保育

保育現場に “カラフルな個性” を。社会福祉法人檸檬会が保育者の多様性と専門性を両立する「身だしなみガイドライン」を策定

◾️「身だしなみ」のあり方を見直した背景

保育者といえば「エプロン・ジャージ」が一般的なイメージでしたが、檸檬会では15年ほど前より、そうしたイメージにとらわれない姿を目指してきました。

一方で近年では、社会全体で多様性を尊重する価値観が広がり、自分らしいあり方で、専門性を持って働く人たちを見かけることも少なくありません。

檸檬会でも保育者の「身だしなみ」について、安全性や衛生面から一定の基準を設けてきましたが、こうした社会背景や、「子ども一人ひとりの個性を大切にする保育」を掲げる中で、保育者のあり方について見直しを進める必要があると考えました。

私たちは、子どもたちの多様性を尊重するとともに、多様な価値観を持つ人々と協働していく力を育みたいと考えています。そのために、身近な大人である保育者が個性を発揮して働く姿を見せることは、子どもたちに「個性の尊重」を伝える生きた教育環境の一部になると考えました。

今回のガイドラインはそうした考えのもと、現場との対話を積み重ねながら策定されたものです。

◾️ガイドラインの考え方と変更点

本ガイドラインは従来のような一律の制限ではなく、保育者が自ら考え、話し合うための指針です。チームでお互いに高め合い、これまで以上に信頼される施設を目指します。

具体的な変更内容

髪色・髪型、一部の装飾(ペディキュア等)などについて、リスク管理と園内の対話を前提として、柔軟かつ多様な表現を認めてまいります。

大切にしていく点

今回の見直しにあたり、安全性・信頼・清潔感の低下を招かないよう、以下の運用を徹底いたします。

  • 安全・衛生の最優先:

    怪我・誤飲の原因となる装飾品(ピアス、マニキュア等)、衛生を損なう服装、強い香りを伴う衣服 

    等の着用制限は、これまで通り継続いたします。

  • プロとしての自覚:

    柔軟な表現を認めつつも、保育のプロフェッショナルであることを第一に考え、信頼や清潔感の確保を優先してまいります。

  • フィードバックの文化づくり:

    施設長を含めたチームで、「安心・安全・信頼・清潔感」に適っているかお互いに確認し、フィードバックし合う文化づくりを進めてまいります。

なお、本ガイドラインは各施設での対話を大切にしながら運用をしていくため、変更の開始時期は施設ごとに異なります。現場の状況に応じて、無理のない形で進めてまいります。

◾️職員同士の対話をもとに更新していく

このガイドラインはトップダウンではなく、職員同士の対話をもとにして策定されました。ルールとして決まっている内容、また、年度ごとに各施設の職員が話し合いのうえで更新できる内容、この両方をもって運用されます。

多様性を認めることは「なんでもあり」を意味するのものではありません。職員同士がお互いに声を掛け合い、安心してフィードバックし合える関係性こそが、檸檬会の目指すカルチャーです。

◾️保護者への説明と理解の促進

本取り組みについては、各施設においてその背景や意図を保護者の方へお知らせしています。見た目の多様性を認めつつも、それが「安心・清潔・信頼」を損なうことがないよう、保育者一人ひとりが真摯に保育に向き合い、説明責任を果たしていく姿勢を大切にします。

檸檬会では、本ガイドラインを通じて「個性」と「専門性」を両立させた新しい保育者像を追求してまいります 。また、社会の変化に応じて職員が対話を行い、内容を更新し続けることで、保育の質の向上に努めてまいります 。

叱ると、すぐパワハラと言われる。それが怖くて、指導出来ない、そんなお悩みにお答えします。

介護・保育・クリニックの現場で増えている「叱るとパワハラと言われる問題」について、専門社労士がわかりやすく解説します。

  • 「注意しただけなのに“それはパワハラです”と言われた」
  • 「叱らないでほしいと言われ、指導ができない」

このようなお悩みは、現場で非常に多く発生しています。
本動画では、

  • 適正な業務指導はパワハラに該当するのか
  • 「本人が嫌と感じたらパワハラ」は本当か
  • 実際にパワハラになるケース/ならないケース
  • 現場で取るべき正しい対応方法

について、実務目線で解説しています。
特に、

  • 「指導を避けた結果、処分や解雇ができなくなるリスク」

についても詳しく触れていますので、管理者の方はぜひ最後までご覧ください。

【この動画はこんな方におすすめ】

  • 介護事業所の管理者、施設長
  • 保育園の園長、主任保育士
  • クリニックの院長、事務長
  • 問題社員対応に悩んでいる方

【ポイントまとめ】

  • 適正な指導はパワハラではない
  • 判断基準は「主観」ではなく「客観」
  • 言い方や伝え方には十分注意が必要
  • 指導をしないこと自体が大きなリスクになる

労務トラブルは、初動対応で結果が大きく変わります。
少しでも不安がある場合は、早めの対策が重要です。

無料相談・お問い合わせはこちら

採用ミスマッチを防ぐ!適性診断を導入すべき5つの理由【業界特化 社労士が解説】

職員採用において「面接では良い人材だと思ったのに、すぐ辞めてしまった」「現場と合わずトラブルになった」といった悩みは、多くの企業で共通しています。特に介護・保育・クリニックなどの対人サービス業では、人材の定着が経営を大きく左右します。

こうした課題の根本原因の一つが「採用ミスマッチ」です。そして、そのミスマッチを防ぐ有効な手段として注目されているのが「適性診断」です。本記事では、社労士の視点から、適性診断の重要性と導入すべき理由を実務ベースで解説します。


採用ミスマッチが起きる本当の理由

採用ミスマッチが発生する最大の要因は、「見える情報」と「見えない情報」のギャップです。

履歴書や職務経歴書では、資格や経験といったスキルは把握できます。また、面接では人柄やコミュニケーション力をある程度確認できます。しかし、実際の現場で重要となるのは、以下のような“見えにくい要素”です。

  • ストレス耐性
  • 協調性・対人関係力
  • 指示への反応傾向
  • 感情コントロール

これらは面接だけでは正確に把握することが難しく、結果として「採用してみないと分からない」という状態に陥ります。特に介護や保育の現場では、対人ストレスが高いため、この見えない部分のズレが早期離職につながるケースが非常に多いのです。


適性診断とは何か?

適性診断とは、応募者の性格特性や行動傾向、職種適性などを客観的に測定するツールです。

例えば、以下のような項目を数値化・可視化します。

  • 協調性の高さ
  • ストレス耐性
  • 主体性・積極性
  • ルール遵守傾向
  • 対人コミュニケーションタイプ

つまり、適性診断は「面接では見抜けない部分を補完するツール」であり、採用の精度を高めるための重要な判断材料となります。


適性診断を導入すべき5つの理由

① 採用ミスマッチを防止できる

最大のメリットは、やはりミスマッチの防止です。性格や価値観が組織と合っているかを事前に把握することで、「入社後に合わない」というリスクを大幅に低減できます。


② 定着率の向上につながる

適性が合った人材は、職場への適応がスムーズです。その結果、早期離職が減り、定着率の改善につながります。特に人材不足が深刻な業界では、この効果は非常に大きいといえます。


③ 面接の質が向上する

適性診断の結果をもとに面接を行うことで、より深い質問が可能になります。

例えば、「ストレス耐性が低め」という結果が出た場合、その対応方法や過去の経験を具体的に確認できます。これにより、面接の精度が格段に向上します。


④ 配属ミスを防ぐことができる

同じ職種でも、現場によって求められる適性は異なります。例えば、

  • 忙しい現場 → スピード・柔軟性重視
  • 落ち着いた現場 → 丁寧さ・安定性重視

適性診断を活用すれば、配属先との相性を見極めることができ、配置ミスによる離職を防ぐことが可能です。


⑤ 管理職との相性も把握できる

見落とされがちですが、「上司との相性」は離職理由の大きな要因です。適性診断により、指示の受け方やコミュニケーションスタイルを把握することで、組織内の人間関係リスクを軽減できます。


適性診断を導入しないリスク

適性診断を導入していない場合、企業は大きなリスクを抱えることになります。

例えば、1人の採用にかかるコストは、広告費や教育コストを含めると50万円〜100万円程度になることも珍しくありません。にもかかわらず、ミスマッチによって短期間で離職してしまえば、その投資は無駄になります。

さらに、現場の職員に負担がかかり、既存スタッフの離職を招くという“負の連鎖”も発生します。これは経営にとって非常に大きな損失です。


適性診断の効果的な活用方法

適性診断は導入するだけでは意味がありません。重要なのは「使い方」です。

実務上は以下の流れがおすすめです。

  1. 書類選考後に適性診断を実施
  2. 結果をもとに面接質問を設計
  3. 配属や教育方針の参考にする
  4. 入社後のフォローにも活用

このように、採用から定着まで一貫して活用することで、初めて最大の効果を発揮します。


よくある誤解「適性診断は当てにならない?」

「適性診断は当てにならない」という声もありますが、これは半分正解で半分誤解です。

確かに、適性診断だけで採否を決めるのは危険です。しかし、面接と組み合わせることで、判断の精度は大きく向上します。

つまり、適性診断は「万能ツール」ではなく、「意思決定を支える材料」として活用することが重要です。


まとめ|採用は“確率”ではなく“精度”の時代へ

これからの採用においては、「なんとなく良さそう」という感覚的な判断ではなく、データに基づいた意思決定が求められます。

適性診断は、採用ミスマッチを防ぎ、定着率を高めるための有効な手段です。特に介護・保育・クリニックといった対人サービス業では、その重要性はますます高まっています。

採用に課題を感じている企業こそ、適性診断の導入を検討すべきタイミングです。


採用の質を高めたい、離職を減らしたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。適性診断の導入から運用まで、実務に即したサポートを行っています。

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保育士の約8割が「職場のコミュニケーションに悩み」新年度の職場環境づくりが重要に

保育業界に特化した人材サービスを全国で展開する株式会社アスカ(本社:群馬県高崎市、代表取締役会長:加藤秀明)は、保育士を対象に「職場のコミュニケーション」に関するアンケート調査を実施いたしました。

4月の新年度は、新入職員の受け入れや職員配置の変更などにより、職場環境が大きく変化するタイミングです。本調査では、こうした変化の中で重要となる「コミュニケーション」に関して、保育現場の実態を明らかにしました。

その結果、保育士の約8割がコミュニケーションに関する悩みを抱えた経験があることが分かりました。さらに97.5%が「業務に影響する」と回答しており、保育現場における重要な課題が明らかになりました。

約8割の保育士がコミュニケーションに悩みを経験

本調査では、「職場内のコミュニケーションで悩んだことはありますか?」という質問に対し、79.7%が「ある」と回答しました。

保育現場ではチームでの連携が不可欠である一方、日々の業務の忙しさや人間関係の難しさから、円滑なコミュニケーションが取れないと感じる保育士が多い実態が明らかになりました。

約3割が現在も「コミュニケーションが取りにくい」と回答

「現在の職場(または直近の職場)は、コミュニケーションが取りやすいですか?」という質問では、「とても取りにくい」「やや取りにくい」と回答した人が合計で26.4%にのぼりました。

一定数の保育士が、現在もコミュニケーションに課題を感じていることが分かります。

新年度に向けて新しい職員が加わる中、既存職員との関係構築や情報共有の在り方が、より一層重要になると考えられます。

97.5%が「コミュニケーションは業務に影響する」と実感

「コミュニケーションの充実が業務に影響すると思いますか?」という問いに対しては、「非常にそう思う」が76.4%、「ややそう思う」が21.1%となり、合計97.5%が業務への影響を実感している結果となりました。

保育現場におけるコミュニケーションは、単なる人間関係にとどまらず、保育の質や安全性、業務効率にも大きく関わる重要な要素であることがうかがえます。

コミュニケーションが取りやすい職場の特徴

「コミュニケーションが取りやすい理由」としては、以下のような回答が多く見られました。

・気軽に声をかけやすい雰囲気がある
・職員同士の関係性が良好で相談しやすい
・情報共有がしっかり行われている

心理的に安心して発言できる環境と、日常的な情報共有の仕組みが、円滑なコミュニケーションにつながっていると考えられます。

コミュニケーションが取りにくい要因

一方で、「取りにくい理由」としては以下が挙げられました。

・情報共有や引き継ぎが不十分

・忙しく、話しかけるタイミングが難しい
・意見を言いづらい雰囲気がある

これらの結果から、コミュニケーションの課題は個人の問題ではなく、「職場環境」や「仕組み」に大きく左右されることが分かります。

保育士のリアルな声「質問しづらい」「引き継ぎ不足」などの悩み

【職場でのコミュニケーションで困ったり悩んだりした「保育士あるあるエピソード」を教えてください】という質問(自由回答)では、現場のリアルな声が多く寄せられました。

・「忙しそうで質問するタイミングが分からない」
・「引き継ぎが不十分で情報共有がうまくいかない」
・「人によって言うことが違い、混乱することがある」
・「意見を言いづらい雰囲気がある」

日々の業務の中で感じる“ちょっとした言いづらさ”や“伝わらなさ”が、現場で働く保育士のストレスにつながっている様子がうかがえます。

新年度の“受け入れ体制”が定着の鍵に

今回の調査結果から、保育士の職場定着には、給与や待遇だけでなく「コミュニケーションの取りやすさ」が重要な要素であることが改めて明らかになりました。

また、アスカが実施した過去のアンケート調査(保育観に関する調査)においても、職場を長く続けられる条件として、約83%の保育士が「人間関係が良い」と回答しており、保育士にとって人間関係やコミュニケーション環境が就業継続に大きく影響していることがうかがえます。

「仕事観の本音」定着のカギは”人間関係”―前回調査の詳細はこちら

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000043301.html

特に新年度は、新入職員の受け入れや配置変更により、コミュニケーションの質が職場全体に影響を与えやすい時期です。受け入れ体制や情報共有の仕組みづくりが、早期離職の防止や職場定着に大きく関わると考えられます。

 

【無料オンラインセミナー】保育園・幼稚園・こども園経営者・園長向け「子どもの安全対策セミナー~性加害編~」  開催

―性加害リスクに対し、経営者が取るべき判断と備えとは―

松田綜合法律事務所(東京都千代田区/代表弁護士:松田純一・東京弁護士会所属)は、2026年3月25日(水)および4月28日(火)の全2回、保育園・幼稚園・こども園の経営者・園長の皆様を対象に、無料オンラインセミナー「子どもの安全対策セミナー~性加害編~」を開催いたします。

本セミナーは全2回構成とし、第1回では、「もし性加害(虐待)の通報を受けたら?~事例から見る初動対応の留意点~」をテーマに、問題発生時の初動対応から再発防止につなげるための考え方を解説します。

第2回では、「職員の前科が判明したら?~日本版DBS実践編~」をテーマに、日本版DBSを踏まえた職員の前科判明時の実務対応や、園として求められる体制整備について、実務の視点から整理します。

開催背景

2026年12月25日から日本版DBS(日本版犯罪経歴照会制度)が施行されるなど、児童への性加害への対策は、保育・幼児教育の現場において「待ったなし」の状況となっています。

一方で、

・児童への性加害は後を絶たず

・被害にあった子ども自身が被害を適切に言語化できないケースも多い

・人間関係や心理的なハードルから疑念や違和感があっても園内で共有・報告されにくいケースがある

といった現実があり、園の現場や経営者にとっては、判断の難しさと責任の重さが年々増しています。

また、日本版DBSにより職員の前科が判明した場合、園としてどのような体制を整えるべきかについて、不安や疑問を抱える経営者の方も少なくありません。

もし、ある日突然「不適切な行為があったかもしれない」と一報を受けたら、

その瞬間から、経営者には極めて難しい判断が連続します。

・何を最優先すべきか

・誰に、どのタイミングで説明するのか

・警察や行政にはいつ、どのように相談すべきか

対応を誤れば、子どもの二次被害や園の信頼失墜につながりかねません。

本セミナーでは、子どもの安全を最優先にしつつ、経営者として押さえるべき実務上のポイントとして、「問題発生時の初動対応」と「日本版DBSなど制度対応を含む平時の備え・安全体制の整備」を事例を交えて整理します。

開催概要 ~全2回共通~

開催日時:【第1回】2026年3月25日(水) 12時00分~12時45分

     【第2回】2026年4月28日(火) 12時00分~12時45分

開催形式:ZOOMによるウェビナー

参加費:無料

対象:保育園・幼稚園・こども園の経営者/園長/法人本部担当者など

申込方法:以下、セミナー詳細ページよりお申込みください

【お問い合わせ】

セミナーや法律に関する相談などお待ちしております。

〒100-0004

東京都千代田区大手町二丁目1番1号 大成大手町ビル10階

TEL:03-3272-0101

FAX:03-3272-0102

メール:seminar3@jmatsuda-law.com

保育所・幼稚園関連法務事業

H P: http://www.jmatsuda-law.com/

人事制度があることは大きな武器になる

 

■もはや「選ばれるための必須要件」になっている

 

「人数が増えてきて目が届かなくなってきたから、そろそろ人事評価制度を入れよう」

以前はこのように考えられることが多かったかもしれません。ところが、いまや状況は大きく変わってきています。

 

学校のキャリアセンター(昔は就職課といっていました)では、就職先の企業に人事評価制度があるかどうかが重要確認項目になっています。

 

ハローワークなどでも「地域」「給与」などというような条件とともに人事評価制度の有無も確認事項になってきているのです。

 

つまり、人事評価制度は「あったらいいもの」から「選ばれるための必須要件」になってきているということなのです。

 

 ■「採用」に有利――見えるスペックとしての人事制度

募集をしても人が来ない、採用ができない―――。

未曾有の人材不足の時代、どの企業でも抱えている重要な問題ではないでしょうか。

採用時、求職者はまだ会社の中身を詳しくは知りません。

ですから、給与額、休日日数、労働時間といった「見えるスペック」で判断せざるを得ないのです。

そして、その「見えるスペック」のひとつとして「人事評価制度があるかどうか」が大きな判断材料になってきているのです。

人事制度があるということは、「この会社は自分の成長やキャリアを考えてくれている」「頑張りをちゃんと認めてくれる仕組みがある」というメッセージになります。

■「定着」に効果――動機づけ要因として機能する

実は「採用」と「定着」に影響を与える取り組みは、同じような内容と思われがちですが、実はちょっと違ったりします。

ハーズバーグの2要因理論というものをご存じでしょうか。

人のモチベーションには「衛生要因」と「動機づけ要因」の二つがある、というものです。

 

「衛生要因」とは、給与、労働時間、休日といった条件面のこと。これらは欠けてしまうと一気に不満足になってしまいます。採用時には非常に重要な「見えるスペック」です。

 

しかし、どれだけ良い条件にしても、それは大きな満足にはならず、それがまた基準となって引き下がると不満になってしまう――――そういう性質のものなのです。

一方で「定着」には「動機づけ要因」が重要になります。

頑張ったら上司、会社から承認される。ここにいたら成長できる。目標の達成感がある。責任のある役割を与えられたり、頼りにされる――――。

 これらの「動機づけ要因」は足りなくても不満の声は上がってきませんが、満足度は引きあがらないのです。

 どんなに左の「衛生要因」を整備して人を採用しても、右の「動機づけ要因」がないと、人は辞めていってしまうかもしれません。特に前向きで成長意欲のある人から。

そして、この右の「動機づけ要因」は、ほとんどが「人事評価制度」を適切に運用することで大きな影響を与えることができるのです。

 「人事評価制度」があることが、採用にも定着にも非常に重要なのですね。

■「将来を見せる」ことができる――不安を安心に変える

人事評価制度があるということは、社員に「将来を見せる」ことができるということでもあります。

「この会社で頑張っていったら、自分はどうなれるのか」「どういうキャリアを歩めるのか」――――。

等級制度があれば、どのような役割を担っていけば次のステップに進めるのかが明確になります。

評価制度があれば、何を頑張れば認められるのか、どんなスキルを身につければ成長できるのかが見えてきます。

賃金制度があれば、頑張った結果がどのように給与や賞与に反映されるのかがわかります。

 この「見える化」が、社員の不安を安心に変えるのです。

逆に、人事制度がないとどうなるでしょうか。

 

「頑張っても認められるかどうかわからない」「この会社にいても将来が見えない」――――。

 そう思われてしまったら、優秀な人ほど他の会社に目を向けてしまうかもしれません。

■データが証明する人事制度の効果

実は中小企業庁が興味深いデータを出してくれています。

2015年と2020年を比較した売上増加率を、人事評価制度の有無別に見たもの。

やはり人事評価制度のあるところの方が業績は上がっているという結果が出ているのです

考えてみれば当然でしょうか。

会社目標に向かって個人が目標を立て進んでいく、求める人材像を明確にして、それを伸ばして人材育成を行なっている――――。

当然差が出てくることでしょう。

■いまこそ、人事制度という武器を

 人事評価制度は、もはや「あったらいい」ものではなく、企業規模にかかわらず必須のものになってきています。

 採用においても、定着においても、人材育成においても。

 そして業績向上においても。

人事制度があることは、大きな武器になるのです。

いま、この武器を手にしていますでしょうか。

それとも、これから手にしていくところでしょうか。

労基法における「管理監督者」の実務問題と対応策 ― 介護・保育・クリニックで多発する誤解と是正ポイント ―

はじめに

「管理監督者だから残業代は不要」
このような理解で運用している事業所は、介護・保育・クリニック業界において非常に多く見受けられます。しかし、これは大きなリスクを孕んでいます。

労働基準法における管理監督者は、単なる役職者ではなく、極めて限定的に認められる存在です。誤った運用は未払い残業代請求や労働基準監督署の是正勧告につながるため、正しい理解と実務対応が不可欠です。

本コラムでは、現場で頻発する問題点と、その具体的な対応策を解説します。


管理監督者とは何か(基本整理)

労働基準法第41条における管理監督者は、以下のような特徴を持つ者を指します。

  • 経営者と一体的な立場にある
  • 労働時間の裁量がある
  • 重要な人事・経営判断に関与する
  • 賃金面で優遇されている

重要なのは、「肩書きではなく実態」で判断される点です。


現場で多い3つの誤解

①「管理職=管理監督者」という誤解

例えば、以下のようなケースです。

  • 介護施設のフロアリーダー
  • 保育園の主任保育士
  • クリニックの看護師長

これらは一般的に「管理監督者」とは認められないケースが多いです。理由は、経営判断権限が限定的であるためです。


②タイムカード管理をしている

管理監督者であれば、本来「厳密な労働時間管理」は不要です。

しかし実務では

  • 出退勤時刻が厳格に管理されている
  • 遅刻・早退で給与控除がある

このような状態であれば、労働者性が強く、管理監督者とは認められにくくなります。


③賃金が一般職と大差ない

管理監督者には、以下が求められます。

  • 役職手当が十分に高い
  • 年収ベースで一般職より明確に上位

例えば、
「月2万円の役職手当のみ」
では、管理監督者性は否定される可能性が高いです。


実務上の典型的トラブル事例

事例①:訪問介護事業所のサービス提供責任者

サービス提供責任者を「管理監督者」として残業代未払いとしていたが、以下の理由で否認。

  • シフトに完全拘束
  • 採用権限なし
  • 利用者対応中心

結果:過去2年分の残業代支払い


事例②:保育園の主任保育士

主任であることを理由に残業代不支給としていたが、

  • 園長の指示に従うのみ
  • 労働時間の自由なし

結果:労基署是正+職員の不信感増大


事例③:クリニックの事務長

名ばかり事務長で実態はプレイヤー業務中心

  • レセプト業務に従事
  • 医師の指示に従属

結果:未払い残業代+退職後請求


管理監督者が否認されるリスク

管理監督者として認められなかった場合、以下のリスクがあります。

  • 未払い残業代(最大3年分)
  • 付加金(同額)
  • 労基署の是正勧告
  • 採用・定着への悪影響

特に介護・保育業界では「人材不足」が深刻であり、信頼低下は致命的です。


実務対応策(重要ポイント)

①「管理監督者にするか」を再検討する

結論として、以下の職種は原則対象外と考えるべきです。

  • サ責(サービス提供責任者)
  • 主任保育士
  • 看護師長(小規模クリニック)

無理に管理監督者扱いをするよりも、「適切に残業代を支払う」方がリスクは低いです。


②要件を満たす場合の制度設計

本当に管理監督者とする場合は、以下を整備します。

・権限の付与

  • 採用・評価への関与
  • シフト決定権
  • 業務指示権

・労働時間の自由度

  • 出退勤の裁量
  • 遅刻早退の不問

・待遇の引き上げ

  • 年収で明確な差をつける
  • 役職手当の増額

③代替制度の活用

現実的には以下の方が有効です。

・固定残業代制度

一定時間分の残業代をあらかじめ支給

・役職手当+残業代支給

管理職としての処遇をしつつ法令順守

・変形労働時間制

介護・保育では特に有効


④就業規則の見直し

重要なチェックポイント

  • 管理監督者の定義が曖昧
  • 実態と規定が不一致
  • 手当の根拠が不明確

これらはトラブルの原因となります。


介護・保育・クリニック特有の注意点

人手不足による「名ばかり管理職」

現場ではプレイヤー業務が中心になりがちです。
これにより、管理監督者性が否定されやすくなります。


感情トラブルへの発展

未払い残業は単なる金銭問題ではなく、

  • パワハラ認定
  • 退職トラブル

に発展するケースもあります。


まとめ

管理監督者制度は「便利な残業代回避手段」ではありません。
むしろ、誤った運用は大きな経営リスクとなります。

特に重要なポイントは以下の3点です。

  • 肩書きではなく実態で判断される
  • 権限・裁量・待遇の3要素が必須
  • 無理に適用せず代替制度を検討する

最後に(専門社労士からの提言)

介護・保育・クリニック業界では、「現場優先」の文化から制度設計が後回しになりがちです。

しかし、これからの時代は
「労務管理=採用力」
です。

管理監督者の適正運用は、単なるコンプライアンスではなく、
人材定着と経営安定の基盤となります。

一度、自社の管理職の実態を見直してみることを強くお勧めします。

保育士の業務効率化、日本生命などが事業化…復職支援へ施設とのマッチングも

日本生命保険が主導して設立した共同事業体(コンソーシアム)が、2026年度から保育士の業務効率化の支援事業を本格化させる。

 日生と傘下のシステム会社ニッセイ情報テクノロジー、ニチイ学館、保育事業者の学研ホールディングス、グローバルキッズ、ライクの計6社が25年3月、「保育イノベーションコンソーシアム」を設立し、10月には社会福祉法人すくすくどろんこの会が加わった。事業者単独では実現が難しい人材確保やDX推進、コスト削減など業界に共通する課題解決を目的とする。

コンソーシアムはこの1年、保育士の働き方を調査し、労働環境の課題を整理したほか、子どもの情報管理や事務作業をデジタル化するシステムの実証実験を完了した。現在、26年度からの開始を目指す外販に向けて改修している。

日生と傘下のシステム会社ニッセイ情報テクノロジー、ニチイ学館、保育事業者の学研ホールディングス、グローバルキッズ、ライクの計6社が25年3月、「保育イノベーションコンソーシアム」を設立し、10月には社会福祉法人すくすくどろんこの会が加わった。事業者単独では実現が難しい人材確保やDX推進、コスト削減など業界に共通する課題解決を目的とする。

コンソーシアムはこの1年、保育士の働き方を調査し、労働環境の課題を整理したほか、子どもの情報管理や事務作業をデジタル化するシステムの実証実験を完了した。現在、26年度からの開始を目指す外販に向けて改修している。

また、全国に約110万人とされる潜在的な保育士の復職を後押しするため、短時間勤務でも可能な受け入れ先と人材を結ぶマッチングの仕組み作りを進めており、26年度中の実用化を目指している。将来の人材確保につなげるために保育士養成施設と連携し、中高生に保育の魅力を発信する取り組みも進めている。

 このほか、消耗品にかかるコスト削減を目的にした共同調達の可能性も検討中だ。

「持続的な運営支える基盤作り目指す」

 共働き世帯の増加や26年度から就労に関係なく保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」が全国で始まることなどから、保育ニーズは高まっている。一方で、現場では保育士不足が慢性化しており、保育の質を維持しながら業務負担を軽減することが急務となっている。日本生命ライフサポート事業部長の笠原有子氏に、保育業界のこうした現状やコンソーシアムの取り組みについて聞いた。

――保育領域に力を入れるのはなぜか。

 「少子高齢化が進む中、保険だけではカバーできないニーズやリスクが広がっている。24年度から3年間の中期経営計画では、保育・介護を、生命保険と並び安心を提供する領域として位置づけ、取り組みを強化することにした」

 「保育は地域単位の小規模事業者が多く、横のつながりが生まれにくい。単独では、業務効率化やデジタル投資も進まない。持続的な運営を支える基盤作りを目指し、設立したのが保育イノベーションコンソーシアムだ」

「日本生命は24年、ニチイホールディングスを買収して保育事業に参入した。コンソーシアムで得られた知見を生かし、地域の保育事業者向けに保育士の採用育成や資金支援などの経営支援サービスを提供することを目指している。将来的には、保育事業者を通して地域住民と接点を作り、保険事業に結びつけたいコンソーシアム発足から1年の手応えは。

 「準備、体制作りの1年だった。活動の軸となるステートメントを策定し、キープレーヤーであるこども家庭庁へも活動状況を定期的に伝えて、コンソーシアムの存在感を示せた。復職支援や共同調達スキームの検討など、来年度の実装に向けた足がかりは築けた」

今後の課題は。

 「社会福祉法人の参加を増やすことだ。00年の規制緩和で株式会社の保育市場への参入が認められたが、依然として運営主体は社会法人が多数を占める。ともに課題に取り組まなければ、根本的な解決にはつながらない。1法人の参加で終わらせるのではなく、賛同の輪を広げていく必要がある」

 「そのためにも、潜在保育士のマッチングやITインフラの構築などを早期に実現し、取り組みへの理解を広げたい。日本生命は保育運営を本業としない立場だからこそ、運営目的の異なる事業者をつなぐハブとして機能し、保育業界全体の発展に貢献していきたい(読売新聞オンライン)

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