「あなたはどんな親孝行をしていますか」

みなさん、こんにちは!

今日は、久しぶりに雑誌『致知』の

記事をご紹介させて頂きたいと

思います。

人間力向上研修でお伝えする

「報恩感謝」。その原点は

「親への感謝」のこころです。

そして、何より大事なのは、それを

「形」にすること。

今日はそんな文章をご紹介します。

筆者は、ニチイの創業者で、いまは

住職であられます西端 春枝様です。


◆ 人を偲ぶ心の優しさ ◆

西端 春枝(真宗大谷派淨信寺副住職)


※『致知』2012年11月号P80
※連載「生涯現役」

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最近はタクシーを
使うことが増えましてね。

その時にはできるだけ運転手さんに
話し掛けるようにしているんです。


この前も

「あんた、お母さんいてはるの」

とお聞きすると、小学校の頃に
亡くなったと言うんですよ。


でも具体的に何月何日
だったかは覚えていないし、
ある運転手さんは
両親の命日を知らない。


中にはお兄さんと喧嘩して
家を飛び出したから、
どこのお寺さんに行けば
いいのか分からないという。

こういう人たちに出くわすと、
もう黙っていられないから
身を乗り出して説教が
始まるんですよ(笑)。


彼らはいつも車で走っているので、
お寺の前を通ったら、ちょっとでも
頭を下げるようにと言うんです。

それだけでもいいって。


──それだけですか。


そう。でもね、そうすれば、
自然とお母さんのことを思い出したり、
心の中でお父さんに
話し掛けられるようになるんです。

そうやってご自身が亡くなるまで、
折に触れて親のことを
偲ぶことも親孝行なんですよ。

そしてこのような話をしながら、
私自身もまた自分の
親のことを偲んでいる。


ある運転手さんが私と話し込んで、
つい道を間違えてしまって
遠回りしたことがありました。


彼はしきりに謝りましたが、
それよりも私は「遠回り」
というのが懐かしいなと思ってね。


なぜかと言えば、子供の頃に母親から
「はよ帰っておいで」と
言われていたんだけど、機嫌が悪くて
遠回りして帰ったことがあったんです。

つまらないことして、親を困らせてね。

そんな懐かしい母との思い出を、
思わぬ人の言葉で思い出せるんです。


──それもまた親孝行だと。


父は親孝行なんて、
親が生きている間に
満足にできているなんて思うな、
と言っておりました。

親が子を思う心の半分も、
お返しなんぞできるものではないと。

だから昔の人はお盆の時に、
墓石を洗いながらこんな詩を
思い浮かべていたんです。


「父母の背を流せし如く墓洗う」


いま生きていれば一遍でも
背中を流してあげるのにな、
と思う時にはもう親はいないんですね。

だからせめて父母の背中を
流すつもりで墓石を洗う。


こうやって一つひとつの
出来事を通じて、私たちは
亡き親を偲ぶことができるんですね。

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