7月に開催された“介護給付費分科会”(居宅介護)

2018年度介護保険法改正・報酬改定の具体的議論が

現在進行形で行われている“介護給付費分科会”。

2017年4月末に本格始動した本会は5月、6月、7月と
各2回づつ開催されており、いよいよ議論も各論に入り
つつある状況です。これらの情報を早めにインプットし、
(心構えも含めた)然るべき準備を行っていく事を目的に、
7月に開催された会で挙げられた論点について、内容を
確認してまいります(今回は特に多くの事業者の皆様に
関連するであろう2つのサービスを抜粋してお届けします)。

では、早速、中身を確認してまいりましょう。先ずは

居宅介護支援事業に対する論点についてです。

【論点】

〇居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進する観点から、居宅介護支援事業所の管理者のあり方についてどのように考えるか。
○ 公正中立なケアマネジメントを確保する観点から、特定事業所集中減算のあり方や利用者やその家族に対する説明・同意プロセス等についてどう考えるか。
○ 退院後に円滑に必要な居宅サービスを受けられるようにするために、入院時を含めた医療機関と居宅介護支援事業所との更なる連携に向けた取組みについてどう考えるか。
○ 末期の悪性腫瘍の患者に係るケアマネジメントについてどう考えるか。

※2017年7月5日・20日介護給付費分科会資料より抜粋

特に2番目の論点、「公正中立なケアマネジメント」について
確認してまいります。2016年3月、会計検査院より
「個々の利用者の人格を尊重し、利用者の立場に立って
居宅サービス計画を作成した結果として集中割合が高くなる
場合があることなどを踏まえると、ケアマネジメントの公正・
中立を確保するための制度としての有効性については疑問が
ある」
「ケアマネジメントの公正・中立を確保するという所期の
目的からみて、必ずしも合理的で有効な施策であるとは
考えられず、むしろ一部の支援事業所においては、集中割合の
調整を行うなどの弊害を生じさせる要因となっていると
考えられる」との指摘を受けて以降、にわかに注目される事
となった特定集中減算。

次年度の改正において本スキームの変更に手が加えられるで
あろうことは間違いなく、先日の介護給付費分科会において
も活発な議論が行われたようです。
「思い切って廃止すべき」という意見もあれば、やはり
何らかの歯止めは必要、という観点から「利用者を含めた
カンファレンスが適切に行われ、多職種協働が担保されて
いる場合などは減算の対象から外してはどうか」
「地域に事業所が少ないサービスと医療系のサービスは
除外すべき」「サービスごとに細かく集中割合を設定しては
どうか」等の意見も出ている状況で、最終的にどのような
着地になるのか、事業者としては是非、注目しておきたいと
ころです。

また、本テーマとも一部重複する形で同時に議論が進めら
れている、“サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人
ホームで暮らす高齢者向け介護サービスの囲い込み問題”。
通常の在宅で生活している要介護1、要介護2の高齢者と
比較した場合、住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け
住宅に居住する同認定レベルの高齢者の方が、
区分限度支給額に対して圧倒的に高い単位数を消化している、

という指摘が大阪府の報告書にて為されたことは、記憶に
新しいところです
それらの改善策の一つとして新たに議論の俎上に挙げら
れたのが「集合住宅減算(仮称)」。訪問介護や
通所介護等のサービスで運用されているものと同種の内容
を居宅介護支援事業にも入れていこう、ということのようですが、本スキームを導入する“理”はよく理解出来るものの、
果たしてこのスキームの導入が前述の“囲い込み”問題の解消にどれだけ貢献できるか、については、未知数だと言えるのではないでしょうか(とはいえ、当然ながら、“やらないよりはマシ”であることは間違いない事も付言させていただきます)。

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