ケアマネの法定研修、どう変わる? 厚労省が見直し案を通知

 

《 介護保険最新情報Vol.1073 》

厚生労働省はケアマネジャーの法定研修のカリキュラム、ガイドラインを見直す方針だ。28日、その見直し案を伝える通知を発出。介護保険最新情報のVol.1073で、自治体や現場の関係者らに広く周知した。

 

今回の見直し案は、厚労省が昨年度の事業(老人保健健康増進等事業)で有識者らの協力を得て作成したもの。あくまで"案"で確定ではないものの、これが新しいカリキュラム、ガイドラインのベースとなる。

ケアマネの法定研修はどう変わるのか。厚労省は通知で、カリキュラムの「見直しのポイント」を紹介している。実務研修、専門研修、主任ケアマネ研修などのポイントを記事下にまとめた。詳細は介護保険最新情報のVol.1073で確認できる。

厚労省は通知で、「今後のカリキュラム・ガイドラインの改正、施行に向けたスケジュールについては、全国担当者会議の開催などを通じて随時お知らせしていく」とアナウンスした。

=====

 各研修共通の見直しのポイント

◯ 幅広い視点で生活全般を捉え、生活の将来予測や各職種の視点・知見に基づいた根拠のある支援の組み立てを行うことが介護支援専門員に求められていることを踏まえ、そのような社会的要請に対応できる知識や技術を修得できるように科目の構成・内容を見直す

◯ 介護保険以外の領域も含めて、制度・政策、社会資源などについての近年の動向(地域共生社会、認知症施策大綱、ヤングケアラー、仕事と介護の両立、科学的介護、身寄りがない人への対応、意思決定支援など)を定期的に確認し、日々のケアマネジメントの実践のあり方を見直すための内容の充実・更新を行う

◯ 法定研修修了後の継続研修(法定外研修、OJTなど)で実践力を養成することを前提に、カリキュラムの内容を幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分(=講義中心)に見直す

 実務研修の見直しのポイント

◯「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」の時間数増

◯「居宅サービス計画等の作成」「サービス担当者会議の意義及び進め方」「モニタリング及び評価」の時間数減

◯「地域包括ケアシステムの深化及び地域の社会資源」の時間数増

◯ ケアマネジメントの展開に関する科目の事例類型の見直し

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 専門研修Iの見直しのポイント

◯「ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」の時間数減

◯「ケアマネジメントの実践における倫理」の時間数増

◯「個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習」の時間数増

◯ ケアマネジメントの演習に関する科目の事例類型の見直し

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 専門研修IIの見直しのポイント

◯「ケアマネジメントの実践における倫理」の新設

◯ ケアマネジメントにおける実践事例の研修・発表に関する科目の事例類型の見直し

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 主任介護支援専門員研修の見直しのポイント

◯「終末期ケア(エンドオブライフケア)を含めた生活の継続を支える基本的なマネジメント及び疾患別マネジメントの理解」の新設(現行の「ターミナルケア」は本科目に統合)

◯ 制度・政策、社会資源などについての近年の動向に関する内容を反映

 主任介護支援専門員更新研修の見直しのポイント

◯「ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援」の新設

◯ 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導、支援の実践に関する科目の事例類型の見直し(介護ニュースJOINT)

 

お電話でのお問い合わせ

03-6435-7075(平日9:00~18:00)

営業時間外のお問い合わせはこちらから

相談・ご依頼の流れはこちら