介護
介護業界では人手不足が慢性化していますが、職種によってその深刻度合いには差があるようです。今回は、人手不足感の現状と、その解決の一助となる雇用管理や職場環境改善のための支援策についてご案内します。
訪問介護職の有効求人倍率は約15 倍 人
介護業界の人手不足について、厚生労働省の部会※で示された統計(図1)によると、2020 年の施設介護員の有効求人倍率は3.90 倍でした。訪問介護職ではこれより4 倍弱高い14.92 倍となっています。2020 年以降は新型コロナウイルス感染症の拡大により訪問介護職の離職が進み、人材確保はさらに厳しい状況となっているといわれています。
図2 は職種別にみた人手不足感です。最も割合が高いのは訪問介護員で、約8 割となりました。介護職員も約7 割となっています。
人材確保のための働く環境改善には
介護サービス事業者の雇用環境整備を支援する補助金には、次のものがあります。
● キャリアアップ助成金
パートタイマーなどの非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善に取り組むとき
● 両立支援等助成金
仕事と家庭生活を両立できるよう、従業員の育児・介護休業の取得や職場復帰の支援に取り組むとき
● エイジフレンドリー補助金
高年齢労働者の職場環境改善のために、身体機能の低下を補う設備・装置などを導入したとき
介護労働安定センターの雇用管理相談や雇用管理責任者講習は、無料で利用できます。
※厚生労働省 第93 回社会保障審議会介護保険部会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25625.html
年次有給休暇(以下、「年休」という)の付与については、全労働日の8 割以上出勤していることという要件(以下、「8 割要件」という)がありますが、その計算の際に、会社の責に帰すべき事由によって休業した日や育児休業を取得した日等のイレギュラーについて、どのように計算すべきか判断に迷うことがあります。その実務上のポイントを確認します。
1.8割要件の計算
8 割要件を満たしているかの計算は、出勤率をもって判断します。この出勤率は、出勤日数(算定期間の全労働日のうち出勤した日数)を全労働日(労働義務が課せられている日のことで、就業規則等で定めた休日を除いた日数)で除して計算します。
出勤日数には、休日出勤した日は除く一方で、遅刻や早退があったとしても、その日は出勤しているため、含めます。
この出勤率を計算する際に、分母の全労働日から除外される日と、分子の出勤したものとして取り扱う日が定められています。全労働日から除外される日数には、以下のものがあります。
① 使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
② 正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
例えば、新型コロナウイルス感染症の影響により、会社独自の判断で従業員を休業させた場合は、①に該当し、休業させた日を全労働日から除外し、出勤率を計算します。
一方、出勤したものとして取り扱い、出勤率の計算の際に出勤日数および全労働日数に含めるものとしては、以下のものがあります。
① 業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
② 労働基準法に規定する産前産後休業を取得した日
③ 育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
④ 年次有給休暇を取得した日
例えば、算定期間においてすべて育児休業を取得していた場合、休業日数を全労働日に含み、出勤したものとして取り扱う日数にも休業日数を含むことから出勤率は10 割となり、実際に勤務した日数がないとしても年休の付与を行います。
2. 特別休暇等の取扱い
会社独自の休暇である特別休暇や、育児・介護休業法による子の看護休暇・介護休暇を取得した日等については、法令での定めはないため、それぞれの会社で出勤率の計算の際にどのように取り扱うかを決めることになります。一般的には出勤したとみなして出勤率を計算する方法が多くみられます。
出勤率を計算した結果、8 割要件を満たさなかった場合、その年については年休が付与されませんが、次の年に8 割要件を満たした場合は、8 割要件を満たさなかった年も勤続継続年数に含めて、付与日数が決まります。従業員にとって年休の付与や取得に対する関心は高いことから、誤りのないように管理しましょう。
A,パート職員の年間収入が 130 万円以上になった場合、配偶者の健康保険の扶養 から外れることになります。この場合、週の所定労働時間および月の所定労働日 数によって、パート職員は、状況に応じ事業所の健康保険・厚生年金保険または 国民健康保険・国民年金に加入することになります。
詳細解説: 1.健康保険の扶養の収入基準 健康保険の被扶養者となる収 入の基準は、原則、年間収入が 130 万円未満で、かつ、扶養者 の年間収入の半分未満であるこ ととなっています ※1。 ここでの収入とは、扶養の認定日以降の年 間の見込み収入をいい、被扶養者の収入に は、雇用保険の基本手当や健康保険の出産手 当金等(以下、基本手当等)も含みます。 具体的には、給与収入※2は月 108,333 円以下、 基本手当等は日額 3,611 円以下であれば、年 間収入が 130 万円未満と判断されます。年間 収入が 130 万円以上となる場合、対象のパー ト職員は扶養から外れることになります。 なお、一時的に収入が多くなることによ り、年間収入が 130 万円以上となるときに は、すぐに扶養の認定が取り消されるのでは なく、給与明細書、雇用契約書等と照らし、今 後の見込み収入で判断することになります。 扶養の認定は扶養者の保険者が行うため、詳 細な取扱いは、配偶者の勤務先を通じて保険 者に確認することになります。 2.職員自身での社会保険の加入 扶養から外れることになったパート職員 は、自身で社会保険加入することとなり、週 の所定労働時間かつ所定労働日数が、正職員 の 4 分の 3 以上の場合は、事業所の健康保 険・厚生年金保険に加入します※3。これらの 所定労働時間・所定労働日数に満たないとき には、個別に国民健康保険・国民年金に加入 します。 今回の質問のように、時給を引き上げた パート職員が、今後も扶養の範囲内の収入で 働き続けることを希望するのであれば、所定 労働時間を減らして年間収入が 130 万円未満 となるような働き方の検討も必要になりま す。まずは、職員と今後の働き方を話し合う と良いでしょう。
今後、同一労働同一賃金の考え方が浸透していくに従って、この問題に直面するケースが
増えてくるものと思います。「配偶者が反対しているからこの基準を超えられない」というような人については、契約更新時などに「1年間の収入が待遇改善によってこれぐらいになりますよ」ということを示して、きちんと説明をすることが大切になります。そうすれば、年末にバタバタと就業時間調整することもなくなります。労働者ごとに就業調整の基準は異なります。例えば、配偶者の家族手当がどの様な基準で支払われるのかは配偶者の会社の規定次第ですし、社会保険に加入する、しないという事もご本人の希望がありますから、その希望をよく聞きながら、契約更新時に相談されることをお勧めします。一方で、待遇改善の結果103万円、130万円は超えるけれども、それによって65歳以降の年金支給額が増える、健康保険でも傷病手当金の支給対象になる等、メリットも多いことをきちんと知っていただき、より長期的にみれば会社も本人もハッピーになることもあることを認識頂くことも大切のように思います。
(※1)被扶養者が 60 歳以上または障害者のとき は、年間収入が 180 万円未満 (※2)交通費(通勤手当)を含む (※3)常時 501 人以上の特定適用事業所は、① 週の所定労働時間が 20 時間以上あること、②雇 用期間が 1 年以上見込まれること、③賃金の月額 が 88,000 円以上であること、④学生でないこと の 4 点をすべて満たす場合
以上
《 ワークサポートケアマネ養成集合研修の様子 7月23日 》
親などの介護と仕事の両立を支援するスペシャリスト「ワークサポートケアマネジャー」。今年度から認定制度を開始した日本介護支援専門員協会によると、先月に実施された第1回の養成研修を41人がクリアした。この41人が初代のワークサポートケアマネとして活動していく。
いわゆる「介護離職」を未然に防ぐための十分な知識、スキルを有するケアマネ。それがワークサポートケアマネだ。
親などの介護に直面し、本当は続けていきたい仕事を辞めざるを得なくなる人は今なお非常に多く、それも働き盛りの世代に集中している。この社会課題の解決は急務。既に様々な主体がコミットしているが、介護分野の高い専門性を持つケアマネの力に期待する声も少なからずあがっている。
協会は今回、こうした状況を踏まえて認定制度の立ち上げに踏み切った。ケアマネの活躍の場を更に広げ、社会的な評価の向上などにつなげていく狙いもある。厚生労働省や専門家などの協力も得て策定した養成研修カリキュラムは、労働関係法令も含めて必要なノウハウを幅広く学べる内容となっている。
協会のワークサポートケアマネに関する特別委員会の三浦浩史委員長は第1回の養成研修を振り返り、「当事者の立場に立って適切にアドバイスできる人材になって頂ければ。介護支援専門員が新たな職域を掴むことにもなります。ワークサポートケアマネにはこの新たな職域で是非とも翼を広げて頂きたい」と語った。
あわせて全国のケアマネに対し、「介護を支援してきた皆さんのこれまでの経験は、介護離職の問題で厳しい立場に置かれている会社員などにとってはとても貴重な財産です。もっと多くの皆さんにワークサポートケアマネになって頂きたい。そして介護と仕事の両立に悩む会社員なども助けてあげて下さい」と呼びかけた。
今後、協会は今年度中に第2回の養成研修を開催する計画。詳細は決まり次第アナウンスする。来年度以降もワークサポートケアマネの養成を続けていく方針だ。(介護ニュースより)
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《 7月29日の諮問会議(画像出典:首相官邸HP)》
政府は7月29日の経済財政諮問会議で、来年度予算案の編成に向けた基本的な考え方(令和5年度の予算の全体像)をまとめた。
人への投資や子ども・子育て支援、DX、GXといった重要政策にリソースを思い切って振り向ける構えをみせる一方で、厳しい財政も念頭に「歳出改革を徹底強化する」との考えも打ち出した。
焦点の社会保障をめぐっては、次の2024年度の介護保険制度改正にも言及。「利用者負担の見直しを含む持続性の確保」に取り組むと明記した。「給付と負担のバランスの確保」「現役世代の負担上昇の抑制」などを図る意向も示した。
岸田文雄首相は会合で、「歳出を大胆に重点化し、メリハリの効いた予算としていく」と述べた。
「利用者負担の見直し」は、2割負担・3割負担の対象者を更に拡大すること、居宅介護支援にも利用者負担を導入することなどが念頭にあるとみられる。政府はこれから審議会で議論を深め、今年の年末までに具体策を固める方針。(介護ニュースより)
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このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。
総務部長
当社で1日5 時間、週5 日の勤務をしているアルバイトがいます。10 月の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用拡大で社会保険に加入することになる予定ですが、実は他社でも働いていることがわかりました。
社労士 掛け持ちでアルバイトをされているということですね。ちなみに雇用保険は御社で加入されていますか?
総務部長 はい、加入要件を満たしているので当社で加入しています。話を聞いたところ、他社では、1日5 時間、週4 日働いているそうです。アルバイトですので、他社で働くこと(副業・兼業)は禁止していないのですが、社会保険はどのようになるか気になっています。
社労士 雇用保険は、複数で勤務し、加入要件を満たしていたとしても原則として1カ所のみで加入します(※65 才以上のマルチジョブホルダーを除く)。ちなみに加入する事業所は主たる賃金を受ける事業所です。
総務部長 労働時間は当社の方が長く、給与も高いと思います。そのため、雇用保険は当社のみで加入すればよいということですね。となると、社会保険も当社のみで加入となるのでしょうか?
社労士 社会保険は異なり、複数の事業所で加入要件を満たした場合、そのすべての事業所で加入することになります。他社でも週20 時間勤務しているということですので、その他の加入要件を満たせば加入することになります。
総務部長 そうなのですか!?となると、健康保険被保険者証(以下、「健康保険証」という)は2 枚持つことになるのですか?
社労士 いいえ。複数の事業所で加入した場合には、主となる事業所を従業員が選択し、届出することになり、この主となる事業所に係る健康保険証のみが交付されます。ただ、複数の事業所に加入しているため、社会保険料は按分となり、各々の事業所から支払われる給与から控除されることになります。
総務部長 なるほど、かなり複雑ですね。
社労士 負担する社会保険料額の決定方法はさらに複雑です。まずは、10 月以降、他社でも社会保険の加入要件を満たしているかの確認から始める必要がありそうですね。
総務部長 そうですね。まずは、確認してみることにします。
ONE POINT
①複数の事業所で雇用保険の加入要件を満たしても、原則として1 つの事業所のみで被保険者となる(※65 才以上のマルチジョブホルダーを除く)。
②複数の事業所で社会保険の加入要件を満たした場合には、加入要件を満たしたすべての事業所で被保険者となる。
③健康保険証は従業員が選択した1 つの事業所のみで発行される。
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副業・兼業(以下、「副業」という)への関心が、労使ともに高まっています。実際に、従業員から副業することができるか、会社に問合せがあったり、一部の企業では解禁の方針を決めて動き出しているところもあります。以下では、副業に関する国や企業の動きについてみておきます。
1. 国としての副業の考え方
以前は、他社で就業し副業することについて、特に正社員については、企業の情報漏洩につながったり、自社の業務に専念できなくなったりすること等の理由から禁止や消極的な許可制としている企業が多くを占めていました。また、厚生労働省が公開しているモデル就業規則でも、従業員の遵守事項として「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と規定されていました。
これが現在では、働き方改革実行計画における副業解禁の方針を踏まえ、考え方が見直されています。そして、現在公開されているモデル就業規則では、以下のように原則副業を認め、例外的に制限可能というスタンスの規定に変更されています。
(副業・兼業)
第68 条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合
2. 企業としての対応
企業側の副業のメリット・デメリットを考えてみると、メリットとして、従業員のスキルアップ、優秀な人材の流出防止、副業によって得た情報や人脈による事業機会の拡大等が挙げられます。その一方で、デメリットとして、過重労働や企業の情報漏洩、細かな労務管理、優秀な人材が本業を離れて副業先へ転職する可能性等が挙げられます。
副業に関しては、企業の考え方も従業員の考え方も過渡期であるものの、国の大きな方向性は副業をさらに促進していくことになっています。
今後は、従業員からの副業の問合せについて、禁止される理由や許可されない理由の説明が求められることも出てくるでしょう。企業として、どのように考えるかを改めて検討する時期が来ているのかもしれません。
国は、2022 年7 月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、企業に対し、副業の容認の有無、そして条件付きで認めている場合については設けている条件の内容を、自社のホームページ等で公表することが望ましいとしました。これは、就職先を選ぶ人からみて、副業に対する企業の考え方を分かりやすくすることを狙いとしています。
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2022 年10 月1日より改正育児・介護休業法の第二段階目が施行され、産後パパ育休の制度がスタートします。産後パパ育休は、現状の育児休業とは異なり、より取得しやすい仕組みが整えられています。ここでは産後パパ育休の申出期限について確認をしておきます。
1. 産後パパ育休の特徴
産後パパ育休は、原則2 週間前までに申し出ることで、子どもの出生後8 週間以内に4 週間を上限として取得できる育児休業です。
2 回に分割して取得できるほか、労使協定を締結することで、会社と従業員が事前に合意した範囲で産後パパ育休中に働くことができるという特徴があります。
2. 産後パパ育休の申出期限
産後パパ育休の申出期限は原則2 週間前ですが、次の2 点を労使協定で定めることにより、現在の育児休業と同様に1ヶ月前までに申し出ることを要件とすることができます。
・雇用環境の整備等の措置の内容( 法律上の義務である雇用環境整備措置を上回る措置)
・産後パパ育休の申出期限(2 週間を超え、1ヶ月以内に限る)
この2 点のうち「雇用環境の整備等の措置」は、次の①~③のすべてとなります。自社の状況を踏まえた具体的な措置の内容を定める必要があります。
①以下のうち、2 つ以上の措置を講ずること
・育休等※に関する研修の実施
・育休等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
・自社の労働者の育休等の取得事例の収集・提供
・自社の労働者へ育休等の制度と育児休業の取得促進に関する方針の周知
・育児休業の申出をした労働者の育休等の取得が円滑に行われるようにするための業務の配置または人員の配置に係る必要な措置
②育休等の取得に関する定量的な目標を設定し、育休等の取得促進に関する方針を周知すること
③育休等の申出に係る当該労働者の意向を確認するための措置を講じた上で、その意向を把握するための取組みを行うこと
※育休等とは、育児休業および産後パパ育休を指す。
①は1 つ以上の措置を講ずることがすでに義務となっており、ここでは①について2 つ以上の措置を講じることが求められています。また③についても意向確認のための働きかけを行うことが義務となっていますが、ここでは意向を把握するための取組みまで求められていることが特徴です。
産後パパ育休を取得する際に、業務の引継ぎ等が必要な場合には、2 週間前の申出では引継ぎ期間が不足することも想像されます。労使協定の締結を検討するとともに、そもそも急な取得の申出にならないように、従業員の育児休業等に係る意向を事前に確認しておくことなどが重要です。
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新型コロナウイルス感染症も現在は少し状況が落ち着いていますが、更なる変異種の報道もあり、再び感染拡大となる可能性も否定できません。そんな中、厚生労働省から、令和4年7月以降の小学校休業等対応助成金・支援金の内容等が公表されました。
この内容は、あくまでも政府としての方針であり、施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要となることから、現時点では予定として捉えるようにしてください。
1.「小学校休業等対応助成金・支援金」について
(1)小学校休業等対応助成金(労働者を雇用する事業主の方向け)
休暇中に支払った賃金相当額×10/10を助成する点に変更はありません。また日額上限についても、画像の通り、変更はありません。
(2)小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)
就業できなかった日について、1日あたり定額で支給する点に変更はありません。また、支給額についても、画の通り、変更はありません。
2.「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」の設置期間の延長
小学校休業対応助成金に関する相談に対応するため、「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」を、令和4年9月30日までの期間、全国の都道府県労働局に設置していますが、この設置期間も延長される予定です。
3.新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みによる申請
労働局からの本助成金の活用の働きかけに事業主が応じない場合に、令和4年6月末までに取得した休暇と同様に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みにより、労働者が個人で申請できることとする対応も、令和4年9月末までに取得した休暇について行われる予定です。
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厚生労働省は、令和4年5月12日に、新型コロナの罹患後症状の労災補償の取扱いに関する通達を発出しました。これは、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 別冊罹患後症状のマネジメント(第1版)」が取りまとめられたことを踏まえ、新型コロナの罹患後症状の労災補償における取扱いを明確にしましたもので、具体的な取扱いとしては以下のとおりとされています。
(1)療養補償給付
医師により療養が必要と認められる以下の場合については、本感染症の罹患後症状として、療養補償給付の対象となる。
- 診療の手引きに記載されている症状に対する療養(感染後ある程度期間を経過してから出現した症状も含む)
- 上記1の症状以外で本感染症により新たに発症した傷病(精神障害も含む)に対する療養
- 本感染症の合併症と認められる傷病に対する療養
(2)休業補償給付
罹患後症状により、休業の必要性が医師により認められる場合は、休業補償給付の対象となる。なお、症状の程度は変動し、数か月以上続く症状や症状消失後に再度出現することもあり、職場復帰の時期や就労時間等の調整が必要となる場合もあることに留意すること。
(3)障害補償給付
診療の手引きによれば、本感染症の罹患後症状はいまだ不明な点が多いものの、時間の経過とともに一般的には改善が見込まれることから、リハビリテーションを含め、対症療法や経過観察での療養が必要な場合には、上記のとおり療養補償給付等の対象となるが、十分な治療を行ってもなお症状の改善の見込みがなく、症状固定と判断され後遺障害が残存する場合は、療養補償給付等は終了し、障害補償給付の対象となる。
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