保育

マザー・テレサの二つの言葉

★ マザー・テレサの二つの言葉 ★

 

梅沢 辰也

(中村中学校・中村高等学校前校長)

 

───────────────────

 

【梅沢】

それからこれは校長に

なってからのことですけど、

マザー・テレサの言葉を

引用する機会が多いですね。

 

校長として私の思いを

どうやって生徒に伝えれば

よいかと本を読み漁る

うちに出逢ったのが、

マザー・テレサでした。

 

特に惚れ込んでいる

言葉が二つあって、

話をする際によく

引用しているんです。

 

 

──ぜひ教えてください。

 

 

【梅沢】

一つは

 

「愛の反対は憎しみではなく無関心です」。

 

愛とは何か。

 

 

それは無関心の反対だから

関心を持つことだと

マザー・テレサは言う。

 

ですから友達同士でも

まずお互いに関心を持とうよ、

ということで、そのためには

挨拶や日頃のコミュニケーション

がいかに大事かということですね。

 

 

もう一つは

 

 

「思考に気をつけなさい、

 それはいつか言葉になるから。

 言葉に気をつけなさい、

 それはいつか行動になるから。

 行動に気をつけなさい、

 それはいつか習慣になるから。

 習慣に気をつけなさい、

 それはいつか性格になるから。

 性格に気をつけなさい、

 それはいつか運命になるから」。

 

 

この中で私が一番強調したいのが、

「言葉に気をつけなさい、

 それはいつか行動になるから」

ですね。

 

言葉というのは普段

何気なく使っているものですが、

それだけに気をつけなければいけなくて、

特にマイナスな言葉は

極力使わないようにする。

 

 

──マイナスな言葉を使わない。

 

 

【梅沢】

そうです。マイナスな言葉というのは、

それを言った瞬間、最初に傷つくのは

その言葉を発した本人です。

 

だからマイナスな言葉を

使えば使うほど、その人が

ダメになってしまう。

 

 

もちろん、その言葉を聞かされる

人にも影響を及ぼすので、

もっとぽかぽかした言葉を

多く使いたいものですね。

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※『致知』20168月号【最新号】

※特集「思いを伝承する」P42 より

 

Q、当施設は職員の中途採用が多く、入職時期もバラバラです。有給休暇の付与に関しては、個人の入社日ごとに付与する方法を採用していますが、事務対応の煩雑さから付与日を統一することを検討しています。その場合、留意すべき点はどのようなことがありますか?

A,

有給休暇の基準日を一律に定めて付与することを「斉一的取り扱い」と言いますが、前提条件となるのが、「前倒しで付与する」ことです。例えば、4月1日を基準日と定める場合、9月1日入職した職員は、6か月継続勤務すれば翌年の3月1日に10日の有給取得の権利が発生します。この場合、基準日を統一し4月1日に繰り下げての付与(入職から7か月目の付与)は認められません。有給休暇の斉一的取り扱いについては、下記の要件を満たす必要があります(平成6.1.4基発1号、平成27.3.31基発0331第14)

  • 斉一的取り扱いや分割付与により、法定の基準日以前に付与する場合の年次有給休暇の付与要件である8割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。
  • 次年度以降の有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じまたはそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。

しかし、基準日を前倒しで繰り上げるため、入職時期によりどうしても不公平が生じてしまいます。ここをどのように考えるかがポイントになります。それでは、その代表的な対応とその留意点を下記致します。

①基準日を月初などに統一する

入社が月の途中であっても、基準日を月初などに統一します。例えば、同じ月に採用した方の基準日を月初に統一することにより、統一的な管理が可能となります。この場合、

5日取得させる期間も月ごとに統一できることになります。

② 基準日を「年2回」とする緩和策をとるケース

例えば、41日と101日の2回に統一する方法もあります。全職員同一の基準日に統一するよりは、入職時期による不公平感が軽減できます。41日から930日までに入職した職員の基準日は101日に10日付与し、101日から331日までに入職した職員は41日に10日付与します。以後、それぞれ41日と10月1日を基準日としていきます。この場合、71日入職者の8割出勤の考え方は以下のようになります。

6か月継続勤務後の本来の基準日である11日から短縮された3か月(10月~12月)

は全期間出勤したものとみなし、この期間を含めて71日から1231日までの6か月間で、8割以上出勤したかどうかを計算します。

基準日の統一は前倒し付与が原則の為、41日入職者は6か月後に10日付与され、91日入職者は1か月後に付与される不公平感は残りますが、年1回と比較すれば、不公平感は緩和されているのではないでしょうか。

 

③分割して前倒し付与したら次年度基準日も繰り上げる

施設によっては、入職と同時に10日付与するケースや、「入職3か月後(使用期間終了後)に3日付与、6か月後に7日付与」と分割して付与するケースがあります。分割して付与する場合も先の行政解釈(上述(2))にあるように、前倒し付与したら次年度の基準日も繰り上げます。

例えば41日入職者に、使用期間終了後の71日に3日付与し、101日に7日付与した場合、次年度に11日付与する基準日は本来の付与日(101日)から1年経過後ですが、初年度の3日分を3か月繰り上げて付与したため、次年度の基準日も同様に3か月繰り上げ、「7月1日から1年経過後」に11日付与することになるわけです。この点も注意をしながら前倒しのルールを検討していく必要があります。

 

 

生理休暇の申請があった際の対応

Q

女性職員から、生理で体調が優れず休みたいと、生理休暇の請求がありました。今回は休暇を認めましたが、当施設では事前にシフトで人員配置を決めているので、できる限り出勤してもらいたいと考えています。生理日でも出勤をさせたり、休みの日数に制限を設けたりすることはできますか?

A

女性職員から生理休暇の請求があった場合、施設は、請求された期間に就業させることはできません。また、生理休暇の取得日数も制限することはできないため、施設は、女性職員から請求のあった日数の休暇を認める必要があります。

詳細解説

1.生理休暇とは
女性職員が、生理日に下腹痛、腰痛、頭痛等で著しく体調を崩し、仕事をすることが困難な状態にある場合で、本人から休暇の請求があったときは、施設は請求した女性職員を働かせることはできません(労働基準法第68 条)。また、生理は期間や症状・体調不良の程度に個人差があり、基準を設けることができないことから、施設が就業規則などで休暇日数の制限を設けることもできません。
さらに、1 日単位での取得だけでなく、半日や時間単位での生理休暇の請求が女性職員からあった場合、施設はその休暇の請求に応じる必要があります。具体的には、「痛み止めを飲んで時間が経てば症状が落ち着くので午前だけ休みたい」、「急に生理が来て体調が悪くなってきたので早退したい」といった請求が考えられます。
なお、生理休暇の時間に対して給与を支払う義務はないため、有給とするか無給とするかを就業規則で定めておく必要があります。
2.生理休暇の申請があった場合の証明
生理休暇は、その性質上事前に申請することが難しいため、当日申請するケースが多くみられます。その際、女性職員に対し、「生理によって就業が著しく困難であったこと」の証明として医師の診断書などを提出させることはできず、証明を必要とする場合であっても、対象の女性職員の上司や同僚の証言程度の簡単な証明で足りるとされています。

 

近年、働き続ける女性が増えていますが、女性職員がいる事業所のうち、生理休暇の請求があった事業所の割合は3.3%、生理休暇を請求した女性職員の割合は0.9%です(厚生労働省「令和2 年度雇用均等基本調査」)。生理休暇を請求しづらいといった女性職員の声もありますが、体調不良であるにもかかわらず無理をすることで、業務の能率が低くなりミスが生じることも想定されます。生理休暇の法的な位置づけを確認し、適切な運用を考えることも、職員の能率低下やミス防止の対策として重要でしょう。

 

Q 当園職員の不満第1位は、時間外労働が多いこととあり、とてもショックでした。これまで遅くまで熱心にやってくれているとばかり思っていました。現在の残業代は、全員に月3千円の調整手当を支払っています。また実際にどのくらいの残業時間があるのかを把握していません。どう対応したらいいのでしょうか?

A、まず、残業代として支払っている調整手当ですが、この方法は、残業をやってようが、いまいが、一律に支払われるもので、決して公平に支給されるものではありません。また、これを行うことで事務が簡素化されるかと言えば、支払っている手当を超過した分についてはやはり残業代の支払いが必要になることを考えれば、しっかりとした労働時間管理が必要になりますので、事務簡素化にもあまり効果はないと言えます。さらに最も重要な点は、このような制度を続けることで、管理者側、従業員側双方ともに、労働時間管理に関する認識が「甘く」なることが考えられます。これは、今求められる「働き方改革」を推進するうえでも大きな課題となります。

 そこで、時間外労働の実態を把握するため、時間外労働は事前に申請するというルールを取り入れ、さらに調整手当を廃止して、実態に沿って、適正に時間が労働手当を支払うことをまず行うべきかと思います。

 まず就業規則には、「職員が時間外労働を行う場合には、事前に申請し、園長の業務命令を受けなければならない」と定めます。そして、時間外労働届け出書を導入し、事前申請ルールを運用します。そして、調整手当を賃金規程から削除します。ただしこの場合、不利益変更に該当する場合がるので、その場合には慎重に対応してください(対応方法については

社労士などにご相談ください)。

 時間外申請書を受けた園長は、緊急性が高い業務か、園運営に必須の業務か、重複していないか、職員間で調整できないか等検討し、必要であれば時間外指示を行います。このようなルールの実施は、現在と比べ各職員の負荷が大きいように感じますが、仮に大変でも、労働時間と給与という非常に重要な管理なので、しっかりと行うことが必要です。

 また、このような管理を始めた園からは、残業として突出していたのは書類作成と教材準備といった日常業務ということがわかったということで、今後は、業務時間内にノーコンタクトタイムをどう確保するかを検討していこう、というこで、課題が明らかになったと

園長は仰っていました。

Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

A、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

キャリアパスの詳細はこちら

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ストレスに負けない三つの感覚

最近、仕事や生活の場面でストレスを

> 感じていることはありませんか?

> 何となくストレスを感じながら、

> その原因が分からないという

> 方も多いかもしれません。

> そこで今日は、自分のストレスの原因について

> 少し分析的に見てみませんか?

> 気持ちがスッと晴れるきかっけを

> 掴めるかもしれないので、

> ぜひご一読ください。

> ■■□―――――――――――――――――――□■■

 

>     「ストレスに負けない三つの感覚」

>     松崎一葉(筑波大学大学院医学系・教授)

> □□■―――――――――――――――――――■□□

 

> 同じような環境で、

> 同じような仕事内容で働いていても、

> 病気になる人とならない人がいます。

> それはなぜでしょうか。

> うつ病に限らず、すべての疾病は

> 環境要因と個体要因のバランスによります。

> 例えばどんな屈強な男性でも、

> 何日も寝ないで重労働に従事すれば

> 体を壊してもおかしくはありません。

> それが環境要因です。

> 一方で本人の資質に起因する病もあり、

> 特に精神的な病の場合、その人のストレスの

> 感じ方によるところも大きいでしょう。

> その昔、医療社会学者の

> アーロン・アントノフスキーが

> ユダヤの強制収容所から生還した人たちの

> 健康調査を継続的に行ったところ、

> 一部の人たちはとても

> 長生きをしたことが分かりました。

>

> そしてその人たちは、共通して

> 次の3つの特性を持っていたと報告しています。

> 1、有意味感

> ----------――

> つらいこと、面白みを感じられないことに対しても、

> 意味を見いだせる感覚。

> 明日ガス室に送られるかもしれない中でも、

> 自暴自棄にならずに、きょうの労働に精を出せること。

> 我々のレベルに置き換えると、

> 望まない部署に配属されても、

> 「将来なんかの役に立つかもしれないし」と思って

> 前向きに取り組めることといえます。

 

> 2、全体把握感

> ----------――

> 先を見通す力、とも置き換えられるかもしれません。

> つらいことに直面すると、

> 人は一生それが続くように感じてしまいますが、

> 「ひとまず夜がくればこの過酷な労働も終わりだ」とか、

> 「いつかは戦争が終わって解放されることもあるだろう」

> と思えること。

> 仕事に転じれば、例えば今週は忙しくて

> 土日出勤になったとします。

>  

> 「なんて忙しいんだ」と思うのではなく、

> 「今週は休めなかったけど、

> 来週のこの辺は少し余裕ができるから、そこで休めるな」

> など、先を見て心の段取りが取れること。

> それはそのまま仕事の段取りに通じます。

> 「来週のこの辺で忙しくなりそうなので、

> 他部署からヘルプをお願いできませんか?」

> と、パニックになる前に助けの要請を出せることで、

> 自分もチームも円滑に仕事が回せるのです。

 

> 3、経験的処理可能感

> ----------――

> つらい強制労働など、最初はこんなことは

> 絶対にできないと思っても、

> 「そういえばあの時もできないと思ったけど、

> 意外とできたよな。今回もできるんじゃないかな」

> と思えること。

> 初めて手がける仕事でも、過去の経験から

> この程度まではできるはず、

> でもその先は未知のゾーンだと冷静に読める。

> ただ、その未知のゾーンも、

> あの時の仕事の経験を応用すればできるかなとか、

> あの人に手伝ってもらえそうだなと把握できる感覚です。

> また、大きくとらえれば、学生時代に努力して

> 練習したら大会で優勝できたじゃないかとか、

> 先生に無理だと言われたが、頑張って勉強したら

> 志望校に合格できたから今回もできるのではないか、

> と思えることも、経験的処理可能感といえるでしょう。

>

> これら3つの感覚はSOC(Sense of Coherence)と呼ばれ、

> 一般的にストレス対処能力を測る物差しとされていますが、

> 簡単にいってしまえば、

> 「きっとうまくいくに違いない」という

> 情緒的余裕と経験に基づく楽観性ではないかと思います。

新型コロナ影響 保育所やこども園の全面休園327か所 過去最多

新型コロナウイルスに子どもや職員が感染し全面休園となった保育所などは、厚生労働省によりますと今月20日の時点で27の都道府県の327か所となりこれまでで最も多くなりました。

厚生労働省が全国からの報告をまとめたところによりますと、施設内で子どもや職員が感染し全面休園となった保育所やこども園は今月20日の時点で27の都道府県の327か所に上っています。

前の週の今月13日には14の都道府県の86か所でしたが、1週間で3倍以上になり第5波のさなかだった去年9月2日の185か所を上回って過去最多となりました。

新型コロナウイルスによる全面休園の数は今月6日には7か所でしたが2週間で急激に増えていて、感染の拡大が保育の現場にも大きな影響を及ぼしています。

大阪の認定こども園 園児感染で休園に

感染拡大が続く大阪市では先週21日の時点で保育所のおよそ7分の1が休園する事態となっています。24日も新たに園児の感染が確認された市内の保育施設で保護者に急きょ、時間を早めて迎えに来てもらうなど対応に追われました。

およそ200人の子どもが通う大阪 都島区の認定こども園「東野田ちどり保育園」では24日午前、保護者からの連絡で園児が新型コロナに感染していたことが分かりました。このため昼食後に休園を決め、子どもを迎えに来てもらうよう保護者にメールで連絡しました。保護者たちは次々に訪れて保育士から状況について説明を受けたあと子どもを連れて帰宅していました。

小学校で教師をしているという40代の母親は「勤務先の学校でも感染が広がっている。同僚に事情を話して迎えにきたが、感染拡大が続けばさらに大変なことになるのではないか心配だ」と話していました。

園によりますと、保護者のおよそ3割が医療や介護、保育などの仕事に携わるいわゆるエッセンシャルワーカーだということです。この園では園児のマスク着用やおもちゃの消毒のほか二酸化炭素濃度の測定器をすべての部屋に設置して換気をこまめにするなど対策を徹底していますが、地域で感染が拡大する中で先週も園児の感染が分かり休園したばかりだったということです。

「東野田ちどり保育園」の江川永里子園長は「早いタイミングで再度の休園になりつらい思いです。保護者が働きやすいようにすることと安全を守ることの両立のため何ができるのかを毎日問いかけています」と話していました。(NHK)

子どものマスク着用“推奨”「限界ある」 保育所は戸惑い

新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会が感染対策として子どものマスクの着用を可能な範囲で推奨するとしたことについて、福岡市内の保育所では「園児への着用は限界がある」と戸惑いの声が聞かれました。

福岡市博多区にある「どろんこ保育園」では0歳から5歳までの178人の園児が通っていて、今月3日に1、2歳児のクラスで園児1人の感染が確認されました。

これを受けた対応として、保護者への影響を最小限にするため全面休園とはせずに濃厚接触者に当たる可能性がある園児と保育士、合わせて24人を自宅待機としました。保育所ではこれまで検温、手や指の消毒、24時間の換気といった感染対策を取ってきましたが、マスクについては園児がすぐに外したりコミュニケーションに支障を来すとして一律での着用は求めてきませんでした。

7日も保育士が2歳の男の子にマスクを着けようとしてみましたが、男の子は嫌がって一切着けようとしませんでした。新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会は先週、子どものマスクの着用を年齢を明示しないで可能な範囲で推奨すると提言しました。

これについて城戸裕子園長は「年齢に関わりなく長時間の着用は難しく限界がある。子どもと密着する保育の現場でこれ以上どう対策を取ればいいのかと感じている」と話していました。(NHK)

Q 当施設では、中途採用にも使用期間を設けています。過去の経験を見込んで採用した職員でも結果として適正に欠いていたという経験がある為ですが、能力に問題のある職員の本採用を拒否する際にどんな点に注意すべきでしょうか。

A 経験のある職員を中途採用したはいいが、予想外に能力が低くて困ったという話はよく聞きます。複数の施設を渡り歩く問題児でも転職したばかりのころはおとなしく、職場の水に慣れてきたところに少しづつ牙をむき出してくるようなケースもよくあります。

 中途採用に関しては、新卒学卒者に比べれば期待値が高いため、そのものの能力や勤務態度等の評価をめぐるトラブルは多いものです。したがって中途採用者であっても、使用期間を設けることは大切です。ただし、トラブル防止のためにも就業規則の規定に基づいて規定を設けること、本採用を拒否する場合があることなどを雇用契約締結の際にきちんと説明しておくべきでしょう。

 

使用期間満了での本採用拒否は解雇に相当する

 

試用期間途中の解雇については、採用後14日間を超えて就労した職員には解雇予告が必要です。この場合、少なくとも30日前に解雇を予告するか、即日解雇の場合には30日以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。

また、試用期間中はいつでも「解雇」が許されると思い込んでいる経営者の方もいらっしゃいます。これは誤りで、試用期間であろうと解雇については一般の職員と同様、入職後14日を超えれば予告手当が必要ですし、安易に解雇が認められないのは一般職員と同様です。ただ、本採用に拒否(事実上の解雇)事由が就業規則に明記されていて、採用時の「面接などでは予見できなかった事実」として該当すれば、それは認められるケースもあります。こで大切な事は、「本採用拒否」の事由を就業規則に記載しておくことです。本採用拒否が認められる具体的な基準については、裁判例などから、「勤務態度不良」「勤務成績不良」「業務遂行能力の不足」「協調性にかける」「経歴詐称」などは具体的な理由として挙げられます。問題は、能力が不足しているということをどのように説明するかということです。

 

・「本採用拒否」に関する就業規則の記載例

一 遅刻、早退、欠勤が複数回あり、出勤状況が不良の場合

 二 上司の指示に従わない、同僚との協調性が乏しい、誠実に勤務する姿勢が乏しい等の勤務態度が不良の場合

三 必要な教育を施したものの法人が求める能力に足りず、改善の見込みが薄い場合

 四 経歴を偽り、その他不正な方法を用いて採用された場合

五 反社会的勢力若しくはそれに準ずる団体や個人と関係があることが判明した場合

六 督促しても必要書類を提出しない場合

 七 健康状態が思わしくなく、今後の業務に耐えられないと認められる場合

 八 法人の事業に職員として採用することがふさわしくないと認められる場合

 九 懲戒解雇などの解雇事由に該当する場合

 

問われるのは注意指導したプロセスと記録

 

  試用期間の解約権にもとづく解雇であっても、本採用拒否が有効と求められるための重要なポイントは、能力と適性が欠如している職員に対して「繰り返し注意・指導をしたけども改善の見込みがなかった」という事実とプロセスです。これは、通常の解雇の有効性が問われるプロセスと同様です。また、このような注意・指導を行ったという記録を残しておく必要もあります。

 

実務上は「退職勧奨」が一般的

 

本採用を拒否する場合、実務上は就業規則に基づいて退職勧奨をおこなうのが一般的です。試用期間中の評価をきちんと説明すれば、本人も「試用期間だからしかたない」と退職勧奨に応じるケースが多いように思います。そのためにも、就業規則には具体的な本採用基準を規定しておくことで、退職勧奨の説得材料にもなるわけです。

福祉施設等におけるパワハラ防止のための取組

2022 年4 月から、中小企業でも職場におけるパワーハラスメント(以下、パワハラ)の防止措置を講じることが義務化されます。ここでは、厚生労働省の調査結果※から、福祉施設等(以下、医療,福祉)におけるパワハラ防止のための取組への対応状況などをみていきます。

パワハラの発生状況

上記調査結果によると、過去3 年間にパワハラに関する相談実績や事案があったとする割合は、医療,福祉では6.4%でした。調査結果全体の9.5%に比べると、低くなっています。相談実績や事案があった企業における対応内容をまとめると、表1 のとおりです。

医療,福祉では、「被害者に対する配慮を行った」、「事実関係を確認した」が90%程度を占めました。全体と比較すると、再発防止に向けた措置を講じた割合が低いのは、気になるところです。

80%以上がパワハラ防止に取り組む

次にパワハラ防止に取り組んでいる割合をみると、医療,福祉は84.5%でした。調査結果全体では79.5%であり、全体よりも高い状況です。
パワハラ防止に取り組んでいる企業における具体的な取組内容をまとめると、表2 のとおりです。医療,福祉では「相談・苦情対応窓口を設置している」が最も高く、67.7%となりました。「就業規則・労働協約等の書面で内容及び、あってはならない旨の方針を明確化し、周知している」、「当事者等のプライバシー保護に必要な措置を講じ、周知している」も50%を超えました。

冒頭のとおり、4 月からは中小企業でもパワハラ防止措置を講じることが義務化されます。措置を講じていない施設等では、ここで紹介した取組内容などを参考に、対応を進める必要があります。

 

※厚生労働省「令和2 年度雇用均等基本調査」
2021 年7 月に発表された、常用労働者10 人以上の6,000 企業を対象にした2020 年10 月1 日時点の状況に関する調査結果です。有効回答
率は55.4%です。詳細は次のURL のページから確認いただけます。https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r02.html

 

 

 

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