【介護】人材定着ブログ5月号~コーチングとティーチング②

前回コーチングとティーチングのメリット、デメリットその使い分けについてお伝えしました。
今回は、具体的な介護現場でのコーチング話法の使用事例をお伝えし、皆様にイメージを持っていただけたらと思います。

ケース1
施設の方針や理念を理解・把握していないスタッフがいる場合にコーチングを使って、自身の実体験を思い出させる

 「どの法人にも理念や方針があります。筆者は、これまで数多くの介護施設に訪問してきましたが、理念や方針がない法人を見たことがありません。ただし、働くスタッフは、理念や方針を「知っている」程度で、「理解」「把握」といったレベルまでには達していないかもしれません。理念や方針は、法人としての存在意義や目的が記されたものです。それだけ大事なものでありながら、いまいちピンときていないスタッフもいるでしょう。

 理念や方針は抽象的に示されていることが多いため、言葉で伝えるだけでは理解が深まりません。本人の実体験を振り返りながら、法人として大事にしていること(理念)と経験を結びつけるように伝えて「気づかせる」ことが重要です」
そのためには、コーチングを用いるとよいでしょう。

 例えば、理念に「利用者に、安心と安らぎ・生きがいを届ける」と記されているならば、「今まで、利用者に安心感を与えたことで喜んでもらえた出来事はある?」と、自身の経験を思い出してもらうような質問をします。思いでしてもらいながら、それが理念に沿った行動であることに気づかせるのです。印象に残っている自身の体験と結びつけるような働きかけが有効です。

ケース2
スタッフとの面談で評価結果を伝える場合に、コーチングを使って、スタッフを徹底的に承認する

 リーダーとして、いわゆる「上司評価」を部下へ伝える機会が多いと思いますが、評価面談でどう伝えるかによって、部下のその後の行動や評価自体のとらえ方が大きく変わります。では、どうやって伝えたらよいのでしょうか。
 まず、評価面談とは、評価結果のみを伝える場ではないことを認識してください。筆者が推奨しているのは、全体の8割はこれまで取り組んできた事実を伝える時間に充てることです。これは、コーチングでは「承認」と言われています。
評価期間内に「できたこと」「できなかったこと」「取り組んだ(チャレンジした)こと」などについて、リーダーが見てきたことをそのまま伝えるのです。部下は、「これまでの行動を見てくれていたんだ」という印象を持ち、それが「認めてくれた」という感覚につながります。

 さらに、承認によって相手を納得させることができ、行動を促進します。評価面談は、結果を伝える場ではなく、あくまで次の行動を促進させる場です。承認させ、納得したうえで評価結果を伝え「じゃあ、明日からどういった行動をしてみる?」を質問してみてください。このステップで面談を実施することで、評価面談がリーダー自身にとっても
部下にとっても、行動を促進させる貴重な場であることを認識させることが大事です。

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