介護

“要介護1と2の保険外し”、財務省が一部見送りを容認 「段階的にでも実施すべき」と提言

《 財政審・財政制度分科会 7日 》

財務省は7日、財政健全化への道筋を話し合う審議会(財政制度等審議会・財政制度分科会)を開き、今後の社会保障の改革を俎上に載せた。

次の2024年度の介護保険制度改正にも言及。以前から実現を迫っていた要介護1と2の訪問介護、通所介護を市町村の総合事業へ移す構想について、具体化に向けた検討を進めるべきと改めて提言した。膨らみ続ける介護費の抑制につなげる狙いがある。


ただ、介護現場の関係者らが「総合事業はまだ未成熟」「かえって重度化を招く」などと強く反発していることを念頭に、「段階的にでも(具体化すべき)」との文言を新たに追記。事実上、2024年度改正での完全実施の見送りを容認した格好だ。


会合の中では、この構想の早期実現を促す声が複数の委員からあがった。2024年度改正でどう対応するか、政府は年内に大枠の方針を固める。介護現場の関係者らは現行制度の維持を訴えており、今のところこうした反対意見が優勢との見方が一般的だ。


財務省は今回、要介護1と2の高齢者に対してこれまで使ってきた「軽度者」という表現を避けた。そのうえで、「今後も介護需要の大幅な増加が見込まれるなか、生活援助型サービスをはじめ、全国一律の基準ではなく、人員配置や運営基準の緩和などを通じて、地域の実情に合わせた多様な人材・資源を活用する枠組みを構築する必要がある」と主張。この構想の重要性を繰り返し強調した。(介護ニュースより)」

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介護福祉士を目指す学生に毎月5万円 5年間働けば返済免除 厚労省、12億円の追加予算を補正に計上

政府が8日に閣議決定した今年度の第2次補正予算案 − 。厚生労働省はこの中に、介護福祉士の養成校に通う人らへ学費などを補助する「修学資金貸付制度」の財源として、新たに12億円を計上した。貸付ニーズに応えるため原資を積み増し、事業の安定的な継続を図る。

この「修学資金貸付制度」は、介護人材の確保を目指す国の施策の一環。介護福祉士の養成校で学ぶ人にお金を出し、資格取得後、介護現場で5年間働けば返済を全て免除する仕組みだ。貸付額は、


○ 入学準備金として20万円
○ 学費として毎月5万円
○ 国家試験対策費として4万円
○ 就職準備金として20万円


などとされている(いずれも上限額)。介護現場に就職しなかったり他産業へ移ったりすると、これらは返済しなければいけない。


厚労省はこのほか第2次補正予算案に、介護ロボット開発の加速化を後押しする事業で3.9億円、介護報酬の処遇改善加算の取得を支援する事業で1.1億円などを盛り込んだ。政府は補正予算案の今国会での早期成立を目指している。(介護ニュースより)

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Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

 

①医療分野キャリアパス

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②介護分野キャリアパス

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③保育園のキャリアパス

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Q 当施設では、中途採用にも試用期間を設けています。過去の経験を見込んで採用した職員でも結果として適正に欠いていたという経験がある為ですが、能力に問題のある職員の本採用を拒否する際にどんな点に注意すべきでしょうか。

A 経験のある職員を中途採用したはいいが、予想外に能力が低くて困ったという話はよく聞きます。複数の施設を渡り歩く問題児でも転職したばかりのころはおとなしく、職場の水に慣れてきたところに少しづつ牙をむき出してくるようなケースもよくあります。

 中途採用に関しては、新卒学卒者に比べれば期待値が高いため、そのものの能力や勤務態度等の評価をめぐるトラブルは多いものです。したがって中途採用者であっても、使用期間を設けることは大切です。ただし、トラブル防止のためにも就業規則の規定に基づいて規定を設けること、本採用を拒否する場合があることなどを雇用契約締結の際にきちんと説明しておくべきでしょう。

 

試用期間満了での本採用拒否は解雇に相当する

 

試用期間途中の解雇については、採用後14日間を超えて就労した職員には解雇予告が必要です。この場合、少なくとも30日前に解雇を予告するか、即日解雇の場合には30日以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。

また、試用期間中はいつでも「解雇」が許されると思い込んでいる経営者の方もいらっしゃいます。これは誤りで、試用期間であろうと解雇については一般の職員と同様、入職後14日を超えれば予告手当が必要ですし、安易に解雇が認められないのは一般職員と同様です。ただ、本採用に拒否(事実上の解雇)事由が就業規則に明記されていて、採用時の「面接などでは予見できなかった事実」として該当すれば、それは認められるケースもあります。こで大切な事は、「本採用拒否」の事由を就業規則に記載しておくことです。本採用拒否が認められる具体的な基準については、裁判例などから、「勤務態度不良」「勤務成績不良」「業務遂行能力の不足」「協調性にかける」「経歴詐称」などは具体的な理由として挙げられます。問題は、能力が不足しているということをどのように説明するかということです。

 

・「本採用拒否」に関する就業規則の記載例

一 遅刻、早退、欠勤が複数回あり、出勤状況が不良の場合

 二 上司の指示に従わない、同僚との協調性が乏しい、誠実に勤務する姿勢が乏しい等の勤務態度が不良の場合

三 必要な教育を施したものの法人が求める能力に足りず、改善の見込みが薄い場合

 四 経歴を偽り、その他不正な方法を用いて採用された場合

五 反社会的勢力若しくはそれに準ずる団体や個人と関係があることが判明した場合

六 督促しても必要書類を提出しない場合

 七 健康状態が思わしくなく、今後の業務に耐えられないと認められる場合

 八 法人の事業に職員として採用することがふさわしくないと認められる場合

 九 懲戒解雇などの解雇事由に該当する場合

 

問われるのは注意指導したプロセスと記録

 

  試用期間の解約権にもとづく解雇であっても、本採用拒否が有効と求められるための重要なポイントは、能力と適性が欠如している職員に対して「繰り返し注意・指導をしたけども改善の見込みがなかった」という事実とプロセスです。これは、通常の解雇の有効性が問われるプロセスと同様です。また、このような注意・指導を行ったという記録を残しておく必要もあります。

 

実務上は「退職勧奨」が一般的

 

本採用を拒否する場合、実務上は就業規則に基づいて退職勧奨をおこなうのが一般的です。試用期間中の評価をきちんと説明すれば、本人も「試用期間だからしかたない」と退職勧奨に応じるケースが多いように思います。そのためにも、就業規則には具体的な本採用基準を規定しておくことで、退職勧奨の説得材料にもなるわけです。

 

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“要介護1と2の保険外し”に複数の賛成意見 制度維持のため「重度者に給付を重点化すべき」=介護保険部会

《 社保審・介護保険部会 2022年10月撮影 》

右肩上がりの介護費を賄っていく“国民負担のあり方”がテーマになった10月31日の社会保障審議会・介護保険部会 − 。次の2024年度の制度改正をめぐり、要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護を市町村の「総合事業」へ移管する構想も論点の1つにあげられた。

介護現場の関係者は相次いで反対を表明した。その一方で、税金や保険料の負担によって制度を支えている立場の人を代表する委員らが、前向きに検討を進めて欲しいと要請。高齢者の急増と現役世代の急減が同時に進んでいく今後、制度を持続可能なものとしていくためには踏み込んだ改革の実施が避けられない、と理解を求めた。


大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合連合会の河本滋史専務理事は、「現役世代の負担は既に限界に達している。給付と負担のバランスの確保やサービスの適正化を確実に実施すべきで、先送りは許されない」と強調。「要介護者の中でも重度の方へ給付を重点化する観点から、要介護1、2の訪問介護の生活援助などは総合事業へ移すべき。市町村の取り組みに目標を設定し、道筋を定めたうえで、早急に体制整備を進めるべき」と主張した。


日本経団連の井上隆専務理事は、「これから介護サービス需要の増加、生産年齢人口の減少に直面する。専門的なサービスをより必要とする重度の方に給付を重点化していく必要がある」と指摘。「今後の社会保障を支えていくためにも経済の成長、活性化が必要。そのために、現役世代の負担を減らしていく努力も必要」との認識も示した。


このほか、日本商工会議所・社会保障専門委員会の岡良廣委員は、「要介護者に対する生活援助のうち、地域の実情に合わせて実施した方が効果的だと考えられ、かつ可能なものは、保険給付の増加を抑制する観点からも総合事業へ移すべき」と述べた。


この日の会合では、要介護1と2の訪問介護、通所介護を「総合事業」へ移す構想への慎重論が大勢を占めた。「サービスの質が低下する」「担い手の事業者がいなくなる」といった意見のほか、「親などの介護で仕事をやめざるを得なくなる“介護離職”の問題が加速する」との声も多くあがった。(介護ニュースより)

 

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【介護保険部会】ケアプラン有料化に反対意見相次ぐ 介護支援専門員協会は要望書提出 「現行給付の維持を」

次の2024年度の介護保険制度改正を議論している国の審議会(社会保障審議会・介護保険部会)が26日に会合を開き、右肩上がりの介護費を賄っていく“国民負担のあり方”を改めて俎上に載せた。

厚生労働省は論点の1つとして、現行で10割給付となっている居宅介護支援のケアマネジメントに利用者負担を導入することの是非を提示。日本介護支援専門員協会は要望書を提出し、「現行給付の維持・継続」を重ねて要請した。


協会の濱田和則副会長は、「利用者負担が生じると、本当は適切なケアマネジメントが必要であるにも関わらず、高齢者の判断能力が必ずしも十分でないようなケースも含め、サービスの“利用控え”が生じる恐れがある」と問題を提起。「結果として早期発見・対応に遅れが生じる。介護予防や自立支援へ向けた、個々の利用者に応じた総合的なサービスによる支援が阻害される」と指摘した。


加えて、居宅介護支援の運営基準の基本方針に「公正中立」の理念が明記されていることを取り上げ、他のサービスとの違いを強調。「今後増加する1人暮らしの高齢者、認知症のある高齢者も含め、利用者の生活支援が継続的かつ客観的に行える環境の整備が必要」と語り、現行給付の維持・継続を呼びかけた。


居宅介護支援に利用者負担を導入する案について、この日の会合では現場の関係者が否定的な立場を相次いで表明した。ただ、一部の委員は実現を求める声をあげた。

 

日本経団連の井上隆専務理事は、「今後の社会保障を支えていくためにも経済の成長、活性化が必要。そのために、現役世代の負担を減らしていく努力も必要」と持論を展開。「施設サービスにはケアマネジメントの費用も含まれており、利用者はそれを実質的に負担している。居宅でも利用者負担を導入する方向で検討すべき」と意見した。


健康保険組合連合会の河本滋史専務理事は、「現役世代の負担は既に限界に達しており、給付と負担のバランスをとる踏み込んだ見直しを実施すべき」と主張。「サービス利用が定着して給付費がこれだけ増えている状況を考えれば、他のサービスと同様に利用者負担を導入すべき」と述べた。政府は年内に結論を出す予定。(介護ニュースより)

 

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Q 評価者であるリーダーや管理者が、評価や面談に不安感を感じ、職場での実践ができない。アドバイスをお願いします。

A 評価者研修やフィードバック面談研修を受講し、方法論を学び実践で活用している。

 

人事評価を行うことは、上司にとってかなりの負担で、ましてやその結果を部下に説明するフィードバック面談等は大変重荷、などと言うご意見は、評価者の方々からよく伺います。ただ、それは、「評価」という言葉の印象にとらわれている結果であって、実際には評価の仕方を具体的に理解していないがゆえに誤解されているケースがとても多いのです。

評価者として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を理解し、それを実践すれば、だれでも評価を行うことができます。

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②介護分野キャリアパス

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③保育園のキャリアパス

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Q,一日8時間、1週40時間を超えた割増賃金について、副業先での労働時間を考慮して会社は割増賃金を支払わなければならないのですか?考慮しなければならない場合には、どのような方法で副業先の労働時間を把握すればよいのでしょうか?

  • 複数の事業所で就労した場合の労働時間の取り扱いについて、労働基準法38条は「事業を異にする場合であっても労働時間に関する規定の適用にあっては通算する」と定めています。したがって、設問にあるように副業している場合は、他社における労働時間を通算して総労働時間を管理する必要があり、時間外労働の残業代についても、総労働時間を前提に支払う必要があります。

この点について、行政通達は「後に労働契約を締結した事業主は契約に締結に当たっては、その労働者がほかに事業所で働いていることを働いていることを確認したうえで契約を締結すべきであるという観点から、後に労働契約締結した事業主が割増賃金を払う必要があります。

例えば、パートタイマーXはもともとA社で勤務していたところ、B社でも勤務するようになった場合、A社で5時間、B社で4時間の労働契約を締結した場合、合計で9時間になるので、1時間分の時間外割増の支払いは、後に契約をしたB社ということになります。

また、次のようなケースは必ずしも後に契約をした事業主とも限りません。例えば、

もともとC社で5時間働いており、そのあとにD社で3時間働くようになった場合で

C社の業務都合で6時間勤務になった場合には、C社が1時間分の割増賃金を支払うことになります。

ただ、別の会社の労働時間をどのように事業主は把握したらよいのでしょう。これが社員のプライベートに属する事項なので、社員から任意に情報を提供してもらう必要があります。具体的には社員の承諾を得たうえで副業先の労働時間契約書などを提出してもらう、副業先の労働時間数を自己申告してもらう、といった方法が考えられます。もし、

申告を拒否された場合や偽った時間を申告した場合、時間外労働の割増賃金の支払いの問題が生じたような場合には、虚偽申告や給与の不正受給に該当するとして、懲戒処分の対象になります。

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【まとめ】“要介護1と2の保険外し”とは何か なぜ論点になっているのか

介護サービスの利用者や事業者、専門職らが強く反発し、Twitterでも一時トレンド入りした「#要介護1と2の保険外し」− 。具体的にどんな内容なのか、なぜ論点になっているのか、何が問題視されているのか、改めてまとめた。

◆ 財務省の目的は何か?


「要介護1と2の保険外し」は、要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護を市町村が運営する「総合事業」へ移管する構想を指す。介護保険の見直し案の1つだ。政府は現在、次の2024年度の制度改正で実行すべきか否かを検討している。結論は年内に出す。


実現を強く働きかけているのは財務省。狙いは右肩上がりの介護費の伸びを抑え、保険料など現役世代の負担を軽くすることにある。


介護費は足元の昨年度で約11兆円。急速な高齢化を背景として、2040年度にはおよそ25兆円まで膨らむと推計されている


このまま何もしなければ現役世代の負担も過重になり、制度を維持できなくなってしまう − 。財務省の問題意識だ。こうした危機感を共有する保険者、企業、健保組合などの関係者の中にも、「要介護1と2の保険外し」に理解を示す人がいる。


◆ 行政がコントロールしやすい仕組み


なぜ、「要介護1と2の保険外し」が介護費の抑制につながるのか。ポイントは「総合事業」にある。


この「総合事業」は、全国の市町村が介護保険の財源で高齢者の介護予防や生活支援、相談対応などを展開する「地域支援事業」のメニューの1つ(*)。現在は要支援の高齢者への訪問、通所、見守りなどがこのスキームで提供されている。


* 介護保険制度の中の「地域支援事業」の中の「総合事業」、という位置付け


「総合事業」の特徴は、運営する市町村が地域の実情に応じてサービスの運営基準や報酬などを独自に決められる点。全国一律のルールに基づく介護給付とは、ここが大きく異なる。


例えば、地域の住民やボランティアを担い手とするなど人員配置を緩和しつつ、それに見合った低い報酬を設定することも可能。試行錯誤でコストパフォーマンスを高める余地が大きく、財政的に行政のコントロールがききやすい仕組みになっている。


あわせて、国が高齢者人口の伸び率などに合わせて「総合事業」の上限額を定めていることも重要だ。個々の市町村はできるだけ、その範囲内に支出を留めていく努力をしている。全国一律の介護給付には、こうした費用の上限管理の仕組みがない。財務省が要介護1と2の訪問介護、通所介護を移したい理由はここにある。

◆「総合事業」も介護保険の枠内


もちろん、「総合事業」のメリットは財政面だけではない。地域の多様な資源・人材を有効に活かす取り組みができたり、現場の創意工夫でより効率的な体制を作れたりすることがあげられる。


要支援の高齢者は状態が相対的に軽く、抱えている支援ニーズの個人差も大きい。硬直的で融通のきかない仕組みより、各地域の判断で多様なサービスを柔軟に提供できる仕組みの方がフィットする、という理念がベースにある。


全国一律の「給付」と市町村の裁量が大きい「事業」があり、「事業」には費用の上限管理のルールも設けられている − 。こう整理すれば分かりやすい。


なお、「総合事業」も公費や保険料を財源とする介護保険の枠内の仕組みだ。仮に要介護1と2の訪問介護、通所介護が移されたとしても、それは利用者を公的保険の外の荒野へ放り出す制度改正ではない。その意味で“保険外し”はやや大袈裟な言い方だが、現場の関係者がそれだけ強く反発することには理由がある。

◆「サービスの担い手がいなくなる」


「要介護1と2の保険外し」をめぐり、指摘されてる課題は大きく2つある。まずはサービスの質の維持だ。


要介護1と2の高齢者を“軽度者”と見なすのは、やはり早計と言うほかない。ADLが自立している人も多い要支援の高齢者とは違う。進行した認知症を伴うケースも少なからずある。


このため現場の関係者の間では、在宅生活の継続には専門的なサービスが欠かせないという意見が根強い。厚生労働省の審議会でも委員から、「ボランティアの活用など人員配置を緩和した体制では弱い」「かえって重度化を招く」「自立支援の考え方に逆行する」といった批判が続出している。


もう1つはサービスの担い手の確保だ。「総合事業」はサービスへの報酬が安く抑えられやすく、今もコミットしている事業者、住民らが必ずしも十分な量に至っていない。これを要介護1と2訪問介護、通所介護にも広げれば、ただでさえ経営的に苦しい事業者が致命的な打撃を受けるとの見方が大勢だ。


事業者や専門職で組織する8団体は国への要望書で、「介護職の継続的な処遇改善を困難にするばかりか、事業者は採算が取れず経営不振で撤退することもあり得る。その結果、要介護者の在宅生活を支えるサービスの担い手が地域からいなくなる」と問題を提起。「そのしわ寄せが家族介護の負担増となり、介護離職など更なる問題につながる」「地域包括ケアシステムの推進と正反対の結果を招く」などと厳しく批判している。(介護ニュースより)

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介護助手の人員配置基準上の位置付け、次期報酬改定の論点に 厚労省 検討を進める意向

《 社保審・介護保険部会 17日 》

介護施設で掃除や洗濯、配膳など間接的な業務を担って介護職をサポートする「介護助手」について、厚生労働省は各サービスの人員配置基準上の位置付けを検討していく方針だ。護報酬改定に向けてしっかりと議論して頂けるよう準備していきたい」と述べた。次期改定が近づく来年にかけて論点の1つとなる見通し。


介護現場の生産性向上を重視する厚労省は、これから「介護助手」の活用を更に広げていきたい考え。より専門性の高い業務を担う介護職の負担を軽くし、深刻な人手不足の緩和やサービスの質の向上につなげる狙いがある。


現在、介護助手を配置する効果を介護施設で確かめる実証事業を展開中。この成果を今後の議論に活かしていく計画だ。

厚労省の担当者は会合で、「まずはサービスの質の観点も含めてしっかりと効果を検証していく」と説明。委員からは、「人員配置基準への位置付けと介護報酬による評価が必要」「介護助手という名称を再考すべき」などの声があがった。(介護ニュースより)

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