専門家会議で公表された「高齢者・障害者施設等における施設内感染対策」

先週末の5月29日(金)に

国の専門家会議で公表された「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」。

その中の「高齢者・障害者施設等における施設内感染対策」の部分を下記に抽出

してみました。

ご興味のある方は、ご参考まで。

 

高齢者・障害者施設等における施設内感染対策

○ これまで、高齢者施設や障害者施設等でも、大規模な施設内感染が発生して いる。施設内感染の感染ルートは、一般的にはサービス提供者からの感染、利用 者からの感染、面会者からの感染などが想定される。また、前述したような医療 機関での院内感染発生の要因も今後も起こりえることが想定される。 まず、サービス提供者や利用者からの感染を予防するため、手洗いや適切なマ スクの着用、「3密」の回避など、適切な感染防止対策を徹底することが必要で ある。また、面会者からの感染を防ぐため、引き続き、面会の一時中止や回数・ 人数の制限などを検討すべきである。なお、一部の施設においてはオンライン面 会を実施しており、こうした手法も参考にして適切に対応すべきである。 ○ こうした施設等での感染予防策の実践状況や課題については、流行がある程 度収まっている状況において、都道府県が中心となって連携するなどして、把 握しておくことが望ましい。



(施設内感染が発生した場合の人材確保) ○ 仮にサービス提供者や利用者が感染した場合には、速やかに入院することに なるが、それまでの間は自宅待機となり、また、濃厚接触者については、サービ ス提供者は自宅待機、利用者は原則として個室管理を行うことになる。このた め、これまでもサービス提供者の自宅待機により職員の不足が生じたケースが あり、3交代勤務を2交代勤務に変更する、同一法人内で職員を融通する、地域 で職員を融通することなどによって対応している。 人材不足に備えた対策が肝要となるが、一部の都道府県では、こうした事態に 備えてあらかじめ公募によるサービス提供者を確保・派遣するスキームを構築 しており、また、一部の自治体では、近隣の施設からの派遣が受けられるよう公 益社団法人(経営者会)において関係団体に派遣依頼を行うといった対応をして いる。 各都道府県においては、関係団体等と連携し、地域の実情に応じた人材確保策 を講じるべきである。なお、障害者施設等の利用者の中には、医療的ケアが必要 であったり、行動障害があったりするなど、一般の病院では入院医療の提供が困 難な方がいることも踏まえて、各都道府県において、衛生関係部局と福祉関係部 局が連携して、医療提供体制等の対応計画を整備すべきである。

(物資確保) ○ また、サービス提供者や利用者が感染した場合には、サージカルマスク、手 袋、ガウン、ゴーグル、消毒用エタノールなどの必要な衛生・防護用品が必要と なるため、現在、医療機関に優先的に配布されている衛生・防護用品が、高齢者 施設・障害者施設等の福祉サービスを提供する施設・事業所に対しても十分に 供給されるよう、政府において必要量を確保するとともに、各都道府県におい て各施設等のニーズを把握し適切に配分するための「福祉ルート」を確立すべ きである。

(感染発生時における施設内での感染対策の強化) ○ 障害者施設において PCR 等検査の結果、陽性であった利用者が、施設内で療 養したケースがあった。この利用者は、PCR 等検査の結果が陽性であったもの の、医師の診断によって入院医療を要する症状でないと判断された利用者であ った。 新型コロナウイルス感染症と診断された場合、入院療養が望ましいが、 利用者の特性なども総合的に勘案すると、自施設の療養とせざるを得ない場合 もあり得る。

○ このため、感染者を施設内で療養させることについては、保健所をはじめと する都道府県は、施設長と相談の上で、適切に療養が行うことができる体制が 確保されていることを確認し、慎重に最終判断を行うことが必要である。なお、 このケースにおいては、厚生労働省のクラスター対策班から、施設のゾーニン
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グや感染者の感染管理などに関する専門的支援を受けて、自施設での療養を行 った。また、医療スタッフと連携し、感染者の症状が悪化した場合には入院させ る対応を行った。

○ このように、感染者を施設内で療養させることは、ハイリスクであり、限定 的であるべきであるが、都道府県においては、感染した利用者を施設内で療養 させる場合に備えて、ゾーニングなどを行う感染管理の専門家や医療スタッフ の派遣方法、必要な物品の確保方法の検討、サービス提供者への研修等の事前 準備を行っておくことが望ましい。 なお、高齢者は重症化するリスクが高いことから原則は入院となり、また、 高齢者・障害者施設等においてクラスターが発生した場合には、関連する利用 者や職員などを速やかに PCR 等検査や抗原検査を実施して、適切な感染管理を 実施できるよう体制を整えてく必要がある。

(代替サービスの確保) ○ さらに、クラスター感染が生じた通所系の事業所の多くは、一定期間事業を 縮小・休業している。一部の都道府県では、濃厚接触により自宅待機となった利 用者への代替サービス(訪問系、通所系)を提供する事業者の公募による確保 や、利用人数を制限して事業を実施する場合に、事業所外で代替サービスを実 施する場合の支援などを行っている。

○ 各都道府県においては、地域の実情に応じた代替サービスの確保策等を講じ るべきである。なお、代替サービスを担う事業者が、積極的にサービス提供でき るよう、政府においては、こうした利用者に対して早期に PCR 等検査ができる よう、優先的に検査すべき対象者の整理及び検査態勢の拡充を図るべきである。 特に、障害者の中には、マスク等を着用したサービス提供が困難な方がいるこ とにも十分に配慮する必要がある。

③クラスター感染が生じた場における感染予防対策について ○ これまで、接待を伴う夜間の飲食店等において、クラスター感染(集団感染) が発生したことが分かっており、効果的な感染予防対策について十分な検討を 行うべきである。

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