コラム

Q 非正規職員にも、正職員同様に試用期間を定めるべきでしょうか?そもそも1年契約としたら、そのうち6か月を試用期間にしても、使用期間の意味があまりないように思うのですが、アドバイスをお願いします。

A, 試用期間とは、わが園の職員として適性を実際の勤務を通して確認して、本採用できるかどうかを判断するための期間です。試用期間は、長期雇用を前提とした制度と言えます。

 多くの園では、非正規職員の契約期間は1年としており、更新をしない限り、雇用期間満了により雇用は終了します。

 試用期間は、労働法には「設けなければならない」といった根拠条文はありません。試用期間を設けるかどうかは園が任意に決めることが出来ます。しかし、一方で、非正規職員に

試用期間を定めることにより長期雇用(更新する)を約束しているように捉えてしまう懸念があります。また、試用期間を設け、本採用しないといった判断をした場合でも契約期間

の途中で、任期満了を待つことなく雇用を終了せざるを得ないほど重大な「やむを得ない事由」が必要になることもあります。このような事情から、非正規職員に試用期間を設けてもあまり機能しないことも多いのです。

 それでは、そうすればいいのでしょうか。お勧めは、初期の契約期間を短くすることです。

例えば、最初の契約期間は3カ月とし、その間で適性を診断します。もし、適性がないと判断される場合には期間満了で雇用を終了します。更新する場合には、次の契約期間は1年にこだわらず、適切な長さにします。

 応募者の方からすると、期間が短いという印象をもたれるかもしれませんが、この期間の趣旨をよく説明し、お互いに大切な期間であるということの理解を得る必要もあるものと思います。

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副業の取り扱いについて Q,一日8時間、1週40時間を超えた割増賃金について、副業先での労働時間を考慮して会社は割増賃金を支払わなければならないのですか?考慮しなければならない場合には、どのような方法で副業先の労働時間を把握すればよいのでしょうか?

  • 複数の事業所で就労した場合の労働時間の取り扱いについて、労働基準法38条は「事業を異にする場合であっても労働時間に関する規定の適用にあっては通算する」と定めています。したがって、設問にあるように副業している場合は、他社における労働時間を通算して総労働時間を管理する必要があり、時間外労働の残業代についても、総労働時間を前提に支払う必要があります。

この点について、行政通達は「後に労働契約を締結した事業主は契約に締結に当たっては、その労働者がほかに事業所で働いていることを働いていることを確認したうえで契約を締結すべきであるという観点から、後に労働契約締結した事業主が割増賃金を払う必要があります。

例えば、パートタイマーXはもともとA社で勤務していたところ、B社でも勤務するようになった場合、A社で5時間、B社で4時間の労働契約を締結した場合、合計で9時間になるので、1時間分の時間外割増の支払いは、後に契約をしたB社ということになります。

また、次のようなケースは必ずしも後に契約をした事業主とも限りません。例えば、

もともとC社で5時間働いており、そのあとにD社で3時間働くようになった場合で

C社の業務都合で6時間勤務になった場合には、C社が1時間分の割増賃金を支払うことになります。

ただ、別の会社の労働時間をどのように事業主は把握したらよいのでしょう。これが社員のプライベートに属する事項なので、社員から任意に情報を提供してもらう必要があります。具体的には社員の承諾を得たうえで副業先の労働時間契約書などを提出してもらう、副業先の労働時間数を自己申告してもらう、といった方法が考えられます。もし、

申告を拒否された場合や偽った時間を申告した場合、時間外労働の割増賃金の支払いの問題が生じたような場合には、虚偽申告や給与の不正受給に該当するとして、懲戒処分の対象になります。

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介護施設への感染者1人30万円の補助金、対象地域を全国へ拡大 政府 期間も7月まで延長

岸田文雄首相は7日の会見で、新型コロナウイルスの感染者らを支える高齢者施設の体制強化に向けた既存の財政支援措置について、対象地域を全国に拡大する方針を打ち出した。これまでは「まん延防止等重点措置」が適用されている地域に限定していたが、介護現場からの再三の要請も踏まえて改める。

この財政支援措置は、感染した入所者1人につき最大で30万円を高齢者施設に補助し、かかり増し経費などに充ててもらうもの。岸田首相は会見で、今月末までと定めていた支給期限を7月末まで延長する意向も表明。「鍵となる高齢者施設の医療支援体制の確保を強力に推進していく」と述べた。

感染が再び拡大していく懸念が強まっていることを受けて、政府は介護施設に対する支援を最重要施策に位置付ける構えを鮮明にしている。重症化リスクの高い人が多いためで、後藤茂之厚生労働相も8日の会見で「(対策を)特に重点化、迅速化して進めていく」と強調した。

厚労省は今月4日、既に全国の自治体へ通知を出している。クラスターが発生した介護施設などに入って現場を支える「感染制御・業務継続支援チーム」について、施設側の連絡・要請から24時間以内に派遣できる体制を作るよう指示。あわせて、医師、看護師の往診・派遣による医療サービスを速やかに提供できる体制を、全ての介護施設で整えておくことも要請した。

後藤厚労相は8日、こうした施策や最大30万円の補助などの運用に力を注ぐと説明。「政府として最大限の警戒感を持って、保健医療体制をしっかりと稼働できるように整えていきたい」と語った(介護ニュースより)

「実地指導」→「運営指導」。厚労省、介護事業所の指導指針を改正 初めてオンライン指導を可能に

介護施設・事業所に対する自治体の指導監督の指針が新年度から改められた。厚生労働省は3月31日に通知を発出。介護保険最新情報のVol.1061で広く周知した。

サービスの質の向上や適切な事業運営などを促す自治体の集団指導、実地指導について、オンライン会議ツールを活用できることをルール上明確にした。これに伴い「実地指導」という名称も変更。必ずしも"実地"ではなくなるため、指針の記載を全て「実地指導」から「運営指導」へ切り替えた。

国がオンライン会議ツールの活用を認めたのは、コロナ禍の一時的な特例を除けば今回が初。自治体と事業者、双方の事務負担の軽減につなげる狙いがある。厚労省は有識者会議でこうした方針を固め、先月までに指針を改正する意向を明らかにしていた。

改正した指針では「運営指導」について、「原則実地」と説明している。一方、実地でなくても確認できる内容(*)であれば「オンラインを活用できる」と明記。「事業所の過度な負担とならないよう十分に配慮すること」と呼びかけた。

「運営指導」の留意点としては、

◯ 1事業所あたりの所要時間をできる限り短縮し、指導の頻度向上を図る

◯ 同一所在地や近隣の事業所はできるだけ同日、または連続した日程で実施する

◯ 書類がデータで管理されている場合はディスプレイで確認し、事業所に書類のプリントアウトを指示しない

などを要請。「高圧的な言動は控え、事業所との共通認識が得られるようにする」「担当職員の主観に基づく指導はしない」なども改めて求めた。

厚労省はこのほか「運営指導」の頻度について、原則として指定の有効期間内(6年間)に1回以上としつつ、施設系サービス、居住系サービスは「3年に1回以上が望ましい」と記した。一方の「集団指導」については、「1年に1回以上、講習などの方法で行う」と規定している。(介護ニュース)

3 月分以降の協会けんぽの 健康保険料率・介護保険料率

全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険料率および介護保険料率は、例年3 月分(4 月納付分)から見直しが行われており、2022 年度の各都道府県の健康保険料率も変更、公開されました。

1.2022 年度の健康保険料率

 協会けんぽの保険料率は、各都道府県支部別の保険料率が設定されており、2022 年3 月分から適用される健康保険料率は下表のとおりとなりました。
 全都道府県のうち、もっとも高い保険料率は佐賀県の11.00%、もっとも低い保険料率は新潟県の9.51%となっており、佐賀県と新潟県の保険料率の開きはかなり大きなものになっています。

2.引下げとなった介護保険料率

 介護保険の保険料率は毎年見直しが行われますが、2022 年3 月分からは、1. 80%から1.64%への引下げとなりました。

3.2022年度の労働保険料の率

①労災保険率
 労災保険率はそれぞれの業種の過去3 年間の災害発生状況等により、原則3 年ごとに見直されることになっています。2022 年度は見直し年に該当しないため、変更されない予定です。
②雇用保険料率
 雇用保険料率は毎年度、財政状況に照らして見直しがされますが、2022 年4 月1日から9 月30 日まで、10 月1 日から2023 年3 月31 日までの2 つの期間で料率が変更になる見込みです。2022 年3 月15 日現在、国会で審議が行われている状況です。

 

新たな健康保険料率および介護保険料率を確認するとともに、変更時には徴収のタイミングの間違いや保険料率の変更漏れがないようにしましょう。

 

令和4年度介護職員向け研修会のご紹介

今年度に新たにスタートする職員向けの研修をご紹介いたします。

多くの介護事業所様のご要望にお応えし、今回新たな研修も企画致しましたので

ご興味のある事業所様は是非、当社までお問い合わせください。

お問い合わせは、ホームページのお問い合わせ欄にご入力いただくか、直接、お電話で

お問い合わせください。

1, カスタマーハラスメント研修(ご利用者からのハラスメント対応研修)

 (1)対象者:ヘルパーさん等、現場の介護職員と管理者

 (2)内容:ご利用者からのハラスメント対策の事前予防策と発生後の対応策

 (3)研修時間:2時間

 (4)研修形式:オンライン研修(研修はライブですが、復習用の研修動画もご提供します)

 (5)開催時期:2022年7月以降

 (6)受講費用:95,000円(税別)受講者数に関わらず同額。

2,(介護報酬改定による義務化対策)職場でのハラスメント研修

 (1)対象者:職員全員・管理者

 (2)内容:ハラスメントを正しく理解し、ハラスメントを起こさない組織をつくる

 (3)研修時間:2時間

 (4)研修形式:対面形式、オンライン形式 どちらも可

 (5)開催時期:2022年5月以降

 (6)受講費用:80,000円(税別)+テキスト1人当たり2,000円 受講者数に関わらず同額

3,リーダー(管理者)の人間力+マネジメント力向上研修

 (1)対象者:管理者、主任、リーダー等

 (2)内容:「部下との信頼関係を築く人間力」と「部下指導のコツ・コーチング・メンタル不全対応など」

 (3)研修時間:9時間(3時間×3回)

 (4)研修形式:対面またはオンライン研修 どちらも可

 (5)研修時期:2022年5月以降

 (6)受講費用:360,000円(税別)受講者数に関わらず同額

4,管理者に知っておいてほしい最低限の労務管理研修

 (1)対象者:管理者、責任者

 (2)内容:労基法、労働安全衛生法、働き方改革

 (3)研修時間:3時間(2時間講義、1時間知識確認テスト)

 (4)研修形式:オンライン研修

 (5)研修時期:2022年5月以降

 (6)受講費用:100,000円(税別)受講者数に関わらず同額

5,(介護報酬改定による義務化対策)業務継続化計画(BCP)作成支援研修

 (1)対象者:管理者・役員

 (2)内容:業務継続化計画(BCP)作成支援

 (3)研修時間、形式、費用は検討中

 

 

研修の詳細は 人材育成・研修サービス(介護・保育・医療) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-s

 

キャリアアップ助成金が変わります ~ 令和4年4月1日以降 変更点の概要~

4月1日からキャリアアップ助成金の内容が

変更されました。

今回の変更趣旨は、「支給要件の絞り込み」のようです。

受給者の定義などが見直され、従来より、受給のハードルが

高くなったようです。

詳細は下記をご確認ください。

R4 4月1日キャリアアップ助成金変更点

 

悩みは「解決できる問題」と「解決できない問題」に仕分けする      ~変えられることだけに集中する~

悩みがあるとき、そのほとんどは問題と感情がごちゃごちゃに 絡み合って、解決しづらくなっているものです。例えば、仕事のミスが多くて、落ち込みさらにミスが起こるという悪循環。仕事は終わらないし、上司からは嫌味を言われる・・・というとき。

 

「私って、経験を積んだはずなのにどうしてミスがおおいのだろう」「でも私ばっかり仕事がおおいんだもの」「上司って私のことがきらいなのかしら」など余計なことを考えて、モヤモヤ、イライラが募ってきます。

 しかし、むやみに考えていると小さな問題も大きくなりがち、憂鬱な感情にひきずられて

他のことも楽しめなくなってしまうでしょう。

 ここで、「悔しい」「悲しい」「落ち込む」「腹が立つ」など不毛な感情をいったん切り離して、問題を「解決できる問題」「解決できない問題」仕分けをすることをお勧めします。

 

「他人の事」「過去のこと」は解決できない問題になります。

人間関係のことあれこれや、過去の後悔などは、どれだけ考えてもしょうがない。さっさと気持ちを切り替え前に進む事が賢明です。

「自分のこと」「未来のこと」は解決できる問題です。いまよりももっと良くするためには、できる事はあるはずです。「解決できる問題」なら「今自分になにができるか」をシンプルに考えればいいのです。

 ここで起こっているのは「ミスが多い」という現状の問題。「なぜミスしてしまうのか」原因と対策を考えると、最後の確認を怠らない、一度いわれたことは二度と繰り返さないなど、自分の変革を見つけ行動も変えられるはずです。小さな目標を決めて成功体験を積み重ねていくうち、不安や怒り、モヤモヤは薄らいできて、自身も取り戻せます。

 このような「解決できる問題」「解決できない問題」に仕分けする癖ができると、ストレスは軽減して、毎日を積極的にたのしめるようになります。

詳細は下記をご参照ください

福祉・医療人材の人間力向上研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

Q 新人看護師が退職を申し出てきました。プリセプターの先輩との関係が原因らしいのですが、業務指導が時間外に及ぶことも多いとのこと。看護部任せにしていたので人事として どの様に対応すべきか困っています。

A、もし、時間外の扱いで、教える先輩は残業で、教わる新人は自己研鑽として時間外扱いはしない、ということになっていたら、それは解消すべきです。

 新人看護師(プリセプティー)が仕事になれるまでの一定期間、先輩看護師(プリセプター)が看護実践能力を指導するのがプリセプター制度です。通常、入職3~4年程度の看護師がマンツーマンで指導に当たりますが、相性がわるいと新人看護師の離職の原因になるといったデメリットがありますが、他にも問題はあります。

 例えば、先述の「残業時間」に関する扱いの問題です。教える側は残業代を申請するのに教わる側は申請しないといった「徒弟制度」のような実態が残念ながら、いまだに看護現場には散見されます。これらの実態にも人事担当者は留意すべきです。

プリセプター業務は、新人が自主的に教えを乞うわけではなく、先輩の指示によるものである限り、労働時間であることは明白です。現場の対応としては所定労働時間内で行うよう指導を徹底すべきです。業務の都合上、どうしても時間になるときは、新人の同意を得たうえで、師長など看護管理者の許可を得るものとします。時間外申請書にその理由を記載して残業として記載します。

人事担当者は、看護管理者と実態を確認しながら、業務と自己研鑽の線引きをしたうえで、取り扱いルールを決めます。そうすることがサービス残業の解消につながるだけでなく、現場を任されている看護師長の負担の軽減にもつながります。

 

人材が定着する具体的プリセプター運用事例

ケース1

A病院では業務指導を行う「プリセプター」と、業務外のことを含めて相談相手になる「メンター」をそれぞれ別の職員を充てて使い分けています。プリセプターは仕事能力で人選し

メンターは指導者としての経験豊富なベテランから選任します。育成にあたってプリセプターと新人育成委員会が連動しながら指導にあたることで、プリセプターの精神的負担の軽減にもつながっています。

ケース2

新規学卒者が毎年30名前後入職するF病院では、プリセプター制度を採用せず、新人の業務指導は「チーム制」で行っています。指導者を固定しないため。指導する先輩によって指導方法や内容にばらつきが出ないようにマニュアル化も徹底しています。複数の先輩でフォローできるため、人間関係のトラブルも起きにくく、新人に定着率も高いと言います。

Q,前園長の離職に伴い、急遽、中途採用した園長が、特段問題なく勤務していたのですが、 最近になって、前職における業務内容や保育士としての経験年数に関して、履歴書や職務経歴書が虚偽であることがわかりました。当園では、園長の働きぶりには一定の評価はしているものの、もはや信頼関係を継続していくことができないと考えています。どのように対処すべきでしょうか。

A、このような経歴を詐称していた延長や保育士の対応を検討するにあたり以下の点に留意する必要があります。

 

  • 重要な経歴な経歴の詐称であることの確認

当該事実に関して、詐称されたことにより評価を誤らなければ、そのものを採用することがなかったといえるかどうかが必要になります。重要な経歴とは、最終学歴や職歴をいいますが、当該詐称の内容や、当該詐称者の地位、業務内容などに応じて、個別具体的に判断されるものと考えます。

 

  • 経歴詐称を理由とする懲戒処分の検討

重大な経歴の詐称を理由として懲戒処分を行うことが相当であると認められる場合には、当該詐称行為の程度に応じ就業規則に記載のある処分を選択することになります。

実務上は、就業規則において、「重要な経歴を偽り、そのほか不正な方法を用いて採用されたとき」を懲戒事由とし、懲戒解雇に処する旨を定めている例が多くあります。

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