ベテラン社員さんをその気にさせる3つの視点
今日は、宮崎県で社労士をされて
いる川越先生のブログから、皆様に
とても参考になる記事をご紹介させて
頂きたいと思います。
【ベテラン社員さんをその気にさせる3つの視点】
> 今は法律上65歳までの雇用義務がある。
> しかし、それはあくまで法律上の話であり、実際の雇用
> においては義務的でなく、何歳になってもイキイキと働
> いてもらうことが重要だ。ちょうど、人の身体において
> 医療や介護に依存し過ぎない健康寿命が大切なのと同じ
> である。
> そこで今回はハート、ソフト、そしてハードという3つ
> の視点から対応策を提案したい。
>
>
> 1.ハート「人の気持ち」視点
>
> 最も重要なのがこのハートの視点である。
> 人は理屈で動くのではなく、会社に頼られたりすること
> を粋に感じればこそ本気になって頑張るものだ。
>
> 1)頼りにする
> 人は他人に頼るよりも頼られるほうが嬉しい。言い
> 換えればお礼を言うより言われるほうが気持ち良い。
> これはベテラン社員と呼ばれる人たちも同じだ。
> 「●●さん頼りにしてます。お願いしますよ」と会
> 社や若手に頼りにされることによりその気になる。
> その気になるから理屈抜きに会社や若手の役に立と
> うと考えるのだ。
>
> 2)褒めるより認める
> 人は褒めて育てろといわれるが、人生や仕事上の大
> 先輩には少々失礼な話ではないだろうか。まして、
> 年下の人が褒めるというのはそれだけで上から目線
> の物言いになりやすい。だからベテラン社員の働き
> ぶりや行動をよく見て評価できるならば「いつも若
> 手の面倒をみてもらって助かります」といった具合
> に客観的に認めれば良い。
>
> 3)たまには懇親会で人間関係を深める
> 「コミュニケーションを充実させよう」といくら叫
> んだところで、仕事だけの関係だと人間関係はなか
> なか深まらない。特にベテラン社員と若手では年齢
> 的に考え方のギャップもあるだろうからなおさらだ。
> だから、たまには職場の懇親会を開催し杯を酌み交
> わす。仕事を離れればこそ見えたり感じたりするも
> のもある。
>
>
> 2.ソフト「働くしくみ」の視点
>
> 次に重要なのが働きやすいしくみをつくるソフトの視
> 点だ。60歳以上のベテラン社員となれば、賃金などの
> 労働条件が云々というより働きやすさというのが重要と
> なる。
>
> 1)事情に応じた柔軟な勤務時間設定
> 年を重ねて来ると事情により個人差というのが大き
> くなるものだ。だからこそ個人ごとの事情に合わせ
> た勤務時間の設定が必要になる。たしかにフルタイ
> ムがありがたいが、週3日なら働ける、午前中なら
> 大丈夫という方もいるだろう。人手不足の面からも、
> このような細切れの時間を組み合わせていくことも
> 必要になる。
>
> 2)若手とのペア勤務
> 長年かけて培われた熟練、人脈、知恵などはある日
> 突然なくなるものではない。たしかに、若い人に比
> べたら記憶力や瞬発力は低下してくるかもしれないが、
> 交渉力や調整力はかえって円熟味を増す。だから、
> 若手とペアで勤務させることにより、技能の伝承が
> スムーズにいくし、ベテラン社員の身体的負担も軽
> 減できる。
>
> 3)肩書きも必要
> 肩書きというのはありがたいものだ。特に男性の場
> 合は肩書きを気にする。定年後の再雇用で今までの
> 肩書きがなくなったりすれば寂しいものだ。営業な
> ど外部との接触がある職種だとなおさらである。
> だから名刺用の肩書きも必要だ。例えば「社長付」
> とでもあれば自他ともになんとなくその気になれる
> というもの。
>
>
> 3.ハード「職場環境・設備対策」の視点
>
> そして職場環境や設備などハードの視点だ。
> そう大掛かりなことはしなくても、文字のポイントを大
> きくするなどちょっとした配慮でも大きな効果がある。
>
> 1)さりげない配慮
> 個人差はあるだろうが、今の60代70代は昔のお
> じいさん、おばあさんではない。10歳くらいは若
> いはずである。だから必要以上に高齢者向けの環境
> や設備対策は必要ないと思う。要は過度に年寄り扱
> いをされたくないのだ。それでも身体的な衰えをカ
> バーする工夫がさりげなくしてあるとありがたいも
> のである。
>
> 2)文字などを見やすくする
> 見えにくいというのは辛いというか仕事上のミスに
> つながりやすい。だから、書類の文字は12ポイン
> ト以上にするとか、黒や紺など区別しにくい色の組
> み合わせを避ける。また必要に応じて電気スタンド
> を準備して明るさを確保することもありがたい。
> 何も大掛かりなことをする必要はなく、小さな配慮
> が大きなやる気となる。
>
> 3)基本的には現場の要望を取り入れる
> 働きやすい職場環境・設備を一番知っているのは、
> その職場で実際に働いている人だ。他社が取り入れ
> ているものを良かれと思って導入しても誰も使って
> いなかったりする。仕事の内容、やり方は各社各様
> であり、まず現場の要望を聴くことが肝要だ。
> それにこのように聴くことがコミュニケーションに
> もつながる。
>
>
> 今は人手不足ということもあり、中小企業では普通に
> 70歳くらいまでは働いてもらわないといけない時代だ。
> それも仕方なくではなくその気にさせて。
> その際に考えておくべきが、ハート、ソフト、そして
> ハードという3つの視点である。
いかがでしたでしょうか?
皆様のご参考になれば幸いです。
(出典:川越社労士事務所ブログより)