コラム
A5、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。
弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。
- 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。
評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。
- 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
- はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。
評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。
その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。
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トライトグループは2月24日、「保育士の転職・再就職実態調査」の結果を発表した。調査は2021年9月1日〜30日、同社に登録する10代〜60代以上の保育士男女を対象に、電話調査および対面調査(含オンライン)で行われ、2,736名の有効回答を得た。
離職理由を尋ねたところ、「職場の人間関係」(38.2%)、「仕事量が多い」(31.8%)、「保育方針の違い」(23.6%)が上位に。「給与の安さ」(20.4%)は4位だった。
しかしながら、年齢別にみると、20代は「職場の人間関係」や「仕事量が多い」ことが離職理由としてより強く表れる結果に。また、離職中の人で比較すると、20代は「結婚」(21.8%)が高い割合を示したのに対し、30代では「子育て・家事」(46.4%)や「妊娠・出産」(28.8%)が多くなるなど、ライフイベントの影響の大きさがうかがえる結果となった。
次に、転職先・再就職先に期待することを教えてもらったところ、「通勤が便利」(47.3%)が最も多く、次いで「希望に合った労働時間」(40.3%)、「希望の給与水準」(38.3%)と続いた。
在職・離職別で比較すると、在職中では「希望の給与水準」がより高い割合で期待する項目となり、離職中では通勤・労働時間・休暇等のライフスタイルと連動する項目の選択割合が高い傾向に。
また、経験年数別にみると、経験1年未満の人は、「やりたい仕事内容」や「資格・技能が生かせる」の割合が顕著に高く、一方、「希望の給与水準」を選択する人の割合は、経験年数が長くなるにつれ高くなる傾向が見てとれた。
続いて、採用面接の施設側の対応で好意的に感じたことを教えてもらったところ、50.1%が「丁寧な施設説明」と回答した一方で、2割が「好意的に感じたものがない」(22.8%)と回答するなど、施設側の熱意が十分に伝わっていない可能性が伺える結果に。
また、採用面接での施設側の対応で不安に感じたことを聞くと、「面接が短時間で終了」(24.5%)、「園説明が少ない」(23.9%)、「園見学なし」(22.0%)などが上位となり、施設の状況が十分にわからない状態に不安を感じる人が多いよう。「特になし」と回答した人は3割程度(32.5%)にとどまり、約7割の人が採用面接時に何かしらの不安を感じていることがわかった。(マイナビニュースより)
A 夜勤回数が減らせなければ、最低限仮眠時間の確保と十分な休日をの確保を行うことです。外来から夜勤への異動、非常勤職員への協力要請、小さな子供がいても夜勤が出来る勤務環境の整備、夜勤専従制度の導入など、「夜勤が出来る人」のすそ野を広げていきましょう。
診療報酬上、「夜勤を行う看護職員の一人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下である事」という要件があります。日本看護協会のガイドラインでも夜勤回数は「月8回以内」という指針があります。看護師の労働時間管理を考える上で、「夜勤72時間ルール」の考え方を外すことはできません。
一方で、看護師の夜勤勤務の上限について、労基法の規制は特にありません。規制しているのは「一日8時間、一周40時間」と変形労性を使った場合の月間労働時間の総枠です。
3交代における過剰な夜勤回数や2交代制おける長時間夜勤の問題は、中長期的に見た健康障害と安全医療の面から改善すべき課題です。
ICUなど超急性期に対する病床では、夜勤の人員配置を手厚くしておく必要があるので、どうしても夜勤回数が多くなります。但し、夜勤回数の考え方はどの看護単位も同じなので配置基準の関係で夜勤回数を減らせない場合には、仮眠時間を確保したり、十分な休日を確保する必要があります。
ある病院では、夜勤時間の偏りを避けるため、出来るだけ多くの職員が夜勤に入れる体制に整備しました。常勤職員だけでなく、非常勤職員にも夜勤の協力要請をしたり、24時間預けられる院内保育園を整備し、子供のいる職員にも夜勤に入ってもらうようにしました。また夜勤を多く希望する職員には、夜勤回数の上限を10回とした常勤の夜勤専従制度を導入。合わせて看護補助者の増員も図ることで、夜勤が出来る職員のすそ野を徹底して広げることに尽力をされていました。また夜勤手当の増額も可能な限り実施することも重要なことなので実施されていました。
A, まずは、自宅で行った業務内容、具体的な完成品、かかった時間数を確認して、園長が必要な時間数を確認し、残業手当を支払ってはどうでしょうか。問題は今後の対応をどうするかです。安易に自宅での業務を認めてしまうと、自宅での業務が多くなるでしょうし、
そもそも労働時間の把握ができません。
やはり原則通り、①業務は命じられた場所で行う②業務時間内で終了できるように、業務のやり方を変える。という2点の対応が必要です。
まずは就業規則に就業の場所は「○○園、および命じられた場所」と規定します。命じられた場所には、園児と一緒に行くお散歩や公園、外部の研修会場を想定しています。自宅を就業場所として命じなければ、業務を持ち帰ることはできません。
就業規則に、「就業場所」を定め、職員毎の労働条件通知書にも同様の記載をします。
次に、業務のやり方を変えることについて、どんなことから始めたらいいか、園長と話をしました。「行事前に残業が増えるのは、これまでのやり方を踏襲していること、各クラスが
同じレベルの仕上がりを目指していることなどが原因かもしれません・・・・」と仰っていました。見方を変えると課題が見えてきます。行事のやり方などを変えることは、職員たちにとって自身にもなったようです。日常業務いついても、業務の完成イメージから必要な時間を逆算して取り組むなど業務時間内でやる方法を考え、チャレンジしてみると、手ごたえを感じるようなのです。これが、当園の「働き方改革」なのかもしれません。
4月1日からキャリアアップ助成金の一部が変更になります。
詳細は下記の厚労省リーフレットをご参照ください。
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今月から始まる介護職員らの月額3%(平均9000円)ほどの賃上げを実現する補助金について、厚生労働省は22日に新たなQ&Aを公表した。介護保険最新情報のVol.1037で周知している。
取り上げた質問は、「2月分と3月分の賃上げを一時金で実施した場合、それをベースアップによる賃上げとして扱うことは可能か」というもの。
これに対し厚労省は、一定の前提・条件の下であれば「差し支えない」と明記した。次のように詳しく解説し、その具体例も付記している。
「2月分と3月分の賃上げを一時金で実施した場合でも、その対応が、単に就業規則の改定がなされていないことのみの違いに留まるなど、4月以降に行うベースアップによる賃上げを見越したものであるなら、2月分、3月分の一時金による賃上げのうち、4月以降のベースアップによる賃上げに相当する額を、ベースアップによる賃上げに含めて差し支えない」
* Q&Aに記された具体例
4月以降のベースアップによる賃上げの平均が各月7000円であって、2月分、3月分の一時金による賃上げが1万8000円の場合、ベースアップによる賃上げに含めることができるのは、2ヵ月分の1万4000円(7000円×2)まで。
今回の補助金は要件として、「交付額の少なくとも3分の2以上は介護職員らのベースアップに充てなければいけない」と定められている。ただ厚労省は、就業規則(賃金規程)の改正に一定の時間を要するなど現場の負担にも配慮。2月分、3月分に限り、手当など一時金のみで対応することも容認していた経緯がある。(介護ニュース)
厚生労働省は24日、全国の高齢者施設でこれまでに発生した新型コロナウイルスのクラスターの件数を公表した。
21日0時までの直近1週間で482件。過去最多だった前週から更に増加した。最多更新はこれで4週連続。これまでと比べて伸びはやや鈍化したが、ハイリスクの人が多い介護現場でクラスターが続出する極めて深刻な事態が続いている。
感染力の強い「オミクロン株」が猛威を奮う第6波のなか、リソースも乏しい高齢者施設が厳しい状況に追い込まれている。直近1週間のクラスター件数は、医療機関(179件)や児童福祉施設(166件)、障害者福祉施設(51件)より大幅に多い。感染拡大を抑え込むのは非常に難しく、介護現場の関係者の努力にも限界がある。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は24日の参議院・予算委員会で、「現在の問題の核心は、高齢者施設などで感染が広がり重症者が増えていること。ワクチン接種の加速化やクラスター発生時の支援など、今の核心の高齢者施設に力を集中すべきだ」と指摘。岸田文雄首相は、「オミクロン株の特性、現実の変化に適切に対応し、必要な医療や支援体制を用意していきたい」と述べた。(介護ニュース)
2月22日 に厚労省から発行された「介護職員処遇改善支援補助金に関する Q&A」
をご案内します。
問1 令和4年2月分及び3月分について一時金で賃金改善を行った場合、当
該改善分をベースアップ等による賃金改善として取り扱うことは可能か。
(答)
令和4年2月分及び3月分について一時金で賃金改善を行った場合においても、
当該対応が、単に就業規則等の改定がなされていないことのみの違いであるなど、
同年4月分以降に行うベースアップ等による賃金改善を見越した対応である場合
には、2月分及び3月分の一時金による賃金改善のうち、同年4月分から9月分ま
での間のベースアップ等による賃金改善分に相当する額をベースアップ等による
賃金改善分に含めることとして差し支えない。
<例>
4月以降のベースアップ等による賃金改善額の平均が各月 7,000 円であって、
2月分及び3月分の一時金による賃金改善が 18,000 円である場合、ベースアップ
等による賃金改善分に含めることが可能なのは、2か月分の 14,000 円(7,000 円
×2)までとなる。
問2 本事業における補助金の支出事務について、都道府県から国保連合会に
委託することは、地方自治法施行令(昭和 22 年政令第 16 号)第 165 条の3
第1項により、認められるか。
(答)
地方自治法施行令第 161 条第1項第 12 号に規定する「非常災害のため即時支払
を必要とする経費」に該当するものとして認められる。
なお、本件については、総務省自治行政局行政課と協議済みである
詳細はこちら
⇒
《 介護保険最新情報Vol.1035 》
厚生労働省は21日、昨年4月の介護報酬改定のQ&Aを新たに公表した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を踏まえ、通所系サービスに臨時的に導入した支援策の来年度の扱いを説明するものだ。
今回のQ&Aで取り上げられているのは、通所介護などの3%加算と規模区分の特例。厚労省は来年度も、引き続きこれらの支援策を継続していく方針を明示した。
あわせて、今年度中に3%加算を算定済みの事業所であっても、利用者数の減少などの要件を満たしていれば、来年度も再び算定することができると表明。介護保険最新情報のVol.1035で広く周知した。
通所介護などの3%加算と規模区分の特例は、コロナ禍の"利用控え"などで厳しい経営を強いられている事業所を支える目的で、今年度から新たに適用されている。利用者数が減ってしまった場合、事業所は基本報酬を3%加算(原則3ヵ月間)することが可能。大規模型の事業所なら、基本報酬が高い小規模型などの区分へ移ることが認められる。
厚労省はQ&Aで、来年度の3%加算の算定要件を今年度と同様に、「利用者数が前年度平均から5%以上減少していること」とすると説明。「来年度中の利用者減に基づき一度3%加算を算定した事業所は、同一事由による来年度中の再算定はできない」との解釈も示した。(介護ニュースより)
A 年間の総労働時間を維持しつつ、日勤の所定労働時間を延長して休日数を増やすやり方が一般的。但し、「休日を増やす」こととのどちらに職員ニーズがあるのか、十分に検討した上で変更していく必要があります。
看護職の確保と人材定着のために、年間休日数を増やしている医療機関は最近増えているように思います。ある病院では、日勤の所定労働時間を7時間30分から7時間45分に延長して、年間の総労働時間を維持しつつ、休日数を五日間増やして年間最大124日に変更しました。この病院は、平均年齢37歳の看護師の6割が育児世代ですが「給与を上げるより休日を増やす方が育児世代の看護師ニーズに適する」と考えたからです。
また別の病院では、病院全体で、所定労働時間を7時間から7時間15分に延長し、年間休日を4週6休から4週8休に変更して9日間、年間112日に拡充することで、サービス残業も大幅に削減することが出来たといいます。
たしかに、年間休日数100日の病院と120日の病院では求人効果に差があるかもしれません。しかし例えばこんなケースもあります。日勤の所定労働時間7時間、4週6休年間休日100日の介護型療養病院において、休日増を検討した際、看護職は否定的な意見が多かったと言います。なぜなら、看護職の多くは、日勤7時間(17時終業)の勤務時間の短さや17時に帰れることに惹かれて中途入職した職員が多かったからです。
やみくもに休日を増やせばいいというものではなく、休日増なのか勤務時間短縮なのか、年齢層や家族の事情などによってもニーズが違うことを考慮したうえで、十分に検討する
必要があると思います。