介護事業所様向け情報(労務)9月号②

従業員の退職時に交付する退職証明書と解雇理由証明書の違い

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長先日退職した従業員から、国民健康保険に切り替えるために「退職証明書」を発行して欲しいという依頼がありました。この退職証明書とはどのようなものですか。

社労士 :退職証明書とは、従業員が退職するときに、①使用期間、②業務の種類、③その事業における地位、④賃金、⑤退職の事由を記載の上、会社が証明し従業員に交付するものです。

総務部長:これまでそのような証明書を渡したことはありませんが、常に発行が必要なのでしょうか。

社労士 :従業員が請求したときには、遅滞なく交付することが労働基準法で義務付けられています。今回のように、国民健康保険に加入する日を確認するための資料として求められることがあります。請求されたときに交付が必要なものであり、最初から退職者全員に交付する必要はありません。

総務部長安心しました。ちなみに証明書のひな型はありますか。

社労士 :任意の様式ですが、厚生労働省から「退職事由に係るモデル退職証明書」が出ていますので、参考にしてみてください。なお、会社が従業員を解雇したときに従業員から解雇の理由について証明書の請求があった場合は、解雇予告をした日から退職日までの間に、証明書を交付する必要があります。一般的にこれを「解雇理由証明書」と呼んでいます。

総務部長従業員は解雇理由証明書により、解雇理由を確認できるということですね。

社労士 :そうですね。証明書を発行するときは、退職証明書・解雇理由証明書のいずれも、従業員が請求しない(証明書に記載を希望しない)事項は記載しないことになっています。

総務部長なるほど、作成するときには注意します。

社労士 :退職証明書の活用事例として、転職活動のときに、求職先の会社で提出を求められることがあります。退職証明書の①使用期間、②業務の種類等から、これまでの実務経験を把握でき、⑤退職の事由では、前職をどのような理由で退職しているかを把握できますので、求職先の会社が提出を求めたりするのです。

総務部長確かに弊社では履歴書と職務経歴書を提出してもらうことで確認をしていますが、あくまでも求職者の自己申告ですので、退職証明書を提出してもらうことも一つとして考えることができますね。今後の採用活動の参考にします。

(次号に続く)

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