コラム

令和3年報酬改定関連 介護給付費分科会の動向

先週9日(金)に開催された

“介護給付費分科会”で公表された
資料を抜粋し 下記にてお知らせいたします。

ご興味ある方は、是非内容をご確認ください。

1 令和3年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要にいて

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000681068.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000681069.pdf

2、個別サービスについて

(1)福祉用具事業 考察
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000681955.pdf

(2)訪問介護事業 考察
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000681065.pdf

医療事業所様向け情報(経営)10月号③

医療機関でみられる人事労務Q&A
『職員を定年後継続雇用する際の留意点』

A:

当院の就業規則は、定年を60 歳とし、定年後は希望者全員を65 歳まで継続雇用すると規定しています。このたび、半年後に60 歳を迎える職員がいるのですが、この職員の定年後の処遇や手続きなど、具体的にどのように進めていけばよいのか教えてください。

Q:

定年が近い職員がいる場合、まずは継続雇用の希望について意思確認を行う必要があります。継続雇用を希望する場合には、個別に面談を行った上で、労働条件を提示し、雇用契約を締結します。継続雇用を希望しない場合はそのまま定年退職となり、退職手続きを行います。

詳細解説:

1.60 歳定年と希望者全員の継続雇用制度

2013 年4 月1 日に改正された高年齢者雇用安定法により、定年を65 歳未満に定めている場合、次のいずれかの措置をとる必要があります。

① 65 歳以上への定年引上げ
② 希望者全員の65 歳までの継続雇用制度の導入
③ 定年制の廃止

貴院は、希望者全員の65 歳までの継続雇用制度を導入しているため、就業規則等において定年を60 歳と規定していたとしても、本人が65 歳までの継続雇用を希望するのであれば、原則として継続雇用することが求められます。よって、近々定年を迎える職員がいる場合、まずは60 歳定年以降も、継続雇用を希望するか否かの意思確認を行う必要があります。

2.継続雇用の手続き

定年を迎える職員が継続雇用を希望する場合は、継続雇用後の労働条件を提示します。労働条件は必ずしも定年前と同等である必要はなく、賃金、労働時間、仕事内容等を見直すことができます。職員本人との面談を通じて、労働条件を決定するとよいでしょう。

なお、賃金を引き下げる場合、社会保険の資格喪失と資格取得を同日にすることで、継続雇用された月から、引き下げ後の賃金に応じた標準報酬月額の適用、雇用保険から高年齢雇用継続給付の受給ができる場合があります。要件に該当する場合は、忘れずに手続きを行いましょう。

2021 年4 月には、更なる高年齢者の就業促進を目指した改正高年齢者雇用安定法が施行され、70 歳までの就業機会確保が努力義務となります。高年齢者を継続雇用する際には、一定の配慮をしつつ、その豊富な経験や知識を活かして職場を活性化できるよう、高年齢者が働き続けやすい環境を整備することが求められます。

(来月に続く)

介護事業所様向け情報(経営)10月号③

福祉施設でみられる人事労務Q&A
『職員を定年後継続雇用する際の留意点』

Q:

当施設の就業規則は、定年を60 歳とし、定年後は希望者全員を65 歳まで継続雇用すると規定しています。このたび、半年後に60 歳を迎える職員がいるのですが、この職員の定年後の処遇や手続きなど、具体的にどのように進めていけばよいのか教えてください。

A:

定年が近い職員がいる場合、まずは継続雇用の希望について意思確認を行う必要があります。継続雇用を希望する場合には、個別に面談を行った上で、労働条件を提示し、雇用契約を締結します。継続雇用を希望しない場合はそのまま定年退職となり、退職手続きを行います。

詳細説明:

1.60 歳定年と希望者全員の継続雇用制度

2013 年4 月1 日に改正された高年齢者雇用安定法により、定年を65 歳未満に定めている場合、次のいずれかの措置をとる必要があります。

① 65 歳以上への定年引上げ
② 希望者全員の65 歳までの継続雇用制度の導入
③ 定年制の廃止

貴施設は、希望者全員の65 歳までの継続雇用制度を導入しているため、就業規則等において定年を60 歳と規定していたとしても、本人が65 歳までの継続雇用を希望するのであれば、原則として継続雇用することが求められます。よって、近々定年を迎える職員がいる場合、まずは60 歳定年以降も、継続雇用を希望するか否かの意思確認を行う必要があります。

2.継続雇用の手続き

定年を迎える職員が継続雇用を希望する場合は、継続雇用後の労働条件を提示します。労働条件は必ずしも定年前と同等である必要はなく、賃金、労働時間、仕事内容等を見直すことができます。職員本人との面談を通じて、労働条件を決定するとよいでしょう。

なお、賃金を引き下げる場合、社会保険の資格喪失と資格取得を同日にすることで、継続雇用された月から、引き下げ後の賃金に応じた標準報酬月額の適用、雇用保険から高年齢雇用継続給付の受給ができる場合があります。要件に該当する場合は、忘れずに手続きを行いましょう。

2021 年4 月には、更なる高年齢者の就業促進を目指した改正高年齢者雇用安定法が施行され、70 歳までの就業機会確保が努力義務となります。高年齢者を継続雇用する際には、一定の配慮をしつつ、その豊富な経験や知識を活かして職場を活性化できるよう、高年齢者が働き続けやすい環境を整備することが求められます。

(来月に続く)

医療事業所様向け情報(経営)10月号②

年代別の健康食品の摂取割合

コロナ禍での日常生活において、感染予防対策はもちろん、健康管理は非常に重要です。日々の健康を保つ目的で、健康食品を摂取している人もいらっしゃるでしょう。ここでは7 月に発表された厚生労働省の調査結果※から、サプリメントのような健康食品の摂取状況を年代別にみていきます。

男性の摂取割合は21.7%

上記調査結果から、2019 年の年代別男女別の健康食品を摂取している人の割合(以下、摂取割合)をまとめると、下グラフのとおりです。

男性の摂取割合は21.7%でした。年代別では60 代が最も高く28.1%となりました。次いで50 代が26.6%、70 代が26.5%、80 歳以上が26.0%と、男性では50 歳以上の年代で25%を超えています。30 代と40 代も20%を超えていますが、50 代以降の摂取割合が高い状況にあります。

女性の摂取割合は28.3%

女性の摂取割合は28.3%となりました。年代別にみると、50 代が37.6%で最も高く、60代が35.1%で続いています。その他、40 代と70 代も30%を超えています。30 代と80 代は30%を下回ったものの、男性の最高である60代と同等以上の割合です。女性は男性よりも幅広い年代で摂取割合が高くなっていることがわかります。

高い50~60 代の摂取割合

このように、男性、女性ともに50 代と60 代の摂取割合が1 位と2 位になりました。ただし、摂取割合の男女差を年代別にみると、女性の方が50 代で11.0 ポイント、40 代で10.1 ポイント高い状況です。30 代でも8.4 ポイント、60 代も7.0 ポイント高い状況です。

20 代以降は女性の摂取割合が高いのですが、サプリメントのような健康食品は美容などの目的での利用もあることから、女性の方が高くなっているものと思われます。

※厚生労働省「2019 年 国民生活基礎調査の概況」
一定の条件のもと抽出した全国の世帯および世帯員に対する調査です。詳細は次のURL のページから確認いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(経営)10月号①

慰労金、従業員支給時の留意点

7 月より新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の申請受付が始まり、順次給付も行われています。申請はお済みでしょうか。今回は、申請から職員への支給まで、医療機関が処理を行う上での注意点をご案内します。

慰労金の支給は源泉徴収なしで

この慰労金は、医師・看護師に限らず、受付・会計窓口の職員やドライバー等、患者との接触機会のある職種が幅広く支給対象となります。要件や支給額は、厚生労働省のホームページ等でご確認ください。

厚生労働省ホームページ:「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580_00001.html

慰労金を受け取ることができるのは職員本人ですが、その手続きは医療機関が行います。

  1. 職員の委任状を集め、代理申請(所定の申請書を作成し、各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)にオンライン等で提出)します。
  2. 交付決定後、国保連より医療機関に慰労金がまとめて振り込まれます。
  3. 医療機関から対象となる職員に対し、個々に慰労金を給付します。
  4. 実績報告を申請先に提出します。

職員に支給する際、以下の点にご注意ください。

【医療機関における慰労金の取扱いの留意点】

✓ 受給は1 人につき1 回限り

複数事業所に従事している職員については、重複申請とならないように注意しましょう。

✓ 「収入」として会計処理をしない

レセプトと同様、国保連を通じて請求し、診療報酬の振込口座に振り込まれます。この慰労金は、医療機関にとって「収入」ではありません。会計処理上、「預り金」や「仮受金」などの
通過勘定を用いて、収入として計上しないように注意しましょう。

✓ 支給の際に源泉徴収しない

この慰労金には税金がかかりません(非課税所得)。源泉徴収しないように留意しましょう。

✓ 必ず全額、職員に支給を

国保連より振り込まれた慰労金は、留保することなく、対象職員に確実に支給してください。受給権の譲渡や差押えは禁止されています。この点にもご留意ください。

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(経営)10月号②

福祉施設等におけるOFF-JT の実施状況

職員への教育訓練の実施は、施設の成長に不可欠な要素です。ここでは今年5 月に発表された調査結果※から、福祉施設等(以下、医療,福祉)におけるOFF-JT の実施状況をみていきます。

医療,福祉はOFF-JT の実施割合が高い

上記調査結果から、医療,福祉の事業所におけるOFF-JT の実施状況をまとめると、下グラフのとおりです。

医療,福祉では、正社員と正社員以外の両方にOFF-JT を実施した割合が68.2%となっています。全体の結果である総数は35.1%ですから、30 ポイント以上高い割合です。

一方、OFF-JT を実施していない割合は、医療,福祉が13.0%で総数より10 ポイントほど低い状況です。

コミュニケーション能力を重視

医療,福祉の事業所が実施したOFF-JT の内容をまとめると、下表のとおりです。

医療,福祉では、新規採用者など初任層を対象とする研修の実施割合が62.6%で最も高くなりました。次いで、コミュニケーション能力、新たに中堅社員となった者を対象とする研修、技能の習得、キャリア形成に関する研修が40%以上になっています。

総数と比較すると、医療,福祉では、キャリア形成に関する研修やコミュニケーション能力、技能の習得の実施割合が高い状況です。半面、品質管理や新規採用者など初任層を対象とする研修、ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識、マネジメント(管理・監督能力を高める内容など)の実施割合が10 ポイント以上低くなっています。

福祉介護の現場に対して、職員の負担軽減に向けた様々な政策が進められています。今後はそうした政策に関する研修なども増えてくるかもしれません。

※厚生労働省「令和元年度能力開発基本調査」
常用労働者30 人以上を雇用している企業・事業所および調査対象事業所に属している労働者を対象にした、2019 年(令和元年)10 月1 日時点の状況についての調査です。詳細は次のURL のページからご確認ください。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450451&tstat=000001031190&cycle=8&tclass1=000001140208&tclass2=000001140212&tclass3=000001140218

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(経営)10月号①

慰労金、従業員支給時の留意点

7 月より新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の申請受付が始まり、順次給付も行われています。今回は、申請から支給までの介護サービス事業所・施設等(以下、介護施設等)における処理上の注意点をご案内します。

慰労金の支給は源泉徴収なしで

この慰労金は、介護に直接携わる職員に限らず、事務職員や給食調理員、リネン業務員、運転手等、利用者との接触機会のある職種が幅広く支給対象となります。要件や支給額は、厚生労働省のホームページ等でご確認ください。

厚生労働省ホームページ:「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00144.html

慰労金を受け取ることができるのは職員本人ですが、その手続きは介護施設等が行います。

  1. 職員の委任状を集め、代理申請(所定の申請書を作成し、各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)にオンライン等で提出)します。
  2. 交付決定後、国保連より介護施設等に慰労金がまとめて振り込まれます。
  3. 介護施設等から対象となる職員に対し、個々に慰労金を給付します。
  4. 支給に関する書類を介護施設等で保管します。

職員に支給する際、以下の点にご注意ください。

【介護施設等における慰労金の取扱いの留意点】

✓ 受給は1 人につき1 回限り

複数事業所に従事している職員については、重複申請とならないように注意しましょう。医療分と介護分両方の受給も禁止されています。

✓ 「収入」として会計処理をしない

介護報酬の振込口座に振り込まれます。この慰労金は、介護施設等にとって「収入」ではありません。会計処理上、「預り金」や「仮受金」などの通過勘定を用いて、収入として計上しないように注意しましょう。

✓ 支給の際に源泉徴収しない

この慰労金には税金がかかりません(非課税所得)。源泉徴収しないように留意しましょう。

✓ 必ず全額、職員に支給を

慰労金は留保することなく、対象職員に確実に支給します。受給権の譲渡や差押えは禁止されています。この点にもご留意ください。

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(労務)10月号④

深夜業に従事する従業員に実施が必要な健康診断

企業が実施すべき主な健康診断には、雇入れ時の健康診断と定期健康診断があります。そのほかに深夜業などの特定の業務に常時従事する従業員(以下、「特定業務従事者」という)に対する健康診断があり、配置替えの際と6ヶ月に1回、実施する必要があります。今回は、この特定業務従事者の健康診断をとり上げます。

1. 深夜業を含む業務とは

特定業務従事者の健康診断の対象となる人は、例えば多量の高熱物体を取り扱う業務および著しく暑熱な場所における業務や、深夜業を含む業務などに従事する人で、労働安全衛生規則に定められています。

このうち深夜業を含む業務は、常態として深夜業(午後10時から午前5時まで)を1週間1回以上または1ヶ月に4回以上行う業務と通達されています。工場で交替制勤務により深夜業を行っているような場合が該当しますが、これ以外にも、所定労働時間の一部が午後10時から午前5時までの時間帯に及ぶ場合も該当します。

2.パートタイマーの健康診断

短時間労働者(いわゆるパートタイマー)についても、以下の①と②の両方を満たす場合は、雇入れ時の健康診断と定期健康診断を実施する必要があります。

  1.  期間の定めのない労働契約により使用される人であること(※)。
  2. 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

※期間の定めのある労働契約により使用されるパートタイマーの場合は、契約期間が1年以上である場合や契約更新により1年以上使用されることが予定されている場合、および1年以上引き続き使用されている場合(特定業務従事者健診の対象となる人については、1年以上を6ヶ月以上に読み替え)。

3.パートタイマーで特定業務従事者の場合

2.についてはあくまでも雇入れ時の健康診断と定期健康診断について指しているものです。2のa.およびb.に該当しないパートタイマーが特定業務従事者に該当するときには、雇入れ時の健康診断や定期健康診断の実施が不要な場合であっても、特定業務従事者の健康診断を実施しなければなりません。

例えば週3日、午後5時から午後11時まで勤務をする場合、特定業務従事者の健康診断の実施が必要です。

法令改正により、健康診断個人票等に対する医師等の押印と、定期健康診断結果報告書等の産業医の押印が不要になりました。この背景には、健康診断に関する情報を活用するために電子化を進める狙いがあるようです。

(来月に続く)

保育事業所様向け情報(労務)10月号④

深夜業に従事する従業員に実施が必要な健康診断

企業が実施すべき主な健康診断には、雇入れ時の健康診断と定期健康診断があります。そのほかに深夜業などの特定の業務に常時従事する従業員(以下、「特定業務従事者」という)に対する健康診断があり、配置替えの際と6ヶ月に1回、実施する必要があります。今回は、この特定業務従事者の健康診断をとり上げます。

1. 深夜業を含む業務とは

特定業務従事者の健康診断の対象となる人は、例えば多量の高熱物体を取り扱う業務および著しく暑熱な場所における業務や、深夜業を含む業務などに従事する人で、労働安全衛生規則に定められています。

このうち深夜業を含む業務は、常態として深夜業(午後10時から午前5時まで)を1週間1回以上または1ヶ月に4回以上行う業務と通達されています。工場で交替制勤務により深夜業を行っているような場合が該当しますが、これ以外にも、所定労働時間の一部が午後10時から午前5時までの時間帯に及ぶ場合も該当します。

2.パートタイマーの健康診断

短時間労働者(いわゆるパートタイマー)についても、以下の①と②の両方を満たす場合は、雇入れ時の健康診断と定期健康診断を実施する必要があります。

  1.  期間の定めのない労働契約により使用される人であること(※)。
  2. 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

※期間の定めのある労働契約により使用されるパートタイマーの場合は、契約期間が1年以上である場合や契約更新により1年以上使用されることが予定されている場合、および1年以上引き続き使用されている場合(特定業務従事者健診の対象となる人については、1年以上を6ヶ月以上に読み替え)。

3.パートタイマーで特定業務従事者の場合

2.についてはあくまでも雇入れ時の健康診断と定期健康診断について指しているものです。2のa.およびb.に該当しないパートタイマーが特定業務従事者に該当するときには、雇入れ時の健康診断や定期健康診断の実施が不要な場合であっても、特定業務従事者の健康診断を実施しなければなりません。

例えば週3日、午後5時から午後11時まで勤務をする場合、特定業務従事者の健康診断の実施が必要です。

法令改正により、健康診断個人票等に対する医師等の押印と、定期健康診断結果報告書等の産業医の押印が不要になりました。この背景には、健康診断に関する情報を活用するために電子化を進める狙いがあるようです。

(来月に続く)

介護事業所様向け情報(労務)10月号④

深夜業に従事する従業員に実施が必要な健康診断

企業が実施すべき主な健康診断には、雇入れ時の健康診断と定期健康診断があります。そのほかに深夜業などの特定の業務に常時従事する従業員(以下、「特定業務従事者」という)に対する健康診断があり、配置替えの際と6ヶ月に1回、実施する必要があります。今回は、この特定業務従事者の健康診断をとり上げます。

1. 深夜業を含む業務とは

特定業務従事者の健康診断の対象となる人は、例えば多量の高熱物体を取り扱う業務および著しく暑熱な場所における業務や、深夜業を含む業務などに従事する人で、労働安全衛生規則に定められています。

このうち深夜業を含む業務は、常態として深夜業(午後10時から午前5時まで)を1週間1回以上または1ヶ月に4回以上行う業務と通達されています。工場で交替制勤務により深夜業を行っているような場合が該当しますが、これ以外にも、所定労働時間の一部が午後10時から午前5時までの時間帯に及ぶ場合も該当します。

2.パートタイマーの健康診断

短時間労働者(いわゆるパートタイマー)についても、以下の①と②の両方を満たす場合は、雇入れ時の健康診断と定期健康診断を実施する必要があります。

  1.  期間の定めのない労働契約により使用される人であること(※)。
  2. 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

※期間の定めのある労働契約により使用されるパートタイマーの場合は、契約期間が1年以上である場合や契約更新により1年以上使用されることが予定されている場合、および1年以上引き続き使用されている場合(特定業務従事者健診の対象となる人については、1年以上を6ヶ月以上に読み替え)。

3.パートタイマーで特定業務従事者の場合

2.についてはあくまでも雇入れ時の健康診断と定期健康診断について指しているものです。2のa.およびb.に該当しないパートタイマーが特定業務従事者に該当するときには、雇入れ時の健康診断や定期健康診断の実施が不要な場合であっても、特定業務従事者の健康診断を実施しなければなりません。

例えば週3日、午後5時から午後11時まで勤務をする場合、特定業務従事者の健康診断の実施が必要です。

 

法令改正により、健康診断個人票等に対する医師等の押印と、定期健康診断結果報告書等の産業医の押印が不要になりました。この背景には、健康診断に関する情報を活用するために電子化を進める狙いがあるようです。

(来月に続く)

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