Q 結婚のため氏名が変わる職員がいます。施設内では、本人の希望に基づき旧姓を名乗ることを認めますが、これに関連して行っておくべき社会保険等の手続きはありますか? なお、当施設は協会けんぽに加入しています。

 

A

職場で旧姓を名乗る場合であっても、健康保険では、新たな氏名の健康保険被保険者証(以下、保険証)が交付されます。直ちに行うべき氏名変更等の社会保険の手続きはありませんが、新しい保険証が届いたときには、旧姓の保険証を回収し、日本年金機構への返却が求められます。

詳細解説

1.社会保険(健康保険)の手続き
 保険証の氏名は原則、戸籍上の氏名で表記されます。以前は、氏名が変更となった場合に氏名変更の届出をする必要がありましたが、現在はマイナンバーと基礎年金番号の紐づけにより、届出をすることなく新たな氏名の保険証が発行され、施設へ届きます。新しい保険証が届いた後に、古い保険証を職員から回収し、日本年金機構に返却します。
 なお保険証の送付は、氏名変更後、毎月下旬頃にまとめて行われるため、氏名変更の時期によっては、新しい保険証が届くまで1 ヶ月程度かかる場合があります。ちなみに、新しい保険証が届くまでの間は、氏名変更前の保険証を使用することができます。
 被保険者の氏名変更に併せて、被扶養者の氏名も変更となる場合がありますが、被扶養者の氏名が変更となったときには届出が必要となります。健康保険扶養者(異動)届により、新しい氏名を届けることで被扶養者の新しい保険証が届きます。
2.雇用保険の手続き
 雇用保険も以前は、氏名変更の届出が必要でしたが、氏名変更のみの届出は廃止され、退職の手続きや転勤、育児休業給付の申請など、以下のような手続きをする際に、併せて届け出ることになりました。この届出は、マイナンバーをハローワークに届け出ている場合であっても、必要になります。
◦ 資格喪失届 ◦ 転勤届 ◦ 個人番号登録・変更届 ◦ 育児休業給付金  ◦ 介護休業給付金
 また、資格取得手続きの際に、職員から旧姓の雇用保険被保険者証が提出されることがあります。このような際は、資格取得手続きと併せて新姓への氏名変更の手続きを行います。

 今回のように、氏名が変わる場合であっても、職場で慣れ親しんでいる旧姓を名乗るケースも多く見られるようになりました。旧姓を名乗る場合であっても法令上の各種手続きは新姓で行い、管理する必要があります。ここでは社会保険の手続きを説明しましたが、その他の手続きについても確認し、手続き漏れがないようにしましょう。

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