今、注目・認識すべきと思われる介護業界のトピックスを厳選してお届けいたします。

  1. 【報酬改定周期】物価高・賃上げ対応に向け「介護報酬2年改定」案が浮上

社会保障審議会・介護給付費分科会や各種経営者団体からの要請において、現行の「3年に1度」の介護報酬改定サイクルを見直し、「2年に1度」へ短縮すべきだとする意見が相次いで提案されています。近年の急激なインフレや他産業での大幅な賃上げに対し、3年周期の改定では介護現場の価格転嫁や人材確保が追いつかないという強い危機感が背景にあるようです。

◆ 2年改定案の主な背景とねらい:
・他産業との賃金格差拡大を防止し、機動的な処遇改善を実施するため
・診療報酬や物価変動とのタイムラグを最小限に抑え、事業所経営の急激な悪化を防ぐため
一方、事業者や自治体の事務負担増を懸念する慎重論もあり、次期の第10期法改正に向けた主要論点として注目されています。

■ 参考・引用元資料(一次情報)

・介護報酬改定、2年に1度の案も 3年サイクルの見直しを求める声が相次ぐ(介護ニュースJoint)
  https://www.joint-kaigo.com/articles/48755/

 

  1. 【制度改正】社保審・介護保険部会が議論を再開

社会保障審議会・介護保険部会は9月18日、第10期介護保険事業計画に向けた制度見直し議論を本格再開しました。特に「制度の持続性確保」をテーマとした議論の大きなポイントとして、利用者の自己負担割合を原則1割から「2割」へ引き上げる対象者の範囲拡大を始めとする下記内容が挙げられます。

◆ 制度見直しの主な議論ポイント:
・2割負担対象者の判断基準の見直し(所得基準の引き下げによる対象範囲の確実な拡大)
・65歳以上の第1号保険料における所得に応じた負担設定(段階の平準化・多段階化)
・ケアマネジメント(居宅介護支援)への自己負担導入の是非
いずれも「骨太方針2026」において2026年度中に結論を得るとされており、年内の意見取りまとめに向けて激しい議論が予想されます。

■ 参考・引用元資料(一次情報)

・介護保険利用料「2割」の高齢者を拡大すべきか?社保審・介護保険部会(GemMed)
  https://gemmed.ghc-j.com/?p=76746

 

  1. 【適正化・規制強化】住宅型有料老人ホーム等への「事前登録制・人員配置基準」案の提示

住宅型有料老人ホームや高齢者向け住宅における併設事業所の「囲い込み」や過剰サービス提供を防止するため、新たな囲い込み防止策・登録要件案が提示されました。

◆ 提示された新たな規制強化案の柱:
・事前登録制の導入(一定の品質・人員基準を満たさない事業所の参入・運営制限)
・人員配置基準の新設(日中帯における職員常駐の義務化、管理者・生活相談員の必須配置)
・夜間対応体制(夜間オンコール体制または巡回体制の確保義務)
従来の緩やかな届出制から実質的な規制強化へシフトし、悪質な囲い込み事業所の淘汰と適切なケア環境の確保を目指します。

■ 参考・引用元資料(一次情報)

・住宅型ホーム、人員配置の規制を強化 日中は職員常駐 夜間はオンコール体制を義務化 厚労省案(介護ニュースJoint)
  https://www.joint-kaigo.com/articles/48928/

 

  1. 【現場課題】カスタマーハラスメントによる介護サービス拒否のルール明確化

厚生労働省は、利用者や家族からのカスタマーハラスメント(カスハラ)を理由とする「サービス提供拒否」の正当な理由について、運営基準上のルールを明確化する方針を提示しました。

◆ 運営基準・指針改正の方向性:
・理不尽な暴言・暴力、過剰な要求により職員の安全が著しく脅かされる場合を「正当な拒否理由」として明示
・事業所が個々に抱え込まず、地域包括支援センターや自治体と連携して契約解除・事業所変更等を行える体制を整備
訪問介護員等の離職防止と安全確保のため、令和9年度改定を待たず速やかな指針改正・運用通知の発出が検討されています。

■ 参考・引用元資料(一次情報)

・カスハラで介護サービス拒否、ルール明確化が俎上に 厚労省が報酬改定へ論点提示(介護ニュースJoint)
  https://www.joint-kaigo.com/articles/48478/

 

  1. 【業務効率化】ケアマネジャーのシャドウワーク解消へ〜「長崎モデル」始動

長崎県介護支援専門員協会は、ケアマネジャーの無償労働(シャドウワーク)となっている通院付き添いや薬の受け取り、日常の買い出し等を自費サービス等へ適切に切り替える「長崎モデル」を全国に先駆けて始動させました。

◆ 長崎モデルの取り組みと成果:
・ケアマネ業務の境界線をガイドライン化し、インフォーマル・自費サービスへの繋ぎ込みルールを策定
・実証事業において、ケアマネ1人あたり「月平均120分」の業務時間削減効果を確認
ケアマネ不足が深刻化する中、無償対応の悪循環を断ち切り、本質的なケアマネジメントに集中するための先進事例として全国から注目を集めています。

■ 参考・引用元資料(一次情報)

・ケアマネのシャドウワーク解消へ 長崎県協会、全国に先駆けて自費サービス活用の「長崎モデル」始動(介護ニュースJoint)
  https://www.joint-kaigo.com/articles/48709/

 

■ 今月の月間Top 5トピック概要一覧

トピック

概要・最新動向

経営・現場への影響・着眼点

1. 介護報酬2年改定案

インフレ・賃上げ対応のため3年周期から2年周期への変更提案

物価高に即応した改定が期待される一方、制度対応の頻度増への準備が必要

2. 2割負担対象の拡大

社保審・介護保険部会で2割負担の所得基準引き下げ議論が再開

利用控えリスクへの対策および高所得層の負担増に対する丁寧な説明が求められる

3. 住宅型ホーム規制強化

事前登録制、日中職員常駐、夜間オンコール義務化などの厚労省案

同一建物併設事業所の囲い込み適正化と基準遵守に向けた人員体制の再構築が必要

4. カスハラ拒否ルール

暴力・暴言等に対するサービス拒否(正当理由)の運営基準明確化

職員の安全確保と早期離職防止に向け、組織的な対応マニュアル整備を推進

5. ケアマネ長崎モデル

無償の支援業務を自費サービス等へ移行し月120分業務削減

ケアマネジャーの本質的業務への集中と、有償サービス連携の仕組みづくり

 

 

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