的なアプローチの一つが電子処方箋の導入です。
また、導入にあたっては各種補助制度の活用が可能です。

診療所向け補助金(例)
・初期導入:最大27.1万円(事業額の1/2)
・院内処方機能を含む導入:最大35.9万円
・機能拡充:最大10.8万円

ただし、補助対象となるためには「2026年9月30日までに導入を完了すること」が条件となっています。補助金を活用しながら、加算3(4点)から加算2(9点)へのステップアップを図ることが重要です。

4.院長が今すぐ着手すべき実務対応

今回の改定は、「診ているだけの外来」から「管理している外来」への転換を求める内容となっています。対応の遅れは、直接的な収益差につながる可能性があります。

特に重要なのは、以下の3点です。

① 検査・データ管理体制の構築
・「6か月に1回」の検査を確実に実施できる仕組みを整える
・健診データも積極的に活用する
・HbA1cや受診継続率などの指標を意識した診療体制へ転換する

② 医療機関連携の標準化
・眼科・歯科との紹介ルールを整備する
・連携を属人的ではなく、仕組みとして運用する

③ DX対応と届出管理の徹底
・電子処方箋導入によるDX加算のステップアップを検討する
・各種加算の届出期限を整理し、届出漏れを防止する

特に、6月算定分については5月中の届出が必要となるため、早期対応が重要です。

おわりに

2026年度診療報酬改定は、「対応できている医療機関」と「対応が遅れている医療機関」との間で、収益面の差が一層鮮明になる内容となっています。

中でも、
・検査体制の整備
・データ活用
・医療機関同士の連携
・賃上げへの対応
・医療DXの推進
といった要素を、いかに迅速かつ具体的に実務へ落とし込めるかが重要なポイントとなります。

今回の改定は、「取り組むかどうか」を問う段階ではなく、「どれだけ早く、確実に対応できるか」が成果を左右する改定といえるでしょう。必要な届出や体制整備を着実に進め、持続的で安定したクリニック経営へとつなげていくことが求められます。

出典:日本クレアス税理士法人

株式会社明日香、「保育人材白書 2026 ~少子化時代の保育キャリア~」を発行

 

〜保育人材不足の本質は「資格者の総数」ではなく「働ける条件と必要とされる場のずれ」へ。現役保育士108名・潜在保育士93名・求職経験者107名への独自調査結果を公開〜

■ 白書発行の背景と意義

少子化と保育需要の「再編」

わが国の出生数は2024年に約68.7万人まで減少し、合計特殊出生率も1.20と過去最低を更新しています。一方で、2025年4月施行の育児・介護休業法改正や、2026年度から本格実施予定の「こども誰でも通園制度」など、保育を取り巻く制度は大きな転換期を迎えています。

こうした変化に伴い、保育サービスの利用形態は多様化しつつあり、従来の「フルタイムでの長時間利用」だけでなく、短時間利用・スポット利用・園外での子育て支援・訪問型保育といった、多様な形態でのニーズが顕在化しつつあります。

「働ける条件」と「必要とされる場」のずれ

保育士登録者数は約179万人にのぼる一方、保育現場で従事しているのは約68万人にとどまり、「潜在保育士」は約111万人と推計されています。この数字は、人材の絶対的な不足ではなく、「働ける条件と必要とされる場のずれ」という構造的なミスマッチを物語っています。

本白書は、現役保育士・潜在保育士・求職経験者への大規模調査と既存統計・制度分析を組み合わせ、保育人材不足の要因を解き明かしたものです。あわせて、認可保育所から院内・企業内保育、子育て支援拠点、訪問型保育まで、多様な保育・子育て支援の現場を運営してきた明日香の実績を踏まえ、2026年以降の保育人材戦略として5つの具体的な提言を行っています。

■ 調査結果サマリー

① 潜在保育士111万人 |「資格者不足」ではなく「条件のミスマッチ」

保育士登録者数は約179万人に対し、保育現場で従事している保育士数は約68万人にとどまっており、従事していない者は111万人程度に上ります。保育士資格保有者が保育職への就業を希望しない理由は「賃金が希望と合わない」(47.5%)が最多で、「他職種への興味」(43.1%)、「責任の重さ・事故への不安」(40.0%)が続きました。

② 現役保育士の課題|「給与」と「労働時間」がほぼ同率

現役保育士に現在の働き方において課題だと感じていることを尋ねたところ、「給与が低い」(38.0%)と「労働時間が長い」(37.0%)がほぼ同水準で並びました。3位には「キャリアアップの機会が少ない」(29.6%)が挙げられています。

この結果は、現役保育士の定着を図るには「賃金の改善だけ」「労働時間の短縮だけ」では不十分であり、両面を同時に改善する必要があることを示しています。

③ 4人に1人が「短時間正規」を希望 |多様化する働き方ニーズ

現役保育士が今後希望する働き方として、「正規職員(フルタイム)」が64.8%で最多となった一方、「正規職員(短時間勤務)」も25.0%と、約4人に1人が短時間正規の希望を持っていることが分かりました。

ライフステージやキャリアプランによって希望する働き方が変化することを示しており、画一的な雇用モデルの限界が浮かび上がりました。

④ 潜在保育士の復職条件 第1位は「短時間勤務」

復職に関心がある潜在保育士に対し、どのような条件であれば復職を検討するかを尋ねたところ、「短時間勤務が可能であれば」が51.2%と最も多く、「給与が改善されれば」(43.9%)、「柔軟な勤務時間が選べれば」(43.9%)が同率で続きました。

潜在保育士の約44.1%が復職に関心を示しており、条件次第では戻る意思を持つ層が一定数存在することが明らかになりました。

⑤ 現役保育士の約9割が「保育所以外の場」での勤務に関心

「こども誰でも通園制度」の本格実施を控え、保育人材が活躍する場は園内から地域へと広がりつつあります。

保育士として保育所以外の場所で働くことについて、現役保育士の88.8%が関心を示し、具体的には「一時預かり施設」(54.2%)、「子育て支援センター」(39.6%)、「放課後児童クラブ」(30.2%)への関心が高いことが分かりました。

⑥ 求職者の95.3%が生成AIに相談 |「雰囲気」が「給与」を上回る

直近1年以内にWebやAI等で保育業界の求人を探した経験がある保育士に調査を行ったところ、95.3%が生成AI(ChatGPTやGeminiなど)に相談や助言を求めた経験が「ある」と回答しました。生成AIを活用した求人探しは、もはや例外的な行動ではなく標準的な情報収集手段となっています。

さらに、生成AIで知りたい情報として最も多く挙がったのは「職場の雰囲気や働きやすさ」(52.3%)であり、「給与・待遇」(49.5%)を上回りました。求職者が最も知りたいのは、数値だけでは伝わりにくい「現場の実態」です。

■ 「集まり」「定着し」「移れる」仕組みづくり| 構造的課題を解決する5つの提言

本白書では、第三部において、保育人材が「集まり」「定着し」「移れる」仕組みを構築するための5つの提言を行っています。

提言1:ライフステージに応じて働き方を選べる雇用モデルの構築 育児期には短時間勤務、子どもの成長後にはフルタイム、経験を積んだ後には管理職や専門職へとキャリアアップを、といったように、ライフステージやキャリアプランに応じて働き方を柔軟に変えられる「辞めなくてもよい雇用サイクル」の創出。

提言2:地域全体での保育人材配置モデルの整備 保育所だけでなく、一時預かり施設・子育て支援センター・放課後児童クラブなど、地域全体で人材を配置する仕組みづくり。

提言3:給与・働き方の両面から待遇改善を進める 事業者と行政の連携による、短時間勤務者や復職者にも公平に届く待遇改善の設計と透明性の確保。

提言4:子どもと向き合う時間を確保する仕組みづくり ICTの段階的導入による事務負担軽減と、動画を活用した短時間の振り返りを日常化する「学び合いの仕組み」の整備。

提言5:求職者に届く・伝わる採用情報の整備 公式サイトに、給与や休日といった基本条件に加え、職場の雰囲気・育成体制・キャリアパスといった定性的な情報を具体的に発信。

■ 本白書のポイント

  • 現役保育士108名・潜在保育士93名・求職経験者107名への複合的な独自調査による定量データ

  • 「資格者の総数が足りない」のではなく「働ける条件と必要とされる場のずれ」という構造的課題を可視化

  • ライフステージ・キャリアプランに応じた多様な働き方ニーズを定量的に提示

  • 「こども誰でも通園制度」を見据えた、地域全体での人材配置モデルの提案

  • 生成AI時代における求職者の情報行動変化を踏まえた、採用情報設計の方向性を提示

  • 「集まり」「定着し」「移れる」仕組みを構築する5つの具体的提言を掲載

本白書は、以下のURLより無料でダウンロードいただけます。

https://storage.googleapis.com/studio-design-asset-files/projects/p6aorjnJqR/s-1x1_25d62221-7650-4345-aa98-94bc9bc0e1cd.pdf 

 

今年度の国のLIFE研修会、全国3都市で開催 基礎編+実践編 オンデマンド配信も

介護事業所・施設や自治体の職員らを対象とする今年度のLIFE(科学的介護情報システム)研修会を、国立長寿医療研究センターが開催する。

厚生労働省は23日、この研修会を周知する介護保険最新情報Vol.1514を発出。LIFEの一層の有効活用につなげるべく、関係者へ広く参加を呼びかけた。


この研修会は、「基礎編」と「実践編」の2本立てで構成される。


「基礎編」では、LIFEの概要や評価項目に関する基礎知識、フィードバックデータの読み解き方、介護計画の立案方法などを解説する。


一方の「実践編」は、2024年度の介護報酬改定に伴う評価項目の追加点・変更点の解説などが柱。LIFEの有効活用の具体的な方法を、介護現場で活躍する講師が分かりやすく伝える講演なども予定されている。


※ この研修会の内容は、昨年12月と今年1月に実施された内容と同じとなる。

開催方式は、全国3都市での対面形式とオンデマンド配信のハイブリッドとなる。


対面形式は9月から10月にかけて、秋田、広島、東京の各会場で実施される。参加費は無料で事前の登録が必要。


また、7月1日からはWebでのオンデマンド配信の視聴も可能となる。ただし、配信される動画は過去の年度に実施・撮影されたもので、今年度の対面形式とは内容が一部異なる点に留意が必要だ。

参加の申し込みは、国立長寿医療研究センターの公式サイトから行える

『残業代の計算における単価に関する注意点』

Q) 当院では、遅刻や欠勤をする職員が増えていることから、皆勤手当の支給を考えています。この皆勤手当を残業代の計算に含める必要はありますか?また改めて、残業代の計算における賃金に含めるもの・含めないものを確認しておきたいと思っています。 

A) 残業代にあたる割増賃金は、所定労働時間に対して支払われる 1 時間あたりの賃金を基に算出します。その際、皆勤手当は、算出する賃金に含める必要があります。なお、法律で定められている一定の賃金は除外できます。 

詳細解説:
1.割増賃金の計算方法労働基準法では、法定労働時間を超えた労働に対して、割増賃金を支払うことを義務付けています。その割増賃金額の計算方法は、以下のとおりです。
割増賃金額
=1 時間あたりの賃金 × 時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数 × 割増賃金率月給で支払われる賃金については、毎月支払われる賃金を 1 ヶ月の平均所定労働時間数で除して、1時間あたりの賃金を算出します。

2.1時間あたりの賃金の算出

1 時間あたりの賃金の算出では、基本給のみでなく、各種手当も含みます。ただし、次の①~⑦に限って、算出する賃金から除外できます。
① 家族手当(扶養家族の有無・人数に応じて算定するもの)② 通勤手当(通勤の距離・実費に応じて算定するもの)③ 別居手当④ 子女教育手当⑤ 住宅手当(家賃、持ち家のローン月額・管理費用など、住宅に要する費用に応じて算定するもの)⑥ 臨時に支払われた賃金⑦ 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

除外できる手当は、名称にかかわらず、実質に照らして判断されます。質問にある皆勤手当は、①~⑦のいずれにも該当しないことから、算出する賃金に含める必要があります。


一般的に皆勤手当は、欠勤や遅刻・早退の有無によって支給の有無や支給額が変動する仕組みとします。そのため、皆勤手当の支給の状況に従い、月ごとに1時間あたりの賃金が変動することもあります。


なお、診療報酬には、医療機関などに勤務する職員の処遇改善を目的とした「ベースアップ評価料」などの仕組みがありますが、これに基づいて「ベースアップ手当」などの形で毎月支払われる手当も、除外できる手当には含まれていません。

 

保育士 負担減らし働きやすく…補助者やアプリ活用 効率化(読売新聞より)

人材確保が課題となっている保育現場で、保育士の業務負担を軽減する取り組みが進んでいます。ゆとりのある保育士の配置、ICT(情報通信技術)の活用などで働きやすい環境を整え、人材を集めるのが狙いです。国も働き方の改善を後押ししています。

子どもたちと遊ぶ保育士の藤原さん(中央)(18日、大阪市の「たからこども園」で)

 「電車動くよ。見ててね」。5月中旬、大阪市西淀川区の認定こども園「たからこども園」で、保育士の藤原衣美香さん(33)がおもちゃをレール上に走らせ、子どもの興味を引いていた。そばでは、ほかの保育士2人も子どもたちに目を配る。

 1歳児クラスでは、9人を3人の保育士で見守る。6人につき1人という国が定める配置基準より手厚い。国や市の補助金を人件費に充てている。

 藤原さんは「心と時間に余裕を持てる。私たちにゆとりがあると、子どもたちも落ち着いて過ごすことができる」と話す。

 同園では、年齢ごとのクラスに担任を2人置く。休みが取りやすく、お互いに悩み事を相談しやすいという。体育や音楽の指導には外部講師を招く。清掃も、登園・降園時の交通安全の見守りも、アルバイトの保育支援者の協力を得て保育士の仕事を減らしている。

 同園など、4か所の保育施設を運営する社会福祉法人「たから福祉会」では、完全週休2日制を取り入れているため、土曜日に働くと平日に休める。誕生日に取れる休暇を導入しており、3年目の保育士の浜田菜月さん(24)は「プライベートな時間を確保しやすいので、メリハリのある働き方ができている」と話す。同法人の待遇に魅力を感じ、大学卒業後、地元の神戸市から引っ越してきた。

 藤原晋作園長(32)は「働く場所として選ばれるよう、保育士がやりがいを持って働ける職場作りに努めたい」と話している。

 

人材不足が深刻

ICTシステムで連絡帳を確認する保育士(20日、東京都世田谷区で) 保育現場が待遇改善に取り組むのは、保育士の不足が深刻なためだ。こども家庭庁によると、求職者1人あたりの求人件数を示す有効求人倍率は今年1月時点で3・88倍と、全職種平均(1・27倍)を大きく上回る。子どもの事故防止や、体調変化に常に気を使うという責任の重さに比べ、賃金が低いことなどが背景にある。国は賃上げを進めてきたが、全産業平均より月約5万円低い。

 事務作業の負担も大きい。自治体に提出する書類や、保育の記録のほか、保護者への連絡を手書きすることが多く、手間と時間がかかる。こども家庭庁が2025年度に行った委託調査で、負担が大きいと感じる日常業務を保育士に尋ねたところ、週の予定表など書類の作成(50・8%)が最も多く、子ども一人ひとりの保育記録の作成(49・4%)が続いた。

 デジタル化で、書類に関する業務負担を減らす動きも進む。東京都世田谷区の「おおわだ保育園世田谷豪徳寺」は、ICTを使ったシステムを導入している。保護者との連絡帳をアプリ化し、指導計画をデータで管理する。子どもの体温といった記録の転記や、手書きの手間を大幅に削減している。

 保育士の森明日香さん(26)は「書き間違いを直しやすく、過去のデータも見ることができるので、とても便利だ」と言う。

 馬場睦代園長(59)は「デジタルの活用で保育士が子どもと接し、保育に時間を費やせる環境を作りたい」と語る。

国も後押し

 こども家庭庁は、保育現場の取り組みを後押しする。今年度から、ICTシステムを活用し、業務負担の軽減を進める施設に対し、保育サービスの費用を上乗せする。

 保育施設が市区町村に保育サービスの費用を請求する際も、オンラインでスムーズに手続きできるよう、今年度中に全国統一のシステムを稼働させる予定だ。

 また、保育士の資格がない人を保育補助者などとして採用した施設に、賃金の一部を補助する。掃除や、おもちゃの消毒などの業務を受け持ってもらうことで、保育士が保育に専念できるようにする狙いがある。

 桜美林大の大下純准教授(保育実践学)は「保育士が働きやすい環境は子どもたちのためになり、保護者の安心につながる。待遇の改善を進め、仕事の魅力をさらに発信してほしい」と話している。

「潜在保育士」ら現場へ 

 自治体も、保育現場の人手不足対策に知恵を絞る。

 神奈川県は昨年度から、シニアらが、保育補助者の仕事を体験できる「キッズサポーター派遣事業」を始めた。保育施設で4時間ほど業務に触れ、実際の就労を希望すれば、人材派遣会社がサポートする。昨年度は約150人が参加し、保育補助者として就労した人もいる。

 大阪府豊中市は昨年7月から、市立こども園で有償ボランティアを募集している。資格があっても保育現場で働いていない「潜在保育士」や、保育を学ぶ大学生らが対象だ。工作の準備や製作、遊びの見守りなど、1回3時間ほどで4000円の謝礼がある。潜在保育士の復職や、学生の志望を高めるのが狙いだ。これまでに3人の潜在保育士が、ボランティア先で非常勤職員として採用された。市の担当者は「今の保育現場を知るきっかけにしてほしい」とする。

 

カスハラ対策、すべての介護事業者に義務付け 厚労省局長 ケアマネ殺害受け改めて明言

カスタマーハラスメントから介護従事者を守る対策をすべての介護事業者に義務付ける方針を改めて示した。

厚生労働省で介護保険制度を所管する老健局の黒田秀郎局長は18日の参議院・厚労委員会で、カスタマーハラスメントから介護従事者を守る対策をすべての介護事業者に義務付ける方針を改めて示した。

各サービスの運営基準を厳格化する考え。来年度の介護報酬改定を念頭に審議会で詳しい検討を進める。

ケアマネジャーが利用者宅で殺害された埼玉県川口市の事件を受けて、介護従事者を守る体制をどう強化するか問われて改めて説明した。公明党の川村雄大議員の質問に対する答弁。


カスハラの防止に向けた雇用管理上必要な措置をすべての事業者に義務付ける改正労働施策総合推進法が、今年10月から施行されることを見据えた動き。厚労省は昨年末の審議会で、すべての介護事業者にカスハラ対策を義務付ける意向を明らかにしていた経緯がある

黒田老健局長は厚労委で、「介護従事者が利用者やその家族などからハラスメントを受けることなく、安心して働ける環境の整備が重要」と強調。「介護事業者が取り組むべきことの運営基準への位置付けなど、必要な措置を検討して講じる」と明言した。

【社労士解説】寝坊による遅刻を「時間単位有休」に振り替えるべき?クリニック・介護・保育園の適切な労務管理とは

「スタッフが寝坊して遅刻した際、『時間単位の有給休暇(有休)に振り替えてほしい』と言われたが、認めるべきだろうか……」

クリニックの院長先生や、介護施設・保育園の運営者様から、このようなご相談をいただくケースが増えています。人手不足が深刻な医療・福祉業界において、スタッフのモチベーション維持と職場規律のバランスに悩む経営者の方は少なくありません。

結論から申し上げると、寝坊による遅刻を時間単位有休へ振り替えるかどうかは、クリニックや施設のルール(就業規則)および経営者の判断に委ねられます。しかし、職場の規律を守るためには「原則として認めない」とするのが適切です。

本記事では、近年導入が進む「時間単位有休」の正しいルールや、寝坊・突発的な遅刻に対する適切な労務管理のポイントについて、医療・介護・保育業界に特化した社労士が分かりやすく解説します。

1. そもそも「時間単位有休」とは?導入時の法的ルールと留意点

働き方改革の一環として、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)を図るために導入されたのが「時間単位有休」です。 1日単位ではなく時間単位での取得を認めることで、通院や子どもの送迎、役所の手続きなど、スタッフの柔軟な働き方をサポートできるメリットがあります。

しかし、この制度は「法律によってどの職場でも自動的に使えるもの」ではありません。 導入にあたっては、以下の法的要件とルールを厳守する必要があります。

① 労使協定の締結が必須(就業規則への記載も必要)

時間単位有休を有効に機能させるためには、事前に「労使協定」を締結しなければなりません。労使協定が締結されていない状態では、たとえスタッフから要望があっても、時間単位での有休を取得させることは法律上できません。

② 年間の取得上限は「5日以内」

時間単位有休として取得できる上限は、1年で5日以内と法律で定められています。 具体的な時間数は、そのスタッフの1日の所定労働時間によって計算されます。

  • 1日の所定労働時間が8時間の場合: (年間40時間まで)

  • 1日の所定労働時間が7時間の場合: (年間35時間まで)

この上限を超えた場合は、時間単位での取得は認められず、通常の「1日単位」または「半日単位」で取得させる必要があります。

2. 寝坊による遅刻を「時間単位有休」に振り替えるべきか?

では、本題である「スタッフが寝坊して遅刻した時間を、時間単位有休に振り替えたい」と申し出てきた場合の対応について考えてみましょう。

有給休暇は「事前申請」が原則

法律上、有給休暇は労働者が「事前に時期を指定して請求するもの」です。そのため、遅刻が確定した後や、出勤後に行われる「事後申請」を認めるかどうかは、基本的にはクリニックの院長や施設長の裁量(判断)に委ねられます。「事後申請の有休は一切認めない」というルールにすることも、法的には可能です。

現実的な運用と「寝坊」の境界線

実際のクリニックや介護施設・保育園の現場では、突発的な体調不良や、子どもの急な発熱、公共交通機関の遅延といった「やむを得ない理由」による遅刻・欠勤に対しては、事後申請であっても有休への振り替えを認めるケースが一般的です。

しかし、「寝坊」に関しては、有休への振り替えを認めるべきではありません。

理由の緊急性・やむを得なさ 事後申請の対応(推奨) 労務管理上のポイント
突発的な体調不良・家族の看病 認める(有休振り替え可) 予期せぬ事態であり、生活保障の観点からも許容が一般的
公共交通機関の遅延 遅延証明書等で対応 遅延証明書があれば、そもそも遅刻扱い(不就労)にしないケースも多い
本人の不注意(寝坊・勘違い) 認めない(欠勤・遅刻扱い) 自己管理不足。有休にすると職場の規律が乱れる原因に

なぜ寝坊による有休振り替えを認めてはならないのか?

最大の理由は、「職場の規律(モラル)が乱れる原因になるため」です。

「遅刻をしても、有休に振り替えれば給与も減らないし、怒られない」という安易な考え方がスタッフの間に蔓延してしまうと、遅刻に対する罪悪感が薄れ、真面目に出勤している他のスタッフのモチベーション低下を招きます。特にクリニックや介護・保育の現場は、1人の遅刻が現場の回し方(患者対応、シフト、園児の受け入れなど)に直結するため、チーム全体の負担に繋がります。

事後申請であっても「理由によっては有休への振り替えを認めない(欠勤または遅刻控除とする)」という運用を、事前に就業規則などで明確に規定しておくことが重要です。

3. 院長・経営者が必ず知っておくべき「時間単位有休」3つの注意点

時間単位有休を運用・管理するにあたり、クリニックの院長や施設長が勘違いしやすい、法的・実務上の注意点を3点解説します。

① 1日単位への変更を「強制」することはできない

スタッフが「時間単位有休(例:2時間)」を申請してきた場合、経営者側の都合で「中途半端だから1日休んでほしい」と、1日単位への変更を強制することはできません。逆のパターン(1日有休の申請を、時間単位に変更させること)も同様に不可です。有休の単位を変更できるのは、あくまでスタッフ本人の同意・希望がある場合に限られます。

② 「年5日以上の有休取得義務」の5日分にはカウントされない

2019年から、年10日以上の有休が付与される従業員に対して「年5日以上の有休を取得させること」が義務化されました。 ここで非常に重要なのが、時間単位で取得した有休は、この「義務化された5日」には一切カウントされない(含めることができない)という点です。

例えば、あるスタッフが年間で計24時間(日換算で3日分)の時間単位有休を取得したとしても、別途「1日単位」または「半日単位」で5日以上の有休を取得させなければ、法律違反(罰則の対象)となってしまいます。

③ 前年度の繰り越し分があっても、上限は「年間5日以内」

有休には2年間の時効があるため、前年度に使い切れなかった有休は翌年度に繰り越されます。しかし、時間単位有休の取得上限は、前年度の繰り越し分を含めても「年間5日以内」となります。

【間違えやすい具体例】

  • 前年度の使い残し:2日と4時間

  • 今年度新規付与分の枠:5日

この場合、足し算をして「今年は7日と4時間まで時間単位で取れる」ということにはなりません。前年の残りがあろうとなかろうと、その年度に時間単位として消化できるのは「最大5日分まで」となります。

4. 医療・介護・保育の現場に求められる適切な就業規則と労務管理

クリニック、介護施設、保育園は、いずれも「人」がサービスを提供する業界です。スタッフが安心して働ける環境を整えつつ、健全な組織体制を維持するためには、グレーゾーンを作らない明確なルール設計が不可欠です。

  • 遅刻や欠勤時の有休振り替えルールを明確にする(どのような場合に事後申請を認めるか、就業規則やマニュアルに明記する)

  • 時間単位有休の労使協定を正しく締結・運用する

  • 有休管理簿を整備し、義務化された「年5日」の未達を防ぐ

これらの労務管理を誤ると、スタッフ間の不公平感から離職に繋がったり、労働基準監督署からの是正勧告を受けたりするリスクが高まります。

まとめ:業界特化の社労士へお気軽にご相談ください

時間単位有休は、正しく運用すればスタッフの定着や採用力の強化につながる素晴らしい制度です。しかし、通常の有給休暇とは異なる複雑なルールが多いため、トラブルを未然に防ぐためには制度設計を正確に行う必要があります。

「うちのクリニックの就業規則で、寝坊のペナルティは課せる?」 「介護・保育のシフト制現場で、時間単位有休をスムーズに回すには?」

このようなお悩みがございましたら、業界特化の社労士である当事務所へお気軽にご相談ください。それぞれの業界特有の事情に合わせた、最適な労務管理ソリューションをご提案いたします。

💡 関連ページのご案内(あわせてお読みください)

「継続的な賃上げ実施」の判断基準

ベースアップ評価料は6月から、「継続的に賃上げを実施している医療機関かどうか」で評価が分かれる仕組みとなります(2026年5月号参照)。まだ届出をしていない医療機関等にも、高い点数を算定できる道が示されました。

「継続的な賃上げ実施」を満たすには?


6 月からは「継続的に賃上げを実施する保険医療機関」が高い点数を算定できます。ここに含まれるのは、まず「2026年3月31日時点でベースアップ評価料を届け出ている保険医療機関」です。この場合、同日時点でベースアップ評価料を算定している必要があります。

2026 年3月までにベースアップ評価料を届け出ていなかった場合でも、それに相当する賃上げを行った場合には、同様の高い点数を算定することができます。この場合、2026年度改定においてベースアップ評価料で求められる賃上げ水準(①)に、2024年度改定で求められていた賃上げ水準2.3%(②)を加えた水準の賃上げを行うことが条件となります。

■2026年3月までに届け出ていなかった場合の
「継続的に賃上げを実施する保険医療機関」の要件
①2026年度改定
が求める水準


2024年度改定
が求める水準

継続的な
賃上げ実施
の要件


このとき、算定対象となる職員(医師・歯科医師は含まれません)を、「看護補助者・事務職員」群と「それ以外の職員」群に分け、基本給等の総額を2024年3月時点と比較し、改善額を算出します。この改善額が、下表に示す割合以上※のとき、「相当する賃上げを行った」と判断されます。 

■2026年度 (2026年6月~2027年5月)
看護補助者・事務職員 ①5.7%+②2.3%=8.0%
それ以外の職員
①3.2%+②2.3%=5.5%

■2027年度 (2027年6月~2028年5月)
看護補助者・事務職員 ①11.4%+②2.3%=13.7%
それ以外の職員
①6.4%+②2.3%=8.7%

両群を合わせた改善額が、両群に求められる額の合計以上となっていれば、要件を満たすことになります。

なお、2026 年 3 月までにベースアップ評価料を届け出ていない場合は、改善額について、2024 年 3 月時点との比較を算出し、所定の様式に記載して届け出ることが必要となります。手続きや様式等の詳細は、厚生労働省のホームページでご確認ください。
参考:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について

 

 

 

「見えない仕事を、見える言葉に。」保育の専門性を語る全国大会「HOIKU CREATIVE BATTLE 2026」、9月長野で開催。6月1日より出場者募集

 

保育の“見えない専門性”を言葉にする全国大会が、長野から始まります。

フォーラムをカタチづくる学生実行委員
フォーラムをカタチづくる学生実行委員

音楽にコンテストがあり、アートに表現の舞台があるように。
保育にも、自分の実践を言葉にし、互いに学び合い、磨き合う場が必要なのでは——。

そんな想いから生まれたのが、「HOIKU CREATIVE BATTLE 2026」(以下、HCB)です。

HCBは、若い保育者が、子どもと向き合う中で生まれる判断や迷い、関わりの工夫を、自分の言葉で社会に届ける全国大会です。

保育みらいフォーラム実行委員会(partnership lead 関 ひなた・ Operation Lead 前阪 美都)は、2026年9月5日(土)・6日(日)の2日間、長野県立大学 三輪キャンパスにて「保育みらいフォーラム2026」を開催します。あわせて、メインプログラムであるHCBの参加者募集を、2026年6月1日より全国規模で開始します。

■ 大会の背景:日本の保育が抱える"見えない仕事"を社会に可視化する

保育という仕事は、子どもの泣いた理由を考えること、友だちとの関わりを見守ること、言葉にならない気持ちを受け止めること——
その日々の判断と工夫の積み重ねによって成り立っています。

しかし、そうした専門的な判断は日常の中に埋もれ、社会から見えにくいままになってきました。
HCBは、若手保育者・保育学生が自らの保育を「自分の言葉」で語ることで、保育の専門性と多様な価値を社会に可視化する全国大会です。

本大会では、全国から高校生審査委員30〜50名も参加し、「この人みたいになりたい」というロールモデル視点で発表者を見つめます。次世代が保育の仕事に出会い、進路を考える機会にもつなげていきます。

またHCBは、若い技能者が日頃の技術を磨き、社会に示す「技能五輪」からも着想を得ています。保育者の判断、まなざし、子どもへの関わりといった“見えにくい専門性”を、若い保育者自身の言葉で社会に届けます。

■ 学生が立ち上げる全国大会:長野の学生実行委員会が運営の中核

本フォーラムの大きな特徴は、運営の中核を学生が担っている点です。

長野県立大学の学生を中心とした実行委員会が、企画段階から、パートナー園との連携、参加者募集、当日運営に至るまで、主体的に動かしてきました。「自分たちが大好きな長野から、日本に向けて発信していくモデルをつくりたい」——その想いが、本大会の原点になっています。

また、一般社団法人信州子育てみらいネットの現場保育士も、DAY1の運営協力者として参画。学生・現場・地域が一体となって、若い保育者の挑戦を支える体制を整えています。

■ 大会概要:「実践」と「言葉」をつなぐ2日間

HCBは、実践と言葉という2つの軸で構成された2日間のプログラムです。

【DAY1(2026年9月5日/土)】
長野県立大学のプレイルームにて、みらいくの保育士が準備する親子縁日広場を開催します。HCB出場者は、保育士の見守りのもと、0〜5歳の子どもたちと関わります。
同会場では、保育の見えにくい価値を展示と体験で伝える「むすんでひらいて保育展」も同時開催します。夜は、HCB出場者と高校生審査委員が食事をともにしながら、当日の実践を振り返る交流会を行います。

【DAY2(2026年9月6日/日)】
長野県立大学講堂にて、本大会を開催します。DAY1の実践と関わりを踏まえた4名のファイナリストが、ステージ上で自らの保育を語ります。当日提示される保育映像やエピソードも、発表のヒントとして活用します。

■ 評価の4つの視点と4つの賞:序列ではなく、複数の価値軸で発見する設計

HCBは、序列を競う大会ではありません。すべての発表に学びがあるという前提のもと、複数の価値軸ですべての発表者を見つめます。評価の視点は以下の4つです。

(1)応答の瞬間:子どもの声にどう返したか
(2)安心の設計:「ここに居ていい」と感じられる関わり
(3)判断のプロセス:見守るか介入するかの迷い
(4)環境の積み重ね:毎日の小さな配慮の連続

そして表彰される4つの賞は、それぞれ異なる価値軸を可視化するために設けられています。

【HOIKU CREATIVE 大賞】審査委員選定
【上原りさ賞(特別審査委員賞)】上原りさ氏が「最も心に届いた発表者」に贈呈
【ロールモデル賞】高校生審査委員が「この人みたいになりたい」と感じた発表者を選定
【あなたに届いたで賞】観客投票による選定
DAY1に参加してくださった全員には「HOIKU CREATIVE チャレンジャー証」と、株式会社サクラクレパス様ご提供の「子どもと表現をつなぐクリエイティブセット」を参加記念品として、ステージ上で授与します。

■ 多様な視点で若手保育者を見つめる審査委員・司会陣

審査委員長には、保育研究の第一線で活躍する太田光洋氏(長野県立大学 健康発達学部こども学科 教授)。
審査委員には、保育・幼児教育分野において、『教材・教具の提供をはじめ、保育現場を幅広く支援する』株式会社チャイルド社代表取締役社長の柴田洋平氏。
特別審査委員には、元NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」「パント!」のおねえさんとして子どもたちに親しまれた上原りさ氏。

そして、司会には、吉本興業所属のお笑い芸人として全国的に人気の「おばたのお兄さん」を迎えます。
さらに、全国公募により30〜50名の高校生審査委員も参加。世代を超えた多様な視点で、若手保育者の発表に向き合います。

■ 高校生審査委員も全国公募:保育の道を「迷ってもいい」と思える場へ

HCBでは、本大会で「ロールモデルを発見する」役割を担う高校生審査委員も、全国の高校1年〜3年生から30〜50名を公募します。
高校生審査委員は、点数をつける役割ではありません。「この人みたいになりたい」と感じるロールモデルを、自分自身の視点で発見していただく役割です。

「保育の仕事に興味がある」「子どもが好き」「進路をまだ迷っている」「『人を見る』のが好き」——どれかひとつでも当てはまる高校生は、ぜひエントリーをご検討ください。保育の道に進むかどうかは関係ありません。進路を迷っている高校生にとっても、保育の現場の奥深さに出会う絶好の機会となります。

■ 学生実行委員会からのメッセージ

「保育という仕事は、ただ子どもと遊んでいる仕事ではありません。
泣いた理由を考えること、友だちとの関わりを見守ること、言葉にならない気持ちを受け止めること——その日々の判断と工夫の積み重ねが、保育という専門性をかたちづくっています。

けれど、その判断のプロセスは、毎日の仕事のなかに埋もれ、社会から見えにくいままになってきました。HOIKU CREATIVE BATTLE 2026は、この『見えない仕事』を、若手保育者自身の言葉で『見える言葉』に翻訳していく場です。

うまく語れなくても大丈夫です。応募から本大会まで、私たち学生実行委員会と地元のパートナー園が、丁寧にサポートします。」(保育みらいフォーラム実行委員会 学生実行委員会)

◆ イベント概要

名称 :HOIKU CREATIVE BATTLE 2026 / 保育みらいフォーラム2026
開催日: DAY1:2026年9月5日(土)/DAY2:2026年9月6日(日)
会場: 長野県立大学 三輪キャンパス(プレイルーム/講堂) 〒380-8525 長野県長野市三輪8-49-7
入場料: 無料(飲食販売等は一部実費の予定)

主催: 保育みらいフォーラム実行委員会
事務局: 一般社団法人信州子育てみらいネット
共催: 子育てWEBメディア「子育てポケット」
メディアパートナー: NBS長野放送
後援: 長野県教育委員会/長野市/長野市教育委員会/長野県立大学
後援申請中: こども家庭庁

◆ HCB出場者 募集要項

募集期間: 2026年6月1日〜2026年8月16日(日)
参加資格: 23歳未満の保育学生・若手保育士
参加費: 無料(県外参加者:交通費・宿泊費を上限15,000円まで補助)
応募方法: 公式サイトより申込書をダウンロードし、メールにて提出

公式Instagram @hoiku_miraiforum

◆ 主催団体概要

名称 保育みらいフォーラム実行委員会(事務局:一般社団法人信州子育てみらいネット)
代表 山岸 裕始(一般社団法人信州子育てみらいネット 代表理事)
所在地 〒380-0812 長野県長野市早苗町41-3
事業内容 長野県内における複数の保育施設「みらいく」の運営、保育みらいフォーラムの企画・運営、保育専門人材の育成・支援
公式HP https://pocket.chiikihoiku.net/hmf

訪問介護、併設型など事業形態ごとの経営状況を把握へ 厚労相、報酬改定へ「適切な単価設定を検討」

国会では10日、介護保険法や社会福祉法などの改正案をめぐる審議が参議院で始まった。

この日の本会議では、ホームヘルパー不足や物価高騰などで厳しい経営環境にある訪問介護について、来年度の介護報酬改定で講じるべき施策が話題となった。

上野賢一郎厚生労働相は、事業所の立地や規模、集合住宅に併設されているか否かといった事業形態などを、今年度に実施する「経営実態調査」できめ細かく把握すると説明。「適切な単価設定を検討する」と明言し、訪問介護のビジネスモデルの違いも考慮して議論を深める意向を示した。


国民民主党の田村まみ議員の質問に対する答弁。


上野厚労相はあわせて、介護保険法などの改正案に盛り込んだ具体策をめぐり、中山間・人口減少地域を対象にサービスの運営基準を緩和する新たな仕組みにも言及。その導入にあたり「サービスの質の確保が重要」と強調し、利用者の安心・安全を損なわないよう具体的な制度設計を進める方針を示した。

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