第7波、保育継続へ奔走 クラス単位閉鎖/代替施設を確保 コロナ拡大も休園抑制

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、一部で休園する保育所が出ている。感染対策と社会経済活動との両立を重視する第7波では、働く親への影響を最小限にする必要がある。自治体や保育現場では、園児や職員に感染者が出てもクラス単位の休園にとどめたり、代替施設を確保したりと、保育継続の工夫を重ねている。

厚生労働省によると、84日時点の保育所休園数は全国で104カ所で、2週間前と比べて約2倍に増えた。第6波のピーク時には全国で777カ所が休園に追い込まれ、子どもを預けられずに出勤できない親が急増した。

 第7波で新規感染者数の過去最多更新が続いているのに、休園数は第6波より大幅に抑えられている。厚労省の担当者は「クラス単位の閉鎖が増えている可能性がある」と分析する。全面休園の件数しか自治体から報告を受けておらず、実態をつかみづらくなっているという。

 厚労省はこれまでも保育所の「原則開所」を自治体に要請している。ただ実際は感染者が見つかると全面休園や大規模休園に発展することが多かった。第6波で休園による保護者の欠勤が相次ぎ、医療機関やインフラなど社会機能の維持に支障が出た反省を踏まえ、一部休園にとどめる動きが広がっている。

 2月に方針を変更した大阪市は「保育士が確保できる限りは、できるだけクラスを開けるようにした」と説明する。

 保育所での濃厚接触者特定をやめる自治体も相次いでいる。千葉県は721日、保育所で感染者が出た場合に濃厚接触者を特定する運用をやめたと発表した。東京都も同22日、同様の方針を決めた。園内で感染者が出ても、症状などがない児童や職員は休まなくてもよくなった。

 千葉県の担当者は「特定をやめて以降も、保育所でのクラスター(感染者集団)が急激に増えているという報告は受けていない」と話す。濃厚接触者の特定中止による感染拡大などの影響は限定的とみている。

 休園になった場合に、他の園や公民館で園児を預かる「代替保育」を提供する自治体もある。

 東京都町田市は第6波で感染が拡大していた2月に代替保育を導入した。保育所など15カ所で代わりに園児を受け入れ可能という。保育士感染による職員不足などが原因で休園した場合に利用できる。

 札幌市は医療・保育従事者の子どもを対象に受け入れる。群馬県渋川市は今秋から公共施設で代替保育を実施する。担当者は「9月にも開始できるよう準備したい」と話す。

 厚労省も代替保育に取り組む自治体を財政支援している。ほかの園が子どもを預かった場合は、その保育料を国が補助する。公民館や児童館などでの代替保育の場合は、保育士の人数や資格などの要件を満たさない状況も条件付きで容認している。

 ほかにも東京都は休園になっても親が働き続けられるよう、4月から保育所の臨時休園時にベビーシッターを割安な料金で利用できる制度を導入した。1時間当たり150円でベビーシッターを利用できる。本来の料金との差額は都が補助する。

 都の担当者は「(第7波の本格化で)7月から利用者が増加している。利用申請の件数は4日時点で160件程度にのぼる」と説明する。

 保育所でも、重症化率が低下したオミクロン型の特性を踏まえたウィズコロナの模索が続いている。

日本経済新聞 2022/8/21

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