【保育】人材育成・ブログ・2018年11月

「理念の浸透が職員の行動の軸を生む」

例えば保育士さんに向けた研修で「皆さんの園の理念を書いてください」と言います。残念ながら多くの先生方は理念を¥書くことができません。慌てて園のホームページを検索するといった様子です。
理念が職員全員に共有され浸透することで、保育の軸が生まれます。年次やクラス、担任が変わっても、子どもたちが向かう成長の姿はぶれません。一方で理念が共有されていないと、保育や職員の関わり合いにも違いが生じます。職員による保育の質の違い、例えば子供たちを褒めるポイントの違い、言葉がけの違い、遊びの違い、カリキュラムの組み方の違いなどです。向かう先が共有化されていないのですから、当然の結果ではあるのですが。
 では、どのようにすれば理念の理解と共有化が図れるのでしょうか。

例えばA園の例です。

園長は、理念の大切さに気付いておられます。職員にしっかり浸透させるには毎日四つの理念の唱和から一日がスタートします。確かに職員は理念を覚えており、すらすら言うことも
できます。しかしながら、保育が理念に紐づいているとはいいがたく、保育の質はばらばら、保護者からのクレームは多く、職員の離職率も高い状態が続いていました。

そこで職員たちに、四つの理念について解説してもらうことにしました。どの
ような意味なのか、なぜそれが子供たちにとって必要なのか、どのようにしたらそれが身につくのか、日々の保育にどのようにつなげているのかなど、皆、どの質問のみ困惑し、自分の言葉で語ることはできませんでした。多くの組織において理念が浸透・共有・実現できない理由の一つに「自分のものになっていない」ことが考えられます。言葉としては覚えているものの、それがもつ意味や意図、具体化した状態、実現するための道筋などには触れられておらず、それについて職員間で話されることもないのです。
「自分で考え、自分の言葉で伝える」
職員たちに園の理念を浸透させ、共有するためには、「理念について話す、問う、考える」ことが必要です。
・理念が持つ意味
・なぜ、その理念が子供たちにとって大切なのか
・理念が実現したら子供たちどのような大人になるのか
・実現するためには、どのような活動や保育が必要か
・職員自身が成長すべきことは何か
変わらない答えがあるもの、答えが変わってゆくもの、新しい考えやこれからも答えを
探し続けていくものもあります。
「今は変化の時」これまでのやり方に固執するのではなく、未来に向けて新しい選択肢を自分の力で広げていくことが変化に対応する鍵です。そのためには、理念について問い続けること。自分で考えたことを自分の言葉で伝えることが出来てはじめて「浸透した」と
いえるのです。理念について多くの問いを職員たちに投げかけてください。正解を考えるのではなく、職員それぞれが考えたことについてチーム間で話し合い、より良い最善の解を共有していきましょう。

お電話でのお問い合わせ

03-6435-7075(平日9:00~18:00)

営業時間外のお問い合わせはこちらから

相談・ご依頼の流れはこちら