介護事業所様向け情報(労務)3月号③

2021年4月より変わる36協定届の様式

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長

当社では36協定を4月1日からの1年間で締結しており、届出を3月中に行う予定です。4月より36協定届(時間外・休日労働に関する協定届)の様式が変更になると聞きましたが、新様式と旧様式のどちらで届け出ればよいのでしょうか?

社労士

3月中に届出を行うのであれば、原則として旧様式を使うことになります。今回、どちらの様式を使うのかは、届出日が改正後の労働基準法施行規則の施行日である2021年4月1日の前であるか、後であるかで判断します。

総務部長

なるほど。届出日がポイントですね。

社労士

ただし、新様式でも届け出ることを妨げるものではないとされています。ここで、今回の新様式で変更になった点をお伝えしましょう。変更点は2点あり、1点目が押印・署名が廃止されたことで、2点目が36協定の協定当事者に関するチェックボックスが新設されたことです。

総務部長

この押印・署名の廃止は、行政手続きにおいて押印廃止が進められていることの一つですね。

社労士

はい。押印・署名が廃止されますが、記名をする必要はあります。一方、36協定の協定当事者に関するチェックボックスについては、労働者の過半数代表者が適切に選任されていない状況が一部でみられることから、適切な選任となっているかを確認するために設けられました。具体的には過半数代表者が、事業場のすべての労働者の過半数を代表する者であること(※)と、管理監督者ではなく使用者の意向に基づき選任された者ではないことについて、2つのチェックボックスが設けられています。
※過半数労働組合の場合には事業場のすべての労働者の過半数で組織する労働組合であること

総務部長

なるほど。

社労士

これら2点の変更があるものの、3月中に新様式を使って届出をする場合は、このチェックボックスにチェックをする必要はありませんが、押印・署名は原則必要となります。よって今回については旧様式を使い、2022年4月からの36協定届では新様式を使う方がよさそうですね。

【ワンポイントアドバイス】
1. 2021年4月より36協定届の様式が変更され、押印・署名が廃止となり、36協定の協定当事者に関するチェックボックスが新設された。
2. 2021年4月1日以降の期間を対象とした36協定届は、原則として届出日が2021年3月31日までは旧様式、2021年4月1日以降は新様式を使う。

(次号に続く)

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