介護のLIFE導入で時間外労働も 老施協調査 データ入力など負担
全国老人福祉施設協議会が7月に実施した「LIFE(科学的介護情報システム)導入状況調査」の結果が分かった。
LIFEへのデータ提出を済ませるために、少なからぬ施設で職員の時間外労働が生じている − 。そう報告されている。現場の負担が重くなっている実態が改めて浮き彫りになった。
全国老施協の「LIFE導入状況調査」は、会員の特別養護老人ホーム4395施設を対象として今年7月に実施されたもの。58.1%の2555施設から有効な回答を得ている。
それによると、LIFEへのデータ提出を定められた期限内に「できる」としたのは全体の56.6%、「できない」としたのは23.0%(*)。「できる」とした施設のうち、「業務時間内に対応できる」は37.9%にとどまり、6割に迫る56.4%が「時間外労働をすれば対応できる」と答えていた。
* このほか、そもそも「算定しない」が20.4%だった。
LIFE活用の課題では、「データ入力の負担が重い」が53.2%で最多。以下、「入力体制を整えるのが難しい」が45.9%、「実地指導への不安」が36.6%、「活用イメージがわかない」が33.2%と続いていた。
こうした結果を踏まえ、全国老施協の小泉立志副会長は27日の社保審・介護給付費分科会で、「介護現場には負担感と今後への不安感がある」と指摘。厚生労働省にこれらの解消を促した。
今回の調査結果によると、LIFEの登録が完了している施設は全体の83.3%にのぼっている。介護記録ソフトがLIFEに「対応している」としたのは77.0%。このうち、「一括でデータ提出が可能(LIFEでの手入力は不要)」と答えたのは41.4%だった。(介護ニュースより)