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補正予算の賃上げ補助金、実施要綱を通知 厚労省 介護職員は最大月1.9万円 各サービスの要件を公表

補正予算の賃上げ補助金、実施要綱を通知 厚労省 介護職員は最大月1.9万円 各サービスの要件を公表

介護保険最新情報のVol.1454で現場の関係者に広く周知した。


今回の補正予算による補助金は、介護職員1人あたり最大で月額1.9万円を支給するもの。ベースは月額1万円で、要件を満たせばプラス5千円、追加でさらに4千円と上乗せされる3階建ての設計になっている。* 居宅介護支援や訪問看護などはベースの1万円部分のみ。その要件は訪問介護や通所介護、介護施設などとは別に定められている。

厚労省は実施要綱で、1階部分の1万円の要件を基準月(令和7年12月)に「処遇改善加算を取得していること」とした。


2階部分のプラス5千円については、「生産性向上や協働化」への取り組みを要件とした。サービス類型によって求められる内容が異なるため注意が必要だ。


訪問介護や通所介護など在宅系のサービスでは、「ケアプランデータ連携システム」への加入が要件となる。特養や老健など施設系・居住系のサービスでは、「生産性向上推進体制加算」の取得が求められる。

3階部分のプラス4千円については、「職場環境改善」への取り組みが要件とされた。

具体的には、

◯ 業務の洗い出しや棚卸しなど現場課題の見える化
◯ 委員会の立ち上げなど業務改善活動の体制構築
◯ 業務内容の明確化と役割分担

のいずれかを計画、または実施している必要がある。

重要なポイントは、前述した2階部分(生産性向上や協働化)の要件をクリアしている事業所・施設は、この3階部分の要件も満たしているとみなされる点だ。つまり、「ケアプランデータ連携システム」への加入や「生産性向上推進体制加算」の取得を行えば、自動的に最大の補助額(月額1.9万円)を得られる仕組みとなっている。

実際の補助金の支給額は、基準月(令和7年12月)の介護報酬総額にサービスごとの交付率を乗じて算出する。


厚労省は実施要綱に、「賃上げは基本給、手当、賞与などのうち対象とする賃金項目を特定した上で行う」と明記。「基本給による賃上げが望ましいが、事業所・施設の判断により、その他の手当、一時金などを組み合わせて実施しても差し支えない」との認識を示した。

 

半日単位の年次有給休暇を導入する際のポイント

Q  当施設の職員から、子どもの学校行事への参加や通院など、プライベートの事情に合わせて年次有給休暇を取得したいという希望が出ています。そこで、半日単位で年次有給休暇を取れるようにしたいと考えています。どのようなことに気をつけるとよいでしょうか?

A,労働基準法では、年次有給休暇(以下、年休)は1日単位で付与することが原則とされています。その上で、就業規則などで施設がルールを定めることで、年休を半日単位(以下、半休)で付与することができるとしています。その際、半休の区切りをどうするかなどの検討が必要です。

詳細解説:

年休の付与単位の原則年休とは、心身の疲労を回復させ、リフレッシュするための休暇です。
そのため、1日(午前0時からの24時間)単での付与が原則ですが、就業規則などで
施設がルールを定めることで、半休の制度を導入することが認められています。なお、半休を
導入することは施設の任意であり、義務ではありません。

1.半休導入時の区切り


半休を導入する上で、半日の単位(区切り方)を検討する必要があります。1日単位の年休が午前0時からの24時間であることを踏まえ、その半分である正午を区切りにすることが基
本的な考え方ですが、以下のような合理的な区切り方も考えられます。


① 1日の所定労働時間を2等分した時刻を区切りとする
② 昼休憩の時刻を区切りとする


午前の利用時間が9時から12時までの3時\間、午後の利用時間が13時から18時までの5 時間というように午前・午後と分かれている施設が多いことを考えると、選択肢②は職員にとって分かりやすく、運用や管理もしやすいかもしれません。ただし、午前休を取得するか、午後休を取得するかによって働く時間数が異なるため、職員の間での不公平感が出やすくなります。

2.所定労働時間が短い日の取扱い


施設の利用時間が午前のみの日に年休を取\得する場合、1日単位とすることが原則です。この場合、「せっかく休むのであれば、所定労働時間が長い日に取得しよう」という思いを持つ職員がいることから、利用時間が短いことを踏まえて、その日に年休を取得する場合は半休として取り扱うことも考えられます。半休を導入することで、職員が個々の事情に応じて柔軟かつ有効に年休を活用することができ、働きやすさにつながります。管理のしやすさや不公平感が出づらい制度の導入が重要となります

 

 

【見逃し配信】処遇改善加算の新要件を一気に攻略! キャリアパス要件 × 生産性向上要件 実践セミナー

先日ご好評をいただいた処遇改善加算セミナーにつきまして、再配信(アーカイブ配信)が決定いたしました。
期間限定での公開となりますので、前回ご参加が難しかった方・復習されたい方は、ぜひこの機会にご視聴ください。

公開期間:113日(火)12:00  213日(金)17:00

本セミナーで得られること

2024年度の「介護職員等処遇改善加算の一本化」により、新しい「キャリアパス要件」および「職場環境要件(生産性向上の取り組み)」への対応が急務となっています。
本セミナーでは、加算Ⅰ・Ⅱ取得を年度末までに目指すための実務ポイントを、制度解説にとどまらず、現場での導入・定着に直結する具体策・事例を交えて解説します。

こんな法人様におすすめ

・今年度中に処遇改善加算Ⅰ・Ⅱを取得したい

・キャリアパス要件の整備が進んでいない/実務対応に不安がある

・生産性向上要件への取り組み方が分からない、進めても形にならない

ICT活用・業務改善の具体事例を知りたい

プログラム(2本立て)

1章:キャリアパス要件の整備方法と実務対応
講師:林 正人 氏(社労士法人ヒューマンスキルコンサルティング 代表)

 

2章:生産性向上要件を満たすためのICT活用・業務改善手法
講師:高橋 利明(株式会社ビーブリッド シニアコンサルタント)

参考:職場環境要件(生産性向上の取り組み)で求められる対応例

・介護ソフト(記録・情報共有・請求業務の転記が不要なもの)、タブレット・スマホ等の情報端末導入

・介護ロボット(見守り・移乗・排泄・入浴・業務支援等)、インカム/ビジネスチャット等による職員間連絡の効率化

・厚労省「生産性向上ガイドライン」に基づく業務改善体制の構築(委員会・PJチーム立ち上げ、外部研修の活用 等)

視聴お申し込み

参加費:無料/開催形式:オンライン配信(アーカイブ)
👉 お申し込みはこちら:https://forms.gle/cbsvX8xHTFm9DqyLA

 

年度末に向けた要件対応を進めるうえで、ポイントを整理できる内容です。

皆さまのご視聴を心よりお待ちしております。

【介護セミナー/アーカイブ配信のお知らせ】

処遇改善加算の新要件を一気に攻略!
キャリアパス要件 × 生産性向上要件 実践セミナー
2025年度末までに押さえるべきポイントと現場実装のコツ


主催:社労士法人ヒューマンスキルコンサルティング × 株式会社ビーブリッド

今年9月に実施したセミナーのアーカイブ配信を行います。

下記チラシの「問い合わせ窓口」へお申し込みください。

FAX原稿9月17日開催_処遇改善加算セミナー(アーカイブ申込FAX用)

処遇改善加算、居宅介護支援や訪問看護に拡大 要件は職場改善やケアプラン連携システム

厚生労働省は12日、来年度の介護報酬の臨時改定で6月から「処遇改善加算」を拡充する方針を固めた。

対象サービスを居宅介護支援や訪問看護などにも拡大し、幅広い介護従事者の賃上げを進める。新たに対象となるサービスについては、生産性の向上や職場環境の改善を促す取得要件を設ける。


同日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で提案。委員から大筋で了承を得た。

今回、新たに対象となるのは居宅介護支援、介護予防支援、訪問看護、訪問リハビリテーションなど。厚労省はこれらの事業所に、「処遇改善加算」の最下位の「加算Ⅳ」に準ずる取り組みを求める意向を示した。


具体的には、既存の「キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ」と「職場環境等要件」を適用する。職位・職責に応じた任用要件や賃金体系の整備、研修機会の確保などに加え、生産性の向上や働きやすい職場づくりの取り組みを取得要件とする(*)。

* キャリアパス要件Ⅰ
職位・職責・職務内容に応じた任用要件を定め、それに応じた賃金体系を整備する。

* キャリアパス要件Ⅱ
資質向上のための目標や計画を策定し、研修機会の確保や能力評価、資格取得の支援などを行う。

* 職場環境等要件
入職促進、資質向上やキャリアアップの支援、多様な働き方の推進、心身の健康管理、生産性の向上、働きがいの醸成といった区分ごとに、それぞれ1つ以上(生産性の向上は2つ以上)取り組む。

これまで対象外だった事業所がこうした取得要件を満たすまでには時間がかかるため、厚労省は経過措置を設けると説明。来年度中の対応を誓約することで、年度当初からの取得を認めるとした。


あわせて、「ケアプランデータ連携システム」の導入などに取り組んでいれば、「キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ」と「職場環境等要件」の適用を免除する方針も打ち出した。

会合では委員から、「小規模な事業所への支援が必要」との声も上がった。厚労省は今後さらに調整を進め、来年度の臨時改定のアウトラインを年内に決定する。

ケアプラン連携システム(上乗せ処遇の条件)

◆思い返すと、加算項目に「LIFE」が加えられた時にも同じような議論がありました。

LIFE」とは、介護サービス利用者の心身状態やケア内容を全国規模でデータ収集(事業が登録)し、統計・標準化されたフィードバックを事業所に返す仕組みのこと。これにより、これまでの職員の経験・勘に頼りがちだったケア内容に対し、「実証に基づくケア(Evidence-based Care)」が可能となります。

また全国の類似サービスとの比較が可能になり、ケアの質の底上げにつながる期待についても強調されました。

今回の「ケアプラン連携システム」も同様であり、加えてデータ入力の簡素化やケアプランの共有・転記作業の削減など、事務負担軽減・業務効率化・生産性向上にも寄与する目的も言われています。例えば従来の紙ベースのやり取りがオンラインで完結するようになり、「作業にかかる時間」「心理的負担」の削減が見込まれる、という感じでしょうか。

◆国も将来的な全国的プラットフォーム(いわゆる介護情報基盤)の構築を視野に、現段階での「ケアプラン連携システム」「LIFE」の導入を強く促しています。

先述した加算項目への追加や、その他にも助成金やキャンペーン等で導入コストを抑えるよう呼びかけされるなど制度のバックアップも進んでいます。

こうした背景には、急速な高齢化と、それに伴う要介護者・要支援者の増加、それに伴い人手不足とコスト抑制を両立させなければならない介護保険制度の持続性という国全体の課題があります。

 

◆ただその一方で、制度の土台となるICTやデータシステム自体には、現場での実用性や導入/運用の負担感への懸念も根強くあります。

今回の、ケアプラン連携システムを処遇改善の条件にする案には反対意見も多く、実際に活用実績や利用率が低く認知もされていないじゃないかという指摘があります。

紙ベースや従来のやり方に慣れた事業所にとっては、移行に対する抵抗感もありますよね。またLIFEも含め現時点で「どこまで日常業務に組み込めるか」「費用対効果がどれほどか」「入力の手間や人的リソースがどの程度かかるか」という実務面での課題や疑問もあります。もっと言えば、制度として「LIFE利用=良質なケア」という図式が「本当にそうなの??」と思われているのではとも感じます。

現場の「人」が担うケアの質や温かみといった面が重視される業界です。

それでも、業界として(内容の精査や意見の反映は行いながら)従うべきと考えます。

◆まずは大きな話として、介護報酬や処遇改善を含めた制度維持・向上には、国民負担・限られた財源の中で「効率・公平・質の担保」がますます求められる実情にあること。ICTやビッグデータによる標準化・可視化は、その要請に応える現実的な手段です。

介護現場にとって、短期的には導入に伴う負担増が発生するかも知れませんが、長い目で見て情報連携による事務負担の軽減、またケアマネや介護職員の負荷軽減につながるとなれば、人材の離職防止や働きやすさ改善にも貢献します。

慢性的な人手不足の中では避けて通れない、重要な側面です。

またデータに基づいたケア設計は、事業所間、職員間の質のバラつきを是正する可能性があります。業界全体の質の底上げ、またしっかり取り組んでいる事業者が正当に評価されるためにもデータは必要です。

繰り返しになりますが、使い慣れるまでは入力や運用は大きな手間かも知れません。でも制度が整い、今よりもっとICTが普及して業界全体のリテラシーが上がることにより、将来的には「当たり前」のインフラになる可能性もあります。

『ケアプラン連携システムやLIFEを導入して何が変わんねん』との考えもあるでしょう。業界が抱える課題は多数・多岐にわたっており、個別の解決だけでなく全体としての最適解も議論する必要があります。

生産性向上が声高に叫ばれる今、分岐点なのだと思います。

Q 時間外の計算は1分単位なのか、15分や30分単位でもいいのか

 

A 1分単位が原則です。ただし、端数を切り上げる場合には15分単位、30分単位でも構いません。

 

切り上げにしないと給料未払いに

給与計算上、よくある質問ですが、基本は1分単位です。例えば、17時までの就業時間で1742分まで働いた場合、12分カットして30分の残業代を支払った場合、12分の就業に関する支払いは未払いになってしまいます。

 

休養計算上は楽だということで15分単位の取り入れている事業所はよくあります。もし15分単位とするなら切り上げでなければいけません。つまり17時までの就業時間で1742分まで働いた場合には45分間の残業代を支払うことになります。管理の手間と数分プラスになる賃金のどちらをとるかの判断になります。

 

例外として、1か月の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計に1時間未満の端数が

ある場合には30分未満の端数の切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるといった端数処理は認められます。つまり月のトータル残業時間が3時間20分であった場合には3時間として、3時間40分であった場合を4時間とすることは可能です。

未払い残業は行政指導の対象に

残業代を未払いのまま労基署の監査が行われると「是正勧告書」「指導票」により行政指導が行われます。例えば3か月分の未払い残業の「遡及支払い」を命じられた場合、未払いとなっている時間数及び給料の額を3か月間さかのぼって計算し、当該スタッフへの不足額を支払うなど、まずは行政書道に従い原則対応することになります。

 

適切な時間管理とは

厚労省から平成13年に出された「労働時間の適正な把握のため講ずべき措置」では以下のように定められています。

 

  • 労働日ごとに、何時から仕事を開始して、何時まで仕事をしたか、確認し記録すること。
  • 使用者が自ら確認し記録するか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を、適性に申告するように十分に説明すること。必要に応じて実態調査をすること。
  • 労働時間の記録に関する書類は3年間保存すること。

 

労働時間の上限を設定して、上限を超える時間を切り捨てたり、そもそも労働時間の記録がないため「時間外労働がない」としたりしている場合には法律違反になります。

固定残業代として定額を支給する際には慎重に

 

固定残業代を設定すると仮に残業代が発生しない月があっても残業代を支払わなければなりません。しかも実際に行われた残業が想定された10時間を超えると、別途残業代の支払い義務が発生します。そのため実態を確認した上で「何時間分を固定で支払うか」を決めなければなりません。固定残業手当を適切に運用するためには次の三つが要件とされています。

  • 基本給と割り増し賃金部分が明確に区分されていること
  • 割増賃金部分には何時間分の残業が含まれているかが明確であること
  • 上記②を超過した場合には、別途割増残業が支給されること

 

この方法は、残業が大体同じ時間発生している場合には適している方法ですが、月によって残業時間が大きく変動したり、人によってばらばらであったりする場合には、かえって管理が煩雑になる場合があります。導入によりメリットとデメリットをよく検討して慎重に判断する必要があります。

「医療・介護等支援パッケージ」概要を確認しておきましょう

20251125日「総合経済対策」が閣議決定

20251121日、高市内閣が閣議決定した、物価高対策などを柱とする新たな「総合経済対策」。この中には、医療・介護業界を対象とした「医療・介護等支援パッケージ」と銘打たれた内容も盛り込まれています。具体策はまだこれからかと思いますが、国はどのような考えのもと、どのような方向性で医療・介護業界を支援しようと考えているのか?今回は本経済対策についての全容が記された資料「「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~」の中から、医療・介護等支援パッケージの内容を抜粋し、お届けしてまいります。

「医療・介護等支援パッケージ」項目に記された内容とは

では、早速、中身に移ってまいりましょう。

下記が同資料のp10p11に記された「医療・介護等支援パッケージ」に関する内容です(段落ごとに四角囲いをしており、特に福祉事業者としておさえておくべきと思われる箇所については太字&下線を引いています)。

 

国民のいのちと暮らしを守り、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備することが必要である。政府としては、これまで累次の支援策を講じたものの、依然として物価・賃金上昇の影響を受けている状況であることを踏まえ、令和8年度報酬改定については、他産業の状況も踏まえた賃上げや物価上昇を踏まえた適切な対応が求められており、医療機関や薬局、介護施設等における経営の改善及び従業員の処遇改善につなげるため、その報酬改定の効果を前倒しすることが必要であるという認識に立ち、「医療・介護等支援パッケージ」を緊急措置する。

 

医療分野においては、経済状況の変化等に対応するため、救急医療を担うといった医療機能の特性も踏まえつつ、診療に必要な経費に係る物価上昇への的確な対応や、物価を上回る賃上げの実現に向けた支援を行う。また、物価上昇の影響を受けた医療機関や福祉施設等の資金繰りを的確に支援するため、独立行政法人福祉医療機構による優遇融資を着実に実施する。また、事業継続に困難が生じている地域の基幹的な民間病院に対し、資本性劣後ローンを提供し、民間金融機関と連携しつつ、経営改善を図る。

 

さらに、賃上げを下支えし、人手不足にも対応するため、ICT機器等の導入・活用、看護師の特定行為研修修了者の加速的養成などの生産性向上や職場環境改善に率先して取り組む医療機関を支援する。病床数の適正化を進める医療機関に対しては、医療機関の連携・再編・集約化に向けた取組を加速する観点から、地域の医療ニーズを踏まえ必要な支援を実施する。現下の物価上昇を含む経済状況の変化により、地域医療構想の推進のための施設整備等が困難な医療機関に対する支援を実施する。

 

地域でこどもを安心して生み育てることのできる周産期医療及び小児医療体制を確保するため、出生数減少等の影響を受けている産科施設や小児医療の拠点となる施設への支援も実施する。

 

介護分野の職員の処遇改善については、累次の取組を講じてきた結果、介護職員の賃金は改善してきたものの、他産業とはまだ差があり、人材不足が厳しい状況にあるため、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行うこととし、報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善の支援を行う。また、介護事業所・施設が、物価上昇の影響がある中でも、必要な介護サービスを円滑に継続するための支援を行う。さらに、ICT等のテクノロジーの導入や経営の協働化、訪問介護・ケアマネジメントの提供体制の確保に向けた取組を支援する。

 

同様に人材不足が厳しい状況にある障害福祉分野についても、介護分野における対応も踏まえつつ、その経営状況等を踏まえた賃上げ措置等の支援を行う。

 

国策動向を理解し、迅速な行動を

以上、「「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~」の中から、医療・介護等支援パッケージの内容を抜粋し、お届け致しました。前述の通り、具体策はこれからになりますが、国としては施策例として下記内容を列挙しています(他にも追加される可能性もあり)。

【施策例】

  • 医療・介護・障害福祉分野における物価上昇・賃上げ等に対する支援(こども家庭庁、厚生労働省)
  • 独立行政法人福祉医療機構による優遇融資への支援(厚生労働省)
  • 独立行政法人福祉医療機構による資本性劣後ローンの創設(厚生労働省)
  • 医療・介護・障害福祉分野における生産性向上・職場環境改善に対する支援(厚生労働省)
  • 病床数の適正化に対する支援(厚生労働省)
  • 産科・小児科医療機関等に対する支援(厚生労働省)
  • 訪問介護等サービス提供体制確保支援事業(厚生労働省)
  • 地域のケアマネジメント提供体制確保支援事業(厚生労働省)
  • 医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージに基づく医師・医療機関への支援(厚生労働省)
  • ドクターヘリ運航体制緊急支援事業(厚生労働省)
  • 医療、介護等の人材不足分野におけるハローワークでのマッチング支援の強化(厚生労働省)
  • 中央ナースセンター事業(多様で柔軟な働き方に対応したマッチングの推進経費・NCCS改修による無料職業紹介事業の充実経費部分)(厚生労働省)

 

事業者としては上記内容を踏まえつつ、「どの支援・どの事業が自社に活用出来そうか?」について事前に頭を働かせておくことを通じ、具体策が公表されたタイミングで迅速に行動に移すことが出来る体制を整備しておくことが重要だと思われます。是非、その観点からも本情報を有効に活用していただければ幸いです。私たちも今後、引き続き、本テーマを含め、より有益な情報や事例を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。

 

※本情報の引用元資料はこちら

「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~」

https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/keizaitaisaku.html

 

 

高市首相、ケアプラン連携システムは「大きな意義がある」 賃上げ策の要件で理解求める

今年度の補正予算案に盛り込まれた介護職員の賃上げ策が論戦

10日の衆議院・予算委員会で、今年度の補正予算案に盛り込まれた介護職員の賃上げ策が論戦の的になった。

高市早苗首相はこの中で、ベースの月額1万円に5000円を上乗せする措置の要件とした「ケアプランデータ連携システム」の導入について、「将来にわたって持続的な賃上げを実現するためにも不可欠」との認識を示した。

「ケアプランデータ連携システム」の導入について、「将来にわたって持続的な賃上げを実現するためにも不可欠」との認識


野党から要件の撤廃を求められたのに対し、「生産性の向上や職場環境の改善に取り組むという大きな意義がある」と理解を求めた。


政府は今回の補正予算案で、介護従事者の賃上げについて最大で月額1万9000円の「3階建て」で設計。1階部分として幅広い従事者に1万円を支給するほか、2階部分として、生産性向上などに取り組む事業所の介護職員に5000円を上乗せする方針だ。この際、訪問介護や通所介護などのサービスでは「ケアプランデータ連携システム」の導入を要件とした。

立憲民主党の山井和則議員はこの要件について、ケアプランデータ連携システムの導入率が9.8%(今年8月末時点)にとどまっている現状を指摘。「たった1割しか加入していないシステムを要件にするのはやめていただきたい」と主張した。続けて「介護現場は必死に踏ん張っている」と強調し、賃上げに様々な要件をつけるのをやめるよう訴えた。


これに対し高市首相は、ケアプランデータ連携システムの導入には「意義がある」と説明。「導入支援も含めて政府もしっかり取り組み、より多くの方々に利用していただける環境を整えたい」と述べた。

障害福祉職の賃上げ、全サービスで月1万円 計画相談支援なども対象 上乗せ措置はなし=補正予算案

障害福祉の現場を支える職員の賃上げは、全てのサービスを対象に一律で1万円となった。

政府が11月28日に閣議決定した今年度の補正予算案。厚生労働省はこの中に、障害福祉職員の賃上げを図る補助金の原資として439億円を計上した。


事業所・施設への補助金の支給額は、職員1人あたり月額1万円相当。今月から来年5月までの半年分で、その後の措置は来年度の報酬改定に向けて引き続き検討される。


補助金の対象は全てのサービス。既存の「処遇改善加算」の対象外となっている計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援も含まれる。


厚労省は補助金の支給要件として、既存の「処遇改善加算」を取得していることに加えて、処遇改善の一定の取り組みを行うことを求める考え。既存の「処遇改善加算」の対象外となっているサービスについては、対象サービスに準ずる要件を設ける意向を示した。

同時に決定された介護分野の賃上げ策では、月額1万円に加えて、生産性向上などを要件とした最大9000円の追加措置が用意された。一方、障害福祉分野ではこの「上乗せ」が見送られ、一律1万円の引き上げにとどまる形となった。

厚労省は事業所・施設に対し、従来通り計画書や実績報告書の都道府県への提出を求める方針。補助金の詳細は、補正予算案の今国会での成立後に公表される見通し。

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