保育
株式会社コドモン(本社:東京都品川区、代表取締役:小池義則)は、こども施設向け業務連絡ツール「せんせいトーク」において、施設の枠を越えた連携を支援する新機能「コミュニティ機能」を2026年3月5日にリリースいたしました。
本機能は、保育施設においてこれまでメールや個人用メッセージアプリに頼らざるを得なかった施設外との業務連絡を、仕事専用のコミュニティ環境で行えるようにするものです。リリースにあたり、本機能を評価いただいた株式会社ポピンズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:轟 麻衣子)での導入が決定いたしました。個人用メッセージアプリ利用による心理的負担を軽減し、保育・教育・療育業界における円滑な情報連携を支援します。
【本リリースのポイント】
●【新機能】 自治体や系列園、他施設などの施設外でつながれる「コミュニティ機能」をリリース。個人用メッセージアプリを介さないこども施設間の外部連携が可能に。
●【課題解決】 施設や組織の枠を越えた複数の知見で子どもを見守る環境づくりが可能に。加えて職員の「つながらない権利」にも配慮。
●【実績】 本機能を評価いただき、株式会社ポピンズが全325施設(2025年12月時点)への一斉導入を決定。
■拡大する「施設間連携」と、守るべき「職員の境界線」
こども施設を取り巻く環境は、子どもを社会全体で多角的に見守る制度設計への移行に伴い、職員の連携先が大幅に拡大しています。例えば、複数施設を運営する法人内の情報共有や、自治体と公営保育所の連絡、保育施設と児童発達支援センター、学童保育と放課後等デイサービスとの連絡などが挙げられます。
一方で、施設の枠を越えた職務上の連絡は、連絡手段がメールに限られるために、より利便性の高い個人用メッセージアプリを利用して連絡を取る実態があります(※1)。結果、「業務と私生活の境界が曖昧になりやすい」「情報管理が属人化し、組織で把握できない」といった課題が見受けられます。
現在、こども施設職員の労働環境の見直しや、労働者の「つながらない権利」への関心が高まっています。保育・教育・療育業界全体においても、「組織を越えた連携をしつつも、常時つながる状態を前提としない」、仕事専用の連絡手段が求められています。
※1 施設内コミュニケーションのアンケート調査
https://www.codmon.com/column/report_4/
■こども施設向けの業務連絡ツール「せんせいトーク」を「組織の外」へ拡張
新機能のベースとなる「せんせいトーク」(※2)は、こども施設で働く職員同士の円滑なコミュニケーションのための、業務連絡ツールです。個人のアカウントや電話番号を教え合うことなく、メッセージの送受信、写真や動画の共有、アンケートといった機能が利用できます。
※2 こども施設向け業務連絡ツール「せんせいトーク」
https://www.codmon.com/service/senseitalk/
これまで「施設内連絡」で運用してきたツールを、今回、自治体や系列園といった「施設外」へ拡張。施設の外部との連携ができる「コミュニティ機能」として実装いたしました。
■組織の枠を越えた連携ができる「コミュニティ機能」
今回追加された「コミュニティ機能」は、各施設の枠を越えて、“仕事専用のコミュニティ環境”を目的に応じて作成できる機能です。コミュニティの作成は各組織の管理者権限のもとで行われ、ガバナンスの効いた運用が可能です。また、職員の「つながらない権利」を尊重し、あえて「既読機能」を設けないことで、過度な即時性を前提としない設計としています。本機能は、コドモンの有料契約施設に所属し、コドモンのアカウントをお持ちの職員であれば利用できます(2026年3月時点)。
■株式会社ポピンズをはじめ、多施設運営法人にて続々導入決定
本機能は多施設運営法人への導入が広がる中、このたび株式会社ポピンズの全325施設(2025年12月時点)において、「せんせいトーク」および「コミュニティ機能」の導入が決定いたしました。
【導入の背景】
全国で多様な保育・学童施設などを展開する同社では、施設の枠を越えて知見や経験を共有し、保育の質を高めていくことを大切にしています。
本機能の「仕事専用の安全な環境で、安心して施設外とつなぐことができる」という特長が、同社の目指す「質の高い保育」と「働きやすい職場環境」の両立に合致し、全社導入に至りました。
【株式会社ポピンズ 取締役COO 田村 篤司さまコメント】
「弊社では、社員を大切にすることが最高水準の顧客サービスにつながるという『社員ファースト』プロジェクトを推進し、働きやすい環境の整備を進めてまいりました。本機能の導入により、施設を越えた円滑なコミュニケーションと知見の共有が促進され、社員にとってより働きやすい環境の実現につながると考えています。
今後も社員の働きやすさを実現し、弊社施設をご利用いただくお子さま・保護者さまに安全・安心、かつ質の高い保育サービスの提供を目指してまいります。」
株式会社ポピンズ
概要:https://www.poppins.co.jp/hldgs/
■地域がワンチームで子どもを見守る地域連携の基盤へ
コドモンは本機能の普及を通じて、子どもを見守る地域の関係機関がひとつのチームのように円滑に連携できる環境整備を目指しています。こうした組織の壁を越えた連携は、子どもたちが地域全体の知見に見守られる環境づくりにつながります。
コドモンは今後も、子どもを取り巻く環境をよりよくするため、テクノロジーを用いて向き合い、現場に生まれた「ゆとり」を通じて、子どもたちが質の高い教育・保育を享受できる未来を創造してまいります。
株式会社コドモンは、「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げ、業界シェアNo.1(※3)の保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON(コドモン)」 を提供しています。園児/児童情報と連動した成長記録や指導案のスマートな記録、登降園管理、保護者とのコミュニケーション支援機能などを通して、先生方の業務負担を省力化します。これにより、子ども施設で働く職員と保護者の方々が、子どもたちと向き合うゆとりをもち、より質の高い保育ができる環境づくりを支援しています。
また、ICTによる支援だけでなく、保育施設向けECサービス「コドモンストア」、全てのこども施設職員が利用可能な優待プログラム「せんせいプライム」、保育施設向けオンライン研修プラットフォーム「コドモンカレッジ」も展開しています。これらの多角的な取り組みを通じて、「子どもの育ちや学びを社会全体で支えられる世の中へ」というビジョンの実現を目指します。
介護事業所、保育園、クリニックの経営者から、近年特に増えている労務相談があります。それが「問題社員への対応」です。
例えば次のようなケースです。
-
何度注意しても遅刻や欠勤を繰り返す
-
職場の人間関係を悪化させる
-
利用者や患者への対応が不適切
-
指導しても態度が改善しない
人手不足の業界では「辞められると困る」という理由で、問題社員を放置してしまうケースも少なくありません。しかし実務経験上、問題社員を放置すると職場環境が悪化し、優秀な職員から先に辞めていくという現象が起こります。
労働政策を所管する厚生労働省も、職場環境改善やハラスメント対策を重要な政策課題として掲げています。つまり、問題社員への適切な対応は、これからの組織運営において避けて通れないテーマなのです。
本稿では、介護・保育・クリニックなど医療福祉分野の現場を支援してきた社労士の視点から、問題社員への適切な対応方法を解説します。
問題社員とはどのような職員か
まず整理しておきたいのは、「問題社員」とは必ずしも能力が低い職員だけではないということです。実務上、問題社員と呼ばれるケースにはいくつかのタイプがあります。
第一に、勤務態度に問題があるケースです。遅刻や欠勤を繰り返す、指示に従わないなど、基本的な勤務姿勢に問題がある職員です。
第二に、職場の人間関係を悪化させるケースです。陰口や対立を生み、チームワークを乱すタイプです。介護・保育・医療の現場はチームワークが重要なため、この問題は非常に深刻です。
第三に、業務遂行能力に課題があるケースです。ミスが多い、指導しても改善しないなどのケースです。
このような職員がいる場合、経営者や管理職は早期に対応を検討する必要があります。
問題社員を放置するリスク
問題社員を放置すると、次のようなリスクが発生します。
まず職場のモラルが低下します。「あの人は注意されないのに、なぜ自分だけ」という不公平感が生まれるためです。
次に、優秀な職員の離職につながります。真面目に働いている職員ほど、職場環境の悪化に敏感です。
さらに、利用者・患者・保護者へのサービス品質が低下する可能性があります。介護・保育・医療の分野では、サービス品質の低下はそのまま経営リスクにつながります。
つまり、問題社員への対応は単なる人事問題ではなく、経営問題なのです。
問題社員への対応で重要な3つの原則
問題社員への対応には、感情的な判断ではなく、法的リスクを踏まえた手順が必要です。
① 事実を記録する
最も重要なのは、問題行動を客観的に記録することです。
例えば
などを文書として残しておく必要があります。
記録がない場合、後にトラブルになった際に会社側が不利になる可能性があります。
② 指導と改善機会を与える
いきなり解雇などの厳しい処分を行うことは、労務リスクが高くなります。
まずは
-
口頭指導
-
文書指導
-
改善計画
という段階的対応が重要です。
このプロセスを踏むことで、職員本人にも改善の機会を与えることができます。
③ 就業規則に基づく対応
懲戒処分や退職勧奨などを行う場合は、就業規則の規定に基づく必要があります。
例えば
などです。
就業規則が整備されていない場合、適切な対応が難しくなるため注意が必要です。
【事例】問題社員対応で職場環境が改善したケース
ある介護事業所では、遅刻や勤務態度に問題がある職員がいました。
当初は人手不足のため、注意のみで対応していました。しかし、次第に職場の雰囲気が悪化し、複数の職員が退職を検討する状況になりました。
そこで管理者と社労士が連携し、
を行いました。
結果として、その職員は改善が見られなかったため退職となりましたが、その後職場環境は大きく改善しました。
小規模事業所ほどルールが重要
介護事業所やクリニック、保育園は比較的小規模な組織であることが多く、経営者と職員の距離が近いという特徴があります。
そのため、感情的な判断や個別対応が増えやすい傾向があります。
しかし、小規模組織ほど
が重要になります。
これらが整備されていれば、トラブルを未然に防ぐことができます。
社労士としての実務的アドバイス
問題社員への対応で最も多い失敗は、次の2つです。
一つは「我慢しすぎる」ことです。問題を先送りすると、状況は悪化します。
もう一つは「感情的に対応する」ことです。怒りに任せて発言してしまうと、後で労務トラブルになる可能性があります。
重要なのは、
冷静に、段階的に、記録を残しながら対応すること
です。
まとめ
介護、保育、クリニックなどの医療福祉分野では、人材不足の影響もあり、問題社員への対応に悩む経営者が増えています。
しかし、問題社員を放置すると
-
職場環境の悪化
-
優秀な職員の離職
-
サービス品質の低下
につながる可能性があります。
そのため、
という基本的な対応を行うことが重要です。
もし問題社員への対応で悩んでいる場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。適切な対応を行うことで、職場環境を守り、組織の安定につなげることができます。
愛知県名古屋市に本社を置き、全国60園の保育園を運営・運営委託する株式会社はな保育(代表取締役:加藤義人)は、保育士が安心して長く働ける職場づくりを推進しています。
AMH検査などを行う「にしたんARTクリニック」と業務提携を結び、妊活や不妊治療を支援する体制を強化その結果、産休・育休復帰率は85%を超え、最大で5回の育休実績を持つ保育士も在籍。ライフステージに合わせた柔軟な働き方を実現しています。
【保育士有効求人倍率3.78倍、少子化の一方で保育ニーズは拡大】
厚生労働省の統計によると、多くの地域で保育士の有効求人倍率は依然として高い水準にあり、人材不足が続いています。
出生数は2024年には、70万人を下回り68万人台まで減少しており、少子化が一層進行しています。(内閣府『少子化社会対策白書』等)
一方で、共働き世帯の増加に伴い、『小規模保育』や『延長保育』など、多様な保育サービスへの需要は増加傾向にあります。
こうした社会背景の中、保育士が安心して長期的に働ける環境づくりが業界の大きな課題となっています。
【柔軟な働き方の実現で“辞めない保育士”が増加】
株式会社はな保育では、産休・育休復帰率が5年前に比べて42%増加し、過去10年の平均も85%に到達し、産休取得者数は延べ120人になりました。
実際に、4回の産休・育休を取得しながら現場で活躍する職員もおり、「職場の理解度」と「園間ネットワークの柔軟さ」が評価されています。
園職員の声
- 「急な悪阻でも柔軟にシフトを調整してもらえた」
- 「育休後は時短勤務で復帰でき、子どもとの時間も確保できた」
- 「結婚後に転居しても系列園が多く、退職せずに続けられた」
- 「会社が妊活に前向きだから、不安なく治療と仕事を両立できた」
こうした声があがっています。
【制度の詳細】
株式会社はな保育では、保育士一人ひとりが自身のライフステージに合わせて安心して働けるよう、以下のような制度を導入しています。
●不妊治療支援
「にしたんARTクリニック」と提携し、AMH検査費用や相談窓口を会社負担で提供。
●産前産後・育児休業制度
法定期間を超えて独自の柔軟な取得制度を設計。
●復職サポート
時短勤務・担任補助から段階的に復帰できるスムーズな制度を導入。
●園間異動制度
結婚・転居時も本人希望に応じ系列園へ異動可能。こうした制度を整備することで、同業界で課題とされる「離職の多さ」「キャリア中断」の解決を目指しています。
【今後の展開】
当社では、職員が安心して長く働き続けられる環境づくりを最優先事項として推進しています。2026年1月現在、育児休業取得中の職員は26名、取得予定者は9名となっており、直近では2度目の取得を予定している男性保育士もいます。これは、性別を問わず育児に参画できる組織文化が着実に浸透している結果であると捉えています。
今後は、この流れをさらに加速させるべく、「出産祝い金」の増額と、不妊治療の補助を検討しています。これらの新制度と男性保育士の取得促進を両輪で進め、2026年度中には男女平均の育休復帰率90%以上の達成を目指します。保育士が“仕事も家庭もあきらめない”社会の実現に向け、地域とともに歩む保育経営を継続していきたいと考えています。
本件に関するより詳しい内容をご希望でしたら、当社ではマスコミの方の取材お申し込みを随時受け付けておりますので、是非お問い合わせください。
【会社概要】
株式会社はな保育
所在地 : 名古屋市中区丸の内1-5-28 伊藤忠丸の内ビル8F
このたび、「信頼を育む保育と自分を守る心のスキル」と題したオンライン研修を開催いたします。
本研修では、日々子どもたちと向き合う保育者をはじめ、子育てや対人支援に関わるすべての方を対象に、「自分を大切にする力」を育む時間を提供いたします。
現場では、他者を支える役割を担う中で、自身の心身のケアが後回しになりがちです。本研修では、短時間で実践できるセルフケアの方法と、明日からの保育が少し楽しみになるポジティブな習慣づくりについてお伝えします。
■研修内容
・心と体を整えるセルフケア 〜自分を大切にする時間〜
・明日がちょっと楽しみになる、保育のポジティブ習慣
■開催日時
第1回:2026年3月25日(水)14:00~14:45
第2回:2026年5月26日(火)14:00~14:45
※全2回開催
※1回のみの参加、両日参加いずれも可能
■開催方法
Zoomによるオンライン開催
■参加対象
どなたでも参加可能
■参加費
無料
本研修を通して、保育における「信頼」を支える土台としての自己理解とセルフケアの重要性を広く発信してまいります。
【お申し込みURL】
https://forms.gle/4npdBc9e8dF5aQRv9
研修に関してのご相談
社会福祉法人絆友会・一般社団法人絆友会
メール office@kizuna-info.com
TEL 080-5188-5855
https://www.honbu.hanyuukai.biz/
※営業や勧誘などのお問い合わせはご遠慮ください。
厚生労働省は4日、新年度の介護報酬の臨時改定に向けて「処遇改善加算」の新たな運用ルールを定める通知(案)を発出した。介護保険最新情報のVol.1474で現場の関係者に広く周知している。
厚労省は今回の通知で、事業者の違反に対するペナルティにも改めて言及した。
算定要件を満たしていない場合、虚偽・不正の手段で受給した場合などは、「既に支給された処遇改善加算の一部、または全部を不正受給として返還させることができる」と明記。具体例として、処遇改善加算の取得額に相当する賃上げが実際には行われていないケースなどをあげた。
あわせて、事業者が要件を満たしていることを証明するための実務的な対応も解説した。
計画書の記載内容の根拠となる資料、労働基準法に基づく就業規則などを適切に保管しなければならないと説明。自治体から求めがあった場合には、「速やかに提示しなければならない」と規定した。
厚労省はこのほか、介護現場を支える職員に対して事業者が果たすべき責務にも触れた。
事業所・施設内での賃上げの方法について、計画書などを用いて十分に周知するよう要請。職員から賃上げについて質問があった場合には、書面を用いるなど分かりやすく回答するよう求めた。
1.労働時間の基本ルール|「自主的」でも労働時間になる理由
労働時間の判断基準は、労働基準法に基づきます。
ポイントは次の一点です。
「使用者の指揮命令下に置かれている時間」かどうか
たとえ園長が「早く来なくていいよ」と言っていても、
実際に業務を行い、園としてそれを黙認していれば、
👉 実質的な労働時間と判断される可能性が高い
のです。
2.保育園でよくある“自主的早出”の具体例
保育現場では、次のような行為がよく見られます。
-
保育室の環境整備・清掃
-
連絡帳や登園確認の準備
-
行事準備(壁面制作など)
-
朝のミーティング準備
-
保護者対応の事前確認
-
書類整理や指導計画の作成
これらは明確に「業務」です。
「子どもたちのために」
「クラス運営を円滑にするために」
という善意からの行動であっても、業務であれば賃金は発生します。
3.なぜ保育園は未払い賃金リスクが高いのか?
保育園経営には特有の事情があります。
① 行事文化と制作物の多さ
準備が勤務時間内に収まらず、早出や持ち帰り仕事が発生しやすい構造があります。
② 「チーム保育」の責任感
保育士は責任感が強く、
クラス運営を乱さないために自主的に早く来る傾向があります。
しかし、善意の積み重ねが労務トラブルの火種になることもあります。
4.支払い義務の判断ポイント
次のような場合、賃金支払い義務が生じる可能性が高いです。
| 状況 |
支払い義務の可能性 |
| 保育準備をしている |
高い |
| 園長が把握している |
高い |
| 暗黙に期待されている |
高い |
| 完全な私的行為 |
低い |
重要なのは、
「園としてコントロール可能だったか」
という視点です。
5.未払い賃金になった場合の経営リスク
例えば、
の場合、
月13,000円 × 24か月 = 312,000円
これが保育士15名なら約468万円。
さらに、
-
遅延損害金
-
付加金(裁判時)
-
労基署是正勧告
-
自治体監査時の印象悪化
-
採用への悪影響
という深刻な経営リスクに発展します。
6.保育園が取るべき具体的対策
① 始業前業務の禁止を明文化
就業規則や服務規律に、
「園の許可なく始業前に業務を行ってはならない」
と明確に規定します。
② 打刻=労働開始の原則徹底
-
打刻前の業務禁止
-
始業時刻より大幅に早い打刻を制限
-
勤怠システムの導入
③ 業務量の再設計
根本的には、
-
書類の簡素化
-
行事の見直し
-
制作物の削減
-
保育補助者の活用
など、業務構造を見直すことが不可欠です。
7.「支払わない」場合の注意点
もし支払わない運用をする場合は、
✔ 明確な禁止命令
✔ 書面での周知
✔ 違反時の指導記録
が必要です。
それでも実態として業務が行われていれば、法的には不利になります。
8.保育専門社労士の実務事例
私が支援した認可保育園では、
-
朝30分の制作準備
-
行事前の1時間早出
-
暗黙の「新人は早く来るべき」文化
が常態化していました。
そこで、
-
申し送りを勤務時間内に組込み
-
行事準備日を正式労働時間として設定
-
勤怠ルールを再設計
-
管理職研修を実施
した結果、未払いリスクを解消し、離職率も改善しました。
9.本質は「払うかどうか」ではない
自主的早出問題の本質は、
-
業務過多
-
シフト設計不備
-
曖昧なマネジメント
-
暗黙の期待文化
という組織構造にあります。
問題は“善意”ではなく“仕組み”です。
まとめ|園を守るのは明確なルールと設計
保育園経営において、
「自主的だから払わなくていい」
という判断は極めて危険です。
重要なのは、
✔ 発生させない仕組みづくり
✔ 勤怠の可視化
✔ 管理職教育
✔ 就業規則の整備
です。
保育園の未払い残業対策は専門家へ
保育園には、
-
自治体監査
-
処遇改善等加算
-
人員配置基準
-
キャリアパス制度
など特有の制度背景があります。
保育専門社労士として、
-
未払い残業リスク診断
-
勤怠制度再設計
-
就業規則整備
-
園長・主任研修
を通じ、園の持続可能な経営を支援しています。
善意に依存した運営から、仕組みによる運営へ。
それが、保育士の定着と園の安定経営につながります。
一度、自園の「始業前の実態」を点検してみてはいかがでしょうか。
一般社団法人 未来創造連携機構 これからの保育研究所(所在地:神奈川県川崎市、代表理事:斉藤 和琴)は、保育施設のリーダー育成と保育の質向上を目的とした「園長検定(保育施設運営管理士検定1級)」の受検を、職員や保護者が匿名で応援できる新プロジェクト「園長検定 受検応援ギフト」を開始しました。本プロジェクトは、不適切保育防止や組織マネジメント強化が求められる中、園長の主体的な学びを「圧力にしない形」で後押しする新たな取り組みです。
園長は孤独だ。
近年、保育業界では不適切保育や職場内トラブル、保育士不足が社会問題として注目されています。
その背景の一つとして、園長・施設長に集中するマネジメント負担や、組織運営の難しさが挙げられています。
園長は、
しかし、園長は日常業務に追われ、組織運営、マネジメントや人材育成、有効な採用手法などを体系的に学ぶ時間を確保することは容易ではありません。
「相談できる相手も周りに存在せず、日々悩んでいた」
「園を良くしたいのに何を学べばいいか分からなかった」
園長検定をこれまで受検した保育施設運営管理士たちもそう声を上げています。
一方で、職員や保護者の間には
「園長が学ぶ機会を持てば、保育の質向上につながるのではないか」という声も存在します。
園長検定を開始して以降「うちの園の園長先生にも園長検定を受けてほしい」という声もたくさん聴いてきました。
ただし、保育者や保護者はその立場上、直接伝えることには心理的ハードルがあります。
そこで生まれたのが、本プロジェクトです。
「園長検定 受検応援ギフト」は、職員や保護者が匿名で申請することで、園長先生へ園長検定受検の案内を届ける仕組みです。
応援ギフトが届いた園長先生は対策講座をディスカウント価格で受講することが可能になります。
園長検定応援ギフト
制度の特徴
園長検定は、保育施設の運営管理能力・マネジメントを体系的に整理・可視化することを目的とした資格制度です。
主な学習領域
-
組織マネジメント
-
人材育成
-
採用・採用広報
-
リスク管理
-
保護者対応
-
法令理解
など、保育施設運営に不可欠な内容で構成されています。
本制度は、この園長検定の意義を活かしながら、現場と保護者の協働による応援という新しい形を加えるものです。
期待される効果
本取り組みにより、以下の効果が期待できます。
-
園長のマネジメント力向上
-
保育の質向上
-
不適切保育の未然防止
-
組織内対話の促進
-
保護者との信頼関係強化
園長として、これまで「専門性」と「人間力」の両方が求められると考えてきました。専門性については、保育とマネジメントの両輪が必要だと思っています。保育に関しては学びの機会が多く、これまで貪欲に吸収してきたつもりですが、マネジメントについては手探りの独学で進めてきたところがありました。
だからこそ今回、マネジメントについて本当に大切なことを丁寧に確認し直す機会をいただけたことは、私にとって非常に大きな学びとなりました。これまで曖昧だった部分がクリアになり、実践に向けた手ごたえも感じています。園の運営や職員との関わりにすぐに活かしていきたいと心から思える内容でした。本当に有意義な時間で、感謝の気持ちでいっぱいです。
天野 恵さん
― 保育園専門社労士が語る「辞めない園」の設計戦略 ―
保育園経営者から頻繁にいただくご相談があります。
「処遇改善もしている。研修も実施している。それでも若手が辞めてしまうのはなぜか?」
この問いに対する答えは明確です。
保育士が辞める本当の理由は“給与水準”ではなく“将来の見通しの不透明さ”にある。
そして、その解決策こそが人事制度(キャリアパス制度)の設計と運用です。
保育業界における人材定着の現状
制度設計を担うこども家庭庁や厚生労働省は、処遇改善等加算の要件としてキャリアパスの整備を求めています。
しかし実際には、
-
加算取得のために形式的に作成した
-
等級表はあるが運用していない
-
昇格基準が曖昧
という園が少なくありません。
これでは人材定着にはつながりません。
なぜキャリアパス制度が保育士の定着率を左右するのか?
保育士の離職理由で多いのは次の3点です。
-
将来像が描けない
-
評価が曖昧
-
成長実感がない
給与水準だけでは、これらは解決しません。
キャリアパス制度は、
-
「何年後にどんな役割を担うのか」
-
「主任・副主任になるには何が必要か」
-
「専門性を高めたらどう評価されるのか」
を明確にする仕組みです。
つまり、“未来の可視化”が定着を生むのです。
【具体例】若手が定着しなかった認可保育園のケース
園児定員90名の認可保育園。
離職率は年間20%近く。
原因をヒアリングすると、
-
主任と一般保育士の役割が不明確
-
給与差が小さい
-
昇格基準が園長の主観
という構造的問題がありました。
そこで、
-
役割等級の再設計
-
昇格要件の明文化
-
年2回の評価面談制度
を導入。
結果、翌年度の離職率は12%に改善。
特に入職3年未満の若手離職が大きく減少しました。
キャリアパス制度がない園で起きる3つの問題
① ベテラン依存
仕事が特定の職員に集中する。
② 中堅層の停滞
「どうせ上が詰まっている」と感じる。
③ 管理職の疲弊
園長・主任に業務が集中する。
これは人手不足ではなく、制度不足です。
「処遇改善=定着」ではない理由
こども家庭庁の方針により処遇改善は継続しています。しかし、賃上げだけでは定着は実現しません。
給与は“不満の解消”にはなりますが、“やりがい”や“将来性”は生みません。
保育士が求めているのは、
-
専門性の承認
-
キャリアアップの道筋
-
自分の成長実感
です。
定着する保育園のキャリアパス設計3原則
1. 役割基準の明確化
例:
それぞれの役割・責任範囲を明文化。
2. 昇格要件の数値化
-
指導計画作成能力
-
保護者対応力
-
後輩指導実績
-
園内研修講師経験
曖昧さを排除します。
3. 面談制度の仕組み化
年2回の評価面談を制度として固定化。
制度は「作る」より「運用する」ことが重要です。
離職率1%改善の経営効果
職員30名の園で、平均採用コスト1人30万円と仮定。
離職率15% → 14%
削減効果:約30万円
加えて、
を考慮すると、経営効果はそれ以上になります。
キャリアパス制度はコストではなく、経営安定の投資です。
小規模園こそ制度が必要
「うちは小規模だから制度は大げさ」
という声もあります。
しかし実際は逆です。
人数が少ない園ほど、
が起きやすい。
だからこそ、公平性を担保する仕組みが必要なのです。
2026年以降の保育経営に求められる視点
政策の方向性は明確です。
-
専門性の高度化
-
組織マネジメント強化
-
持続可能な園運営
これからは「人を集める園」ではなく、
「人が辞めない園」が生き残る時代です。
保育園専門社労士としての本音
人が辞める原因を「本人の性格」や「最近の若者気質」にしている限り、定着は改善しません。
辞めるのは、未来が見えないから。
キャリアパス制度は、
を同時に実現できる経営ツールです。
もし、こんな課題があれば
-
若手が3年以内に辞める
-
主任候補が育たない
-
評価が感覚的になっている
制度の見直しが必要かもしれません。
保育園専門社労士として、
人事制度診断・キャリアパス再設計支援を行っています。
制度の目的は加算取得ではありません。
「辞めない園」を作ることです。
これからの時代に選ばれる保育園になるために、
今こそ人事制度を経営戦略として再設計してみませんか。
Q 当院は始業8時30分・終業18時30分(休憩2時間)で、1日の所定労働時間が8時間です。先月、私用で1時間遅刻した職員がいます。その日に1時間30分の残業がありましたが、残業代はどのように計算すればよいでしょうか?
A、労働基準法では、法定労働時間を超えて実際に労働した時間(以下、実働時間)に対して、割増賃金の支払いを義務づけています。よって、実働時間が法定労働時間である8時間を超えた30分のみ、25%以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要となります。ただし、就業規則等で終業時刻以降の労働に対し割増賃金を支払うと規定している場合には、その規定に従うこととなります。
解説
1.割増賃金の支払い義務労働基準法では、使用者は、原則、1日8時間(以下、法定労働時間)を超えて労働させてはならないと定めています。そして、法定労働時間を超えて労働させた場
合、医院は、法定労働時間を超えた労働に対し割増賃金を支払わなければなりません。この割増賃金の支払い義務は、実働時間で判断します。
今回のケースで考えると、下図のように1時間遅刻した場合、終業時刻である18時30分までの実働時間は7時間となり、19時30分までは実働時間が 8 時間を超えないので、割増賃金は発生しません(法定内残業)。8時間を超える19 時 30 分から 20 時までの労働に対し、割増賃金が発生します(法定外残業)。
2.法令を上回る場合の支払い義務
1.にかかわらず、就業規則等で「終業時刻を超えて労働した場合に割増賃金を支給する」といった労働基準法を上回る定めをしていることがあります。この場合には、実働時間が8時間を超えていなかったとしても、終業時刻以降の労働に対して割増賃金の支払いが必要です。今回のケースでは18時30分が終業時刻であるため、18時30分以降の労働に対し割増賃金を支払うことになります。労働基準法の考え方をおさえた上で、就業規則等の定めを確認し、適切な割増賃金の支払いが必要です。
短時間・単発の「スポットワーク(スキマバイト)」と呼ばれる雇用形態が、保育現場にも広がっている。人手不足に悩む園と柔軟な働き方を求める保育士のニーズが合致する一方、スポット保育士は園児と安定した関係づくりが難しく、保育の質の担保に保護者から不安の声も上がる。こども家庭庁は昨年10月、全国の自治体の実態調査に乗り出した。
タイミー」で週2日、子育てと両立
昨年12月、神奈川県藤沢市の認可保育園「キディ湘南C-X」の1歳クラス。子どもたちは、スポット保育士の女性(36)に背中をトントンされ、眠りにつこうとしていた。
女性は元教員で、出産後に保育士資格を取得。昨年2月から大手スポットバイト仲介アプリ「タイミー」を使い、週2日ほど午前9時から4時間、この園で働く。小学1年の長女は留守番が難しく、下校時間に間に合う今の働き方を選んだ。
とはいえ、園児の成長を支えるのは「スポットといえど責任の重い仕事」と女性。朝の園児の受け入れ時に「体調面や発達面で配慮が必要な子がいないか」と常勤の保育士らに聞くなど、確認は怠らない。

履歴書は原則不要 本採用の機会にも
スポットワークでは仲介アプリを通じて、労働者が希望する仕事を申し込み、企業と雇用契約を結ぶ。原則、履歴書の提出や面接が不要とされる。
保育現場で活用が広がる背景には、深刻な保育士不足がある。キディ湘南C-Xの戸島翔平園長によると、常勤の保育士が育児による時短勤務を希望するなど、3年前から慢性的に保育士が足りず、国が定める保育士の配置基準を満たすのがやっとだ。
2024年からタイミーを介し、延べ130人を雇い、3人を本採用。園では履歴書の提出を求め、経験不足と感じた保育士を再雇用しないようにする。以前に雇用して働きぶりが信頼できる保育士を「お気に入り」登録し、優先的に募集するようにしている。
欠勤時に活用しても、配置基準には…
スポット保育士の広がりを受け、こども家庭庁は昨年2月、各自治体へ通知を出した。急な欠勤が出た場合の活用は認めたものの、配置基準の定数をスポット保育士で満たすべきではない旨の見解を示した。実態調査では活用状況や雇用の際の課題なども確認する。
保育施設の業務支援を行う「コドモン」(東京)が昨年5月に全国258の保育施設を対象に行った調査では、スポット保育士を活用した32施設(12.4%)のうち、多くが保育準備や清掃など保育以外の業務に従事させていた。散歩の引率やおむつ替えを任せる園もあった。スポット保育士の働きぶりを「満足」「やや満足」としたのは9割を超えた。
「1日11時間」の”標準”を見直すべき
コドモンによる保護者465人への調査では、スポット保育士の配置を「受け入れられる」「やや受け入れられる」としたのは57.6%と半数以上。スポット保育士が入ることへの不安(複数回答)としては、「担任の先生との情報が共有できているか」(361件)、「子どもの性格や体調を十分に把握してもらえるか」(307件)との回答が多かった。
帝京大元教授で、埼玉県で私立園を運営する村山祐一さんは「常勤保育士の補助としてなら理解できるが、子どもの日々の様子を理解しない人が保育を担うのは無理がある」と指摘する。その上で、フルタイム就労を想定した国の「保育標準時間(保育園などを利用できる時間)」が、1日最長で11時間という長さになっていることを問題視。育児中の常勤保育士が対応できず離職することが保育士不足の背景にあるとし「国が責任を持って、標準時間の見直しや処遇改善に取り組むべきだ」と話す。