コラム

介護事業所様向け情報(労務)12月号④

新型コロナの影響に伴う休業による社会保険料の随時改定特例の対象期間延長

標準報酬月額は毎年1回定時決定で見直すほか、固定的賃金に変動があったとき等に、変動があった月から3ヶ月間に支払われた給与に基づき、4ヶ月目に見直します(随時改定)。この随時改定について、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)に係る特例が設けられ、その対象となる期間が延長されました。

1. 4月から7月の特例改定

新型コロナの影響で発生した2020年4月から7月の休業により給与額が大幅に下がったときは、下がった月の1ヶ月分の給与により、翌月からの標準報酬月額を見直すことができる特例が設けられています。特例は、以下のすべてを満たす従業員について、会社が届け出たときに対象となります。

  1. 新型コロナの影響による2020年4月から7月の休業(時間単位の休業を含む)により給与が著しく低下した月(急減月)が生じている
  2. 急減月に支払われた給与の総額(1ヶ月分)に該当する標準報酬月額が、既に設定されている標準報酬月額に比べて、2等級以上下がっている
  3. 特例改定について、従業員が書面により同意している

2. 8月から12月の特例改定

1.の特例に加え、2020年8月から12月の休業により給与額が大幅に下がった場合についても特例が設けられました。この8月から12月の特例には2種類があります。

<急減月の翌月の改定>

  1. 新型コロナの影響による2020年8月から12月の休業により給与が著しく下がった月(急減月)が生じている
  2. 急減月に支払われた給与の総額(1ヶ月分)に該当する標準報酬月額が、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がっている
  3. 特例改定について、従業員が書面により同意している

<定時決定に係る特例>

  1. 新型コロナの影響による休業により2020年4月または5月に給与が著しく下がり、5月または6月に1.の特例を受けた
  2. 8月に支払われた給与の総額(1ヶ月分)が、9月の定時決定で決定された標準報酬月額に比べて2等級以上下がっている
  3. 特例改定について、従業員が書面により同意している

なお、8月から12月の特例改定は、2021年3月1日までに管轄の年金事務所へ届け出ることになっています。

1.および2.のいずれの特例も、休業が回復した月(※)に受けた給与の総額を基にした標準報酬月額が、特例改定により決定した標準報酬月額と比較して2等級以上上がった場合には、標準報酬月額を改定することになっています。1.と2.においてこの回復時の取扱いが異なりますので、詳細は日本年金機構のホームページをご覧いただくか、当事務所までお問合せください。
※休業状況に何らか改善が見られ、給与の支払いの基礎となった日が17日以上となった月

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(労務)12月号③

パートタイマーへの賞与支給~最高裁判決の考え方~

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

総務部長

少し前に、新聞やテレビで「契約社員やアルバイトには賞与や退職金を払わなくてよい」というような報道がされていました。当社では、同一労働同一賃金への対応としてパートさんにも賞与を支給する方向で検討していましたが、支給しなくてもよいのでしょうか?

社労士

2020年10月に言い渡された5つの最高裁判決の中で、大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件についてご覧になったようですね。大阪医科薬科大学事件は主にアルバイトに対する賞与の支払いについて、メトロコマース事件は主に契約社員の退職金について争われた事件です。

総務部長

確か、それら以外にも郵便局に関する事件がありましたね。

社労士

はい、東京、大阪および佐賀の3つの日本郵便事件がありました。こちらは、正社員と契約社員の休暇や手当に関する訴訟でした。大阪医科薬科大学事件では、先ほどもお話したようにアルバイトの賞与が主な争点になり、原告であるアルバイトに賞与を支払わないことは「不合理と認められるものに当たらない」と判断されました。

総務部長

ポイントは、正社員とアルバイトの仕事が異なっていたことなのでしょうか。

社労士

おっしゃるとおり、判決文ではアルバイトの職務内容が「相当に軽易であることがうかがわれる」と表現されており、正社員とは職務内容が異なっていました。ただ、それだけではなく、雇用期間に上限があり、実際に3年2ヶ月の雇用期間であったこと、その間に私傷病で1年強、休職していたことも影響しているかと思います。

総務部長

なるほど、単純に「アルバイトだから」と一括りにしてはいけないように感じますね。

社労士

そうですね。また、アルバイトから契約社員、契約社員から正社員への登用制度が設けられており、実際に登用制度により契約社員や正社員になった人も多数います。つまり、登用されることで賞与が支払われる契約社員や正社員になることができる機会もあったのです。

総務部長

雇用期間もそれほど長くない状況で、正社員とは異なる職務内容であった。さらには努力次第で非正規雇用から、最終的に正規雇用にも移ることができるような職場環境であったということですね。

社労士

まさにそのとおりです。当然、最高裁判決ですので人事労務管理の実務に大きく影響しますが、判決の詳細の内容を確認せずに、結果だけで「アルバイト=賞与の支給不要」と考えてしまうと、拙速な判断となりかねないのでご注意ください。

【ワンポイントアドバイス】

  1.  同一労働同一賃金に関する5つの最高裁判決が言い渡された。
  2.  最高裁判決は人事労務管理に影響を及ぼすが、結果のみでなく個別事案として背景や経緯も見て参考とする必要がある

(次号へ続く)

保育事業所様向け情報(労務)12月号③

パートタイマーへの賞与支給~最高裁判決の考え方~

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

総務部長

少し前に、新聞やテレビで「契約社員やアルバイトには賞与や退職金を払わなくてよい」というような報道がされていました。当社では、同一労働同一賃金への対応としてパートさんにも賞与を支給する方向で検討していましたが、支給しなくてもよいのでしょうか?

社労士

2020年10月に言い渡された5つの最高裁判決の中で、大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件についてご覧になったようですね。大阪医科薬科大学事件は主にアルバイトに対する賞与の支払いについて、メトロコマース事件は主に契約社員の退職金について争われた事件です。

総務部長

確か、それら以外にも郵便局に関する事件がありましたね。

社労士

はい、東京、大阪および佐賀の3つの日本郵便事件がありました。こちらは、正社員と契約社員の休暇や手当に関する訴訟でした。大阪医科薬科大学事件では、先ほどもお話したようにアルバイトの賞与が主な争点になり、原告であるアルバイトに賞与を支払わないことは「不合理と認められるものに当たらない」と判断されました。

総務部長

ポイントは、正社員とアルバイトの仕事が異なっていたことなのでしょうか。

社労士

おっしゃるとおり、判決文ではアルバイトの職務内容が「相当に軽易であることがうかがわれる」と表現されており、正社員とは職務内容が異なっていました。ただ、それだけではなく、雇用期間に上限があり、実際に3年2ヶ月の雇用期間であったこと、その間に私傷病で1年強、休職していたことも影響しているかと思います。

総務部長

なるほど、単純に「アルバイトだから」と一括りにしてはいけないように感じますね。

社労士

そうですね。また、アルバイトから契約社員、契約社員から正社員への登用制度が設けられており、実際に登用制度により契約社員や正社員になった人も多数います。つまり、登用されることで賞与が支払われる契約社員や正社員になることができる機会もあったのです。

総務部長

雇用期間もそれほど長くない状況で、正社員とは異なる職務内容であった。さらには努力次第で非正規雇用から、最終的に正規雇用にも移ることができるような職場環境であったということですね。

社労士

まさにそのとおりです。当然、最高裁判決ですので人事労務管理の実務に大きく影響しますが、判決の詳細の内容を確認せずに、結果だけで「アルバイト=賞与の支給不要」と考えてしまうと、拙速な判断となりかねないのでご注意ください。

【ワンポイントアドバイス】

  1.  同一労働同一賃金に関する5つの最高裁判決が言い渡された。
  2.  最高裁判決は人事労務管理に影響を及ぼすが、結果のみでなく個別事案として背景や経緯も見て参考とする必要がある

(次号へ続く)

介護事業所様向け情報(労務)12月号③

パートタイマーへの賞与支給~最高裁判決の考え方~

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

総務部長

少し前に、新聞やテレビで「契約社員やアルバイトには賞与や退職金を払わなくてよい」というような報道がされていました。当社では、同一労働同一賃金への対応としてパートさんにも賞与を支給する方向で検討していましたが、支給しなくてもよいのでしょうか?

社労士

2020年10月に言い渡された5つの最高裁判決の中で、大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件についてご覧になったようですね。大阪医科薬科大学事件は主にアルバイトに対する賞与の支払いについて、メトロコマース事件は主に契約社員の退職金について争われた事件です。

総務部長

確か、それら以外にも郵便局に関する事件がありましたね。

社労士

はい、東京、大阪および佐賀の3つの日本郵便事件がありました。こちらは、正社員と契約社員の休暇や手当に関する訴訟でした。大阪医科薬科大学事件では、先ほどもお話したようにアルバイトの賞与が主な争点になり、原告であるアルバイトに賞与を支払わないことは「不合理と認められるものに当たらない」と判断されました。

総務部長

ポイントは、正社員とアルバイトの仕事が異なっていたことなのでしょうか。

社労士

おっしゃるとおり、判決文ではアルバイトの職務内容が「相当に軽易であることがうかがわれる」と表現されており、正社員とは職務内容が異なっていました。ただ、それだけではなく、雇用期間に上限があり、実際に3年2ヶ月の雇用期間であったこと、その間に私傷病で1年強、休職していたことも影響しているかと思います。

総務部長

なるほど、単純に「アルバイトだから」と一括りにしてはいけないように感じますね。

社労士

そうですね。また、アルバイトから契約社員、契約社員から正社員への登用制度が設けられており、実際に登用制度により契約社員や正社員になった人も多数います。つまり、登用されることで賞与が支払われる契約社員や正社員になることができる機会もあったのです。

総務部長

雇用期間もそれほど長くない状況で、正社員とは異なる職務内容であった。さらには努力次第で非正規雇用から、最終的に正規雇用にも移ることができるような職場環境であったということですね。

社労士

まさにそのとおりです。当然、最高裁判決ですので人事労務管理の実務に大きく影響しますが、判決の詳細の内容を確認せずに、結果だけで「アルバイト=賞与の支給不要」と考えてしまうと、拙速な判断となりかねないのでご注意ください。

 

【ワンポイントアドバイス】

  1.  同一労働同一賃金に関する5つの最高裁判決が言い渡された。
  2.  最高裁判決は人事労務管理に影響を及ぼすが、結果のみでなく個別事案として背景や経緯も見て参考とする必要がある

(次号へ続く)

保育事業所様向け情報(労務)12月号②

2021年3月に引き上げられる障害者の法定雇用率と障害者雇用納付金制度

障害者の雇用は、一般労働者と同じ水準で常用労働者となり得る機会を設けるために、常用労働者の数に対する雇用割合(法定雇用率)が設定されています。そして国や地方公共団体、民間企業はこの法定雇用率に基づき、障害者の雇用義務が課せられます。今回は、2021年3月に引き上げられる法定雇用率と障害者雇用納付金制度の対象企業をとり上げます。

1. 2021年3月からの法定雇用率

法定雇用率は少なくとも5年ごとに見直すことになっており、直近では2018年4月に2.2%に引き上げられています。その際、2021年4月1日までには2.3%へ引き上げられることが決定しており、今回その引上げが2021年3月に行われることになりました。これに伴い、1人以上の障害者を雇用すべき企業の範囲が、労働者数43.5人以上に広がります。

2.障害者雇用納付金制度

障害者の雇用に伴う企業の経済的負担の調整を図り、障害者の雇用水準を引き上げるため、国が法定雇用率の未達成企業から納付金を徴収し、法定雇用率を達成した企業に対して調整金や報奨金を支給する障害者雇用納付金制度が設けられています。

この納付金の制度は、企業による自主申告・納付を基本としており、申告義務のある企業は、常用労働者数が100人超となる企業です。常用労働者としてカウントされるのは次の1.~3.いずれかに該当する労働者です。

  1. 雇用期間の定めがない労働者

  2. 雇用期間の定めがある労働者であって、その雇用が更新され雇入れから1年を超えて引続き雇用されることが見込まれる労働者

  3. 過去1年を超える期間について引続き雇用されている労働者

週の所定労働時間が30時間以上の場合は常用労働者1人としてカウントする一方で、①から③のいずれかに該当し、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合には、常用労働者数0.5人としてカウントします。

3. 申告対象の判断基準

労働者数は、原則として毎月1日、または毎月の賃金締切日において確認することになっています。労働者の入退社があるため、1年を通じると労働者数が月ごとに前後することがあり、労働者数100人前後の企業では納付金制度の申告が必要か迷いますが、労働者数が100人を超える月が一年度(4月から翌年3月)に5ヶ月以上あれば、申告の対象となります。

なお、年度途中の事業廃止等の場合には、5ヶ月以上でなくても申告が必要となることがあります。

障害者雇用が進まない企業に対しては、ハローワークにより雇用率達成指導が行われ、それでも雇用状況が改善されない場合には、最終的に厚生労働省のホームページにおいて企業名が公表されることになっています。障害者の雇用には時間を要するケースも多いため、早めに採用活動を行うといった対応が望まれます。

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(労務)12月号②

2021年3月に引き上げられる障害者の法定雇用率と障害者雇用納付金制度

障害者の雇用は、一般労働者と同じ水準で常用労働者となり得る機会を設けるために、常用労働者の数に対する雇用割合(法定雇用率)が設定されています。そして国や地方公共団体、民間企業はこの法定雇用率に基づき、障害者の雇用義務が課せられます。今回は、2021年3月に引き上げられる法定雇用率と障害者雇用納付金制度の対象企業をとり上げます。

1. 2021年3月からの法定雇用率

法定雇用率は少なくとも5年ごとに見直すことになっており、直近では2018年4月に2.2%に引き上げられています。その際、2021年4月1日までには2.3%へ引き上げられることが決定しており、今回その引上げが2021年3月に行われることになりました。これに伴い、1人以上の障害者を雇用すべき企業の範囲が、労働者数43.5人以上に広がります。

2.障害者雇用納付金制度

障害者の雇用に伴う企業の経済的負担の調整を図り、障害者の雇用水準を引き上げるため、国が法定雇用率の未達成企業から納付金を徴収し、法定雇用率を達成した企業に対して調整金や報奨金を支給する障害者雇用納付金制度が設けられています。

この納付金の制度は、企業による自主申告・納付を基本としており、申告義務のある企業は、常用労働者数が100人超となる企業です。常用労働者としてカウントされるのは次の1.~3.いずれかに該当する労働者です。

  1. 雇用期間の定めがない労働者

  2. 雇用期間の定めがある労働者であって、その雇用が更新され雇入れから1年を超えて引続き雇用されることが見込まれる労働者

  3. 過去1年を超える期間について引続き雇用されている労働者

週の所定労働時間が30時間以上の場合は常用労働者1人としてカウントする一方で、①から③のいずれかに該当し、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合には、常用労働者数0.5人としてカウントします。

3. 申告対象の判断基準

労働者数は、原則として毎月1日、または毎月の賃金締切日において確認することになっています。労働者の入退社があるため、1年を通じると労働者数が月ごとに前後することがあり、労働者数100人前後の企業では納付金制度の申告が必要か迷いますが、労働者数が100人を超える月が一年度(4月から翌年3月)に5ヶ月以上あれば、申告の対象となります。

なお、年度途中の事業廃止等の場合には、5ヶ月以上でなくても申告が必要となることがあります。

障害者雇用が進まない企業に対しては、ハローワークにより雇用率達成指導が行われ、それでも雇用状況が改善されない場合には、最終的に厚生労働省のホームページにおいて企業名が公表されることになっています。障害者の雇用には時間を要するケースも多いため、早めに採用活動を行うといった対応が望まれます。

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(労務)12月号②

2021年3月に引き上げられる障害者の法定雇用率と障害者雇用納付金制度

障害者の雇用は、一般労働者と同じ水準で常用労働者となり得る機会を設けるために、常用労働者の数に対する雇用割合(法定雇用率)が設定されています。そして国や地方公共団体、民間企業はこの法定雇用率に基づき、障害者の雇用義務が課せられます。今回は、2021年3月に引き上げられる法定雇用率と障害者雇用納付金制度の対象企業をとり上げます。

1. 2021年3月からの法定雇用率

法定雇用率は少なくとも5年ごとに見直すことになっており、直近では2018年4月に2.2%に引き上げられています。その際、2021年4月1日までには2.3%へ引き上げられることが決定しており、今回その引上げが2021年3月に行われることになりました。これに伴い、1人以上の障害者を雇用すべき企業の範囲が、労働者数43.5人以上に広がります。

2.障害者雇用納付金制度

障害者の雇用に伴う企業の経済的負担の調整を図り、障害者の雇用水準を引き上げるため、国が法定雇用率の未達成企業から納付金を徴収し、法定雇用率を達成した企業に対して調整金や報奨金を支給する障害者雇用納付金制度が設けられています。

この納付金の制度は、企業による自主申告・納付を基本としており、申告義務のある企業は、常用労働者数が100人超となる企業です。常用労働者としてカウントされるのは次の1.~3.いずれかに該当する労働者です。

  1. 雇用期間の定めがない労働者

  2. 雇用期間の定めがある労働者であって、その雇用が更新され雇入れから1年を超えて引続き雇用されることが見込まれる労働者

  3. 過去1年を超える期間について引続き雇用されている労働者

週の所定労働時間が30時間以上の場合は常用労働者1人としてカウントする一方で、①から③のいずれかに該当し、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合には、常用労働者数0.5人としてカウントします。

3. 申告対象の判断基準

労働者数は、原則として毎月1日、または毎月の賃金締切日において確認することになっています。労働者の入退社があるため、1年を通じると労働者数が月ごとに前後することがあり、労働者数100人前後の企業では納付金制度の申告が必要か迷いますが、労働者数が100人を超える月が一年度(4月から翌年3月)に5ヶ月以上あれば、申告の対象となります。

なお、年度途中の事業廃止等の場合には、5ヶ月以上でなくても申告が必要となることがあります。

障害者雇用が進まない企業に対しては、ハローワークにより雇用率達成指導が行われ、それでも雇用状況が改善されない場合には、最終的に厚生労働省のホームページにおいて企業名が公表されることになっています。障害者の雇用には時間を要するケースも多いため、早めに採用活動を行うといった対応が望まれます。

(次号に続く)

医療事業所様向け情報(労務)12月号①

新型コロナによる雇用への影響と解雇・雇止めの違い

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の感染拡大が雇用に影響を与えています。厚生労働省ではその影響をタイムリーに把握し、ホームページで情報を発信していますが、今回はその状況と勘違いしやすい解雇と雇止めの違いを確認します。

1.解雇等見込み労働者数

解雇等見込み労働者数は2020年11月6日時点の累計で70,242人となっています。5月以降、8月を除くと毎月1万人を超える人数で推移しており、10月は7,506人でした。

この累積数を上位10業種でみてみると下表のようになります。

この情報は都道府県労働局等で把握できた範囲のものであり、必ずしも網羅性のあるものではありません。また、過去に把握した情報の一部には既に再就職をした人も含まれている可能性があります。そのため実際の雇用環境はさらに悪化していることが考えられ、今後の新型コロナ感染拡大の状況によってはこの人数が増えることが懸念されます。

2.解雇・雇止めの違い

解雇等見込み労働者とは、解雇や雇止め等の予定がある労働者(一部すでに解雇や雇止めされたものも含む)を指しています。解雇と雇止めは混同されやすいですが、解雇や雇止めを行うときの手続きや、雇用保険の基本手当の扱いにおいて異なることもあり、区別して理解しておく必要があります。

①解雇
会社が一方的に労働契約を解消することをいいます。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利の濫用として無効となります(労働契約法16条)。また、有期労働契約は、やむを得ない事由がなければ契約期間中に解雇することができないとされており(同17条)、無期労働契約を締結している場合の解雇よりも、解雇の有効性は厳しく判断されます。

②雇止め
雇止めとは有期労働契約で、その契約を更新せず、労働契約を終了することをいいます。有期労働契約であっても、無期労働契約と実質的に異ならない状態になっている場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から雇用継続への合理的期待が認められる場合には、雇止めが認められないことがあります。

有期労働契約の更新時のトラブルを防止するために、労働契約の締結時に書面で更新の基準を示す必要があります。そして、更新に関して「更新する場合がありうる」とした場合には、「契約期間満了時の業務量」「労働者の勤務成績、態度」のように、その判断の基準を具体的に示すことも必要です。

(次号に続く)

保育事業所様向け情報(労務)12月号①

新型コロナによる雇用への影響と解雇・雇止めの違い

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の感染拡大が雇用に影響を与えています。厚生労働省ではその影響をタイムリーに把握し、ホームページで情報を発信していますが、今回はその状況と勘違いしやすい解雇と雇止めの違いを確認します。

1.解雇等見込み労働者数

解雇等見込み労働者数は2020年11月6日時点の累計で70,242人となっています。5月以降、8月を除くと毎月1万人を超える人数で推移しており、10月は7,506人でした。

この累積数を上位10業種でみてみると下表のようになります。

この情報は都道府県労働局等で把握できた範囲のものであり、必ずしも網羅性のあるものではありません。また、過去に把握した情報の一部には既に再就職をした人も含まれている可能性があります。そのため実際の雇用環境はさらに悪化していることが考えられ、今後の新型コロナ感染拡大の状況によってはこの人数が増えることが懸念されます。

2.解雇・雇止めの違い

解雇等見込み労働者とは、解雇や雇止め等の予定がある労働者(一部すでに解雇や雇止めされたものも含む)を指しています。解雇と雇止めは混同されやすいですが、解雇や雇止めを行うときの手続きや、雇用保険の基本手当の扱いにおいて異なることもあり、区別して理解しておく必要があります。

①解雇
会社が一方的に労働契約を解消することをいいます。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利の濫用として無効となります(労働契約法16条)。また、有期労働契約は、やむを得ない事由がなければ契約期間中に解雇することができないとされており(同17条)、無期労働契約を締結している場合の解雇よりも、解雇の有効性は厳しく判断されます。

②雇止め
雇止めとは有期労働契約で、その契約を更新せず、労働契約を終了することをいいます。有期労働契約であっても、無期労働契約と実質的に異ならない状態になっている場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から雇用継続への合理的期待が認められる場合には、雇止めが認められないことがあります。

有期労働契約の更新時のトラブルを防止するために、労働契約の締結時に書面で更新の基準を示す必要があります。そして、更新に関して「更新する場合がありうる」とした場合には、「契約期間満了時の業務量」「労働者の勤務成績、態度」のように、その判断の基準を具体的に示すことも必要です。

(次号に続く)

介護事業所様向け情報(労務)12月号①

新型コロナによる雇用への影響と解雇・雇止めの違い

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の感染拡大が雇用に影響を与えています。厚生労働省ではその影響をタイムリーに把握し、ホームページで情報を発信していますが、今回はその状況と勘違いしやすい解雇と雇止めの違いを確認します。

1.解雇等見込み労働者数

解雇等見込み労働者数は2020年11月6日時点の累計で70,242人となっています。5月以降、8月を除くと毎月1万人を超える人数で推移しており、10月は7,506人でした。

この累積数を上位10業種でみてみると下表のようになります。

この情報は都道府県労働局等で把握できた範囲のものであり、必ずしも網羅性のあるものではありません。また、過去に把握した情報の一部には既に再就職をした人も含まれている可能性があります。そのため実際の雇用環境はさらに悪化していることが考えられ、今後の新型コロナ感染拡大の状況によってはこの人数が増えることが懸念されます。

2.解雇・雇止めの違い

解雇等見込み労働者とは、解雇や雇止め等の予定がある労働者(一部すでに解雇や雇止めされたものも含む)を指しています。解雇と雇止めは混同されやすいですが、解雇や雇止めを行うときの手続きや、雇用保険の基本手当の扱いにおいて異なることもあり、区別して理解しておく必要があります。

①解雇
会社が一方的に労働契約を解消することをいいます。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利の濫用として無効となります(労働契約法16条)。また、有期労働契約は、やむを得ない事由がなければ契約期間中に解雇することができないとされており(同17条)、無期労働契約を締結している場合の解雇よりも、解雇の有効性は厳しく判断されます。

②雇止め
雇止めとは有期労働契約で、その契約を更新せず、労働契約を終了することをいいます。有期労働契約であっても、無期労働契約と実質的に異ならない状態になっている場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から雇用継続への合理的期待が認められる場合には、雇止めが認められないことがあります。

有期労働契約の更新時のトラブルを防止するために、労働契約の締結時に書面で更新の基準を示す必要があります。そして、更新に関して「更新する場合がありうる」とした場合には、「契約期間満了時の業務量」「労働者の勤務成績、態度」のように、その判断の基準を具体的に示すことも必要です。

(次号に続く)

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