介護・保育・医療のQ&A

Q 評価はするも、結果をフィードバックしていないので、職員は何がどう評価されたかわからない

A 評価フィードバックを年2回実施し、さらに個別面談(毎月)にて課題解決のフォローを行っている。

人事評価でもっとも大切なキーワードは何でしょうか。それは「透明性」と「納得感」です。透明性とは、人事評価でいえば、どういう評価項目で、だれがどのようなプロセスで評価をしているのかが明確であること。また「納得感」とは、なぜその評価結果になったのか被評価者が理解し、納得することです。しかしながらこの納得感が生まれるのはそう簡単にはいきません。なぜなら多くの職員は、自分は一所懸命仕事をし、それなりに仕事で貢献していると思っているからです。しかしながら、上司の評価がそのようなものでない場合には、だれしも心穏やかでは、いられないはずです。半ばあきらめて、表面的に納得したフリをしている場合も多いのではないでしょうか。それでは納得感を醸成するにはどうすればいいのか。まず、絶対に必要なのが、フィードバック面談です。面談では、自己評価と上司評価が明らかに違っている項目に着目し、その評価にした根拠を具体的に話し合うことで、お互いの視点や期待レベルを知ることができ、初めて「納得感」が醸成されてくるものです。

①医療分野キャリアパス

 クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

 保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

 

Q 頑張っている職員を評価してもポストが少なく、昇進と昇給が思ったようにできていない のですが・・・

A,

例えば、10人規模の訪問介護事業所や、通所介護(デイサービス)事業所でも十分にキャリアパスは構築できます。規模が小さい事業所は職責や組織のポジションが少なく、また給与財源が限られているという理由で、キャリアパスを作っても、意味がないとお考えの事業所は多いようです。ただ、社内のポジションで考えてみると、資格等級制度における「昇進」と「昇格」は異なります。「昇進」は確かにポジションが空かなければ上に進むことはできませんが、「昇格」は等級要件がクリアできれば全員昇格するのが、キャリアパスにおける資格等級制度の考え方です。例えば、取得した資格のレベル、勤続年数、人事評価などで、各等級の要件を定め、その昇格要件を決め、給与や時給に連動させれば、立派なキャリアパスです。また、昇給財源ですが、前述の処遇改善加算金を、財源に充当させることも十分可能ですし、むしろ国もそれを奨励しています。もしかしたら、従業員教育に時間をかけられない小規模事業所だからこそ、その仕組みにより自発的に能力を高めるようになるといった、キャリアパス効果は大きいかもしれません。

①医療分野キャリアパス

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②介護分野キャリアパス

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③保育園のキャリアパス

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Q、キャリアパスの説明を受けても、実際にどうすれば上位等級に昇格できるのかがよくわからない(職員からの質問で多いもの)。

A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、

キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。

この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています

  • 前等級における最低勤務年数
    「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。
  • 資格
    それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。
  • 実務経験
    「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。
  • 人事評価
    人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。

①医療分野キャリアパス

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②介護分野キャリアパス

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③保育園のキャリアパス

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当院では、入職して 2 ヶ月近く経つ正職員がいますが、ミスや患者からのク レームが多く、周囲の職員も対応に追われて疲弊している様子です。当初から 3 ヶ月の試用期間を設けて様子を見ていますが、もう少し指導を行った上で本採 用にするか否かを見極めたいと考えています。試用期間の延長はできますか?

A  試用期間の延長は、あらかじめ就業規則上に延長の可能性や延長する期間が明示されており、合理的な理由があれば可能であるとされています。試用期間を延長する場合は、本人に延長することを伝えなければなりません。 

 

詳細解説:
1.試用期間とは試用期間とは、事業所が、採用した職員の勤務態度や能力、仕事への適性を見
極めて、本採用にするか否かを判断するための期間のことをいいます。労働契約を解消できる「解約権留保付き」の労働契約が締結されている期間とされ、業務遂行上の問題があり、指導・注意を行っても改善しない場合には、試用期間中または試用期間満了で労働契約の終了(解約権の行使)を検討することになります。

この解約権の行使は解雇に該当します。試用期間中または試用期間満了時の解雇は、通常の解雇よりも緩やかに判断されるといわれますが、自由にできるということではなく、合理的かつ社会通念上相当な理由が必要です。

2.試用期間の延長
職員の適性等を試用期間で判断することが難しい場合、試用期間を延長することが考えられます。この場合、あらかじめ就業規則に延長の定めが必要です。また、試用期間中は、職員が不安定な地位に置かれることになるため、合理的な範囲を超えて長期間に及ぶことは認められません。一般的には 3~6 ヶ月程度が妥当な期間と考えられているため、今回のケースでは、延長の期間が 3 ヶ月程度であれば、公序良俗に反するとまではいえないでしょう。

なお、試用期間の延長を行うには、試用期間満了までに本人への告知が必要なため、実務上、遅くとも試用期間満了の 1 週間前までには、本人と面談の上、延長することを伝えるべきでしょう。実際には、試用期間を就業規則や労働契約書に定めている一方で、本採用の判断基準が曖昧な事業所も多く見られます。本採用の判断基準を確認し、新規採用者に改善点や能力不足の点があれば注意や指導、定期的な面談を行うなど、戦力化に向けたフォローも重要です。

Q, パートから常勤に変わった場合の有給はどのように与えればよいのでしょうか?

A,   付与日の雇用形態が常勤であれば、常勤の日数を付与してください。

 解説

 付与日に常勤であれば、常勤の付与日数になります。

 例えば、202111日に週3日のパートとして入職して、翌年202241日に常勤になった人がいるとします。

 この人は202171日に初めて有給の権利が発生しますが、その時点では週3日のパートであるため、比例付与の規定から5日間の有給が付与されます。次の有給付与日は202271日ですが、この時点ではすでに常勤職員であるため、常勤の規定に従い11日間が付与されます。

 よく質問を受ける内容として、常勤の付与日数とパートの付与日数を期間に応じて案分すればいいのか、というご相談があります。この場合には上記の通りの付与の考え方であって、案分することはありません。

 したがって、極端な例ですが、この人が2022630日にパートから常勤に変わった場合でも、71日に常勤になっていたら、常勤の付与日数に基づいた日数が有休の日数になります。反対に、常勤からパートになった場合も同様に考えるということになります

 

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Q スタッフがマイカー通勤を希望してきたが、ガソリン代や駐車場代は負担すべきか?

A 法的な規制はないため、支給基準や額などはどのように決めても問題はありません

 

通勤手当の支給について留意すべき点

 

通勤手当は、片道の通勤距離と手当の額によって所得税法上の非課税限度額が定められています。この限度額を超えて支給される通勤手当は課税の対象になります。また「通勤距離にかかわらず一律に支給される通勤手当」(例えば、マイカー通勤者全員に一律2万円支給など)も課税対象になるケースもありますので、ご注意ください。

 

マイカー通勤中、交通事故の加害者になった場合のクリニックの責任

マイカーを通勤だけでなく業務にも利用していた場合、事故の相手に対して運行供用者責任、または使用者責任(民法715条)が認められる可能性があります。

 現実に事故を起こした本人が保険加入を行っている場合や、経済的に補償能力がない場合には、被害者がクリニックの責任を問題にする可能性も考えられます。

 

一定以上の任意保険加入を義務づけ、従わない場合には手当を支給しない

 

このような事態に備えて、マイカー通勤をするスタッフに一定補償額以上の保険に加入することを義務づけ、毎年許可申請をさせて確認するようにしましょう。万が一、事故を起こした場合には、クリニックに迷惑をかけないと誓約書を取っておくことも考えられます。

 

マイカー通勤のルールを整備し、事故を起こせば自分たちの責任では済まされないことを説明し、何らかの安全を確保するための措置を講じる必要もあります。

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Q 当法人では新卒採用・中途採用ともの計画的に行っていますが、せっかく採用しても  なかなか定着せず、早いと3か月未満で退職する人もいます。何とか定着をしていただくように取り組みを行っていますが、採用面接ではどのような点に気をつけたら良いでしょうか。

A 「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。

どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。

それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。

 現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。

 

一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。

下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。

 

  • 具体的な内容を質問する

 漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。

 ・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか

  具体的に言ってください」

 ・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」

  • 人間関係についてどう考えているか確認する。

 人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。

 ・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」

 ・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」

  • 求職者からの質問を引き出す

 面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。

 

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Q クリニックの昇給はどのようなルールで、どの程度行えばいいのか。

A 昇給は必ずしも行わなければならないというものではありませんが、何も基準が無いと

 スタッフが不安を感じる可能性がありますので、支給の「目安」を作っておくといいでしょう。

 

詳解

 

長く勤めたいと思っているスタッフにとって頑張れば給料を上げてもらえる」ということはモチベーションにつながります。反対に「どのくらい上がるかわからない」「そもそも

あがるかどうか すらわからない」という状況では、将来への不安を感じるスタッフもいるでしょう。もちろん、昇給はクリニックの経営状況で出来ないこともありますが、出来るだけ標準的な目安をつくり「大体、毎年これくらいは上がる」というメッセージ性を出していくということは、スタッフの勤務意欲を高める一定の効果があります。

 昇給額はクリニックによって様々ですが、効果的な昇給基準を作りには以下2点を抑えるといいでしょう。

①長期間(10年以上)同等額で昇給し続けられるか

②昇給がスタッフの勤務意欲につながっているか

③地域の職種別の賃金相場と比べ、見劣りしないか

 

クリニックによっては、毎年1万円の昇給を行っているところがあります。ただ、毎年1万円の昇給は、10年で10万円の月給がアップすることになります。月給18万円であった方が28万円になるわけでです。因みにですが、一上場の大手企業でも平均昇給は7千円程度です。

 また昇給する年としない年があると、昇給できなかった人は「私は評価されていない」「先生が認めてくれていない」と感じるスタッフが出ます。これでは、せっかく1万円昇給しても逆に、モチベーションの低下を招くこともあります。できるだけ、毎年昇給できる金額に設定しておくことがポイントです。

 

 データによりますとクリニックの平均的な昇給額は2000円から4000円です。例えば毎年3000円昇給した場合、10年後は月給が3万円アップとなります。仮に月給18万円の事務所の場合、10年後の月給が21万円になります。経験10年の中堅スタッフとしては妥当な給与設定と言えるのではないでしょうか。参考までに職種別の全国平均昇給額を下記しますが、病院でも4200円程度です。この額からみても、クリニックで2000円から4000円の昇給であれば、妥当な額と言えるのではないでしょうか・

 

 

看護師 4272円 准看護師2825円 事務員 4284円 看護補助3390円

(2015年データより)

 

毎年昇給額を変えるのが面倒で、とりあえず一律3000円とする院長もいます。ただ、一律の昇給では、頑張っても 頑張らなくても同じ賃金がもらえるため、モチベーションを落とし方が出てきます。評価に応じた昇給額を設定し、働きぶりに応じた昇給額にしていくことが大切です

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常勤の女性職員から、子どもを自分の健康保険の扶養に入れたいと相談があ りました。現在、女性職員の子どもは、配偶者の健康保険の扶養に入っています が、当施設では健康保険の被扶養者である子どもを対象に、家族手当を支給して いることから、相談があったようです。そもそも共働きの場合、どのような基準 で扶養に入れるかを判断するのでしょうか

A,

共働きで夫婦共に健康保険の被保険者の場合、子ども等の扶養家族がどちら
の被保険者の被扶養者にも入れる基準を満たしていることがあります。その際、
どちらの健康保険の扶養に入れるかは、夫婦の年間収入の差や主に生計を維持
している者はどちらかなどを踏まえ、総合的に判断されます。

詳細解説


1.共働きの場合の被扶養者の認定以前は男性(夫)の年収が女性(妻)の年収よりも多い世帯
が大半でしたが、共働き世帯の増加に伴い、両者の年収が同程度または逆転している世
帯も増えています。これにより、2021 年 8 月に、夫婦共に健康保険の被保険者であり、2 人で子ども等を扶養する場合(共同扶養)の被扶養者の認定基準が見直され、具体化かつ明確化されました。※主な基準は、次のとおりです。


① 被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後 1 年間
の収入を見込んだもの)が多い方の被扶養者とする


② 夫婦の年間収入の差が年収の多い方の10%以内である場合は、「主として生計
を維持する者」の被扶養者とする

2.実務上の判断
今回の質問のように、共働きで夫婦共に健康保険の被保険者の場合、まずは両者の年間収入の多い方の扶養に入ることになります。
例えば、年間収入が夫は 420 万円、妻は 450 万円の場合、妻の扶養に入ることになりますが、年間収入の差額割合は約 6.7%(年間収入の差額割合が 10%以内)のため、「主として生計を維持する者」が夫の場合は、子どもは夫の健康保険の被扶養者となります。そのため、配偶者の年収の状況も確認の上、届出を行う必要があります。


被扶養者の届出は、その年収が要件を満たしているかという点に着目しがちですが、共働きの夫婦のような場合には、家族全体の状況を確認する必要があります。

手続きの際の確認事項をまとめるとともに、ご相談のケースでは家族手当の支給基準が現状のままでよいか、検討してもよいでしょう。


※ 参考:「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定につ
いて(令和 3 年 4 月 30 日保保発 0430 第 2 号・保国発
0430 第 1 号)」

Q 有給休暇を年5日取得できない職員が3人います。どうやってとらせたらいいのか・・・。一方、取得はしているのですが、手厚い職員配置をしたいときに有給休暇の取得があると 予定の保育ができないときもあります。どんな方法があるでしょうか?

A ご質問の有給を取得してくれても時期に問題があるような場合の一つの対処方法は

 労使協定を締結して「計画的付与」にて有給を取得してもらうことがあります。

 園児の登園が最も減る時期が813日から16日は子供の預かり保育は実施しておらず、

 2号子供と3号子供は5割ほどの登園になるとのことでしたので、この4日間に計画的付与を導入します。具体的には下記に次のようになります。年5日取得義務のある職員を2つのグループに分けます。グループごとに13日、14日の2日間のいずれかで取得させる割り振りを主任にお願いします。労使協定の締結後、計画通り8月に2日間の有給休暇を職員に取得させます。

 もう一つの課題である5日間の取得義務が果たせない職員への対応です。このような方には園が時期指定を行うことを定めます。例えば、年の後半となると行事や次年度行事が立て込むため、1号子供が夏休みになる7から8月の間に3日の時期指定を行います。具体的には3人に7月から8月のいつ頃取得したいかを聞き、できるだけ希望に沿うように取得を決め「A先生は731日、81日、820日の3日間は週休を取ってください」とそれぞれに伝えます。園が時期指定を有給休暇を踏まえて、勤務表の作成ができるように、主任に情報を共有します。

 導入後の状況を確認しましたが、計画的付与を導入した8月の4日間はクラスの垣根を取り払い、異年齢保育にするよう主任にお願いしました。主任中心に幼児リーダーと乳児リーダーの3人が夏ならでは遊びを取り入れた保育計画を作成しました。0歳児5歳児までが一緒に過ごす時間帯も計画されて打て、普段とは違う保育を少人数ならではのゆったりと雰囲気で園児も職員も楽しんでいました。

 以上のような方法もご参考にしていただければと思います。

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