介護事業所様向け情報(労務)7月号④

新型コロナでシフトが減少した場合の雇用保険の給付の特例措置

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の影響により解雇等となった労働者(見込みも含む)は、2021 年5 月28 日現在、104,946 人となり、雇用への影響は相当大きなものとなっています。解雇等となった労働者で、雇用保険に加入していた人の中には、雇用保険の求職者給付を受給する人が多いかと思いますが、シフト制の労働者の求職者給付が支給される時期や給付日数にかかる取扱いについて特例措置が設けられました。

1. 雇用保険の加入要件

 雇用保険は、原則として1週間の所定労働時間が20 時間以上であり、かつ、31日以上の雇用見込みがある労働者が被保険者となります。雇用契約書等により1 週間の所定労働時間が定まっていない場合やシフト制などにより直前にならないと勤務時間が判明しない場合は、勤務実績に基づき平均の所定労働時間を算定して被保険者になるかが判断されます。

2. 設けられた特例措置

 新型コロナの影響を受け、シフトが減ったことで、雇用保険の被保険者資格を喪失したり、有期雇用契約を更新しなかったりした場合、雇用保険の求職者給付については次の取扱いになります。

①就労日数等の定めがある場合

シフト制労働者で、例えば、以下に該当するときは特定理由離職者または特定受給資格者として認められる場合があります。

・具体的な就労日数が労働条件として明示されている一方で、シフトを減らされた場合
・契約更新時に従前の労働条件からシフトを減らした労働条件を提示されたため、更新を希望せずに離職した場合

②シフトの減少で週20 時間を下回る場合

2021 年3 月31日以降に、以下の理由により離職したときは特定理由離職者として、雇用保険求職者給付の給付制限は設けられていません。

・新型コロナの影響により、シフトが減少し(労働者が希望して減少した場合を除く)、概ね1ヶ月以上の期間、労働時間が週20時間を下回った、または下回ることが明らかになったことにより離職した場合

 

シフト制の労働者でも、前年同時期のシフトや直近月のシフト等に基づいて労働日の設定を行い、それに基づき休業日を決め、休業手当を支払うときは雇用調整助成金の対象になりますが、新型コロナの影響が長引く中、労働契約の内容を見直すことも増えているでしょう。雇用保険の資格喪失手続きを行う際には、離職した状況により喪失原因も異なることがあるため留意しましょう。

お電話でのお問い合わせ

03-6435-7075(平日9:00~18:00)

営業時間外のお問い合わせはこちらから

相談・ご依頼の流れはこちら