保育

保育士の定着対策を成功に導くには

保育士の定着対策を成功に導くためには、まず職場環境の改善が重要です。例えば、働きやすいオフィスづくりや、適切な人員配置を行うことで、保育士の負担を軽減することができます。これにより、保育士が安心して業務に集中できるようになり、離職率の低下が期待できます。

次に、定期的なコミュニケーションを促進することも効果的です。スタッフミーティングや個別面談を通じて、保育士の意見を尊重し、悩みや問題を早期に把握することで、職場内のストレスを軽減できます。さらに、スキルアップの機会を提供する研修制度の導入も重要です。

具体的な成功事例として、ある保育園では月1回の職場改善会議を実施し、保育士の意見を反映した環境づくりを行いました。その結果、離職率が大幅に減少し、保育士たちが長く働き続けられる職場となっています。このような具体的な対策が、保育士の定着に繋がります。

保育士の定着対策の重要性

保育士の定着対策は、単に人材を確保するだけでなく、質の高い保育を提供するためにも非常に重要です。保育士が職場に長く留まることで、子どもたちとの信頼関係が構築され、安定した教育環境が生まれます。子どもたちは、同じ保育士と長い時間を過ごすことで安心感を得ることができ、情緒の発達にも良い影響を与えます。

さらに、定着した保育士がいることで、職場のチームワークも向上します。経験豊富な保育士が新しいスタッフを指導することで、スムーズな業務が進むと同時に、職場全体の雰囲気も良くなります。このような人間関係の構築は、職場の生産性を高める要因となります。

このように、保育士の定着は保育の質を向上させ、組織全体の効率や雰囲気にも良い影響を与えますので、運営者はその重要性をしっかりと認識し、定着対策を積極的に進めるべきです。

高離職率の現状と影響

現在、多くの保育施設では高離職率が問題となっています。特に、保育士の離職率は他の職種に比べて著しく高く、数値としては年々増加傾向にあります。この背景には、過重な労働環境や給与の低さ、やりがいの欠如といった様々な要因が影響しています。

高離職率は、保育士一人一人にとっても深刻な問題ですが、子どもたちの成長にも悪影響を及ぼします。保育士が変わるたびに、子どもたちの慣れ親しんだ環境が不安定になり、それが情緒面での不安を招くことにつながります。更に、頻繁な人員の入れ替わりは、保育士同士のチームワークにも影響を及ぼします。

このように、高離職率は保育施設全体に深い影響を及ぼし、子どもや保護者、そして保育士にとって大きなストレス要因となります。そのため、運営側は、定着対策に取り組むことが急務となっているのです。

保育士の定着に必要な要素

保育士の定着に必要な要素は、様々な側面から考慮するべきです。まず、労働環境の改善が大切です。安心して働ける環境を作ることが、保育士のモチベーションを高めます。具体的には、業務の負担を軽減するための人数配置や、清潔で快適な職場作りが挙げられます。

次に、コミュニケーションの活性化が重要です。上司や同僚との円滑なコミュニケーションが、チームワークを強化します。また、研修や勉強会を通じて、互いのスキルや知識を共有することで、一体感を持てる職場を形成することができます。

最後に、働きやすさを感じるための給与や福利厚生の充実も欠かせません。適切な報酬がなければ、職場に対する満足感が低下し、離職の原因となります。これらの要素を考慮し、実行することで、保育士の定着が促進されるのです。

良好な人間関係の構築

良好な人間関係の構築は、保育士の定着において極めて重要な要素です。特に、職場内での信頼関係やチームワークがあると、保育士は安心して業務に取り組むことができます。保育現場では、チームワークが欠かせないため、日々のコミュニケーションを大切にしましょう。

具体的には、定期的なミーティングを設けることで、意見交換の場を増やすことが効果的です。これにより、職場の問題を早期に解決し、スタッフの意見を尊重する姿勢を示します。また、雑談や軽い食事会なども効果的で、非公式な場でのコミュニケーションを通じて、相互理解が深まります。

さらに、一人ひとりの努力や貢献を認め、感謝の気持ちを伝えることも大切です。小さな成功をお祝いすることで、従業員の満足感や帰属意識が高まり、離職率の低下に繋がるのです。良好な人間関係が築かれる職場は、結果として保育士の定着を促進する環境となるでしょう。

適正な給与と福利厚生

保育士の定着において、適正な給与と福利厚生は非常に重要な要素です。まず、給与面について考えると、保育士の業務の特性を考慮した適正な賃金設定が必要です。業務の負担や責任の大きさに見合った報酬を提供することで、保育士のやる気を引き出し、職場への愛着が生まれます。

また、福利厚生も重要な役割を果たします。育児休暇や産休制度、定期的な健康診断、さらには社員旅行やレクリエーションイベントなど、職場の環境を向上させる工夫が求められます。これにより、保育士が安心して仕事に専念できる環境が整います。

さらに、福利厚生が充実していることで、職場の雰囲気も良くなり、職員同士の絆が深まることにつながります。職場に対する満足感が高まれば、離職率の低下が期待でき、多くの保育士が長く働き続けられる環境が整うのです。

労働時間の改善と適切な休暇

労働時間の改善と適切な休暇は、保育士の定着にとって非常に重要な要素です。特に、長時間労働は心身に負担をかけ、結果として離職の原因になります。ですので、各保育園では労働時間の見直しを行い、残業を減少させるための対策が必要です。

例えば、業務の効率化を図るために、保育士の人数を適切に配置し、業務の分担を明確にすることが考えられます。これにより、各保育士の負担が軽減され、余裕を持った働きの実現が期待できます。また、定期的なシフト調整を行うことで、みんなが公平に休暇を取れるようにすることも大切です。

さらに、休暇の確保も不可欠です。保育士は日々子どもたちと接する仕事であるため、精神的なリフレッシュが求められます。適切な休暇を取得できる環境を整えることで、職員は心身ともに健康を保ち、仕事に対する意欲を向上させることができるのです。このような取り組みを通じて、保育園全体の雰囲気も良くなり、定着率が向上するでしょう。

実践的な保育士定着対策の例

実践的な保育士定着対策には、いくつかの具体的な取り組みがあります。まず第一に、柔軟な勤務体制を導入することです。例えば、シフトの選択肢を増やしたり、時短勤務を可能にすることで、保育士のライフスタイルに合わせた働き方が実現できます。

次に、メンター制度を導入することで、新人保育士が安心して職場に馴染むことができます。先輩社員がサポート役となり、日々の業務や悩みについて相談できる環境が整うことで、心理的な負担が軽減されます。

さらに、業務の効率化を図るためのITツールの導入も効果的です。連絡帳や報告書の電子化によって、業務の負担を減らし、保育士が子どもと向き合う時間を増やすことができます。このような取り組みを実施することで、保育士のモチベーションを維持・向上させ、定着につなげることが可能となります。

職員配置と業務の見直し

職員配置と業務の見直しは、保育士の定着を促進するために不可欠な要素です。まず、適切な職員配置を行うことで、業務の負担を軽減できます。保育士一人当たりの子どもの数を適正化し、経験豊富な職員と新人職員がバランスよく配置されることで、現場の安心感が生まれます。

次に、業務の見直しも重要です。定期的に業務内容を評価し、不要な作業や重複する業務を排除することで、保育士の時間を効率的に使えるようにしましょう。たとえば、書類作成や連絡業務をITツールで効率化することにより、本来の保育業務に集中できる環境が整います。

職員配置と業務の見直しが効果的に機能することで、保育士のストレスが減少し、定着率の向上に繋がるのです。このような取り組みを積極的に行うことが、職場環境の改善へとつながります。

継続的な研修とキャリア支援

継続的な研修とキャリア支援は、保育士の定着を促進するために欠かせない要素です。まず、定期的な研修プログラムを設けることで、保育士が常に最新の知識や技術を身につけることができます。これにより、業務への自信が高まり、スキルアップが図れるため、保育士としての成長を実感しやすくなります。

また、研修の内容を保育士のニーズに合わせてカスタマイズすることも大切です。例えば、実践的なロールプレイやグループワークを取り入れることで、参加者同士の意見交換が活発になり、学びが深まります。このような環境を提供することで、保育士同士の絆も強まります。

さらに、キャリア支援プログラムの導入も有効です。キャリアパスの明確化や、必要なスキルの習得に向けたサポートを行うことで、保育士が将来のキャリアを具体的にイメージできるようになります。このように、継続的な研修とキャリア支援を実施することが、保育士の定着率向上につながるのです。

ICTシステムの導入で効率化

ICTシステムの導入は、保育園における業務効率化に大きな影響を与える可能性があります。特に、日常業務に伴う事務作業や連絡事項の管理においては、ICTツールを活用することで時間を大幅に短縮できます。これにより、保育士は子どもとの関わりにもっと時間を使えるようになります。

例えば、電子連絡帳や保護者とのコミュニケーションツールを導入することで、手書きでのコミュニケーションの手間が省けます。また、業務報告や日誌の入力もデジタル化することで、一元管理が可能になるため、管理者の負担も軽減されます。

具体的に導入するICTシステムは、保育士が使いやすいインターフェースを持っていることが大切です。個々のニーズに応じたカスタマイズが可能なシステムを選ぶことで、現場の声を反映させやすくなります。このように、ICTシステムの導入は、保育士の職場環境を向上させるための一環として非常に効果的です。

成功事例から学ぶ保育士の定着対策

成功事例から学ぶ保育士の定着対策として、いくつかの保育園の取り組みを紹介します。まず、A園では定期的に保育士同士の交流イベントを開催し、チームワークの強化を図っています。この取り組みを通じて、職場の雰囲気が良くなり、保育士同士の信頼関係が深まりました。結果、離職の傾向が大幅に改善されました。

次に、B園では柔軟なシフト制度を導入しています。保育士が自分のライフスタイルに合わせて働けることを重視し、家庭の事情や自己都合を考慮したシフトを組んでいます。これにより、ワークライフバランスが向上し、保育士たちは長期的に働きやすい職場となりました。

最後に、C園ではメンター制度を設けたことが功を奏しました。新たに入職した保育士には、経験豊富な先輩がフォローに入ることで、業務に早く馴染める環境を整えています。このようなサポート体制が、定着率向上に繋がっています。

実際の成功事例とその効果

実際の成功事例とその効果を見ていきましょう。D園では、職場環境の改善に重点を置きました。具体的には、疲れを癒すリフレッシュルームを設け、休憩時間をしっかりと確保することに努めました。この取り組みにより、保育士たちのストレスが軽減され、職務へのモチベーションが高まった結果、離職率が40%減少しました。

また、E園では外部講師を招いた定期的な研修を実施しています。新しい保育手法やコミュニケーションスキルを学ぶことができるため、保育士のスキルアップだけでなく、仕事への自信も増しました。この結果、保育士たちの職場に対する満足度が大きく向上し、長く勤務する意欲が高まっています。

このように、具体的な対策を講じることで、保育士の定着率を向上させることができるのです。成功事例から得られる教訓は、他の保育園でも役立つことでしょう。

成功事例から得られる教訓

成功事例から得られる教訓として、まず「コミュニケーションの重要性」が挙げられます。A園のように定期的な交流イベントを実施することで、保育士間の連携が強化され、職場の雰囲気が改善されます。コミュニケーションが活発になることで、保育士が感じるストレスも軽減し、離職率の低下に繋がるのです。

次に、「フレキシブルな働き方の導入」が大切です。B園の例のように、保育士のライフスタイルや家庭の事情を考慮することで、働きやすい環境が整います。自分のペースで仕事ができることで、保育士は職場に対しての満足度が高まり、長く在籍する意欲が高まります。

最後に、「メンター制度の導入」が効果的です。C園の成功例からも明らかなように、新入職員に対して経験者がサポートを行うことで、不安感を軽減し、早期の業務適応が可能となります。このようなサポート体制は、定着率を高める大きな要因となります。

まとめ

保育士の定着対策においては、多面的なアプローチが求められます。まず、働きやすい環境を整えることが最優先です。職場の物理的な面だけでなく、職場文化や人間関係も重要な要素なのです。

次に、コミュニケーションの促進が不可欠です。定期的に意見を聞く場を設けることで、保育士が感じている問題を早期に発見し、適切な対策が打てるようになります。

さらに、成長の機会を提供することで、保育士のモチベーションを高めることができます。スキルアップのための研修や勉強会を積極的に実施し、長期的に働ける環境を作りましょう。

最後に、成功事例を参考にしながら自園に合った対策を見つけ、実行することが重要です。保育士が満足できる職場作りを目指して、これらの対策を考慮してみてください。

令和8年度 保育士平均賃金が1,229円に上昇。(厚労省)

厚生労働省が2025年8月25日に公表した「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和8年度適用)」によると、保育士の平均賃金は1,229円となり、令和7年度の1,186円から43円増加しました。(注1)

「一般労働者の賃金水準」は、厚生労働省が公表する職種別の平均賃金都道府県ごとの地域指数を掛け合わせることで算出され、各地域の賃金基準として活用されています。

都道府県別では、東京都が1,370円(地域指数111.4%)と最も高い水準となりました。(表①②参照


 

 

 

 

 

 

 

 

 


保育園で進む“サブスク” 保護者にとっては『神プラン』保育士も『負担軽減』 荷物なしで登園できる!?

準備するのも、持参するのも大変な「保育園の荷物」。

写真は、RKK熊本放送の記者が子どもを登園させている様子です。おむつと着替えなどでバッグはパンパン、なかなか歩かない子どもを抱える手で、傘も持ち、登園だけでクタクタ...。そんな経験がある人も、少なくないと思います。

このような中、子どものおむつなどを定額で使い放題にするサービスが広がりをみせています。

保護者が持参する荷物「ゼロ」

朝、多くの荷物を持っているはずの保護者が「手ぶら」で登園。

熊本県合志市の認可外保育園では、子どもの荷物を持参しなくてもいい取り組みを6年前から始めました。

子どもたちが園で使うおむつやタオルなどは保護者が準備するのが一般的ですが、これらを園で用意することで、保護者が毎日持ってくる荷物を「ゼロ」にできるというものです。

3児の母親「最初は違う園に通っていたけれど、布団とかも毎週持って帰らないといけなくて。雨の日とか子どもを抱えて、布団を持ってと大変だったので、それが一切ないので助かっています」

さらに精神的にも負担が少ないといいます。

3児の母親「準備ってなるとあれしなきゃ、これしなきゃ、あれを買わなきゃって追い詰められていくので、それが一切ないのでとても育児が楽です」

豊岡ゆうすい保育園 北嶋伸悟園長「登園するときに荷物も準備するのは大変。そこをできるだけ軽くしたいというところが一番の目的です」

「サブスク」で、泥んこ遊びも心配無用?

さらに驚きなのが、この園では着替えも持参不要という点。月額6600円支払うことで、おむつや着替えなど全てのサービスを受けることができます。

3児の母親「プラス料金はかかってしまうんですが、それでも子どもとの時間が取れるし、ズボンが汚れたり破けたりして買い替えもするので、そういったことを考えると全然いい値段なのかなと」

取材した日の活動は、子どもたちの大好きな泥んこ遊び。子どもたちは泥遊び用の洋服を自分で選んで着替えます。

保育士「ズボンも選んだ?ズボンも選んでね」

着替えを済ませたら・・・いざ、保育園近くの畑へ!お待ちかねの泥んこ遊びです。

約1時間、思う存分遊んだ子どもたちの洋服は泥だらけ。

多くの保護者は洗濯物を気にする所ですが、心配は無用です。汚れた服は、洗濯カゴにいれて園で洗濯します。

「心のゆとり」は保育士にも

この制度は、保護者だけでなく保育士の負担を減らすことも狙いだといいます。

保育士「きょうみたいな泥遊びの時も保護者に『汚れてしまってすみません』って言わなくていい。他の園だと、誰の荷物か名前チェックをしないといけないけれど、そういう細かいことをしない分、子どもたちと一緒に遊ぶ時間が取れる」

北嶋園長「子どもの関することは保育士がメインでやる。洗濯などは僕もできるので、業務のすみわけができる」

こども家庭庁の調査では、保育施設の80.3%が保育士などの人材不足を感じています。

人材不足によって子どもを定員まで受け入れられなかったり、保育士が休暇を取る際の調整で苦労したりするなどの声が上がっています。

北嶋園長「保育士の時間もそうですけど、保護者を完全手ぶらにすることで、家での準備が減っている。その分、子どもとゆっくり関われる。ちょっとした心のゆとりは子育てに大きく関わると思うので」

さらに踏み込んだサービスを「売り」にしている保育園もあります。

保護者から『神プランです!』

熊本市の認可外保育園です。0歳から2歳までの15人が通っています。

こちらの園では、おむつが必需品となる0歳から2歳に「無料」でおむつを提供しています。

ニチイキッズほたくぼ保育園 湯山さえ子園長「保護者から『神プランです!』と喜びの声を頂いている。おむつも今は高いですよね。園で準備することで保護者の経済的負担も軽くなったという声を頂いています」

保護者は「おむつ1枚1枚に名前を手書きして持参する」という手間が無くなり、保育士も「おむつの個別管理」という手間が省けます。

この作業をなくすことで、保育士の作業やストレスの軽減にも繋がっているといいます。

湯山園長「はかせ間違いがあってはいけないので確認していた。枚数を気にしなくていいことなど、気楽に替えられるようになったことが業務の効率化に繋がっていると思います」

保護者と保育士の負担軽減。これからの保育施設選びの1つの基準になるかもしれません。

おむつサブスク「月額800円」の自治体も?

保育園での「サブスク」は全国100以上の自治体が導入していて、試験運用中という自治体も多いようです。

広島市では今年4月から、全ての公立の園で「おむつサブスク」の導入を推奨しています。

さらに、サブスク料金の一部を助成する自治体もあります。

宮崎県高原町では今年4月から県と町が助成しているため、月額2400円のうち3分の1の800円を保護者が負担する仕組みになりました。

これは、南海トラフ巨大地震などの災害に備えて保育施設に一定量のおむつなどを備蓄しておけるメリットもあるということです。(TBSニュース配信)

 

 

 

 

甘い点をつけるのは優しい上司?

「あの上司はやさしいから、評価はいつも甘いんだよね」

このような話を良き聞きますが、はたしてこのように甘い点を津得る上司は本当に優しい上司でしょうか?

私は評価者研修などでよくこのような問いかけをします。そして少し辛辣な意見になるかもしれませんが、こういいます。「それは優しいからではなく。自分がよく見られたいからです。本当に優しい上司であれば、出来ていない点に良い点数はつけないはずです。問題があることをそのままにすれば、その場では部下から「良い点をつけていただきありがとうございます」と感謝されるかもしれません。でも課題は課題のままスルーされているのです。

 課題の改善はいつまでもできないまま、年月を重ね、その上司の元では気づかれないかもしれませんが、上司がかわったりしたとき新しい上司になった人から

「なんで、この人はこの年齢なのにこれができないままなの?」と言われてしまうのです。本当に優しい上司であれば、早めにそれを指摘し、指導教育し頑張るように促すのではないでしょうか。

甘い点を付けるのは、部下の為ではなく、部下からよく見られたい、気に入られたい、低い評価をして社長から説明を求められたりするなど面倒なことは先送りしたい、といった自分自身のためにしているのではないでしょうか。

Q:管理監督者に残業代などを支給せず、遅刻や欠勤時のみ給与を減額する運用に問題はありますか?

A 労働基準法41条の除外規定として、労基法上の管理監督者は深夜業務を除く、労働時間に関する規定は適用されないと定めています。まずは、労基法上の管理監督者とはどのよう方を指すのかを確認しておきたいと思います。ここでいう、「管理監督者」とは下記の要件を全て満たす方を指します。

1,人事権を持ち、事業経営にも参加している(ここでいう人事権とは、いわゆる異動を含む人事権で、人事評価しているだけでは不十分)

2,自分自身の勤務時間について自由裁量が認められている

3、一般社員と比べて、十分な報酬を得ている

 れらの3点を、勤務の実態として適用されている必要があります。単に役職名では判断できません。つまり休日、時間外労働の規制をうけない「管理監督者」に該当するかどうかは、具体的な権限や給与、勤務実態で判断が必要ということになります。

例えば、多くの介護事業所ではシフト勤務で勤怠管理を行っていますが、常態として勤務シフトに入っている働き方をしているような管理者がいた場合、勤務時間の自由裁量がないと判断され、管理監督者ではなく、一般社員とみなされる可能性もあります。

先ほど、管理監督者に該当するか否かを判断するときに、単に役職名での判断ではなく、勤務の実態で判断しなければならないとしましたが、多くの介護事業では職責(役職)で、それを判断している場合が多い上に、介護保険制度における「管理者」と労基法における管理監督者を混同してしまうケースもあるので注意が必要です。一般的には、理事長、社長、施設長、事業所長、事務長くらいまでの立場の方がそれに該当するケースが多いと考えられます。もし、それ以下の役職の方(例えば、主任、副主任やリーダー等)を管理監督者の扱いにして残業代などを支給していない場合は、一度、その方の業務や給与の実態を確認してみる必要があると思います。その結果、管理監督職に該当しない方に、残業手当等を支給していない場合には、労基署からは残業代未払いの扱いとして、「3年間分を遡及して」支払うといった是正勧告を受けるリスクがあります。

 

 2,また、管理監督者には残業代は支給されませんが、勤務時間管理自体は必要となります。これは、給与計算上の必要性ではなく、管理監督者の健康管理の問題によるものです。管理監督者はその責任の重さから、過重労働になってしまうケースは相変わらず多く、それが深刻化するとメンタル疾患につながる場合も見られます。従って、経営者や人事担当者は

  管理監督者の労働時間には常に注意を払い、管理監督者の健康管理に十分注意することが重要です。

 

 3,さて、今回ご質問のあった管理監督者における遅刻・早退・欠勤に関する給与の扱い

についてですが、その方が管理監督者に該当することを前提とした場合に、先述の要件

の「勤務時間の自由裁量」の点が問題になります。

  つまり、管理監督者は勤務時間に裁量が認められていることから、始業時刻から遅れて

出社(遅刻)しても給与減額扱いにはなりませんし、また終業時刻より遅くなっても残

業手当はつかないことになります。

ただ、欠勤の扱いにつきましては、管理監督者であっても「就業義務」自体はありますので、その義務が果たされない場合に該当すると判断され、給与も欠勤控除として減額することになります。

園の課題解決に国内最大級の保育・教育フェ

メッセフランクフルト ジャパン株式会社(代表取締役社長:梶原靖志)主催の保育・教育ビジネス&サービスフェア「保育博2025」が、2025年11月20日(木)-21日(金)の2日間、東京都立産業貿易センター 浜松町館で開催されます。昨年から展示規模を拡大し、今年は約200社の出展が確定。展示エリアは、学習教材、遊具・玩具、保育、インクルーシブ(発達支援)、食育、ICT、人材の7つのゾーンで構成され、多岐にわたる製品やサービスを一堂に比較検討できます。保育園・幼稚園・こども園などの多様な課題解決に役立つほか、会場内の発達支援相談コーナーでは、専門家に直接相談できる貴重な機会も提供します。

「保育博2024」の展示エリア(左)とセミナーエリア(右)

経営・保育業務に役立つセミナー

経営課題や日々の業務に役立つセミナーや研修・ワークショップも併催されます。保育業界で活躍する親野智可等氏、てぃ先生、大豆生田啓友氏らが登壇する「マネジメントセミナー」、「エデュケーショナルセミナー」、「研修・ワークショップ」は、2日間で計19本を予定しています。すべて聴講無料で、希望者には「受講修了証」の発行も可能です。なお、研修・ワークショップのみ公式サイトからの事前予約が必要です。

<マネジメントセミナー>

11月20日(木)10:30-11:30

「叱らなくても子どもは伸びる ~目から鱗の保育と教育~」

教育評論家 親野智可等氏

<マネジメントセミナー>

11月20日(木)15:30-16:30

「てぃ先生が伝える 『これからの保育士としての働き方・考え方』」

現役保育士・育児アドバイザー てぃ先生

<マネジメントセミナー>

11月21日(金)10:30-11:30

「人材不足時代を乗り越える!保育士活用と働き方改革の実践」

(福)風の森 統括 野上美希氏

<エデュケーショナルセミナー>

11月20日(木)14:30-15:30

「バズる!保育の魅力を広げるインスタ活用法」

保育系インフルエンサー ゆな/元保育士あかね/ちょぼ/ぽっくる先生

<エデュケーショナルセミナー>

11月21日(金)14:00-15:00

「省力化だけじゃない!大豆生田先生と探る“ホントの保育AI”」

(株)コドモン プロダクト開発本部 プロダクト企画部長 重山由香梨氏

保育園キャリアパス要件評価制度の解説と重要性

保育園キャリアパス要件評価制度は、保育士のキャリア形成を支援する重要な仕組みです。これにより、保育士は自分の成長を計画的に進めることが可能になります。

さらに、この制度は保育園全体の質の向上にも寄与します。具体的には、評価基準を明確にすることで、保育士の士気を高め、専門性を向上させることができるのです。キャリアパスに基づく明確な評価があることで、保育士の職務に対する理解と満足度も向上します。

保育園キャリアパス要件とは

キャリアパス要件の基本概要は、保育士が各自の成長を目指すための体系的な指針です。これは、研修プログラム、専門資格、実務経験など、様々な要素で構成されています。保育士は、これらの要件をクリアすることで、より高い役職や専門分野に進むことができます。具体的には、キャリアアップに必要なスキルを身につけるためのステップが示されています。これにより、保育士は自信を持ってスキル向上に取り組むことができ、保育園の質を高めることが可能になります。

処遇改善加算とキャリアパス要件の関連性

処遇改善加算は、保育士の給与や待遇を向上させるための制度です。この加算を受けるためには、キャリアパス要件の達成が求められます。つまり、保育士が自らのスキルや知識を高めることが、処遇改善に直結するのです。キャリアパス要件が設定されることで、保育士は職業の成長を実感しやすくなります。また、取得した資格や経験に基づいて処遇が改善されるため、保育士のモチベーション向上にもつながります。このように、処遇改善加算とキャリアパス要件は相互に関連し、保育士の職業的成長を支える重要な要素であると言えるでしょう。

キャリアパス要件の作成と実施

キャリアパス要件の作成手順は、いくつかのステップを経て進めることが重要です。まず、現場で必要とされるスキルや知識を整理し、保育士の職務内容を洗い出します。この段階で、現役の保育士や管理職の意見を取り入れることが大切です。次に、洗い出した要件をもとに、具体的な評価基準を策定します。達成すべきスキルや経験年数、研修の受講状況などを明確にすることで、目指す方向性を示すことができます。最後に、この評価制度の運用方法や評価の結果をフィードバックとして活用し、制度を定期的に見直すことが重要です。こうした手順を踏むことで、効果的なキャリアパス要件を築くことができるのです。

作成時の注意点

キャリアパス要件を作成する際には、いくつかの注意点があります。まず、現場の実情をしっかりと理解することが重要です。保育士の意見やニーズを反映させることで、実効性のある要件を設定できます。次に、評価基準は明確かつ具体的にする必要があります。曖昧な基準は評価への不信感を招く恐れがあります。さらに、多様なキャリアパスを考慮することも大切です。保育士はそれぞれ異なるキャリア志向を持っているため、柔軟性のある制度設計が求められます。これにより幅広い人材の育成につながるでしょう。

キャリアパス要件の改善と見直し

キャリアパス要件の改善と見直しは、保育園の人材育成にとって不可欠です。時代や社会の変化に伴い、求められる保育士のスキルや知識も変化しています。このため、既存の評価基準を定期的に見直し、時代に即した内容にすることが重要です。

具体的には、保育士の業務内容を詳細に分析し、それに基づいた新たな要件を設定することが求められます。また、保育士自身の意見も反映させることで、より実践的で納得のいく評価制度を実現できるのです。これにより、保育士の意欲も高まり、保育園全体のサービス向上につながります。

キャリアアップ研修との違い

キャリアアップ研修は、保育士が専門性を高めるための教育プログラムです。これに対し、キャリアパス要件評価制度は、保育士の業務や成果に基づく正式な評価の仕組みです。つまり、キャリアアップ研修はスキルを向上させるための手段であるのに対し、キャリアパス要件評価制度はそのスキルを活かして職業の評価や処遇を決定するための基準を提供するものです。両者は相補的な関係にあり、研修を受けることで得た知識や技術が、評価制度でより良い評価を受ける動機付けとなります。その結果、保育士のキャリア形成が促進され、業界全体の質の向上にも寄与するのです。

評価制度の必要性とその効果

評価制度は保育士の専門性を向上させるために必要不可欠です。明確な評価基準を設定することで、保育士は自分の成長を意識でき、具体的な目標に向かって努力することができます。これにより、保育士一人ひとりが自己成長を実感しやすくなります。また、評価制度は保育園全体の質を引き上げる効果があります。職員のスキルや業務の向上は、直接子どもたちの保育の質に影響を与えるため、制度を導入することは保育園の信頼性向上にも繋がります。結果として、保護者からの評価も向上し、保育園の魅力が増します。これらの点から、評価制度は保育士にとっても、保育園全体にとっても非常に重要です。

具体的な評価基準と項目

保育園キャリアパス要件評価制度における具体的な評価基準は、保育士の成長を支えるために重要です。主な評価項目には、業務遂行能力、専門知識の深さ、コミュニケーション能力、そしてチームワークの評価が含まれます。業務遂行能力は、保育士が日々の業務をどれだけ効果的にこなすかを示す指標です。専門知識は、子どもへの対応や教育理論の理解度を測ります。また、コミュニケーション能力やチームワークは、保育士が園内でどれだけ円滑に業務を進められるかに直結します。これらの項目を通じて、保育士自身の成長方向を明確にし、計画的にキャリアを築くことが可能になります。

評価結果のフィードバックと改善方法

評価結果のフィードバックは、保育士の成長に欠かせない要素です。定期的なフィードバックを通じて、保育士は自分の強みや改善点を把握できます。これにより、自己成長の方向性を明確にすることができるのです。また、フィードバックは一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが重要です。保育士が自らの意見や疑問を簡単に伝えられる環境を整えることが、より効果的な改善方法の一つです。こうした取り組みが、保育園全体の質を向上させることにつながります。

導入前後の比較

キャリアパス要件評価制度を導入する前は、保育士の評価基準が不明確で、各職員がどのように成長すべきか分からない状況がありました。このため、保育士自身がモチベーションを維持するのが難しかったのです。一方、制度を導入した後は、明確な評価基準が設定され、各保育士のキャリアステップが可視化されました。これにより、職員同士のコミュニケーションが向上し、チーム内での協力も促進されました。成果が目に見える形で現れるため、保育士のやる気も大幅に改善されています。このような比較からも、制度の重要性が理解できます。

まとめ

保育園キャリアパス要件評価制度は、保育士の成長に寄与する重要なフレームワークです。この制度を導入することにより、保育士は自分のキャリアを計画的に形成しやすくなります。また、評価基準が明確になることで、保育士間の公平性が担保され、モチベーションの向上にもつながります。結果として、園全体の教育環境の質が向上し、より良い保育サービスを提供できるようになります

園の課題解決に国内最大級の保育・教育フェア

 

メッセフランクフルト ジャパン株式会社(代表取締役社長:梶原靖志)主催の保育・教育ビジネス&サービスフェア「保育博2025」が、2025年11月20日(木)-21日(金)の2日間、東京都立産業貿易センター 浜松町館で開催されます。昨年から展示規模を拡大し、今年は約200社の出展が確定。展示エリアは、学習教材、遊具・玩具、保育、インクルーシブ(発達支援)、食育、ICT、人材の7つのゾーンで構成され、多岐にわたる製品やサービスを一堂に比較検討できます。保育園・幼稚園・こども園などの多様な課題解決に役立つほか、会場内の発達支援相談コーナーでは、専門家に直接相談できる貴重な機会も提供します。

経営・保育業務に役立つセミナー

経営課題や日々の業務に役立つセミナーや研修・ワークショップも併催されます。保育業界で活躍する親野智可等氏、てぃ先生、大豆生田啓友氏らが登壇する「マネジメントセミナー」、「エデュケーショナルセミナー」、「研修・ワークショップ」は、2日間で計19本を予定しています。すべて聴講無料で、希望者には「受講修了証」の発行も可能です。なお、研修・ワークショップのみ公式サイトからの事前予約が必要です。

<マネジメントセミナー>

11月20日(木)10:30-11:30

「叱らなくても子どもは伸びる ~目から鱗の保育と教育~」

教育評論家 親野智可等氏

<マネジメントセミナー>

11月20日(木)15:30-16:30

「てぃ先生が伝える 『これからの保育士としての働き方・考え方』」

現役保育士・育児アドバイザー てぃ先生

<マネジメントセミナー>

11月21日(金)10:30-11:30

「人材不足時代を乗り越える!保育士活用と働き方改革の実践」

(福)風の森 統括 野上美希氏

<エデュケーショナルセミナー>

11月20日(木)14:30-15:30

「バズる!保育の魅力を広げるインスタ活用法」

保育系インフルエンサー ゆな/元保育士あかね/ちょぼ/ぽっくる先生

<エデュケーショナルセミナー>

11月21日(金)14:00-15:00

「省力化だけじゃない!大豆生田先生と探る“ホントの保育AI”」

(株)コドモン プロダクト開発本部 プロダクト企画部長 重山由香梨

 

「保育博2025」の最新情報は、以下にてご確認ください。

公式サイト:https://hoikuhaku.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja.html

公式インスタグラム:https://www.instagram.com/hoikuhaku_mfjp/

公式フェイスブック:https://www.facebook.com/hoikuhaku

【園長は是非、知っておいてください】保育園における変形労働時間制の運用方法

保育園における変形労働時間制の運用方法について説明いたします。変形労働時間制とは、一定の期間内に労働時間を変更しながら勤務を行う制度です。特に保育園では、保護者のニーズに応じた柔軟な対応が求められます。運用する際には、まず労働者との合意が必要です。勤務シフトの策定には、日々の保育活動や行事の計画を考慮に入れることが重要です。また、変形労働時間制の適用には法律の理解も不可欠です。法律に従った適切な運用を心がけることで、働く環境を整えることができるのです。さらに、労働時間や休憩時間の管理を徹底し、職員の負担軽減を図ることが大切です。保育士が働きやすい環境を整えることで、質の高い保育が実現できるでしょう

変形労働時間制の基本

変形労働時間制の基本についてお話しします。この制度は、一定の期間内に労働時間を変えることができる柔軟な仕組みです。例えば、1ヶ月の労働時間が法定の160時間に収まるように、通常の労働時間を調整することが可能となります。保育園では、子どもたちの登園・降園時間に合わせて、保育士の労働時間を変形させることがよくあります。このように、保護者のニーズに対応しながら、職員の労働条件も改善することができます。ただし、変形労働時間制を導入する場合、労働者との合意形成が必要です。さらに、労働基準法に従ったシフト作成を行い、適正な労働条件を維持することが求められます。この制度を適切に活用することで、保育士の働きやすさと保育の質向上を目指すことができるのです。

保育園における変形労働時間制の導入プロセス

保育園における変形労働時間制の導入プロセスには、いくつかの重要なステップがあります。まず最初に、導入の目的や必要性を確認することが大切です。保護者のニーズや保育園の運営状況を考慮して、働き方を見直す必要があります。次に、職員との十分なコミュニケーションを図りましょう。変形労働時間制の導入に関する説明会を開催し、意見や疑問を募ることが重要です。職員が制度の利点を理解し、納得して導入することが、制度の成功に繋がります。そして、具体的なシフト作成を行います。勤務シフトは、施設の運営状況や職員の希望を考慮しつつ、法令を遵守して作成しましょう。適切な休憩時間の設定と、労働時間の管理も大切です。最終的には、導入後の運用状況を定期的に見直し、必要に応じて改善策を講じることが求められます。これにより、変形労働時間制を効果的に活用できる環境が整えられるでしょう。

従業員への説明と教育

変形労働時間制の導入にあたって、従業員への説明と教育は欠かせません。まず、制度の概要や目的をしっかりと伝えることが重要です。具体的なメリットや働き方の柔軟性を示すことで、職員の理解を深めることができます。これにより、働く環境がどのように改善されるのかを具体的にイメージしやすくなります。次に、変形労働時間制に伴うルールやシフトの決定プロセスについても、丁寧に説明しましょう。例えば、シフトの作成方法や変更の対応について説明すると、従業員は自身の働き方に関する疑問を解消できます。また、教育プログラムを通じて、労働時間管理の重要性や自己管理の手法を学ぶ機会を設けることも有効です。こうした取り組みを行うことで、従業員の理解が深まり、更なる職場の活性化に繋がるでしょう。

1カ月単位の変形労働時間制

1カ月単位の変形労働時間制について詳しく見ていきましょう。この制度は、1カ月の労働時間を一定に保ちながら、月ごとに労働時間を調整できるものです。特に保育園においては、保護者の利用状況や行事の影響を受けやすいため、非常に有効に機能します。まず、月初めにシフトを計画し、職員と確認を行うことが重要です。これによって、労働者は自分の勤務予定を把握しやすくなり、プライベートの調整もしやすくなります。また、繁忙な時期には早めにシフトを長く設定し、閑散期には短くすることで、労働者の負担を軽減できます。さらに、労働時間の記録管理を徹底することも欠かせません。毎日の労働時間を正確に記録することで、法律の要件を満たしつつ、安心して働ける環境を保つことができます。正確な管理が、信頼できる職場作りにつながるのです。

1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制について説明いたします。この制度は、特定の期間内における労働時間を柔軟に運用できるため、保育園に特に適していると言えます。例えば、保育園では年度ごとに行事が多い春や秋に労働時間を増やし、反対に夏休みや年末年始などの閑散期に労働時間を短縮することが可能です。また、1年単位の変形労働時間制では、年間の総労働時間を設定し、その範囲内で労働時間を調整します。このため、職員一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。例えば、子育て中の職員は、子供の学校行事に合わせてシフトを設定することができるのです。<ただし、運用にあたっては、事前に労働者との十分な協議が必要であり、トラブルを未然に防ぐためにも、法律に基づいた運用を徹底することが重要です。このように、1年単位の変形労働時間制をうまく活用することで、保育現場の効率化と職員の働きやすさを両立させることができるでしょう。

メリットとデメリット

メリット

変形労働時間制には多くのメリットがあります。最も重要なのは、保育士が働く時間を柔軟に調整できることです。これにより、保育士は家庭の事情や個別のライフスタイルに合わせてシフトを選べるため、働きやすい環境が整います。さらに、保育園においては保護者の利用時間が多様です。変形労働時間制を導入することで、保護者の希望に応じた適切な保育サービスを提供できるため、利用者の満足度向上にも繋がります。結果として、保育園の利用者が増える可能性もあります。また、保育士同士のシフト調整がうまくいけば、協力的な職場環境が築かれます。これにより、チームワークが向上し、より良い保育が実現できるのです。変形労働時間制は、保育員の働きやすさと保護者のニーズを両立させる非常に効果的な制度だと言えるでしょう。

デメリット

変形労働時間制にはデメリットも存在します。まず一つ目は、シフトが不規則になることで、保育士の生活リズムが乱れる可能性があることです。特に、深夜勤務や早朝勤務が含まれる場合、十分な睡眠時間を確保できず、心身に悪影響を及ぼすことがあります。次に、職員間でのコミュニケーションの難しさが挙げられます。シフトが異なるため、情報共有が不十分になり、連携が取りづらくなることがあります。これが原因で、突発的なトラブルが発生した場合の対応が難しくなり、保育業務に支障をきたすことも考えられます。さらに、職員の負担感が高まる点も懸念されます。変形労働時間制によって、勤務時間が長くなることがあるため、適切な休暇を確保しないと、疲労やストレスが蓄積されます。このような状況が続けば、職員の離職率が上がるリスクもあるため、注意が必要です。以上のように、変形労働時間制のデメリットは多岐にわたりますが、これらを理解した上で対策を講じることが重要です。

労務管理のポイント

労務管理のポイントについてお話しします。変形労働時間制を導入する際、まず大切なのは、労働時間の把握です。労働者の勤務時間やシフトを明確に記録し、労働基準法に則った管理を行うことが求められます。これにより、法令違反を防ぎ、給与計算や手当の支給にもスムーズに対応できます。次に、職員間のコミュニケーションを重視することです。シフトの変更や有給休暇の取得について、事前に話し合いを持つことで、職員の満足度を高めるだけでなく、信頼関係の構築にもつながります。さらに、定期的に労働環境についての意見を集めることで、問題を早期に把握し、改善策を講じることが可能です。最後に、労働者への教育も重要です。変形労働時間制の運用に関する基礎知識や注意事項を定期的に研修し、職員の理解を深めることで、より良い職場環境を実現することができます。

よくある問題と解決策

変形労働時間制の運用においては、いくつかのよくある問題が存在します。その一つが、シフトの調整が難しいことです。特に、急な欠勤が発生した場合、他の職員に負担がかかることがあります。この問題の解決策としては、あらかじめ予備の職員をリスト化し、急なシフト変更に対応できるようにしておくことが有効です。また、定期的に職員全体でシフトの見直しを行い、余裕を持った管理体制を整えることも大切です。さらに、勤務時間が不規則になることによる疲労感も問題です。職員の心身の負担を軽減するために、適切な休憩時間を設け、定期的にストレスケアの研修を行うことで、職員がリフレッシュできる機会を持つことが重要です。これにより、保育園全体の士気向上にもつながるでしょう。

成功事例

成功事例として、ある都市型保育園の取り組みをご紹介します。この保育園は、変形労働時間制を導入したことで、保護者にとって便利で、かつ職員にとって働きやすい環境を実現しました。具体的な運用方法として、朝の時間帯に需要が高いことを受けて、保育士の出勤時間を前倒しし、早朝保育を充実させました。その結果、朝早く出勤する保護者に対応できるだけでなく、職員も比較的早めに業務を終えることができています。また、保育士同士のコミュニケーションを密にするために、定期的なミーティングを設け、シフト調整の際の意見や要望を集めています。これにより、労働環境の改善だけでなく、職員間のチームワークも向上しました。この取り組みは、保護者からの喜ばしいフィードバックを受けており、職員の長期的な定着率向上にもつながっています。

まとめ

保育園での変形労働時間制の運用について、まとめます。変形労働時間制は、保育士が多様なニーズに応えるための柔軟な勤務制度です。これにより、保護者の求める時間に合わせた保育が可能となります。制度を上手に運用することで、職員の働きやすさが向上し、保育の質も高まるでしょう。ただし、運用には注意が必要です。労働者との合意や法律の理解を深めることは必須です。また、適切なシフトの作成を行い、労働時間や休憩時間をしっかり管理することで、職員の負担を軽減することが求められます。最後に、保育園がこの制度を導入し成功させるためには、社労士等労務の専門家に支援をしてもらいながら運用することは重要です。なぜなら、変形労働制の運用面では専門的な知識が必要なケースも多いためです。保育園の円滑な運用を目指し、積極的に改善を図っていくことが大切です。

Q、当施設は職員の中途採用が多く、入職時期もバラバラです。有給休暇の付与に関しては、個人の入社日ごとに付与する方法を採用していますが、事務対応の煩雑さから付与日を統一することを検討しています。その場合、留意すべき点はどのようなことがありますか?

 

A,

有給休暇の基準日を一律に定めて付与することを「斉一的取り扱い」と言いますが、前提条件となるのが、「前倒しで付与する」ことです。例えば、41日を基準日と定める場合、91日入職した職員は、6か月継続勤務すれば翌年の31日に10日の有給取得の権利が発生します。この場合、基準日を統一し41日に繰り下げての付与(入職から7か月目の付与)は認められません。有給休暇の斉一的取り扱いについては、下記の要件を満たす必要があります(平成6.1.4基発1号、平成273.31基発033114

  • 斉一的取り扱いや分割付与により、法定の基準日以前に付与する場合の年次有給休暇の付与要件である8割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。
  • 次年度以降の有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じまたはそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。

しかし、基準日を前倒しで繰り上げるため、入職時期によりどうしても不公平が生じてしまいます。ここをどのように考えるかがポイントになります。それでは、その代表的な対応とその留意点を下記致します。

①基準日を月初などに統一する

入社が月の途中であっても、基準日を月初などに統一します。例えば、同じ月に採用した方の基準日を月初に統一することにより、統一的な管理が可能となります。この場合、

5日取得させる期間も月ごとに統一できることになります。

② 基準日を「年2回」とする緩和策をとるケース

例えば、41日と101日の2回に統一する方法もあります。全職員同一の基準日に統一するよりは、入職時期による不公平感が軽減できます。41日から930日までに入職した職員の基準日は101日に10日付与し、101日から331日までに入職した職員は41日に10日付与します。以後、それぞれ41日と10月1日を基準日としていきます。この場合、71日入職者の8割出勤の考え方は以下のようになります。

6か月継続勤務後の本来の基準日である11日から短縮された3か月(10月~12月)

は全期間出勤したものとみなし、この期間を含めて71日から1231日までの6か月間で、8割以上出勤したかどうかを計算します。

基準日の統一は前倒し付与が原則の為、41日入職者は6か月後に10日付与され、91日入職者は1か月後に付与される不公平感は残りますが、年1回と比較すれば、不公平感は緩和されているのではないでしょうか。

 

③分割して前倒し付与したら次年度基準日も繰り上げる

施設によっては、入職と同時に10日付与するケースや、「入職3か月後(使用期間終了後)に3日付与、6か月後に7日付与」と分割して付与するケースがあります。分割して付与する場合も先の行政解釈(上述(2))にあるように、前倒し付与したら次年度の基準日も繰り上げます。

例えば41日入職者に、使用期間終了後の71日に3日付与し、101日に7日付与した場合、次年度に11日付与する基準日は本来の付与日(101日)から1年経過後ですが、初年度の3日分を3か月繰り上げて付与したため、次年度の基準日も同様に3か月繰り上げ、「7月1日から1年経過後」に11日付与することになるわけです。この点も注意をしながら前倒しのルールを検討していく必要があります。

 

                                    以上

お電話でのお問い合わせ

03-6435-7075(平日9:00~18:00)

営業時間外のお問い合わせはこちらから

相談・ご依頼の流れはこちら

YouTube チャンネル

メールマガジン無料登録

当社代表林正人の著書『社労士が書いた 介護「人材」の採用・育成・定着のための職場作り』が出版されました。

SRPⅡ認証は、社会保険労務士事務所の「信用・信頼」の証です。
社労士法人ヒューマンスキルコンサルティングは、全国社会保険労務士会連合会より社会保険労務士個人情報保護事務所として認証を受けています。【認証番号第1602793号】
→SRPⅡ認証(全国社会保険労務士連合会)
menu