「 社員のやりがいを育む3つの要素」
さて、皆さんは、今、外国人観光客に
もっとも注目を浴びているホテルで
大阪の「道頓堀ホテル」をご存じでしょうか?
このホテルは、お客様への「おもてなし」の
サービスで有名ですが、それを作りだしている
社員の方々を大切にする経営、そして、そこで醸成
される社風・風土は、業界に関わらず、今日の経営の
あり方と今後の方向性を示唆してくれているものと
感じています。
今日は、このホテルの記事が、雑誌「致知」
に掲載されていましたので、皆さまに
ご紹介させて頂きます。
────────[今日の注目の人]───
★ 社員のやりがいを育む3つの要素 ★
橋本 明元(王宮 道頓堀ホテル専務)
※『致知』2016年8月号【最新号】
※特集「思いを伝承する」P48
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そのためには大きく3つのことが
大事ではないかなと思いましてね。
一つは自分たちの意見を
聞いてくれる土壌があるかどうか。
当時、ある女性社員から
「女性化粧室に姿見を置いてほしい」
と言われたんですよ。
男性の私からすると、
そんなの要るのかなと
思ったんですけど、買ったんです。
そうしたら、その鏡を誰に
言われることもなく綺麗に
拭くようになったんですよ。
で、同僚や後輩に「これ私の意見やで」
と言っているのを聞いて、
社員さんは自分の意見を聞いてほしい、
会社に貢献したいと思っているんだなと。
それで、改善提案制度を導入し、
目安箱に自由に意見を書いて
放り込めるようにしました。
一切強制はしないのに、
もう改善提案の嵐ですね(笑)。
最近は、改善提案したことに対して
後でいちいち上役の許可を
取るのもどうかなと思って、
一回あたり20万円以内であれば
自由に使っていいことにしています。
──社員に決裁権を与えていると。
いわゆる経営者ですよね。
自分で責任を持って
お金を使うことによって
経営感覚が身につくし、
会社への愛着も湧くと思います。
二つ目が、会社や経営者が
自分のことを大事にしてくれている
という実感があるかどうか。
例えば福利厚生の面では、
病院代は全額無料ですし、
本人だけではなく、
家族にも適用しています。
入院しても手術しても、
会社がすべて負担すると。
それ以外には、
社員さんの誕生日はもちろん、
その配偶者の方の誕生日にも
プレゼントを贈っています。
そこに手紙も添えて、
旦那さんや奥さんの
会社での活躍ぶりを綴り、
それはご家族の支えのおかげですよ、
と心からの感謝を伝える。
そうすると、しんどい時があっても
ご家族が味方になってくれて、
踏ん張れると思うんです。
──社員のみならず、その家族も
大事にされているのですね。
そして三つ目が使命感。
自分の仕事が社会の役に立っている実感が
あるかどうか。
弊社の使命は「世界中の人に日本の文化・
おもてなしを体験 体感していただき
心に残る思い出づくりのお手伝いをします。そして一人
でも多くの方が日本を好きになってくれるよう努力します」
というものです。
みんなが「日本を好きになってもらうんや」とイキイキ
しながらイベントの企画や運営まですべてをやっています。
社会の役に立つというと、ついボランティアとか寄付に
いきがちですよね。
たしかに
それも大事なことで、わたしたちも毎日ホテル周辺の
清掃活動を主体的にやっています。
でもそれ以上に大事なのは普段の仕事そのものが
社会の役に立っているという実感を
もつことではないでしょうか。