介護事業所様向け情報(経営)12月号①

令和3 年度予算の概算要求 福祉編

今回は、厚生労働省による来年度予算の概算要求から、福祉に関する内容に注目します。基本的な枠組みは前年度と同額で、別枠にて新型コロナウイルス感染症対応の緊要経費を要望しているところに、今回の特徴があります。

テーマは「ウィズコロナ時代への対応」

2 度にわたる令和2 年度の補正予算では、「まずは国民のいのちや生活を守ることが先決」として、介護分野ではマスクや消毒用エタノール等の物資の確保や緊急包括支援交付金による支援等に重点が置かれてきました。令和3 年度はこれらに加え、緊急時やパンデミック発生時でも福祉サービスの提供が安定的に維持できるよう、施設・設備の整備等にも力点が置かれます。緊要経費として要望された福祉項目は、次のとおりです。

介護・福祉サービス提供体制の継続支援

感染者が発生した事業所等に対し、職員確保や消毒等のかかり増し経費や衛生用品の備蓄、緊急時の応援派遣体制の構築を支援。

マスク等衛生用品の確保

感染等発生時の事業所等の消毒・洗浄に必要な費用を補助。感染が発生した事業所等に対する個人防護具等の円滑供給の確保。

個室化等の環境整備

簡易陰圧装置・換気設備の設置や多床室の個室化等に必要な費用を補助。

研修や業務継続計画(BCP)の策定

職員のための感染症対策相談窓口の設置、感染対策マニュアルの作成、専門家による実地研修やセミナー、業務継続計画(BCP)の作成支援、職員のメンタルヘルス支援等。

ICT・ロボット等の導入

感染拡大防止・生産性向上・介護等業務の負担軽減と、安全・安心なサービス提供のため、ICT・ロボット等の導入を支援。

高齢者等に対する PCR・抗原検査支援

一定の高齢者や基礎疾患を有する者が希望により検査が行えるよう、市区町村を支援。

なお、概算要求策定の段階でこの冬以降の感染状況を予測することは難しく、今回の概算要求では、具体的な金額や施策の詳細には触れられていません。今後、予算編成作業が行われる中で、その時々の最新情報から追加・調整が行われていくため、大幅に変更されることも予想されます。引き続きご注目ください。

参考:厚生労働省「令和3 年度厚生労働省所管予算概算要求関係」
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/21syokan/

(次号に続く)

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