介護事業所様向け情報(労務)10月号③

健康保険証 10 月から従業員へ直接交付が可能に

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。

 

社労士                                                                                                                 従業員の社会保険の手続きをすると、会社に健康保険証が送付され、それを従業員に交付しますが、この流れについて10 月からは協会けんぽ等の保険者が「支障がない」と認めたときは、保険者から直接従業員に交付(以下、「直接交付」という)されるようになります。
総務部長
会社を経由せずに、従業員に直接届くということですね。従業員からは「早く健康保険証が欲しい」と言われることがあるので、直接交付はありがたいです。
社労士                                                                                                      健康保険証は、法令で保険者から事業主に送付し、それを事業主から従業員に交付すると決められています。コロナ禍でテレワークが普及したこと等に対応し、健康保険証を受け取るためだけに出社するといった状況をなくすため、今回の変更が行われました。
総務部長                                                                                                                                                       なるほど。ところで「支障がない」というのはどのような状況でしょうか。
社労士                                                                                                                              今回の変更によって、保険者は会社に送付すればよかった健康保険証について、従業員の自宅等に送付することになるため、事務負担や費用、送付先の住所の把握や管理等の負担が大きくなります。したがって、直接交付ができるかを、保険者・事業主・従業員の間で調整し、最終的に直接交付することに支障がないかを保険者が決めることになります。
総務部長                                                                                                                                                   入社(資格取得)時に健康保険証を従業員に渡すことの不便さは感じていないのですが、退職(資格喪失)時の健康保険証の回収に苦労しています。退職日に出社しない従業員には、会社に郵送してもらうように伝えていますが、これも従業員から直接保険者に送付してもらってもよいのですか。
社労士                                                                                                                         そのような要望が多いようですが、今回の変更は交付時の対応であり、資格喪失をしたときにはこれまで通り、会社が従業員やその家族の分の健康保険証を回収して保険者に返納する必要があります。
総務部長                                                                                                                                                承知しました。ありがとうございました。

 

ONE POINT
①2021年10月から保険者が支障がないと認めたときに限り、保険者から従業員に健康保険証を交付することができるようになる。
②資格喪失時の健康保険証は、これまで通り事業主が回収し、保険者に送付する必要がある。

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